パドリングレポート

サブナビゲーションをスキップ


フィールドレポート

現在のレポート数は811件です。

最新記事
最近のコメント
カテゴリー
バックナンバー

Since Apr.01,2000


« 飛島紀行(後編)パドリングレポート:トップページ飛島紀行(前編) »

飛島紀行(中編)

May. 1998 アイランド・シーカヤッキング

飛島紀行(中編):イメージ1

島の東側、つまり本州の側は、その海岸線のほとんどが港となっている。漁船の動きに注意しつつ港を離れ、島の南端、そびえたつ舘岩を回り込んでいく。ここはウミネコの営巣地となっている。見上げれば、いたるところに白い点々がたまに大きくなったり、青い空に飛びあがったりしている。みんなウミネコである。そして厳しい冬の海を連想させる断崖。

百合岩を越えれば右手奥に島唯一の海水浴場。そして、その向こうに御積(おじゃこ)島と烏帽子群島が見える。海面はあいかわらずべったりの凪状態。
「よし、行ってみるか」
舳先を島へと向けた。海は藍色の度合いを増す。パドルを吸い取られそうだ。ブレードをしっかりと差し込み、体をひねるように漕いでいった。
ところが意外と拍子抜けするくらいに簡単に島にとりついた。ここもウミネコの一大コロニーとなっており、山は白い粉をふいたようになっている。見上げるこの島は、実は飛島本島よりも標高が高いのである。中心部には洞窟が開いており、これが島の信仰の中心になっているという。そのメインの洞窟の上にも小さな洞窟が開いており、そこは竜宮へ通ずるという話しがあると聞く。
ちょうどこの時期、この島の近くにある海底の洞窟に、出産のために大量のドチザメが集まる。それはハンパな数ではなく、折り重なるように洞窟を埋めてしまうというのだ。すばらしい透明度の海ではあったが、残念ながらカヤックからは見ることができなかった。
そして、ここはサンゴの北限であるという。黒潮の分流である対馬暖流が運んでくる、南の匂いの終着点なのであろう。秋になるとスズメダイの青くキュートな姿も見られるという。
ふと右を見ると、巨大な穴がど真ん中に開いた、異様な岩が目に入った。パドルを握る腕にグイと体重をかけて、一気にその岩の方に漕ぎ進んだ。

飛島紀行(中編):イメージ2

「すごい」思わず声が出た。
岩肌は賽の目状に削られている。中心部の穴は、差し渡し5mぐらいはあるだろうか。自然が創り出す造形に圧倒される。盲(めくら)島と地図には書かれてあった。その島を回り込むと、そこはいくつかの小さな島に囲まれ、湖のようになっていた。どの島もウミネコでいっぱいだ。しかしコロニーにつきもののイヤな匂いはしない。ニュージーランドのオットセイのコロニーなどは、かなり遠くからでもその臭いはわかるほどであったし、ペンギンのコロニーもすさまじいものと聞いたことがある。ウミネコのそれは、もともとにおいの無い物なのであろうか。それとも乾いた風が吹き飛ばしてくれるのだろうか。
しばらくゆっくりしたあとに、再び飛島に漕いでもどった。ずっと人工物が続いている東側と対照的に、西側にはほとんど人工のものは目に入らない。緑色の草原の中に。橙の斑点をまいたようなところに漕ぎ寄せた。ところが、そこはなぜかコンクリート製のポートであった。まさかカヤッカーのためにつくったというわけではないだろうが。艇を降りると、水際にはたくさんのアメフラシがいる。ナマコもいる。よく見てみると、ところどころに赤い粒粒の固まりが海草に張り付いている。アメフラシの卵だろうか。
海から橙色の斑点に見えたのは、イワユリの群落であった。
その真ん中にねっころがってみる。空は高く、風が顔の上を優しく渡っていく。
目を閉じる。
葉のすれる音と鳥の声が聞こえる。
波の音は聞こえない。
全ての事象が眠りへと誘っている。
ふと意識を失ったあと、寒さに目が覚める。日は傾きかけていた。
さて、先を急ごうか。カヤックに乗ると、またそろと海に漕ぎ出した。そうしてゆっくり漕いでも、だいたい4時間ほどで島を一周してしまった。

飛島紀行(中編):イメージ3

出発点でもあったスロープにあがると、おばあちゃんが水辺でなにかを洗っている。聞くとめかぶを洗っているという。島で何人かの人と話しをしたが、僕が話しかけても、どうも質問に対する答をもらえるだけで、会話が途切れてしまう。ところが、香奈ちゃんが話すと、会話としてどんどん話しが進んでいく。でもその内容は僕には聞き取れないものであったりするのだ。理由は明白。言葉なのだ。標準語は確かに意味は通じる。しかしリズムを創らない。ゆえに会話としての連続性と広がりは生じないのである。西の国でもそのようなことがあった(その時は真珠をもらい損ねた)けど、僕は好きなのである。こうした旅が。
この島ではキャンプはできない。というよりも是非民宿に泊るべきである。それはうまい海の幸。ほとんど全ての民宿が漁業と兼業しており、うまい魚が出ないわけはないのだ。晩飯はイカやソイの刺し身その他諸々。この当時養殖に力を入れているという一口アワビ。食い切れない覚えきれない質量攻撃で、いとも簡単に沈没したのであった。

(つづく… 取材日時:1998年5月)

-DATA-

鳥海山や山形の海川の情報はここで!
とがしスポーツ・バイパス店
山形県酒田市こがね町1-14-10
TEL(0234)24-5255、(0234)23-3605
FAX(0234)24-7995
サメと仲良くなるには
(有)マリンサービス山形
〒998-0052 山形県 酒田市 緑ヶ丘一丁目19-2
TEL FAX(0234)31-5155
ホームページ: http://www.ic-net.or.jp/home/hs-mari1/

コメント(0)

コメントはまだありません。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

コメント投稿フォーム

ページのトップに戻る