June 30, 2005
ツーリズム・ガイドと、エクスペディション・ガイド。
■【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
晴れ。南西風次第に落ち着く。(高)14度、(低)2度。
[海洋気象] (エイベル)
【暴風警報】南西35ノット、昼前に20ノットに落ちる。非常に荒い海況次第に落ち着く。午前中のにわか雨中視界不良、次第に晴れる。
向こう三日間:金曜夕方変風5~15ノット、土曜早くに北10~20ノット、日曜北東25~35ノット海況荒い。
[潮汐表] (ネルソン)
High 03:55 AM 3.6 m Low 10:10 AM 1.1 m
High 04:35 PM 3.4 m Low 10:47 PM 1.3 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■昨夜は遅くになって雨が降り始め、風も強くなった。今朝はすでに暴風は止んでいて、風も上空で15kn程度。快晴。
しばらく不安定な天候になりそうだが、実はごうちゃんたちが遊びに来たのにあわせて(かこつけて?)二週間ほど休みをとっているので、いくら荒れてくれても知ったこっちゃない。でも、今日は良い天気だ。散歩にでも行くか。
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■『ガイドのつぶやき』の番外編。
5月28日のエントリのコメント欄が、面白いことになってきた。例によってコメント欄に埋もれさせておくにはもったいない流れになってきたので、本編に引越しさせることにした。
別ウィンドウが開くようにしたので、まずこちらをクリックして読んでみてください。
◎「118」と「ch16」
ご覧の通り、waka moana氏と僕の話のメイントピックは、名ガイドの誉れ高き新谷暁生氏だ。
■コメント欄でwaka moana氏がおっしゃる通り、おそらく日本シーカヤック界で新谷氏のことを論ずるのは、タブーなのだろう。理由は、やはりwaka moana氏のご指摘通り、彼が「伝説の先輩」だからなのだと思う。
これは、新谷氏に限った話ではなく、僕がパドルの向くまま、気の向くまま「プロガイド論」を執筆するまでは、十年選手、エクスペディション成功者などの「伝説の先輩」と目される人たちが、議論の的となることはほとんどなかったように思う。
その中でも特に新谷氏に関しては、いまだに批判の声を耳にすることがない。「極めつけのタブー」、「伝説の先輩の中でも、とびっきりの伝説」なのか。
確かに、キャリア・技巧・エクスペディション実績といった部分で序列が決まってしまう「コミュニティ」の中では、新谷氏に対する批判が表に出てこないのは、当然といえば当然だ。
加えて、彼のお人柄は素晴らしいと聞いている。ならばなおさら彼をあえて批判するようなバカはいない、というものだ。
だから「タブー」以前に、きっと「裏」をのぞいてみても、議論や批判そのものが存在しないのだろう。
■そういう意味で、「コミュニティの外」からこうした「新谷暁生論」が出てくるのは大変に面白いことだし、waka moana氏同様に「外部」の人間である僕としては、それを正面から受け止める義務があると思う。
なんせ、僕の「プロガイド論」は、そもそもこうした「キャリア・技巧・エクスペディション実績によって序列が決まる世界」を「アマチュア・カヤッカーの世界」と断じ、プロガイドとはそうしたヒエラルキーとはまったく一線を画するまったく別の存在であり、アマチュアがステップアップした結果プロになるわけではない、と説いたところから始まったのだから。
とはいえ、これは実際には「新谷暁生論」というよりは、彼を例にとった「もう一つのプロガイド論」。
今後の日本のツーリズム業界、特にアドヴェンチャー・ツーリズムやエコツーリズムといった、アウトドア系ツーリズムを考える際に、しっかりと認識しておかなくてはならない「もう一つのアウトドアガイド」のことを考えるのに、新谷氏は極めて興味深い象徴的存在なのである。
というわけで、新谷暁生氏ご自身を「批判」する意図は、まったくない。象徴的存在として、僕なりに「分析」させていただくだけ。そのことは、まず最初にお断りしておく。
ま、ともかく、久々の長文をどうぞ。
■新谷氏の話をする前に、まずその前提となる一般論から始める。
僕はwaka moana氏の「コミュニティ&先輩」という見方、及びその延長にある
こういった人間関係のあり方は、ツーリズム産業とはあまり相性がよろしくないと思います
というご意見に、大賛成だ。
上記の通り、僕はこれを過去に「アマチュアカヤッカーのヒエラルキー」と論じたことがあるが、「クラブ体質」というwaka moana氏の分析もそれに類するものだと思う。
一般消費者はwaka moanaさんの分析通り、「先輩」も「修練」も「コミュニティ」も求めず、その代わりに「その場限りの対等な取引」を望んでいるだろう。そしてそうした「フェアなビジネス」を望むメンタリティは、今後ますます強くなってくると思う。
特に世界的なエコツーリズムの流れまで考えに入れると、今後は海外からの顧客層も無視できないが、外国人観光客には「コミュニティの先輩」などという日本特有の価値観がまるで通用しないことは、言うまでもない。
少々余談気味だが、日本のアウトフィッターが良く口にする言葉に、「ウチの客」というものがある。これは僕がもっとも忌み嫌うセリフの一つだ。お客様は、誰のものでもない。これほど人をバカにした失礼なセリフも珍しい。
この忌まわしい言葉が、日本のほとんどのアウトフィッターの口から発せられるという嘆かわしい事態の背景は、waka moana氏の「コミュニティ」という考え方で簡単に理解できる。「アウトフィッター=クラブ」、「常連客=クラブ員=ウチの客」という発想だ。だから「ウチの客」が他所に移ると、感情的トラブルに発展する。
なんのこっちゃ……。それって「オレの女を取った!」っていうのと、まったく同次元のメンタリティだぞ……。
これは言うまでもなく、今後の消費者が求めている方向性ではない。
ま、それはともかく。
■その一方で「先輩」を求め、「コミュニティ」の一員となりたがるマーケット層があることも事実だ。特に日本人に限れば、本格的に「はまって」いく人の場合は、そういう方向性をむしろ強く求める傾向さえあるようだ。
言いかえれば、アウトフィッターに「ウチの客」と認められて喜ぶ人が、少なからずいるわけだ。今までのマーケットは、そういう人たちを中心に構成されていた、と表現してもいいかもしれない。よって、今まではこの仕組みが機能していたわけである。
しかし、今後のことも視野に入れて大きな視点で考えれば、やはりそれはあくまでもニッチマーケットに過ぎない。だからこそ、今この業界が伸び悩んでいるのではないか。
アウトドア雑誌の定番企画「やってみたいアクティヴィティは?」の類のアンケートで、カヌー・カヤックはだいたいトップ常連だ。にもかかわらず、一向に定着する気配がないのは、一般消費者の求めているものと業界が提供しているものに、大きな差があるからに他ならないと思う。
つまり、過去にも何度も論じてきた僕なりの「プロガイド」の基準に照らし合わせれば、「コミュニティの先輩」的なガイドのあり方は、アマチュア・クラブ・リーダー的であり、よってプロとしては「邪道」ということになる。
ここまでが前提となる一般論だ。過去、僕の発言を読んできてくださってる方にとっては、特に目新しい点はないかもしれない。
が、こっからまったく新しいこと書くので、ここらでコーヒーでも淹れてきて腰をすえてください。
■さて、ここで新谷氏に話を戻す。
冒頭に書いた通り、彼が「コミュニティの先輩」的なガイドの頂点に位置する方の一人だというのは、間違いのないところだろう。よって、前段の話の流れからすれば、新谷氏も「邪道」ということになるはずだ。
しかし。
ここまでの論旨と矛盾して聞こえるのは承知の上だが、僕は新谷氏の存在は排除すべきどころか、「非常に貴重」だと感じている。以下、その点を論じる。
■過去にはあえてこの点を明確に論じたことがなかったのだが、僕は「アウトドア・ガイド」には二種類あると考えている。
過去何度も論じてきたのでもうあまりしつこくは繰り返さないが、一つ目のガイドは、ツーリズムというサーヴィス産業の中で、顧客に上質な商品を提供する役割のことだ。フィールドの違いこそあれ、基本的な立場はバスガイドや旅行添乗員と同じである。こういうガイドは「コミュニティの先輩」であってはならない。
今日のエントリの中では、このタイプのガイドを、「ツーリズム・ガイド」と呼ぶことにする。過去に単に「ガイド」と呼んできたのは、こちらのタイプのこと。
いうまでもなく、僕は完全にこのタイプだ(よって僕に対する批判は、ご遠慮なくどうぞ。僕は貴方の「先輩」ではない)。
一方、そういう枠にはまらないガイドも、ごく少数ながらアウトドアの世界に存在する(つまり添乗員やバスガイドの世界には存在しない)。
例えばこのブログにも、昨年6月1日や今年1月27日のエントリで、南極基地で科学者の野外調査活動をサポートするアウトドアガイドがいることを書いた。あるいは過去の数々の探検や冒険にも、「先導者」としてのガイドがいた。
こうしたガイドは、いうまでもなく「ツーリズム」の枠には収まらない。この手のガイドの責任範囲は、あくまでも「安全確保」だけで、「サーヴィス」は二の次だからだ。
つまり「グループ・リーダー」と限りなく同義なのだが、あえて一つ違いを挙げれば、ガイドは「外部から金で雇われた人間」である、という点になるだろうか。自発的に集まったメンバーの中から選出された「ヴォランティアのグループ・リーダー」とは、この点で区別できるかと思う。だから、エクスペディション・グループには「リーダー」と「ガイド」が共存している場合も、当然ある。こういう場合はグループマネージメントはリーダーの役目、ルートファインディングと危機管理はガイドの役目、という形で役割分担されることになるだろうか。
ま、こうした細かい点はさておき、ここではこうしたガイドを「エクスペディション・ガイド」と名づけておく。
もちろん新谷氏は、まさしくエクスペディション・ガイドに他ならない。
以上が「二つのガイド」の定義だ。
世間一般にイメージされるガイド像は、そのニュース性ゆえに「エクスペディション・ガイド」の方だろう。
しかし僕自身は、今までガイドを論ずる場合に、「ツーリズム・ガイド」の方だけをとりあげ、「エクスペディション・ガイド」の存在をあえて無視していた。なぜならその話題性の大きさとは反対に、数の上でも需要の上でも後者が無視できるほどに微々たるものだからだ。またエクスペディションそのものが、今後産業として発展していく可能性も、極めて小さいと思う(「エクスペディション風の商業ツアー」は、逆に発展の可能性があるが)。また、そもそも「別業種」ゆえに、門外漢である僕が語る資格はない、という気持ちもある。だから、普段は僕は「エクスペディション・ガイド」については語らない。
しかし今日はとりあげる。
あ、そうそう、ここではっきりと断言しておきたいのだが、「ツーリズム・ガイド」と「エクスペディション・ガイド」の間に、「職業的な優劣」はない。あるのは、あくまでも守備範囲の「違い」だけである。
とはいえ、その差は小さくない。ハッキリ言えば、まったく違う仕事だ。サーヴィス業たるツーリズムに属する前者と、それに属しない後者には、むしろ共通点が少ないといった方が良いくらいだ。
具体的に言えば、前者の責務は「安全確保」と「カスタマーケア」の両方で、表面的には「カスタマーケア」の占める割合が大きい。一方の後者は「安全確保」だけが責務だ。
以前から「インストラクター」と「ガイド」は、まったく異なる業種であることを主張しているが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に「ツーリズム・ガイド」と「エクスペディション・ガイド」はまったく方向性の違う仕事だ。
■さて、ここでようやく、新谷氏のことに話が戻る。
こうした視点で彼のことを見直してみると、彼がいかに優れた「エクスペディション・ガイド」であるかが良く分かる。彼は世界的に見ても、間違いなく超一級のエクスペディション・ガイドだ。
僕には逆立ちしても真似の出来ないジャンルの超一流ガイドとして、素直に尊敬する。僕だってもしホーン岬を漕ぐなら、絶対に新谷氏にガイドを依頼する。
つまり、彼がいつも本当に「真のエクスペディション」ばかりをやっていらっしゃるのなら、難しい問題は何も起こらない。
ここからがややこしいのだが、彼が普段知床でやっていらっしゃることは、あくまでも「商業ツアー」、つまり「ツーリズム・ガイディング」なのだ。いくら「エクスペディションっぽいテイスト」を売りにしてみても、一般マーケットを対象に「商業ツアー」として売り出している以上、どう言いつくろってみたところで「サーヴィス業たるツーリズム」であることからは逃れようもない。ならば「ツーリズム・ガイド」として仕事に臨むしかない。
ところが彼自身は、それをあくまでも「エクスペディション・ガイディング」と捉えていらっしゃる節がみうけられる。
これがややこしい点だ。
waka moana氏が言及された、新谷氏の文章の中に散見される「論理的矛盾(認識論・存在論上の錯誤)」は、結局ここのところに起因しているのではないうかと思う。
