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April 20, 2005

山本司と花火

tukasa1.jpg
《忘れがたきあの日々よ》
詞・曲 山本 司


彼を初めて見たのは、多分3年ぐらい前の夏、宮沢賢治童話村で行われた賢治生誕祭だったと思う。

私は、今の観光担当をするようになって1年目か2年目ぐらいで、まだわけのわからない頃だ。(ま、今もわけわからないけれど)
東和町土沢駅前でフォークギターを弾きながら喫茶店を営む「ほうほう」のマスターのステージに突然彼は乱入した。

長身でロンゲ、ちょっと近寄りがたいイマドキな風貌。
たった一人ぼっちでギターを抱え、ステージの中央に座った彼が歌ったのは
Stand By Me(・・・だったと思う)

背筋に電気が走るよう・・・というのは、こーゆーことだろうか。
なんだかよくわからないけど、引きずり込まれるようなかんぢだった。

その後、知人に紹介してもらって、彼のミニコンサートや小さなパブでのライブに機会
があれば顔を出すようになった。

ビーナスやクラプトンなどカバー曲を、彼はすっかり自分のものにして歌ってしまう。
だけど、オリジナルはもっとすごい。
詩に曲に、そしてギターに声に全身全霊の魂がこもっているかんぢ。

曲が最高潮に達したとき・・・つまり彼の魂がギターと声帯に完全に乗り移ったときは、
私の魂はすっかりそれに引きずり込まれてってしまう。
彼のアドレナリンが放出されているのがわかり、そのときは私もアドレナリンが放出される。
ま、今風に言うなればトランス状態ってところかな?

音楽は人によって好みがあるんだろうけど、たまたま彼のが私のと一致しただけかも
しれない。

そして、いつの頃からか忘れたけど、私は密かに決めていた。

田瀬湖湖水まつり・水空中花火大会のステージに彼を呼ぶと。
いつも車の中で彼のCDを聴き、この曲のここのところで花火をあげるのだ!
と勝手に決めていた。
上司に相談もしていないけれど、もう私の頭の中ではそのシーンがまるで過去の
出来事みたいにはっきりと思い描けていたのだ。

昨年春、知人に誘われて行った花巻の小さなジャズ喫茶での彼のステージ。
それまで、ろくに話したこともないというのに、演奏が終わったとき私はダメモトで
突然彼に話しかけた。
「あ、あのー・・・私、田瀬湖っちゅうとこで花火大会やらなきゃならないんですけど、
そんとき来て歌ってもらえませんか?ギャラは少ないんですけど」


いつも飲みながら歌う彼は、グラスの中の氷をカラカラ回して飲みながら
へらへら笑って
「あーいーっすよーー。」と言い、私にピックとブルースハープのホルダーを放り投げ、
そのまま帰ってしまった。

その後、ろくに連絡も取れず半信半疑な約束のまま準備に入り、
「そんなギター一本で花火盛り上げられるのか?」と心配して敬遠しようとする上司を
「ええ、彼は絶対にダイジョブです」とか全然根拠のない説明で説き伏せ、
本人の確約も取れないままPR開始。

3週間ほど前、やっとつかまった司くん
「あーその日、仕事だったかもー」
さだ「・・・・・・・・・も、もう無理です!なんとかしてください!!!」
司「・・・ですよね」

そんなこんなであれほど思い描いていた曲と打ち上げのタイミングの打ち合わせを
したのは、なんと本番1時間前。

さだ「だからね、最後にこの曲をやってね、そんでこーゆーふうに歌うとこあるでしょ。
ここで花火あげたいの!!!」
司「ふーん。それ、どーやって合図すんの?」
さだ「え、えーとー・・・どーしよ」

そんなこと言われたって、打ち上げ指示なんか出すの2回目。
わかるはずない。

とにかく去年(一昨年)のような失敗だけはしたくない。
そのときは、ゴスペルライブのクライマックスから花火打ち上げという段取り。
肝心の打ち上げ直前、突然打ち上げ場所との無線が通じなくなってしまった。
ゴスペルチームが、なんとか歌を伸ばして伸ばして伸ばしてくれ、そのうちやっと
混雑のために混線していた携帯が通じてやっと打ち上げられた。
(ま、見てる人にはわからなかっただろうけど・・・)
そのときの花火は、結局最後までずっと携帯をつなぎっぱなしで打ち上げた。
あの月は恐ろしい携帯代金だったなぁぁぁ


そんなこんなで、今回は花火屋さん芳賀火工から超強力無線を借りたほかに
予備用無線2つに携帯電話。
ターミネーターみたいな格好で走り回ってたら、見に来てくれた友達に見つかって
笑われた。
でも、今笑われても冗談の一つも言えない・・・


