February 14, 2005
最初から今まで1
本日は、横浜生まれのワタクシが、なんでこの自然豊かな・・・というか、それしか取り得のない岩手県東和町に住むことになったかというお話。
ちょっと長くなるかもだけど、読んでねー。
ワタクシが生まれたのは、神奈川県横浜市・・・というとカッコいいのだけど、実は下町(・・・公害の町?)鶴見区でございます。
今では信じられないことですが、渋谷の大学に通い、表参道でお茶したり、横浜そごうでバイトしたり、みなとみらいでデートしたりと普通のシティ・ギャルなんぞやってたんですのよ。おほほほほ
ワタクシの通った大学というのは、どちらかというとお嬢様大学。
うちの家庭は貧乏ではなかったとは思いますが、キャンパスでお会いする皆様は、なんだかとってもセレブな階級に見えました。
グッチやヴィトンのバッグやアクセサリー、車はBMW、そして休みはヨーロッパ旅行なんてのが、当たり前。
バンカラ&自由、個性重視の県立横浜酔乱・・・もとい翠嵐高校あがりからすると、見事なカルチャーショック&カウンターパンチだったわけです。
「ブランド品なんて興味ないもーん!」
「国産車が好きだもーん!」と強がってはみるものの、いくらがんばってもヨーロッパなどに行けるお金はたまりません。心の中で悔しい涎を垂れ流す日々・・・。
そんなあるとき、高校時代の悪友ヤザマンジュウと「北海道ぐらい行きたいよね」という話が浮上しました。
国内旅行だって北海道といえばけっこう割高です。そこで、ビンボーな私たちは考えました。とりあえず北海道に行って、向こうで1ヶ月ほどアルバイトし、そのお金で道内を回って帰ってくればいいのではないかと・・・。
なんてよいアイデア!じゃ、バイトはどうしようか?
・・・北海道といえば、牧場だよね!
今思えばなんと安易な発想なんでしょうか。
こうして農業の「の」の字も知らない都会育ちの無鉄砲な女子大生2名は、ある夏休み北海道長沼町の「牧野農場」へ意気揚々と乗り込んでいってしまったのです。この牧場生活が、私たち二人のその後の人生を変える事件になるなんて思いもせず・・・。
皆様すでにご想像のとおり、牧場での仕事は、予想を上回りすぎる生活でした。
まず朝5時に起床し、朝ごはんより前に牛舎に行きます。
ほかのスタッフが搾乳する間、私たちのお仕事は餌やりと掃除。
牛にもけっこう個性があって、おとなしいのは問題ないのだけど、お腹をすかせた暴れん坊は、突然スタンチョン(首輪みたいなの)ごしに顔を思いっきりふるので、その勢いで重たい餌をもりもり積んで、やっとの思いで運んできた台車をまるごとひっくり返される・・・な~んてこともしばしば。 それも、よりにもよって水で溶かしてつくるビチャビチャのビートパルプだったりして。
子牛のほうは集団で一室に入っているので、ミルクを持っていこうものなら、押し合いへし合いの大騒ぎ。
こ、こらー!お前はもう飲んだべやー!なぜ日本語がわからんのじゃ。
もっとも悲惨なのは母牛の糞かき。(汚い話でゴメン)
自分のスペースに落とされた代物を彼らのすぐ後ろに掘ってある溝(バンクリーナー)にトンボのような道具で落としていくのですが、油断していると作業中にスーパー回し蹴りが入ったり、新たな産物が上から落ちてくるなんてことがざらにあるんです。
すべて搾乳が終わると、母牛たちを放牧します。
これがまた、言うこと聞く奴と聞かない奴がいて、悪戦苦闘。
引っぱたいたり、狂ったように奇声を発したり、ひどいときは電気ムチの刑に課したりして、なんとか全員放牧地に連れて行って、ようやっとひと段落。
我々人間も朝ごはんにありつけます。・・・これがホントの朝飯前?

苦労して約50頭ほどを誘導・・・・
そうはいっても北海道!人もウシもやっぱり気持ちいいのだ!