■もちろん、「商業ツアー(=ツーリズム・ガイドの仕事)」の場合も、「修行」などを前面に打ち出した商品開発&宣伝をすること自体は、「可」だ。
「誰にでも出来ますよ、簡単ですよ」という常識的な手法があるならば、逆に「キツイぞ、冒険だぞ、覚悟して来いよ」というニッチ狙いの手法だって、当然「あり」だ。
どちらを選ぶかは、その業者の自由。前者を選べばマーケットが大きい代わりに、ひ弱で依存度の大きなお客様のケアのために、日々の現場業務は増える。逆に後者はマーケットが小さい代わりに、お客様の自立度が高くなるので現場業務は楽になる。
別の言い方をすれば、「客に選ばせるマーケティング」と、「客を選ぶマーケティング」の違いだ。
その辺のさじ加減が、そのアウトフィッターの個性・スタイルとなる。
しかしその「キツイ冒険ツアー」だって、一般消費者向けに売っている商品である以上は、否応なくサーヴィス業の枠内におさまってしまう。上にも書いたとおり、あくまでも「エクスペディションっぽいテイスト」を強く打ち出した「商業ツアー」なのである。いくら「キツイぞ、覚悟しろ」と宣言したところで「サーヴィス業の呪縛」から逃れられるわけではない。
言葉を変えれば「キツイぞ、覚悟しろ」というのは、顧客を絞り込むための「宣伝文句」であり、決してサーヴィスを放棄するための「免責宣言」であってはならない。
ところが「本物のエクスペディション・ガイド」は、元々サーヴィス業の世界の住人ではない。ここが難しいとこだ。
■新谷暁生氏という「エクスペディション・ガイド」の存在は、この上なく貴重である。世界の宝といってもいいだろう。彼に対する数々の賞賛も当然である。
それゆえに、彼が「ツーリズム・ガイド」としても大きな「商品価値」を持ってしまう、という現象が起こる。つまり『トップ・エクスペディション・ガイド 新谷暁生』というブランドのもとに顧客が集まるわけだ。
そしてそういう顧客層に対しては、「ブランドの威力」と「素晴らしいお人柄」という二つの強力な武器が威力を発揮し、「ツーリズム・ガイド」としての仕事がきちんと成立してしまうのである。
僕自身は彼の仕事ぶりを拝見したことはないものの、僕が持つ情報を総合して考えるとこういうことになる。そして、おそらく非常に事実に近いのではないかとも思っている。
■これは「邪道」か?
答えは「NO」だ。邪道ではない。
結果が出ているなら、こういう手法でも構わない。だから「新谷暁生は、優れたツーリズム・ガイドでもある」といって構わないと思う。
しかし、他人が真似できるものではない。
以前書いた通り、ツーリズム・ガイドの仕事は「教科書通りやったから合格」というものではなく、最終的にお客様を満足させれば良いのである。プロの世界は、結果オーライ、結果がすべてである。正攻法で玉砕してほめてもらえるのはアマチュアの世界だ。プロは必ず成功しなくてはならない。奇策でも一向にかまわない。
つまり「ツーリズム・ガイディングの定石」を無視して、「エクスペディション・ガイディングの手法」で「ツーリズム・ガイド」をやったって、ちゃんとした結果さえ出せるならば、一向に差し支えはないというわけだ。
例えば教科書的にいえば、「ツーリズム・ガイド」がお客様に失礼な口をきくのはタブーだ。
だがTPOとガイド自身のキャラクター(あるいはガイディング技術)次第だが、お客様に「あほぉ!」と怒鳴ることが許されてしまう場合もある。誰にでも出来る真似ではないが、言われた本人も含めて、その場の全員が心の底から笑っているならば、それは素晴らしいガイディングだ(新谷氏がそういうことをやってらっしゃる、という意味ではない。あくまでも一例)。
これがガイディングの難しいところでもあり、楽しいところでもある。
ミュージシャンからこうした「型破りタイプ」の例をひけば、ギタリストのジェフ・ベック、ベーシストのジャコ・パストリアスなんてのがこのタイプだろう(たとえが古いかなぁ)。野球選手なら、さしずめ野茂英雄だろうか。
彼らは凄まじいプレイヤーだけど、凡人がいくら真似してみても本当の意味では「上手く」はなれないだろう。なぜなら彼らのスタイルは基本からあまりにかけはなれているから。
でもオリジナルである彼ら自身は、きちんと結果を出す超一流プレイヤーだ。
「エクスペディション・ガイド」としては、おそらく新谷暁生氏はオーソドックスなタイプだ。
その一方で新谷暁生氏という「ツーリズム・ガイド」は、これらの「型破り」な存在なのだろう。だからこそ、僕自身は彼の存在は貴重だと思っている。
■つまりここまでは、話はややこしいものの、実際には特に何の問題もない。世の中には「エクスペディション・ガイド」の手法で、立派な「ツーリズム・ガイド」をやってしまう稀有な男がいるぞ。へぇ、それはすごいね! それだけの話である。
しかし彼ほどの影響力を持つようになると、話はこれだけでは終わらない。むしろ今日の本題は、ここからだ。
恐ろしいのは、「言葉の一人歩き」である。
例えば上記の「あほぉ!」発言だが、実際にそういう手法を多用するガイドがいると仮定しよう。彼はTPOでこの「あほぉ!」をキチンと使い分ける技術を心得ているので、現場では全員を間違いなくハッピーにしている、としよう。
でも、これが情報として一人歩きし始めたとき、意味合いが歪みはじめる。
それを聞いたある駆け出しガイドは、「名ガイドがそうやってるのなら、僕も真似してみよう」と短絡的に理解するかもしれない。きっと駆け出しがマネをすると、火傷をする。
あるいは別の人は、「客に向かってアホとは、何ごとだ! とんでもない下衆野郎だ! 言われた方の気持ちを考えたことがあるのか!」と、口角泡を飛ばして正論を叫ぶかもしれない。
これが言葉の恐ろしいところで、「沈黙は金」っていうのはまったく本当だと思う(と書いておきながら、一向に発言をやめない僕は、とんでもない阿呆である)。
ここまで書いた僕の発言だって、たとえばこんな風に切り取ってみると……、
お客様に「あほぉ!」と怒鳴ることが許されてしまう(中略)それは素晴らしいガイディングである。
これは恣意的な極端な例だが、なぁに引用なんてものは、多かれ少なかれこういうものだ。実際、自分の文章がこういう「意に反した切り取り方」で引用された経験は、僕にだってある。
これを新谷氏に当てはめると、僕らが彼の発言を見聞するときに、それが「エクスペディション・ガイディング」に特有なものなのか、それとも「一般的にツーリズム・ガイディング」に応用可能なものかを、注意深く吟味していく必要がある、ということになる。
前後関係を無視した部分引用だけで、彼の発言を批判することは出来ない。それと同様に、部分引用だけを「ツーリズム・ガイディングに関する金言」とすることも危険である。
彼に対する批判は今まで「タブー」とされていた節があるが、逆に部分引用は盛んに行われてきている。「新谷さんがこういってた。だからこれは正しい」と。
果たしてそれが正しいことだっただろうか? 彼の「エクスペディション・ガイド」あるいは「エクスペディション・カヤッカー」としての発言が、「シーカヤッキングの一般論」や「ツーリズム・ガイディングの一般論」として曲解されて、一人歩きしていないか?
個人的な見解を述べれば、彼は「シーカヤッキングの一般論」や「ツーリズム・ガイディングの一般論」は、ほとんど口にしていないように見える。つまり、彼が語っているのは、ほとんどの人間には応用不可能な「特殊ケース=エクスペディション・ガイド」の話ばかりなのではないか? 別の言葉で言えば、「新谷暁生ならこうする」という話だ。
■さて、ここでやっとコメント欄の本論に戻れる。
例えば、waka moana氏が「JRCA理事でもある新谷暁生さんは、あまり無線機やGPSがお好きではないようです。」と書いた上で、その根拠として引用してくださった次の一文に注目しよう。
「海を漕ぐのに届け入らない.危険を理解してそれを避けながら漕ぐことがカヤックの最も重要な技術なのであり、誰かの許可を得て漕ごうが無線機を持っていようが、それが身を守ってくれるわけではない.自分の知恵を絞って漕ぐことにカヤックの意味があるのだ.僕は海のカヤックをスポーツと考えている.だから安易にGPSを使うことはしない.また緊急時に助けを求めるために無線機も、レギュレーションでそれが義務付けされている国を除き持たない.道具で安全は手に入らないということを理解した上で、これらの道具を使うか否かを自分で決めるべきなのだ.」
新谷氏がGPSや無線機を手放しで認めていないことは、この一文からハッキリと読み取れる。その点については、誤解の余地はない。
ところが、これが「どういう場合の話」なのかは、よく分からない。そこを注意しないと、誤解が生まれるかもしれない。
■「エクスペディション」の場合は、遭難した時点で「ジ・エンド」である。
生き残れば、再度挑戦できる。しかし、その冒険に「失敗」という記録が残ってしまうのは間違いない。
つまり、エクスペディションをやる人間には、遭難後の対処を考えるよりも、「絶対に遭難しない」ということを念頭に考える、という発想が生まれる。「生還して、成功するまでやり続ける」というスタイルを選ぶ人もいるだろうが、「成功か、死か」というスタイルを選ぶ人もいるだろう。どちらにしても、一般の商業ツアーと比較すると、エクスペディションの場合は「失敗」の持つ意味は重い。これが第一のポイント。
また、同じ行程を狙うエクスペディションの場合も、装備によってその「質」が左右される。同じことをやった場合、GPSと無線を使い、サポート船が横に張り付いたエクスペディションよりも、GPSも無線もサポート船もなしでやりとげたエクスペディションの方が「上質」と判断されるのは、当然のことだ。ならば、より高度な技術を持った超一流には、さらにストイックな装備を求める傾向があって当たり前だ。これが第二のポイント。
つまり、僕は上の一文を「エクスペディション・カヤッカー」あるいは「エクスペディション・ガイド」のセリフである、と読む。
ところが彼を「伝説の大先輩」と仰ぐ「ツーリズム・ガイド」がこれを読むと、「おぉ、そうか、届けもGPSも無線もなしでガイディングする方が良いんだな!」「危険を避けるのが大事で、レスキュー要請などあってはならないことなんだな!」と考えるかもしれない。
しかし、それは言うまでもなく早計だ。この新谷氏のセリフを「ツーリズム・ガイディングの一般論」や「シーカヤッキングの一般論」に応用しようとすると、「翻訳」して読みかえる必要がある。
ご存知の通り、今回の西表の事故以来、僕はセイフティ確保のためにいろいろな機器のことを勉強したり情報を流したりしてみた。そうしてみて分かったのだが、新谷氏のこのセリフに感化されたと思しき反応は、実は少なくなかった。「情報の一人歩き」であり「読み間違え」である。
■あるいは新谷氏には、こんなセリフもある。
「ツアーが面白いかどうかは、その時のメンバーに左右される」
これは、サーヴィス業従事者たるツーリズム・ガイドの口から発せられるべきではないことは、コメント欄で述べた通りだ。要するに「つまらないツアーになったら、それはお前ら客の責任だ、オレの責任じゃない」と、お金を払っているお客様に対して言い放ってしまっているセリフだからだ。
しかし「エクスペディション・ガイド」ならこの言葉を発することは許される。面白いか面白くないかの部分は、責任の範疇外だからだ。
よって、こういうセリフが「エクスペディション・ガイド」である新谷氏の口から出てくるのは、ある意味自然だと思う。
しかし、これがもし「ツーリズム・ガイディング」に対して述べたものであったとしたら、問題だ。
というのは、実は建前的な一般論。
正直に言えば、ガイディングの現場では「メンバー次第でツアーの雰囲気は変わる」というのは「事実」である。いくら名ガイドでも、毎日毎回同じ雰囲気を演出することは不可能だ。むしろ当たり前の話だ。
そして、それこそ場の雰囲気次第では、そのことを正直にお客様に言うことが許される場合もある。いや、むしろ言った方がツアーが面白くなることだってある。
例えば僕の場合も、初対面の人ばかりの寄せ集めグループなのに、場がこれ以上なく楽しく盛り上がっていれば、「良い面子に恵まれてラッキーでしたね。別のメンバーだったら、ここまで盛り上がらなかったですよ、きっと」と、さらに場を盛り上げる意図で、このセリフを口にすることもある。「禁句」をあえて使う、いわば「裏技」的なガイディング技術だ。
しかし、こんなトリッキーなセリフは、前後関係やその場の雰囲気を知らない人、あるいは基礎と応用の区別の出来ない駆け出しガイドには、聞かれたくない。だから、僕はツーリズム・ガイディングを公の場で語るときに、不用意に「ツアーの成否は面子次第」などとは絶対に言わない。逆に僕が口にするのは「どんな面子でも、最高に面白いツアーをやります!」という宣言だ。
しかしこの宣言も、上記のように思いっきり盛り上がっている場では、自分の技術を不必要に誇示するだけに聞こえて、かえって場を白けさせる場合だってある。要するにTPO次第だ。
TPOから切り離され、勝手に一人歩きし始めた「言葉」は、かくも恐ろしい。
■ともかく、新谷氏の本質は「エクスペディション・ガイド」あるいは「エクスペディション・カヤッカーそのもの」であり、「エクスペディション・ガイディング」の手法を使って「ツーリズム・ガイド」をこなしてしまう、稀有な人なのだと思う。そして、彼自身にはそこまで明確な区別意識さえないはずだ。それが、彼の貴重さの本質だと思う。
だからこそ、彼の発言もそうしたスタンスから発せられていることに、読み手は注意しておく必要があるのではないか?