一昨年のその失敗以来、私は近隣の花火大会を観察しまくった。

そして学んだ。そう、肝心なのは音楽、進行、そしてタイミングなのだ。
花火のタイミング、煙を逃すタイミング、MCのタイミング・・・

そんなわけで、今回はほぼ徹夜でディテールに凝ってシナリオを書いて音楽を
編集し、音響さん、司会者さん、そして花火師さんのために詳しいマニュアルを
こしらえて、みっちり説明済み。
とにかくこの3者は私のイメージを理解してくれているはず。
おまけに今回は、隣の係の係長まで引きづりだして記録ビデオ撮影まで
頼んである。(上司に「なんでそんな役が必要なんだ?」とつっこまれたけど・・)

本番は、どうせ、どんなに特等席にいようとまったく見た気がしないので、後で
たーーっぷり堪能&反省できるように!

とにかく・・・!今回は前回に比べて自分としてはかなり段取りよくやってツボは抑えた。
だから格段によい花火大会になる・・・はずなのだ!

あとは最初の打ち上げさえうまくいってくれれば・・・

司「じゃーさ、いくら走り回ってても、その曲始まったら絶対そこの場所にいてよ。
こーゆーふうに合図するから」
さだ「うん、わかった。・・・・・び、ビール飲む?」
司「おー!いーっすね!!」

・・・今、飲ませていいのだろうか。
不安材料を自ら増やすようだったけど、この人はちょっと飲ませてのどを
しめらせたほうが調子がよいのだ。

日が暮れる頃、予定通りステージが始まり、田瀬清流子供太鼓、東和三絃会の
演奏が滞りなく終わって、ついに彼の出番がやってきた。

カバー曲“You gotta freind”
彼の生まれた、岩手県安代町大字舘市と故郷の同級生のためにつくった
オリジナル曲「舘市の人」

歌い終わって、ぼそぼそつぶやくようなアドリブ
「えーとお待たせしました。
今日はですね、花火と僕の歌をコラボレーションさせてみちゃおうではないかと・・・」

そして・・・・・・
私が、これまで何度も何度も何度も何度も頭の中に思い描いていたシーンが始まった。

静かにやさしく、そして強く流れる
山本司の「翼をください」

この曲で、彼のアドレナリンが最高潮に達したとき、彼の背後から我らが芳賀火工
田瀬湖工場の花火が超カッコよく打ちあがる段取りだ。

後は、彼が歌に魂込めすぎて私への合図を忘れないこと、そして私がそれを
見逃さないこと、それだけにかかっている。
実際、走り回るどころか、ずいぶん前から私は石のように動けなかった。
汗ばむ手に無線を握り締めて・・・

多分その間ほかのスタッフがいっぱい代わりに走り回ってくれていたんだと思う。

彼が彼なりにアレンジして、すっかり自分のものにしてしまった「翼をください」
私はそらでも歌える。もう原曲がどんなだったかわからないぐらいだ。

そして待ちに待ったクライマックスがやってきた・・・

IMGP1942.JPG

「今だ!!!」と私が思った瞬間、ホントーに同じ瞬間に彼はささやかな合図をし、
私はもうしばらく前から強くにぎりしめて口元に寄せていた無線に向かって、
たった一言ささやかに、だけどハッキリつぶやいた。
「あげて!」

そして田瀬湖の対岸にいる芳賀さんは、私の無線に応える隙もなく、
これ以上ないタイミングで花火の発射ボタンを押したのだ。

その後しばらく・・・といっても、数秒だったと今となっては思うんだけど
頭が真っ白で全然記憶にない。
気づいたら、司くんがアドレナリン大放出状態でギターをかき鳴らし
「たーまやーーーーたーまーーやーーーー」とシャウトしていた。

多分うまくいったのだ。
その後も、ほぼ私の描いたシナリオどーりにいったみたいだけど、それでもやっぱり
花火をちゃんと見た記憶があまりない。

後日見た人数人から「今年の花火、すんごくよかったよー」と言われて
「へーそーなんだー」と他人事のように感じた。

幸いビデオでほとんどの場面の復習ができたので、その後相変わらずほかの
花火大会を見まくったとき、冷静に比較することができた。
自慢ではないが、少なくとも岩手県内・・・いや
北東北3県ぐらいでは田瀬湖の花火大会が一番よい。
これは自分がやったからとかではない。(大体記憶にほとんどないんだから)
客観的に見て自信をもっていえる。