朝食後、改めて牛舎を掃除し、ワラを運び入れ、一人一人の新しい寝床をつくってあげて、大体午前中のお仕事はオワリです。
午後は放牧地に彼らを集めに行き、牛舎まで追ってきて、それぞれ元の場所におさめた後、朝と同じ作業が繰り返されます。
今思うと、ホントによくやったよ・・・と思わざるを得ません。
連日連夜エンドレスに続く厳しい肉体労働。なぜ1ヶ月間、この厳しいアルバイトに耐えられたか
・・・そう、それって期限があったからなんですよね。
子牛の出産という感動のシーンに立ち会えたり、「星が出てるよ~!」との声に胸をときめかせて牛舎から走り出てみたら、出ていたのは「ホシ」じゃなくて「ウシ」だった(脱走していた)・・・なぁんて、おもしろおかしいエピソードもたくさんあった反面、「あと何日・・・」と数えながら働いたのも、また事実。
1ヶ月とはいえ、「訪れる」ことと「住む」ことは違う・・・ということを痛感したのです。

生まれたばかりの子牛に初乳をあげる。
・・・・ウシからウシが出てきたーーーー(当たり前か)
お産に時間がかかった分、感動もひとしお。
あまりに見苦しいので、さだは顔ボカシの刑
そして、そんな牧場生活は、私たちの今までの日常倫理を完全に覆してしまいました。
大体、それまでの生活といえば、スーパーで売られている1ℓパックの牛乳が、本当に生きている牛の乳房から搾られているなんて想像すらしたことなかったんですから。
牛乳が飲みたかったら、母がいつのまにか買ってきて冷蔵庫にいつもある牛乳パックを好きなときに取り出してコップに注いで飲めばよかった。牛乳とは、ただそれだけの・・・つまり「冷蔵庫にあるパックの状態」が当たり前の存在だったのです。
考えてみると、牛乳だけではありません。
スーパーでキレイに並べられている、半分にカットされてラップに包まれたキャベツ、食べやすいようにスライスされた美しい豚肉などなど、、、、。
ありとあらゆる農産物たちが、一体どんな人によって、どんなところで、どんな苦労を経てどのように生産されているかなんて、ホーントにまっっっったく考えたこともなかったんです。お前はアホかってなぐらいに・・・
そんな超都会育ちのワタクシが、必ずしもキレイゴトだけじゃ済まされない「生産する過程の現場」にいきなり放り込まれ、、、というか自ら突入してしまったわけですが、
「今までの自分はなんて視野の狭い愚かな人間だったのだろう」と、つくづく・・・つくづーーーーく思ってしまったのです。
「知らなかったです。ゴメンナサイ」・・・・じゃ済まされない世界を感じてしまったってなかんぢでしょうか。
そんなこんなで、無事アルバイトと道内旅行を終え、念願の「稚内―鶴見」という超長距離切符を手に実家に戻ったワタクシは一念発起。
ヨーロッパ旅行?
日本にも、たくさん未知の世界があるではないか。
ブランド品お買い物旅行・・・それより大事なものがあるんでないのかい?
そーだ。ワテは日本を全部見てから海外に出てやる!!
こうして、残り少ない学生生活、さだっちょんの「日本全都道府県に足を踏み入れてやるぞプロジェクト」が開始されたのでした。
長くなったので、つづく・・・。
あれ?全然岩手にたどりついてない・・・ま、いっか。
こんな話されても、コメントしよーがないぞーーーと思ったら
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Excerpt:
From: phentermine
Date: 2006.03.05
長期連載になりそうな感じだね。
話自体は、この手のIターン、Jターンする人は皆口にすることだけど、さだっちょんが書くとまた新鮮で面白いわ。
続き楽しみにしてます。
って、実は僕の今日の「リレーエッセイ」が、まさにこれとかぶるネタで、しかもその続きをさだっちょんに振ってるので、タイムリーすぎるというか、タイミング悪すぎるというか(笑)
ま、がんばって続き書いてください。
これの続きも、リレーの続きも(笑)
はじめまして。にしやん、といいます。アユりんごさんのほうから来ました。むかし花巻市に住んでたことがあり、おお、なつかしい岩手山!と思って読み出すと、これまた「北海道といえば牧場!」という、まったく同じ理由でやっていた牧場の体験記があり・・・しかも、体当たりぶちかまし感のある文でおもしろーい!時々読みに来ます。
「小さな畑より」という家庭菜園記ブログをやっております。最近は山スキーの記録も載せてます。よかったら見に来てください。