waka moana氏は、このように新谷氏を評した。
新谷さんが、存在論上は自らもツーリズム産業の一員でありながら、ツーリズム産業の人々に冷ややかな眼差しを向けるのも、人間関係のありようが全く異なる文化に属しているからかもしれません。
waka moana氏は「以上、事実と違っていたら申し訳ないです」と断っていらっしゃるが、新谷氏と面識のない僕自身も、waka moana氏と同じように感じている。
よって新谷氏の発言を聞くとき、こうした「立ち位置」の違いを明確に意識した上で、「翻訳」しながら聞くという作業は必須だと考える。
正直に言えば、頭の中でこうした論理の組み立てが完成する以前の僕は、新谷氏の発言を「えっ!? これって似非ガイド発言じゃん!?」と思って読んでいたこともある。が、「エクスペディション・ガイド」という考え方を導入して「翻訳」して読み替えるようになってからは、あまり「違和感」を感じていない。感じるのは「ツーリズム・ガイド」である僕との「大きな違い」だけだ。
もちろん、新谷氏ご自身にも、「エクスペディション・ガイディング」と「ツーリズム・ガイディング」の違いを明確に再定義した上で、発言の段階で両者を明確に区別してもらうように働きかけることも大事だとは思うし、実際に彼がそうした「二足のワラジ」を器用に履き替えながら話をしてくだされば、こんなに素晴らしいことはない。
しかしそれは、野茂に対して「江川のように投げてくれ」と頼むようなものだと思う。よって、僕はこれを、僕たち「読み手」の仕事としておきたい。
■さてさて、そうした「エクスペディション・ガイド」の技術を応用して、余人に真似の出来ない「ツーリズム・ガイディング」をやってしまう新谷氏に関しては、言葉の一人歩き以外にも、もう一つ大きな問題がある。
新谷氏が今後のこの「ツーリズム業界」の行方を左右する「有力人物」である、という点だ。「ツーリズム産業に冷ややかな視線を投げるエクスペディション・ガイド」が「ツーリズム産業の行方」に大きな力を持っているのが、厳然たる事実なのだ。
もちろん、ツーリズム産業を牽引する人間が、必ずしもツーリズム産業に好意的である必要はないと思う。批判的な立場の人間がトップにいたって構わんと思うし、それによるメリットも大いにあると思う。冷ややかな目で見るからこそ分かる点も多いはずだ。
しかし業界全体としては、今までのように「ウチの客」などと平気で口にするような意識を引きずった態度では、発展はありえない。つまり、目指すべきは「脱コミュニティ」であり、それはすなわち「先輩の否定」でもある。
その点を「ツーリズム産業に冷ややかな視線を投げる、偉大な大先輩エクスペディション・ガイド」の牽引の元で、どのように改革していくのか? 業界全体の大きな課題である。
つまり、これからの日本シーカヤック・ツーリズムやエコツーリズムが、皆こぞって新谷氏のスタイルを目指すわけにはいかないのだ。これからアウトドアガイドを目指す人、あるいはこの業界の発展を模索している人たちは、彼のスタイルやポリシーが抱える特殊さ、危うさ、矛盾などを、もう少しきちんと認識しなおさなくてはならない。それを、彼自身の先導のもとでやらねばならないという特殊状況は、きちんと意識しておく必要があるのではないだろうか。
要するに、いつまでも彼のことを「伝説の先輩」として下から見上げてあがめていてはダメだ、ということだ。新谷氏は「エクスペディション・ガイド」ゆえに、そうしたコミュニティの理論の中で「伝説の先輩」として生き続けていく人だろう。しかし、他のガイドたちはそこから出て、僕と同じように「コミュニティ外部」から新谷氏に接するようになる必要がある、というわけだ。
文字通り「外国」でガイドになった僕にとっては簡単な話だったが、日本シーカヤック界という「コミュニティ内」でプロになってしまった(なりつつある)方たちには、なかなかしんどい話だろう。が、越えなくてはならない課題だ。
■この点に関して僕自身の課題を書いておく。
悲しいことだが、過去のプロガイド・ワークショップ(PGW)受講者の中にも、いまだに平気で「ウチの客」を口にする人間が多い。この点を僕自身が厳粛に受け止め、今年のワークショップでそれをどれだけ改善できるかを、僕自身の「エクスペディション・ガイド vs ツーリズム・ガイド」の構図に関する現時点の課題としておく。
しかし、日本人に「コミュニティ&先輩」以外のコンセプトを理解してもらうのは、難しいだろなぁ。NZの業界を見てもらえれば、一目瞭然で分かるのだろうが、いかに見せずして理解させるか?
ハードルは高い。
■最後に。
優れた「エクスペディション・ガイド」も、今後新たに誕生することを期待している。需要は少ないだろうが、やはり「冒険」は必要だ。自分ではやらないが、見せて欲しい。
だから新谷氏を超えるような素晴らしいガイドが、今後もとんでもない冒険を見せてくれることを、心の底から望む。
将来「南極のサポート・ガイドは、ほとんどが日本人だ」とか「ケープ・ホーンを漕ぐなら、日本人エクスペディション・ガイドを雇わなきゃダメだ」なんて言われるようになったら、楽しいよね。
■関連過去ログ【ガイドのつぶやき】
◎その1「怖さについて。」 (2004年10月7日)
◎その2「過保護について。」 (2004年10月8日)
◎その3「プロの基準について。」 (2004年10月9日)
◎その4「互助について。」 (2004年10月12日)
◎その5「トウイングについて(前編)。」 (2004年10月13日)
◎最終回「トウイングについて(後編)。」 (2004年10月14日)
◎番外編「老兵は語るべきか、去るべきか?」 (2004年11月13日)
◎番外編「自己責任と、クラス区分。」 (2004年12月25日)
◎番外編「インタープリテーションについて。」 (2005年6月1日)
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http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/2257
Excerpt: ■「ガイドは無名であるべし」 これは僕のポリシーなのだが、別に先輩から習ったとかそういうのじゃなく、僕自身が仕事を通じて感じたことだ。 僕のような現場のツーリズム・...