唯一の心残りは、肝心のあの打ち上げの瞬間が、撮影されてなかったことだ。
撮影担当は、その瞬間の直前どうしても放出したくなってしまったようなのだ。

それはホーーントに残念なことだけど、「ここを必ず撮って」と指示を出さなかった私の
責任でもあるし、一番いいところは記憶の中だけにとどめておくというのも、
また良しだろう。(もちろん空白の記憶もあるけど)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日は、そんな山本司くんの「もりげきライブ」だった。
飲み屋さんとかの隅っこじゃなく、ちゃんとステージがあって客席がある場所でのライブは
彼が東京から岩手に戻ってきて以来、初めてのことなんだそうだ。

「今度のはまじすごい!アドレナリンでまくりだから、絶対来てくださいよー」
と彼は電話の向こうから相変わらずのアドレナリンボイスで言っていた。

そして始まったライブ。
ソロあり、ベース、エレキ、ドラム、ピアノのバンドもあり。

IMGP1927.JPG
 
tsukasa2.jpg


ヤツめ、また一段とうまくなりやがった。
相変わらず聴衆の魂をひきずりこんでしまう。


tsukasa3.jpg

正直言ってサイコーだった。

IMGP1957.JPG

久々にアドレナリン大放出した後、会場を出ると彼がいた。
一緒に行ったはなさんが買ったCDにサインがほしいというので、
頼みに行くと
「あー2次会●●だから先いってて」

・・・は?私たち部外者ですけど?

まいっか。
ええ、もちろん行きましたとも。
わはは。相変わらずずうずうしい。

 

あー・・・それにしても、今年の花火どーしよ。
いろいろ探しているけど、こんなの見ちゃったら、やっぱ司くん以上のステージができる
人なんて、なかなか見つけられないだろうな・・・

 
なぁんて思いをめぐらせながら、皆様方と交流を深め、田舎モンは一足お先に失礼
しようと司氏に挨拶にいくと

司くんが「今年の花火いつなの?」と聞いた。
さだ「7月30日になると思うけど」
司「またやりたい。今度はこのバンドでやろう」

・・・あ、あのーーーーお言葉ではございますが、そんなギャラないんですけど。

司「あーそんなのいいから。あの人とあの人(今日のバンドメンバー)んとこ行って
話つけといて」

はあ・・・言われるがまま名刺なんぞ渡してきちゃったりして。
バンドメンバーの皆様も気持ちよいステージを終えてゴキゲンなところにアルコールも入り
「おお、花火ですか?いいですねー。行きますよー」

ま、ま、ま、ま、まじで?
やっちゃうの??この人たち、どのくらい信じてよいわけ??
ゆっとくけど、2年続けて同じ人なんて出たことないんだぞ。


・・・・とは言いながら、早くも私の頭の中では、あのとてつもなく長い一瞬の映像の
組み立て作業が始まってしまった今宵であった。

tsukasa5.jpg
今年も花火ライブやっちゃう?

あーーーー明日も寝不足だーーー


投稿者 sada : April 20, 2005 11:39 PM
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コメント

さだちゃん。ゆうべは ありがと。(^_-)-☆
すごい夜になっちゃたなっ (*´pq`)
わたし自身も、結構 自由奔放だと自覚しているけれど、
あなたには、負ける。(笑) 
おそれいりました o(〃'▽'〃)o ♪
帰宅したのが・・・あの時間。でっ (o・。・o)
これだけの記事を、しかも あれだけ撮った写真を
抜粋、加工までして ・・・ ?
ねぇ? 睡眠時間あったか??(笑)
司さんも すごかったけど、あなたも すごい(笑)
楽しかった。ありがとう。
花火といい、出会いといい 夢は叶えるものだね。
今日も また おもしろく生きれそうだ。(=^・^=)ニッ
それじゃ、またっ  (*^^)/。

Posted by: はな : April 21, 2005 08:44 AM

40数年生きてきて、色々な友人達に出会い、自分の人生の行先に変化が生じる様を見届ける度に、感動や衝撃に戸惑いを感じる今日この頃。
昨夜の山本司が、まさにそれでしたね。ピアノ、ベース、ドラム、エレキギター、パーカッション。一匹狼だった司が、群のボスとなった瞬間。鳥肌が立ちました。
数年前まで、まるで何かに怒りをぶつけるような、挑戦的で荒々しい歌い方。
三児の父となった、昨夜の司の歌には、大人の魅力と、絞り出す魂が込められ、聴く者の心を捕えて離さなかったですね。

今年の花火に、昨夜のユニットで出演出来るなら、かなりハッピーなステージになるでしょうね。
さだっちの企画力に大いに期待してます。
東和町最後の花火、盛大にどーんと行きましょう(^O^)