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.07.26
Excerpt: ■新谷暁生氏の著書二冊『アリュート・ヘブン』、『バトル・オブ・アリューシャン』を読了。
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.10.12
うーん、素晴らしい分析と提言だと思いました。
「ツーリズム・ガイド」と「エクスペディション・ガイド」の概念を導入する事で、問題の所在がよりクリアになってきていると思います。少なくとも、ガイド業の中にはツーリズムを対象にする者と、エクスペディションを対象にする者がいるという事が見えてきます。
問題は、この両者の違いが、ガイド業者においても、消費者においても、きちんと区別されていないという事でしょうね。散々論じられているように、新谷さんもエクスペディション・ガイドの延長でツーリズム・ガイドをやってしまっています(ジェフ・ベックやジャコのような天然系を喩えに使った気持ち、良くわかります。彼らも個人の超絶的な能力によってジャンルを超越してしまっていましたから)。一方で、消費者側でもカテゴリーの混乱が発生していると私は思います。
消費側について、もう少し詳しく考えてみましょう。
ここで、ヨーロッパの哲学における遊戯論の基本「遊戯とは、それそのものが目的となる行為である。」を参照します。この考え方に照らせば、「シーカヤックに乗ることが目的であるシーカヤッカー」は全て娯楽を行っている事になります。これに対置出来るのが、「シーカヤックに乗ることが、シーカヤックに乗る事以外の目的を実現する為の最も合理的な手段となっているシーカヤッカー」です。
このように考えれば、現在日本に存在しているシーカヤッカーの殆ど全てがレクリエーショナル・カヌーイングの消費者ということになりそうです。
ところが、日本のアウトドア・アクティヴィティの世界においては、ツーリストというアイデンティティとエクスプローラーというアイデンティティが混在しています。本来エクスプローラーというのはエクスペディションの手段としてシーカヤックなりなんなりを用いる者を指すと思うのですが、シーカヤックで危ない所に行くことそのものがエクスペディションである(つまりシーカヤックより合目的的であるツールがあるにも関わらず、敢えてシーカヤックを用いる)と考える見方が一般的になった結果、ツーリストとエクスプローラーの明示的な境界が消失してしまったのでしょう。
そこで、ある種の人々は、存在論上はツーリストであるにも関わらず、認識論において自らをエクスプローラーと規程してしまうわけです。Ryuさんが日本のシーカヤック界にツーリズム・ガイドを普及させていこうとする際には、消費側においてツーリストとエクスプローラーという二つのアイデンティティが(好むと好まざるとに関わらず)存在しているという事を前提にして、それとどうつき合っていくべきかも考慮しておく方が無難かもしれません。
Posted by: waka moana : June 30, 2005 4:42 PMwaka moanaさん、いつもご丁寧なコメント、本当にありがとうございます。
実に勉強になります。
消費者論に関しても、まったくもっておっしゃる通りだと思います。
それゆえに、「自称ツーリスト」を守備範囲にする消費者をターゲットとした業者も必要ですし(僕が日本で強化しようとしているのは、こちらですね)、逆に「自称エクスプローラー」を守備範囲にする業者も必要だと思います。
もちろん、「どんな客層でも、どんと来い」というのが一番頼もしいのですけど。
元ネタエントリのコメント欄にも書きましたけど、日本の方がこちらよりも、よりヴァラエティに富んだアウトフィッターが必要ですね。
問題なのは、自分ところの商品が、どういう客層を想定しているのか分かっていない、あるいは自分のガイディングが、どういう客層を一番得意としているのか理解できていない、ってことでしょうね。
ちなみに
>シーカヤックで危ない所に行くことそのものがエクスペディションである(つまりシーカヤックより合目的的であるツールがあるにも関わらず、敢えてシーカヤックを用いる)と考える見方が一般的になった
と、厳密な意味で考えると、シーカヤックでの本当の「エクスペディション」は、関野氏のグレートジャーニーが唯一のものだったのかもしれませんね。
それをサポートした新谷氏は、やっぱり超一流の「エクスペディション・ガイド」ですねぇ。
同じ積丹で活動しながら、新谷さんとはしばらく会っていない気がします。わたしも「コミュニティ外部」ですが、新谷さんの過去の発言からはいろいろと勉強させてもらいました。ただ、著書は読んでおりません。読まないことがわたしの密かな誇りだったりします。以上のことを踏まえていただいた上で、わたしの漠然とした印象を書きますが、新谷さんご自身はコミュニティ内での居心地を良く感じていないかもしれません・・(?)。まぁ、ご本人を交えてお話ししたいですね。
ところで、わたしも「ウチのお客さん」を使います。ただ、所有の意識は無く、「ウチのツアーに参加される人」等の意味です。会話ならニュアンスで解ると思いますが、少々紛らわしいかな。以後気をつけますね。
Posted by: iwao : July 1, 2005 11:53 AM>iwaoさん
>読まないことがわたしの密かな誇りだったりします。
これ、僕個人的には非常によく分かる気がします(笑)
>まぁ、ご本人を交えてお話ししたいですね。
ですね。
「ウチの客」ですが、確かにいろんなニュアンスがあると思います。
なんせ、日本語ですからね(笑)
で、iwaoさんのように、一切所有や縄張りの意識のない意味なら、問題ないと思うんですよ。
実際、iwaoさんのフィールドのように、遠隔地や島嶼部のアウトフィッターさんの場合は、所有・縄張り意識のない単なる「当社のツアー参加者」という意味合いが強いと思います。
逆に本州の都会近くで、近隣に競合業者があるアウトフィッターの場合は、圧倒的に「オレの女」的なニュアンスが強くなってしまいますね。
僕が今回非難したのは、もちろん後者です。
紛らわしくてスミマセン。
>waka moanaさん
内田さんの名を知ったのはもっと前だったような気がしますが、新谷さんの名を知ったのが、たしかあのエクスペディションのときだったように記憶しています。
関野氏もかっこいいと思いましたが、それをサポートするガイドってのも渋くてかっこいいなと思いました。
当時は僕、パドルを握ったこともなかったですしね。
Ryuさん、こんにちは。
たまにガイド登山で雪山に行くのですが、そのときのガイドは、ツーリズムガイドというより、エクスペディションガイドで有ると思います。
とにかく安全に頂上まで導くというのがその役割で、あまり、ツーリズムガイド的(正確にはどういうものかはよく知りませんが)な気配りは少ないと思いますし、客の方でもツーリズムガイド的な物を求めることは少ない様に思います。
某MLにて、ちょっと表現は違いますが、シーカヤックは、往々にして、その過程を楽しむことが多く、登山は、頂上なり目的を持っての行動が多いと書きましたが、新谷さんは、その経歴からくる登山ガイドの感性でガイドをしているのではないでしょうか?
この場合は、知床半島を無事に一周をさせると言うことです。
その知床半島が雪山や高所登山に匹敵するような場所かどうかは、知りませんが、そうでないとするとエクスペディションガイドの手法で、ツーリズムガイドをしているというのは、そうかもしれないですね。ただし、これも下に書いたようにシーカヤック人口の問題だと思います。ニーズが増えてくれば、困難な所へのツーリングへ移っていくのではと思います。
日本の雪山登山でエクスペディションガイドが成立するのは、その底辺にある膨大な登山人口からくる物だと思います。シーカヤック人口がこれからドンドン増えていけば、エクスペディションガイディングのニーズも増えていく可能性があるのではないでしょうか?
フィールド選定や安全確保の方法などいろいろと問題は有るのでしょうが。
(う~ん、週末や連休に出来るシーカヤックでのエクスペディションガイドが必要とされるカヤッキングというのは、なかなか思いつきませんね。)
ところで、NZや海外の登山ガイド(高所、雪山、氷河など)は、どのような手法でガイディングをしているのでしょうか?
雑文失礼いたしました。
Posted by: Kaz : July 1, 2005 2:33 PMKazさん、コメントありがとうございます。
>新谷さんは、その経歴からくる登山ガイドの感性でガイドをしているのではないでしょうか?
まったくおっしゃる通りだと思います。
問題は、Kazさんもおっしゃる通り、今のところ、高所登山ガイドを求める客層と、シーカヤッキングにガイドを求める客層には、技量にもメンタリティにも大きな開きがある、というところだと思います。
>この場合は、知床半島を無事に一周をさせると言うことです。
その知床半島が雪山や高所登山に匹敵するような場所かどうかは、知りませんが、そうでないとすると
いえ、フィールドの難易度自体は、「エクスペディション・ガイド」と「ツーリズム・ガイド」の差とは直接関係ないと思います。
どんなに難しいフィールドでも「ツーリズム・ガイディング」は可能ですし、顧客のレヴェルによっては、一般的な感覚では「冒険」とは認めてもらえないようなフィールドで「エクスペディション・ガイディング」が成立することも大有りです。
例えば僕が過去にやった数少ない「エクスペディション・ガイディング」は、若狭湾での小学生対象のシーカヤックキャンプツアーでした。
二年目には天候が思わしくなく、あれは小学生にとっては一世一代の「エクスペディション」になったことは想像に難くありません。
雇用形態も「こういう教育的ツアーをやるので、安全確保を頼む」という形での依頼だったので、まさにあれはエクスペディション・ガイドとしての仕事でした。
もちろん普通のシーカヤッカーの感覚だと、若狭湾ですから冒険でも何でもありません。
あくまでも、ガイドを雇う側の意識とレヴェルの問題ですね。
>シーカヤック人口の問題だと思います。ニーズが増えてくれば、困難な所へのツーリングへ移っていくのではと思います。
おっしゃる通り、マーケットのサイズの問題です。
が、「移っていく」というのは、適切ではないかと。
マーケットが拡大する場合、両方向へ広がっていきますから、「より困難なエクスペディション」を求める層が増える代わりに、「より安易で、より気楽に」というのを求める層は、その数倍の勢いで広がります。
よって、エクスペディションガイドが必要とされる「率」は、減りこそすれ、増えることはないでしょう。
が、マーケットが拡大すれば、必要とされるケクスペディションガイドの「数」は、増えてくるかもしれません。
>エクスペディションガイディングのニーズも増えていく可能性があるのではないでしょうか?
上記の通り、YES、です。
ただ、そのニーズが増える数倍の勢いで、ツーリズムガイドのニーズが増えます。
>フィールド選定や安全確保の方法などいろいろと問題は有るのでしょうが。
ま、それはツーリズム・ガイドにもまったく同じようについて回りますので、エクスペディション・ガイド特有の問題ではありません。
>ところで、NZや海外の登山ガイド(高所、雪山、氷河など)は、どのような手法でガイディングをしているのでしょうか?
一般に商品として売り出している商業ツアーならば、ヒマラヤに匹敵するといわれるマウント・クックへのガイドツアーでさえ、当然ながらツーリズム・ガイディングの手法で行われています。
フィールドのきつさとは関係ありません。
顧客が「商業ツアー」を求めているならば、フィールドが南極でも8,000m峰であろうが、NZのガイドは「ツーリズム・ガイディング」をやります。
逆にエクスペディション・ガイドとしての仕事を要求されている場合も、サーヴィス精神旺盛に仕事に望む傾向がある国民性ですから(実際、僕の知っている南極サポートガイド経験者連中は、ツーリズム・ガイドとしても超一流です)。
ですから、Kazさんのお話で、日本の雪山ガイドは「エクスペディション・ガイド」のつもりで仕事をしているとありましたが、それも僕的には「日本の後進性」と映ります。
NZのガイドは、同じ場所を同じ客層をガイドするときに、「ツーリズム・ガイド」として臨みます。
>新谷さんご自身はコミュニティ内での居心地を良く感じていないかもしれません・・(?)
たしか、矢野顕子が海外逃亡した理由が「日本にいると大御所扱いされて居心地が悪い」というものでしたけど、新谷さんも、これだけ神格化されてしまうと、戸惑いがあるのかもしれませんね。ご本人は偉ぶる所が全く無い方だというお噂ですから。
「ウチの客」問題ですが、いち消費者として言えば、ある業者の商売の仕方が真っ当であれば、同じような感性で別のフィールドを商売の場にしている同業者を紹介してもらえれば良いなと思う気持ちもあります。例えば今回私は知床と釧路湿原でアウトドア・アクティヴィティを消費しようと考えていて、知床の場合は藤崎達也さんの所にお願いする事を決めていますが、釧路については、どの業者を使えば良いのかわからなくてちょっと困っているんですね。
で、通常の客商売においても、こういう「ウチで扱っていない商品を買いたいという客に、信頼出来る業者を紹介する」というのはアリだと思います。体育会コミュニティの人間関係が入り込まないのであれば、むしろそういった客の融通はあって良いような気がします。
Posted by: waka moana : July 1, 2005 3:34 PM>いえ、フィールドの難易度自体は、「エクスペディション・ガイド」と「ツーリズム・ガイド」の差とは直接関係ないと思います。
私もそう思います。既に述べたように、本来のエクスペディションとツーリズムの関係は、目的合理性の有無で弁別されるはずですが、現在ではリスクそのものを消費するツーリズムをエクスペディションと見なしている状況でしょう。
すると、個々のツーリングのリスク評価値はフィールドの難易度とツーリストの能力の比較によって決定されるので、ツーリストの能力が著しく低ければ、簡単なフィールドでもエクスペディションになる。その際にエクスペディション・ガイドが減らす神経の量は、難しいフィールドにベテランのツーリストを連れて行くのとあまり変わらないような気がします。
Posted by: waka moana : July 1, 2005 3:42 PM自己レス。
どうも言葉遣いがよくない。
>日本の雪山ガイドは「エクスペディション・ガイド」のつもりで仕事をしているとありましたが、それも僕的には「日本の後進性」と映ります。
補足します。
「商業ツアー」という形で売られている商品でありながら、ガイドが「ツーリズム・ガイド」の自覚を持っていない場合にのみ、上記の批判が当てはまります。
Kazさんのお話のように、参加者側もエクスペディション・ガイドだけを望んでいるならば、問題はありませんし、「後進」という批判も当てはまりません。
>あくまでも、ガイドを雇う側の意識とレヴェルの問題ですね。
ここも言葉足らずでしたね。
これに加えて、その「ツアー」の運行形態、募集形態も問題です。
一般に「商業ツアー」として売られていれば、どんなにキツイフィールドへの挑戦であっても、これは「ツーリズム」と考えざるをえません。
逆に参加者側の企画でガイドが雇われる形の場合にのみ、エクスペディションガイドが成立するのではないかと考えます。
ただ、こうしたケースでも、顧客が「ツーリズム・ガイド」を望むケースは大いにあります。
仲間うちののんびりツーリングにガイドを呼ぶといったケースは、一般公募の商品ではありませんが、やっぱり「ツーリズム・ガイディング」ですね。
こんにちは!
Ryuさんの力作読ませていただきました。
まず非常に素朴に驚いたのが、新谷暁生さんがいつのまにやらシーカヤックのほうにいたことでした(笑)。
寡聞にしてお恥ずかしい限り、Ryuさんの記事に名前が出てきたとき、なんかどこかで見た字面だなと思いましたが、やっぱり登山家の新谷さんだったんですね。
内田正洋氏が海にいるのも変な気がしましたが、なんと申しましょうか……。
新谷さんも正洋氏も元々は海とは関係ない世界でエクスプローラーとして生きてきた人で、「ガイディング」というイメージからは乖離しているように感じます。
そもそもエクスプローラーという人種は、自分と自然との関係にのみ焦点を当てていて、そこで自己満足を得ることを最上として、また、場合によっては記録争いの中でライバルに先んじることを最大の目標としてエクスペディションを行うものだと思います。そこでは多少のリスクは目をつぶるといった局面だってあります。
そういう感性の人がガイディングするとしたら、関野さんのようにリスクも何もかも理解していてあえてサポートを頼むといったスタンスの人ならいいですが、一般の客にとっては迷惑千万ではないでしょうか。
エクスプローラーはエゴイストです。そして、頑固に独自のスタイルで取り組もうとする人がほとんどです。彼らの記録を賞賛するし、その人間性は尊敬できても、そうした人たちにガイドされてスタイルを押し付けられるのなど、私はまっぴら御免です(新谷さんがどういう方かはお会いしたことがないのでわかりませんが、もうお一方はアバウトさにかけては日本一ですもんね=笑)。
門外漢のせいか、いまひとつピンとこないのは、エクスプローラーである人がどうしてガイディングを生業にしようとしたりするのかということ。それから、そうした人がガイディング業界でどうしてカリスマになりえるのかということです。
Posted by: uchida : July 1, 2005 4:02 PM>waka moanaさん
>で、通常の客商売においても、こういう「ウチで扱っていない商品を買いたいという客に、信頼出来る業者を紹介する」というのはアリだと思います。体育会コミュニティの人間関係が入り込まないのであれば、むしろそういった客の融通はあって良いような気がします。
これはぜひ必要なんですよね。
実はここにもコメントを下さってるuchidaさんのコラムにも、その件が取り上げられてました。
http://www.venus.dti.ne.jp/~kazunari/column/column.htm
(6月9日分)
>すると、個々のツーリングのリスク評価値はフィールドの難易度とツーリストの能力の比較によって決定されるので、ツーリストの能力が著しく低ければ、簡単なフィールドでもエクスペディションになる。その際にエクスペディション・ガイドが減らす神経の量は、難しいフィールドにベテランのツーリストを連れて行くのとあまり変わらないような気がします。
まったくおっしゃる通りです。
お客様が全力を振り絞らなくてはならない状況に追い込まれれば、それがガイドにとって楽勝フィールドか困難なフィールドかは、あまり変わりません。
ま、もちろんガイドにとっても死力を振り絞る必要がある状況になると、それはちょっと話が違ってきますが(^^;
>uchidaさん
エクスプローラーの一般論としては、僕もまったく同じに感じています。
ですから正直言えば、真のエクスプローラーがエクスペディション・ガイドになることも困難だと思いますし、ましてやツーリズム・ガイドになるのは、大変なことだと思います。
むしろ、ツーリズム・ガイドがアウトドア技術を磨いて行ってエクスペディション・ガイドになる方が、可能性としてははるかに大きいかと。
>エクスプローラーである人がどうしてガイディングを生業にしようとしたりするのかということ。
これは、「冒険が出来る=人から金とってフィールド連れて行ける」という、間違ったガイド像が広く信じられていたためじゃないかな、と推察しているのですが、どうでしょう?
>「冒険が出来る=人から金とってフィールド連れて行ける」という、間違ったガイド像が広く信じられていたため
それもあるでしょうが、体育会系コミュニティ文化ならば、上手い先輩が未熟な後輩を教えるのはしごく当然ですから。例えばサッカーのプロを引退した人がコーチになって若者を育てるのと同じではないでしょうか。その際に教えられる側が求めているのはコーチのもつ技術であって、「楽しく学ぶ経験」そのものではありません。
アウトドア・アクティヴィティにおいても、ガイドの持つ高いエクスペディション能力を欲望の対象にする消費者というものが存在していると推察します。そしてそういった方にとっては、一流のエクスプローラーほどガイドとして望ましいに決まっています。
つまり、アウトドア・アクティヴィティにおける消費者の欲望の対象が色々とあって、それがきちんと弁別されていないってことでしょうね。
・アウトドア体験そのものを消費したい(ツーリスト)
・リスクを消費したい(エクスプローラー)
・先輩の技術を消費したい(後輩)
etc.
>Ryuさん
>ですから正直言えば、真のエクスプローラーがエクスペディション・ガイドになることも困難だと思いますし、ましてやツーリズム・ガイドになるのは、大変なことだと思います。
ぼくは、どうも「エクスペディション・ガイド」というのがピンとこないんですよ。エクスペディションは自分の未経験領域に踏み込んで入って新しい体験を自分のものとするから「エクスペディション」であって、人にガイドされてしまっては「エクスペディション」の定義から外れてしまうように思えます。
エクスペディションに第三者が関わるとすれば、それはガイドじゃなくて、サポートではないかと……。
だから、関野さんのグレートジャーニーもどこかしっくりこないところがあるんですよね。何か意味があるのだろうか?と。
せっかく関野さんは「とーちゃん森に隠れろ!」といういいエクスペディション=仕事を過去にしているのに、グレートジャーニーで、つまらない記録主義に陥ってしまったよな感があるんです(あくまでぼくの個人的感覚ですが)。
Posted by: uchida : July 1, 2005 10:31 PM>waka moanaさん
>それもあるでしょうが、体育会系コミュニティ文化ならば、上手い先輩が未熟な後輩を教えるのはしごく当然ですから。
あぁ、それも大いにありますよね
> つまり、アウトドア・アクティヴィティにおける消費者の欲望の対象が色々とあって、それがきちんと弁別されていないってことでしょうね。
おっしゃる通りだと思います。
アクティヴィティだけじゃなく、アウトドア用品製造や雑誌をはじめとするメディアも含めて、商業アウトドア界全体が「先輩」の法則に支配されてるきらいはまだまだ大きく、消費者の傾向に関する詳細な分析はまだちゃんと行われていないと思います。
>uchidaさん
>エクスペディションに第三者が関わるとすれば、それはガイドじゃなくて、サポートではないかと……。
おっしゃること、分かります。
僕自身も、本当は「エクスペディション・ガイド」という言葉よりも、「エクスペディション・サポータ」という言葉の方が、個人的にはしっくりきます。
ただ今回の論旨上からは「ガイド」の方が適切だと思ったので、ガイドと書きましたし。
uchidaさんのおっしゃることに沿うならば、本文はこういう風になりますね。
---------------------------
過去にはあえてこの点を明確に論じたことがなかったのだが、僕は「アウトドア・ガイド」には二種類あると考えている。
(中略)。今日のエントリの中では、このタイプのガイドを、「ツーリズム・ガイド」と呼ぶことにする。
一方、そういう枠にはまらないガイドも、ごく少数ながらアウトドアの世界に存在する(つまり添乗員やバスガイドの世界には存在しない)。
(中略)
ま、こうした細かい点はさておき、ここではこうしたガイドを「エクスペディション・サポータ」と名づけておく。
---------------------------
ただ、論点をハッキリさせるためには、やはり両方に「ガイド」という呼称を使ったことは、政界だったと思ってます。
さてさて、サポータをつけたエクスペディションの質ですが、本文内で触れた通り、豪華装備と完璧なサポートに囲まれたエクスペディションが、貧弱な装備のノンサポート単独行に比較するとどうしても「落ちる」という評価を受けてしまうのは、やむをえない部分があると思います。
エクスペディションをやらない僕にすれば、グレートジャーニも「スゴイ」のですが、逆におやりになるuchidaさんにすれば、「しっくりこない」という厳しい評価も、ある意味当然なんでしょうね。
よって「エクスペディション・ガイド(サポータ)」という存在自体に疑問を投げかけられるのも、uchidaさんならでは、と感じます。
世の中には、「他人の手を借りてでも、こういう冒険をどうしてもやってみたい」と感じている人は、いらっしゃると思います。
そういう方の思いは、大事だと思いますし、それに応える人間も、いてもいいのではないか、と思います。
だから、僕自身はエクスペシデョン・ガイドの存在も、あってしかるべき、と思ってます。
ま、これも僕の個人的感覚なんですけど。
あ、そうそう、改めて手元の辞書を引いてみたのですが、
1.(探検・戦闘など明確な目的のための)長いたび(航海)、遠征
2.遊覧旅行、遊山
(リーダースより一部抜粋)
とあります。
僕にとっては、2の「観光旅行」の意味にもexpeditionという言葉が使われているということが驚きでした。
実際の生活上、そういう用法を聞いたことはありません。
そういう意味で、「エクスペディション」を銘打った商業ツアーは、厳密な言葉の上でも「可」ということになりますね(笑)
Posted by: Ryu : July 2, 2005 11:50 AM私がエクスペディションで思い出すのは、例えば故サー・ピーター・ブレイクが行った「ブレイク・エクスペディション」ですね。
http://blogs.yahoo.co.jp/hokulea2006/2621588.html?p=&t=2
このエクスペディションは地球環境の危機を世界に訴えるという目的のもと、オメガのスポンサーで最高の装備を調えて行われていました。彼らの目的は例えばアマゾンの環境破壊の現場で状況を調査しつつ、それを世界に発信するというものであって、危険は最大限回避すべきものでした。それでもどうしてもヤバい橋を渡らなければいけないので、現地のエクスペディション・ガイドを雇った。
ですから、
>豪華装備と完璧なサポートに囲まれたエクスペディションが、貧弱な装備のノンサポート単独行に比較するとどうしても「落ちる」
という見方そのものが、リスク消費型ツーリストの論理でしかないわけです。スペースシャトルで宇宙に行って来るのもエクスペディションですが、その時わざわざ装備の質を落とすバカはいないわけで。
Posted by: waka moana : July 2, 2005 12:08 PM>という見方そのものが、リスク消費型ツーリストの論理でしかない
これも、賛成です。
って、いろんな見方にすべて賛意を表明してたら、単なるバカみたいですね、僕(^^;
でも、僕自身は、個人的にはwaka moanaさんに近いイメージを抱いています。
結局、今度は「エクスペディション」そのものに対する考察が必要になってくるんでしょうね。
コメント欄では限界がありますが、例えば「極めて個人的動機」と、「学術的動機」という風に、動機でも分類できるような気がします。