Posted by: B.B : April 21, 2005 08:50 AM

さだっちさん・・・荒谷正勝です。
夕べの司も・・正に!さだっちさんがコメントしたとおり!でしたね・・・・
受付等で全部見れなかったけど・・・相変わらずの、司ワールド炸裂でした。
夕べは、更に!!!その道では一流な面々。。牧子さん(ピアノ)・志田君(ベース)・鎌田さん(パーカッション・・)等がサポートし・・音的にも・・バージョンアップしてました。。

ギターと彼の体が一体化し全身楽器状。。。声は言霊になり・・観客にぶつかってくる。
慣れない人は・・一瞬とまどうけど、すぐに彼の世界に引き込まれる。。。。
何度聞いても。。。。「はまってしまう!」実に素晴らしい・・見事なライブでした。。。

今度は僕らだ!・・・彼の音楽がフルカラーなら・・
僕らの奏でる世界は・・・少しセピアなモノクローム!

自分自身の音楽生活30年間を振り返りながら・・
ごくありふれた普段着の日常を奏でます!
是非とも御来場を!!・・お待ちしております。

Posted by: 荒谷正勝社中 : April 21, 2005 09:42 AM

はなさん>ホントお疲れ様でした。
睡眠時間は・・・3時間ぐらいだったかな?
・・・でも、感動はその日のうちにが鉄則かなと。彼があれだけのエネルギーを費やした分、私も費やさねばならないと思いましてね。
おかげさまで超寝不足な日々でした。

BBさん>初コメント&足りない部分を上手に表現してくださってありがとうございます。
ホントにできるかしら?ライブ・・・疑問

荒谷さん>受付お疲れサマでした。
さっそく宣伝していたとは・・・!
来月のほのぼのライブも楽しみにしてますよーー

Posted by: さだ : April 23, 2005 11:33 PM

そっかー、すごい頑張ったんだね。
それにしても司さんとの打ち合わせ、1時間前だったとは・・(笑)

なんだか私もあのときの喧噪を思い出しましたですよ。

それにしても熱いブログだねd(^-^)ネ!

Posted by: fumiko : April 29, 2005 11:18 AM

私、数年前ayano’sで山本司さんを観てからファンになった者で、ヨッパーといいます。
司さんのライブを見るたび、魂の叫びと、鳥肌が立つ感動に浸ります。
最近ライブを観る機会がないため、感動の貯金箱が空になっています。
もりげきライブは東京主張で観れずじまい・・・誰か山本司さんのライブ情報を提供してください。お願いします。

Posted by: ヨッパー : May 15, 2005 10:36 PM

ヨッパーさん、はじめまして。
司くんは、ホント鳥肌もんですよね。

ここにコメントくださったBBさん情報では
近々花巻のどこぞでライブやるとか・・・
詳しくわかったらお知らせしますね。
盛岡だとクラブ・チェンジとかで時々やってるんではないでしょうか。

田瀬湖の花火にも来る・・・かも?です。

Posted by: さだ : May 17, 2005 02:12 AM

さだちゃん!煙が出てるよ、「司」色の!
燃えすぎ!!!
「山本 司」の魅力が解る人が、
どんどん増殖中ってとこ?
いい傾向。
これからが楽しみだね!
  おじゃしました。

Posted by: うわさのジョニー : May 21, 2005 02:35 PM

うわさのジョニーさん>はじめまして??

ん?誰だ誰だ?・・・ごめんなさい。
わかりまへん。
打ち上げのときご一緒した方でしょうか?

燃えすぎっすか?えー花火ですから。。。笑
でも、この文ちとカッコつけすぎて、後から読むと自分でもはずかしーです。わはは

しっかし、この司くんの章は根強くコメントがつくな~・・・
それだけファンが密かに増殖してるってことですかね~??

Posted by: さだ : May 21, 2005 10:05 PM

はじめておじゃまします。
告知で失礼します。
12月の16日盛岡市菜園のアヤノズバーで山本司のライブあります。
よろしければ皆様お誘い合わせの上ご来場下さい。

Posted by: アヤノズバー : December 6, 2005 04:04 PM

アヤノズバーさん>はじめまして。
わざわざこんなマイナーなブログに書き込んでくださってありがとです!

16日19:30オープンの20:00スタートですよね?
恐れ多くも司氏から直々に連絡もらってましたが、ただいまちと調整中です!

アドレナリン不足の皆さん、お時間ありましたら、16日はぜひアヤノズバーへ!
前売り1500円、当日1800円とお買い得!
寒い師走の夜、山本司のファンキーナイトで
盛り上がりましょーー!!

Posted by: さだ : December 13, 2005 10:12 PM
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