前者が、アウトドアズマンたちがやってる「冒険」で、装備を削るなどの、よりストイックな方向に向かう傾向、あるいはそれが賞賛される方向があるようです。
だから、持とうと思えば持てる、雇おうと思えば雇えるガイドを、持たない雇わない、という選択がありえますし、それが成功後のさらなる高評価につながる可能性がある。
サー・ブレイクや南極探検、宇宙探査も後者はですね。
こちらには、強固に別の目的があるので、手段としての装備やガイドなどを「削った方がえらい」という発想は、ないですよね。
あくまでも予算や技術、トランスポートなどの制約で、「削らざるを得ない」という選択を迫られるだけの話でしょう。
後者から前者を見れば、どうしても「リスク消費型ツーリスト」と映ってしまうと思います。
アウトドアにおける「冒険」と「普通のアウトドア」の境界線は、あいまいです。
こうした「エクスペディション論」は、また別トピックとしてしっかり考え直さなきゃいけませんね。
切り口も、こうした動機の面だけではなくて、他にも色々ありますし。
ガイド論と違って、こちらは世の中にも優れた考察が相当数ありますので、僕も勉強しなおします。
あぁ、大変だ(笑)
>コメント欄では限界がありますが、例えば「極めて個人的動機」と、「学術的動機」という風に、動機でも分類できるような気がします。
よく言われる冒険と探検の違いと同じようなことですね。
冒険は、リスクを追及していくので、装備をドンドン削っていき、肉体的に精神的にどんどんストイックになろうとする。
探検では、たとえば、シーカヤックなりは、ある目的を達成するための手段にしかすぎず、リスクを出来る限り排除していこうという傾向がある。
ですから冒険のエクスペディションの中では、サポート、ガイドという者の価値は、低くなっていき、最終的にはソロに行き着き、探検では、必要であれば、ドンドン雇っていく。
まぁ、現実的には、「個人的動機(冒険心)」と、「学術的動機(探検心)」が混ざり合っている部分も多いと思いますので、一概にどちらと言いづらいことが多いと思いますが。
以下は余談です。
個人的な意見なんですが、冒険というのは、探検が終わった後のバリエーションルート的な物だと思います。最初、とにかくがむしゃらにそのとき考えられる最善の装備なりを揃えて探検されたところを、徐々に装備を減らし、難しい条件の中で、達成を目指そうとする、これが冒険だとおもいます。
宇宙探検も現在は、文字通り探検の時代だと思いますが、いずれそのうち冒険的な宇宙探検(冒険)をする者が現れてくるように思います。
すみません、話がそれてしまって。
横からすいません。探検部出身者のRともうします。
実は、「118」と「ch16」のコメント欄のころから、お尻の穴がムズムズする心地で読ましていただいてました。
話の流れがムズムズの原因に近づいてきたので、コメントさせていただきます。
ずばり日本の大学では、探検部は体育会ではありません。
(一部の私学では体育会の場合もあるようですが)
目指すは新記録ではなく新規な知識であり、「フィールドで学問を!」と言う思想に基づく学術団体です。
そんなこんなで正式名称に学術探検部と掲げてる団体も結構あります。
そんな探検部出身者からすると、新谷暁生氏や内田正洋氏は冒険家であって探検家ではなく、また、ここで書かれてるエクスペディションのほとんどは、冒険であって探検ではないと感じるわけです。
で「エクスプローラー」とか、探検という表現が出るたびにお尻がムズムズするわけです。
いまさら何が探検やと言われるかもしれませんが、
「山を登るために登山をしない」
「探検の検は、冒険の険とまったく別もの」
ってのが探検部関係者の儚い自負です。
とは言うものの、かつては地理学や文化人類学の分野で華やかだった探検部活動も、我々の世代あたりでは、洞穴測量や新洞・新支洞探査以外は、目的と手段とが入れ替わりつつあったのも事実ですが。
ちなにみ、探検部員の上下関係はかなりざっくばらんです。
互いの技術や計画にけちを付け合います。私もよく後輩に怒られました^^;
特に本家本元の京大探検部では、計画や活動で遠慮が出ないように、先輩後輩で日ごろから互いに苗字呼び捨て、敬語なしって話です。そこまでやってる団体は他に聞きませんが。
おお、そうでしたか。これは失礼しました。
学術団体ということは、紀要のようなものも発行して、論文を掲載していたりするのですか?
Posted by: waka moana : July 3, 2005 8:22 AMKazさん、Rさん、コメントどうもありがとうございます。
ますます面白くなってきました!!
がんばってこのエントリアップした甲斐がありました。
「探検」と「冒険」、僕が先ほど書いた分類だと前者が「学術的動機」、後者が「個人的動機」に分類できるわけですね。
なるほど、です。
で、これに従うと、本文で「エクスペディション」としたものも、「探検」と「冒険」に分かれますね。
本文であげた中では、南極調査は探検ですね。
つまりこちらのガイドが本来の意味のエクスペディション・ガイド。
一方の例えばケープ岬シーカヤッキングなんてのは「冒険」=「アドヴェンチャ」になるわけで、こう考えるとまさしく「アドヴェンチャ・ツーリズム」の延長にあることになる。
uchidaさんの「しっくりこない」というご意見も、この考え方をベースにすると「しっくり」きますね(笑)
僕とwaka moanaさんの最初の議論は、「ツーリズム」という商業形態の枠、つまり経済面からのアプローチだったので、KazさんやRさんのおっしゃるような認識論的(動機・目的による分類)とは、違う形で話を進めてしまいましたが、こちらからの考察も大切ですね。
「ツーリズム」の枠で見れば、新谷さんの「知床ツアー」と「ケープ岬」は、別物に分類出来ると思います(本文はこちらの切り口です)。
しかし、今回の動機・目的で分類すれば、等しく「冒険」というくくりになる(こちらは、どちらかというと世間一般の見方ですね)。
経済面からのアプローチと、動機・目的面からのアプローチの両面を導入して、探検、冒険、商業ツアーを改めてきりなおして整理する必要があるようですね。
がんばります。
って、僕はどこかに論文でも発表するつもりなんだろうか?(^^;
waka moanaさんのおっしゃる通り、時間があればPGWでのディベートネタにしても面白そうですね。
夜酒呑みながらかなぁ。
でも議論が白熱してまた徹夜になっちゃったらマズイなぁ。
余談ですが、研究助成申請するのなら論文という形での研究業績があった方が遙かに強いですよ。通常、申請テーマに関係がある既発の論文は申請書類に添付しますから。ただ、殆どの学会は会員がファーストオーサーになっていないと投稿を受け付けませんから、誰かと共著という形になるでしょう。
Posted by: waka moana : July 3, 2005 11:21 AMありがとうございます。
余談どころか、大変貴重なアドヴァイスです。
ホント、研究助成金が入ると、この業界もう少し面白いこと出来るんで、常に頭の片隅にはあるんです。
共著か。
お付き合いいただけるような先生を探すのが大変そうだ(^^;
>学術団体ということは、紀要のようなものも発行して、論文を掲載していたりするのですか?
探検部ではございませんが、いわゆる洞窟探検を行っている学術団体として、日本洞窟学会というものがあります。
http://www.netlaputa.ne.jp/%7Essj/
Posted by: Kaz : July 3, 2005 1:27 PM>学会がイニシアチブを取って探検をするって面白いですね。
ですよねぇ。
余談ですが、僕が住んでるところは、NZのケイヴィングのメッカで、大家は指折りのトップケイヴァなんだそうです。
僕はケイヴィングやらないんで、彼らがどれくらいすごいのか良く知らないんですが(笑)
waka moanaさん
>学術団体ということは、紀要のようなものも発行して、論文を掲載していたりするのですか?
昔はどこの団体も紀要を出していたんですが、最近は予算、実力ともに不足して定期的に出せる団体はないんじゃないでしょか。
私が学生のころ(10年ほど前)には、近畿大学学術探検部が毎年出していたようですが、あそこは人手不足で廃部になってしまいました。
現在は海外遠征などがあった際に遠征報告という形で出すとこがほとんどでしょう。そんな中でも、数年に一度程度いいものがでてます。
去年でた中では、立命館大学探検部の中国雲南省洞穴探査の報告書がよかったという噂です。(私もまだ読んでませんが)
大学からの課外活動予算はみんな体育会にいっちゃうんで、学生さんが印刷代だけでもぴーぴーいうてます。各団体のHPなどで販売していますので、よければ買ってあげてください。
Posted by: R : July 4, 2005 12:42 AMおお、紀要を出しているとなると結構本格的ですね。たしかにそういう活動だとアドベンチャー・ツーリズムとは全く別種のものになるでしょうね。カヤックが用いられて大きな成果を挙げた探検もあるのでしょうか。
Posted by: waka moana : July 4, 2005 1:03 AM>いわゆる洞窟探検を行っている学術団体として、日本洞窟学会というものがあります
研究者とケイバーの両方が会員となってますが、学会自体が探検してるわけではないです。
東京スペレオクラブや、富士火山洞窟学研究会などの団体が、測量や学術研究とファンケイビングを両立しているようです。
学会といえば、ここと関係ありそうな内容として、委員会で洞穴救助の技術研究、救助組織運営の検討などがなされています。
また、学会大会では、学術発表、ケイビング技術講習、巡検などに加えて、洞穴救助講習や訓練会も実施される年もあります。非学会員でも参加できますので、興味のある方はのぞいてみては、いかがでしょうか。
>カヤックが用いられて大きな成果を挙げた探検もあるのでしょうか。
実は、学生のころケイバーだったため、学生探検でカヤックが使われた例に詳しくありません。
ただ、カヤックやラフトは探検部としての目的と手段が入れ替わってしまった好例なので(実際、楽しいんですよね^^;)、探検部としても冒険的エクスペディションが多いのではないかと思います。
最近のネタとしては、今年あたりに計画されてる京大探検部の遠征がカヤックを使用しそうな計画でした。
内容は、季節によって流れの向きが逆転するアマゾンの一支流へ遠征し、地理地質調査により、逆転のメカニズムと成因とを解明するという面白そうな計画だったのですが、今HPをみたら改装中ということで詳細不明です。
(参考)京都大学探検部HP
http://ecku.s76.xrea.com/
>研究者とケイバーの両方が会員となってますが、学会自体が探検してるわけではないです。
そうですね。誤解を招く書き方をしてしまいました。すみません。
ところで、Rさんは、今年の多賀での大会に行かれますか?
自分は、洞窟測量講習に参加してみようかなと思っております。
>Ryuさん
>経済面からのアプローチと、動機・目的面からのアプローチの両面を導入して、探検、冒険、商業ツアーを改めてきりなおして整理する必要があるようですね。
がんばります。
ツーリズムから離れたエクスペディションとして、探検と冒険があり、それを一般の人が疑似体験をできる場として探検的ツーリズム、冒険的ツーリズムがある。
探検的ツーリズムは、探求心を見たそうとするのが主な目的で、内容としては、たとえば砂漠の中の遺跡を見に行ったりだとか、ホエールウオッチングなどもそれに当たると思います。無人島ツーリングなどもそうかな?
冒険的ツーリズムは、文字通り冒険心を満足させることがメインですので厳冬期の雪山ガイド登山だとか、~湾横断、縦断ツーリング、などはそれに当たると思います。
ただ、探検的ツーリズムで難しいところは、その中に冒険的な部分もないと探検と見なされにくいところ、つまらなくなってしまうところが有ると言うことですよね。砂漠の中の遺跡に行くのに飛行機で飛んでいったり、ホエールウオッチングに動力船を使ってしまったんではどうしようもない。
だから、適度にリスクを導入することが必要。
なぜなら、探検的ツーリズムでは、本当の探検とは違い、個人的達成感が重要な目的になるから。その疑似探検の内的価値を高めるのに適度なリスク感は、非常に重要な要素となる。
冒険的ツーリズムでは、客に合わせたリスクの設定、或いはリスクに合わせた客の募集ということが必要となってくる。こちらは、探検に比べれば要素的には単純だと思います。
つまり、探検的にしろ冒険的にしろツーリズムという範囲内では、同じリスク消費型ツーリズムとなる。そして、その目的に応じて、適切なリスクを設定し、場合によっては、特に冒険的ツーリズムでは、その内容のリスクの度合いによって客の選定をすることも必要になってくる。
全く門外漢なので、稚拙な内容だと思いますが、探検と冒険などと話をそらせてしまったので、探検、冒険、ツーリズムということで感想を述べさせて頂きました。
う~~、しかし、文章を書くのは難しい。
Kazさん、ありがとうございます。
Kazさんの定義を世間一般に流布している言葉におきかえると、
「冒険的ツーリズム」→「狭義のアドヴェンチャー・ツーリズム」
「探検的ツーリズム」→「狭義のエコ・ツーリズム」
ということになるような気がします。
>特に冒険的ツーリズムでは、その内容のリスクの度合いによって客の選定をすることも必要になってくる。
日本ではこれが割りと常識的な発想で、例えばシーカヤックツアーなども、多くのアウトフィッターが「初心者向けツアー」、「中級者(当店初級者スクール修了者)向けツアー」などのようなクラス分けを行いますが、NZではここでもいつも書いているように、セミプロレヴェル(あるいはホントのプロ)の人と、初体験の身体障害者を一緒のグループで連れて行くような形でもツアーが催行されていますし、それも無理ではないように思います。
このあたりは、ツアーの組み立て方の問題であって、本質的な論点ではないかと。
むしろ、知的好奇心の側に重点をおく「エコ・ツーリズム」の方が、理解度のレヴェルが揃わないと、ツアーが成立しにくいという側面があるような気がします。
ただ、この「アドヴェンチャー・ツーリズム」と「エコツーリズム」は、消費者側から見た場合、これら二つをキチンと切り分ける術がない、というややこしい点があります。
よってガイディングの際も、アドヴェンチャー・ツーリズムとエコ・ツーリズムに、技術の差はなく、単に「表面上味付けの違い」ということになってきます。
ただ、今回の話を通じて、僕はこれらの枠組や定義自体を、壊してみたくなっています。
もっと違った別の切り口で、これらのツアーや冒険、探検を整理することが出来るかもしれないな、という気がしているんです。
できないかもしれませんが(^^;
もう少し時間ください。
いまのところの議論から考えれば、「リスク消費型−回避型」と「知的好奇心が高い−低い」の二つの尺度を直交させた二次元のタブローで、個々のアウトドア・アクティヴィティの性質を表現することは出来ると思います。
知的好奇心高い
┃
┃
リスク回避型━━━━╋━━━━リスク消費型
┃
┃
知的好奇心低い
ただ、この四つの象限を的確に表現する概念はまだ出来ていないんじゃないかと。
Posted by: waka moana : July 5, 2005 1:49 PM折しもこういう記事を見つけたのですが、
http://hokulea2.exblog.jp/d2005-07-05
「中にはビギナーの参加もあるけれど、彼らを全員無事に帰すガイドの力量は、世界のアウトドアガイドの中でも超一流だと思う。」「世界自然遺産になればツアーもきっと増えることだろうけど、もしも行ってみようという場合には、ぜひとも信頼できるガイド、つまりその土地を知り抜いていて、参加者全員を無事に帰す力量のあるガイドと共にお出かけください。」
これはRyuさんの使った概念で言えば典型的な「エクスペディション・ガイド」(その後の議論から考えると「アドベンチャー・ガイド」の方が適切か?)を期待した言説でしょうね。アウトフィッターがユーザーフレンドリーであるかどうかは問題ではなく、ハイリスクのフィールドでリスクを消費しつつ無事に戻るという1点がガイドの評価基準になっている。別の言い方をすれば、ユーザーの消費対象はリスクとフィールドそのものであり、ガイドは消費対象ではないと考えられている。
それで私少し思ったのですが、上で示したタブローで問題なのは、アウトフィッターの性格を表現する次元が無いことでしょうね。例えば「享楽的−禁欲的」というような尺度を足して三次元のタブローを作れば、フィールドとツアーの性質をもっと上手に捉えられる気がします。
Posted by: waka moana : July 5, 2005 2:09 PMやはりこれが一番スッキリしますね。
僕の中でまだモヤモヤしてるのが「ツーリズム型」と「非ツーリズム型」をどのように処理するか、です。
なかなか面白い研究テーマになりそうです。
あ、入れ違いになってしまいました。
>上で示したタブローで問題なのは、アウトフィッターの性格を表現する次元が無いことでしょうね
そうなんです。
二次元だと、まだモヤモヤが残るんです。
でも、三次元は複雑になりますねぇ。
僕のとろけた脳ミソで、大丈夫かな。
がんばって考えて見ます。
>「ツーリズム型」と「非ツーリズム型」をどのように処理するか
私の現時点の考えは、次のようなものです。
まず、商品としてのツアーは、上に書いたように「リスク消費型−回避型」「知的好奇心が高い−低い」「享楽的−禁欲的」の三つの尺度を用いた三次元タブローで表現されます。
一方、消費者においては、三つ目の尺度「享楽的−禁欲的」が「自己言及傾向が強い−弱い」に置き換わります。自己言及傾向が強い、とは、ツアーの消費形態が自らのアイデンティティに深く関わっているという意味です。ツアーを消費する事で「アドベンチャラー」とか「エクスプローラー」とか「アウトドアマン」とか「先輩」とか「後輩」とか、ともかく自らのアイデンティティを強化しようとするタイプの消費者です。一方、自己言及傾向が弱い、とは、ツアー消費と自らのアイデンティティと切り離して行うタイプの消費者です。
おそらく前者は禁欲的なツアーを好んで消費し、後者は享楽的なツアーを好んで消費すると思いますが、これは質問票調査かなんかをやって多変量解析にかけてみないとはっきりした事は言えないでしょうね。私は統計学を勉強していないので、手も足も出ませんが。
ともかく、ツアー商品と消費者とでは、似ているようで若干タブローの構成要素が違い、それは片方では「享楽的−禁欲的」、もう片方ではツーリストのアイデンティティのありようの違いとして表現されるのではないか、ということです。
Posted by: waka moana : July 5, 2005 3:18 PMなるほど、「享楽的−禁欲的」が「自己言及傾向が強い−弱い」に置き換わるわけですね。
これはスッキリしますねぇ。
さすがです。
>これは質問票調査かなんかをやって多変量解析にかけてみないとはっきりした事は言えないでしょうね
ですよねぇ。
こうなると、社会学者のテリトリになってきますね。
一ガイドには、ちと荷が重いです。
しかしながら、大変有益な示唆です。
ありがとうございますm(..)m
June 5, 2005
助成プログラム、今年度募集開始。
■【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
晴れ。風おだやか。(高)15度、(低)5度。
[海洋気象] (エイベル)
変風10ノット、夕方セパレーションポイントより北で西20ノットに変わる。北部海域はやや荒くなる。
向こう三日間:月曜朝南西20~30ノットに上がり、同日遅くに10~20ノットに落ち、かよう20~30ノットに再び上がり、水曜5~15ノットに落ちる。海況一時荒い。
[潮汐表] (ネルソン)
Low 02:08 AM 0.9 m High 08:10 AM 3.7 m
Low 02:27 PM 0.9 m High 08:57 PM 3.9 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■変風10ノットなんて、二週間ぶりじゃないか?
時々雲がかかったものの、一日中晴れて気持ちの良い一日。一瞬冷たい南5knが吹いたが、すぐにおさまった。
本日はChchの英語学校の同級生という女の子四人組(日本人二名、台湾人二名)と、アルゼンチン人カップル。アジア人四人組は予想通り大変遅く、超久しぶりに牛歩ツアーとなったが、アルゼンチン人カップルものんびりペースを気にすることなく楽しんでいた。ただアルゼンチン人カップルに関してはブッキングが色んな点でおかしなことになってて、昼食時は彼らの話を聞いて問題点を整理するのに手間取り、休憩が長引いてヒヤヒヤした。今になってもまだ変なブッキングするか!>ウィルソンズのオフィスクルー
帰りのウォータータクシーで、日本人の女の子たちが「カヤックの中にセーターを忘れた」と。僕が英語で説明したあと、日本語で言い直したりダブル・チェックしたりするのを忘れたのがマズイ……。バスの時間に間に合わなくなるので引き返すわけにいかず、明日ウォータータクシーに回収させてChchに送り返すことに。
と、その会話を聞いていた他の日本人の女の子が、「ビーチに靴を置き忘れた」と……。やはり引き返すわけにいかないし、置き忘れた場所を聞いてみるとすで水没している可能性大。トレント・ベイ・ロッジもブッキングがなくて閉まっているのでスタッフもいないし、打つ手なし。申し訳ないが、裸足でネルソンまで帰っていただくことになってしまった。僕にとっては縁もゆかりもない、ウォータータクシーにたまたま乗り合わせただけのお客様ながら、たすけてあげられないのが何とも申し訳ない。 b&b 6 / torrent - l@north head - pinnacle is - torrent
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■家作りメモ。
昨夜、建築家に正式に家の設計を依頼。家人が今まで作った三つのヴァージョンと、基本的に譲れない希望項目を伝え、23時まで話し込んでしまったのだが、あちらの娘さん(6歳半)とウチの娘はずっと仲良く遊んでくれてて、助かった。
が、英語で何時間も専門外のややこしい話をしたのと、これでハウスプランが大きく前進するという興奮でて頭がパンクして、夜よく眠れず。そのせいで、昨日若干ぶり返し気味だった風邪が、今日はすっかり悪くなってた。明日も仕事なんだけどなぁ、ツライなぁ。
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■昨年9月5日に「サンタフェと、シーカヤック。」と題して夢を語ったところ、心優しき読者の方から実現の可能性を教えていただき、それをすぐに紹介したのが同月9日の「ひょっとすると、実現可能?」。
この「ひょっとして!?」の鍵だった「トヨタ環境活動助成プログラム」の新年度の募集が数日前から始まった。
教えてくださったのは、上記エントリーのときにご紹介くださったのと同じ方。新年度が始まったよと、すぐに教えてくださった。僕の「研究所の夢」を本気で応援してくださっているのは、本当に本当に嬉しい。ありがとうございます。
その方が添付してくださった上記助成プログラムのお知らせメールも転載しておく。
ご担当者様トヨタ自動車では、社会貢献活動の一環としてNPO等の環境活動に対する助成「トヨタ環境活動助成プログラム」を1999年より実施し、今年で6年目となります。このたび、助成への応募を開始致しました。
2005年度トヨタ環境活動助成プログラムは、「環境改善に資する環境技術・環境人づくり」をテーマとして、民間非営利団体等による地域に根ざした実践型プロジェクトを助成します。
一件あたりの助成金額の上限や実施地域の制約がなく、プロジェクト実施団体の自主性が発揮できることが特徴の「一般助成枠」と、試行的な小規模プロジェクトや身近な環境を保全するための地域に根ざした実践活動(草の根活動)を助成対象とした「小規模助成枠」(一件あたり200万円を上限)があります。助成総額は約2億円を予定しています。
募集期間:2005年5月31日(火)~2005年7月8日(金)(消印有効)
応募方法および助成プログラム詳細については、以下のホームページをご参照ください。
http://www.toyota.co.jp/jp/environment/ecogrant(日本語)
http://www.toyota.co.jp/en/environment/ecogrant (英語)ご応募をお待ちしております。
ご応募・お問合せ先:
トヨタ環境活動助成プログラム事務局
〒100-0004 千代田区大手町2-3-6 三菱総研ビル1階 MBE-363号
TEL:03-3272-1925 (受付対応:月~金 9:30~17:30) FAX:03-3272-1926
E-mail: toyota-ecogrant@mri.co.jp
200万円の枠は今年から始まったのだが、これは今まで国内の民間小団体対象が手薄だったことに対する反省ということらしい。
シーカヤック界にとってはチャンスか!?
■上記過去ログに書いた通り、僕のやってる『プロガイド・ワークショップ』には大きな欠点がある。それを承知の上で今年も開催するのは先月27日に告知した通りだが、本音をいえばやっぱり研究所を設立した方が良いと思う。『プロガイド・ワークショップ』も、その研究所の中のワークショップとしてならば、真価を発揮できると思うのだが。
■どっちにしても、こういう助成金を利用するのは、海外在住ガイジンガイドの僕じゃムリ。日本にこういう助成金を利用できるシーカヤック関係者、いらっしゃらないものだろうか?
ごうちゃん、編集長、どぉ???
■関連過去ログ【ガイディング&インストラクション研究所】
◎サンタフェと、シーカヤック。 (2004年9月5日)
◎ひょっとすると、実現可能? (2004年9月9日)
◎夢の続きと、悪夢のような製品。 (2004年9月26日)
◎老兵は語るべきか、去るべきか? (2004年11月13日)
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■研究所賛成派は
を、「ワハハ、夏はノータイだ」という方は
をポチリ。
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/2160
Excerpt: ■さて、家作りの進捗。 あ、最近このブログを発見された方のために、まず簡単に「これまでのお話し」など。
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.08.12
Excerpt: ■さて、家作りの進捗。 あ、最近このブログを発見された方のために、まず簡単に「これまでのお話し」など。
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.08.12
June 1, 2005
インタープリテーションについて。
■【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
晴れときどき曇り、夕方にわか雨。南西風。(高)14度、(低)3度。
[海洋気象] (エイベル)
変風10ノット、セパレーションポイントより北は西20ノット。午前中に全域で南西25ノットに上がり、午後一時北西15ノット(北部は25ノット)に変わる。海況は一時荒れる。未明の雨中視界不良。
向こう三日間:南西25~35ノット、土曜15~25ノットに落ちる。荒い海況は土曜に落ち着く。
[潮汐表] (ネルソン)
High 04:33 AM 3.6 m Low 10:52 AM 1.1 m
High 05:16 PM 3.5 m Low 11:24 PM 1.2 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■夜中に盛大に降った雨は、朝には上がっていた。ネルソンに住み始めたばかりの98年の春が、毎日こうだった。夜中だけに優しい雨が降り、昼間は晴れ。なんてところだろうと感激したっけ。作物がよく育つはずだ、カレル・チャペックに教えてやりたい、と。
しかし、なんちゅう海洋気象予報だ。忙しいこっちゃ。
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■昨日は風邪気味で、大家と取り決めてある「ネット接続しても良い時間」まで起きてられなくて、アップ出来ず。
昨日のログ↓
■【昨日の予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
雲が広がり、遅くに雨。おだやかな南西風。(高)15度、(低)2度。
[海洋気象] (エイベル)
南西15ノット、今夜変風10ノット(ただしセパレーションポイントより北では西20ノット)に変わる。北部の海況はやや荒くなる。夕方の雨中視界良好。
向こう三日間:南西25~35ノット。海況荒い。
[潮汐表] (ネルソン)
High 03:24 AM 3.6 m Low 09:46 AM 1.1 m
High 04:10 PM 3.4 m Low 10:12 PM 1.3 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■ほぼ予報通り、朝は快晴、だんだん曇ってきて日暮れ時には曇り。風は朝からおだやかで一日中ベタ凪。暖かくて気持ちの良い一日。
ウォータータクシーの都合で逆漕することになったのだが、アンカレッジ - オネタフティを素直に逆漕すると面白くない潮周りだったので、バークベイからスタートしてシャグハーバーへ。潮はあまり高くないし、思いっきり流れ込んでるタイミングだったので中の水の透明度はいまいちだったが、その代わり子供オットセイがずっとじゃれ付いてきて、お客様もご機嫌。今日はドイツ人の男の子二人組みに加えて、ポリテクの見習いの女の子(米国人)をつれてたのだが、三人とも大喜び。
ちなみに愛娘が怪我の経過を見てもらいに数日に一度医者に通ってるが、そこで風邪をもらってきて鼻ズルズル、咳ゴホゴホ。で、昨日から僕ももらってしまってノドが痛くなってたので、今日はとっておきのメダリストを飲みつつ仕事。これを飲むとホント身体が楽。何が入ってるんだ、恐ろしいぞ(笑)
でも、昼食後の風邪薬飲み忘れた(^^;
さらに、朝も夕方もカヤックをタクシーに積みおろしするために、久しぶりに腰まで水に立ちこむ羽目に。風邪っぴきに冬の海は、なかなか冷たいねぇ……。
仕事終わってシャワー浴びる頃には日が落ちて急に寒くなる。そういえばあと三週間で冬至か。今日は山の上の方は雪だな。
帰りの車の中で湯冷めして震えが来た。冬だなぁ。そろそろマラハウ峠の路面凍るな。 tist 2+1 / bark - tonga is - l@onet - shag harbour - onet
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■本日でカウンタ設置一周年。一年の累計が62,000超。ご愛顧ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。
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■久しぶりに『ガイドのつぶやき』。
先週三日間にわたって、アドヴェンチャー・ツーリズムを専攻している学生の模擬ツアーの監督役をやってみて、改めて「インタープリテーション」の厄介さを痛感した(昨日も別の学生と一緒に漕いだが、昨日のは逆に僕の普段の仕事ぶりを彼女が見学するという形だったので、彼女のガイディングぶりは知らない)。
拙ブログ愛読者の皆さんにはわざわざご説明するまでもないかもしれないが、エコツアーでは「インタープリテーション」という用語が良く使われる。直訳すると「翻訳」なのだが、もちろん外国語を翻訳するという意味ではない。ここでいう「翻訳」とは、「自然が出しているメッセージを、人間に理解できるように翻訳する」というようなニュアンス。つまり、フィールドの歴史や動植物、地理、地学などの説明のことで、いわゆる「ガイドトーク」というヤツである。
横文字でいうとカッコよく聞こえるが、何のことはない、バスガイドさんが「右手をご覧ください。あちらに見えますのは~」と独特の鼻声でやってるアレのことだ(なんであぁいう喋り方なんだろう?)。2月23日のエントリーで「ガイドトーク採録」と称して書いたのも、まぁいわゆるインタープリテーションだ。
■先週は三名の学生のガイディングを監督したが、やっぱりどうもインタープリテーションが下手糞なんである。
説明そのものは、三人とも上手かった。すでに僕らプロと同じくらいのレヴェルで流暢に説明していて、「ほぉ、よく勉強してるな」と思わせるのだが、いかんせんタイミングが悪かったり、そもそも手段と目的を履き違えていたりで、「何のためのインタープリテーションか?」という根本的な部分の理解が浅すぎる。そこが、プロとアマの違いなんだけどなぁ……。
■彼らのうち二人は、お客様が疲れを訴えても、休ませる代わりに正しい疲れにくいフォームを教えてがんばって漕がせて、「インタープリテーションを予定しているポイント」に到着してからようやく止まってガイドトークを披露していた。
それじゃ本末転倒。そういう「インタープリテーションをしたいがためにガイディングをしている」ような仕事ぶりは、キツイ言い方をすればオナニーに過ぎない。自分の知識をひけらかせてるだけだ。お客様はそんなことのために高いお金を払ってるんじゃない。
先ほどバスガイドのことを書いたが、思い返してみればホラ、昔遠足のときにもいたよねぇ、車内が勝手に大いに盛り上がっててそれ以上は特に盛り上げる必要もないのに、それをさえぎって歌を強要したり、車内を静かにさせてガイドトークをかましたりして、思いっきり白けさせる新米バスガイド。学生のガイディングを見てて、あれを思い出しちゃった。
お客様が疲れを訴えたら、休憩しなくちゃダメ。だがグループ内には元気満々でもっともっと漕ぎたいお客様もいらっしゃる。だから「○○さんが疲れたからちょっと止まるよ」っていうのはマズイ。お客様間で嫌な雰囲気を作るモト。
そういう場合に誰も不愉快にさせずにグループ全体を止め、疲れたお客様を休ませる手段として、ガイドトークは使われるべきなのである。要するに「ガイドが話をするためにグループは止まった」ということにすれば、誰も不愉快にならずにすむ。
あるいは、あまりに天候が良すぎて行けども行けども変化が乏しいような日に、時折ツアーにアクセントをきかせるためにガイドトークは行われるべきである。
そして、インタープリテーションというのは、そうしたガイドトークのヴァリエーションの種類に過ぎない。
つまり極端な話、ガイドトークは必ずしもインタープリテーションである必要さえないわけだ。実際ヴェテランになればなるほどインタープリテーションよりもむしろ雑談の比重が増えるし、僕自身もインタープリテーションらしきものを一言も口にしないままに一日を終えることもある。「目的」が達成されているならば、「手段」はなんだって良いのだ。エコツアーだからインタープリテーションをしなくてはならない、っていうのは、顧客無視の勝手な思い込みに過ぎない。
だからハッキリ言えば、僕の中では自然の神秘を語る「インタープリテーション」も、話題の映画(例えば今なら『スターウォーズ』など)のことを喋る「世間話」も、まったく同じ比重で「ガイドトーク」とカテゴライズされている。両者の間に「優劣」はない。その場その場に応じて、どういう話題がもっとも適切かという「使い分け」があるだけだ。
■エコツアー・ガイド養成プログラムのカリキュラムなんかを見てみると、やけにインタープリテーションに割く時間が長いのが目に付いたりもする。そんなに時間を割いて何を教えているのか知らないが、僕的に言えばインタープリテーションそのものは、そんなに難しい技術ではない。トークの内容そのものは、別に教室で習ったりしなくても、図鑑や本などを読み漁れば十分知識は身につくし、極端な話、就職してから先輩のトークを盗んだって間に合う程度のものだ。世のエコツアーなるものが、なぜそんなに「インタープリテーション、インタープリテーション」と騒ぐのか、未だに解せない。
インタープリテーションを含めたガイドトークの難しい点は、それを「いかに面白おかしく披露できるか」という表現力の問題と、上記のように「ツアーをスムーズに進めるためのスパイスとしての効果的な使いこなし方」の部分だろうと思う。この二つは、「手段」として効果的に活用するために必要な技術だ。
逆に言えば、これら二つを無視して単に知識だけを詰め込み、それを機械的に披露するだけでは、単なるオナニーになるおそれが大きいということ。重ねて言うが、お客様は似非ガイドがインタープリテーションに自己陶酔している様を見るために高いお金を払っているわけではないのだ。
■僕が「ガイドトーク」という言葉を多用する一方で、ほとんど「インタープリテーション」という言葉を使わないのには、こんな理由もあるのだ。よって2月23日のタイトルは、僕的にはやっぱり「ガイドトーク採録」であって「インタープリテーション採録」ではない。
長々と書いてきたが、一言で言っちゃうと
「インタープリテーション? 気取った言葉使うんじゃねぇよ、気持ち悪ぃ!」
ってのが本音だ(笑)
■関連過去ログ【ガイドのつぶやき】
◎その1「怖さについて。」 (2004年10月7日)
◎その2「過保護について。」 (2004年10月8日)
◎その3「プロの基準について。」 (2004年10月9日)
◎その4「互助について。」 (2004年10月12日)
◎その5「トウイングについて(前編)。」 (2004年10月13日)
◎最終回「トウイングについて(後編)。」 (2004年10月14日)
◎番外編「老兵は語るべきか、去るべきか?」 (2004年11月13日)
◎番外編「自己責任と、クラス区分。」 (2004年12月25日)
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■エコツアー大好き派は
を、マスツアー大好き派は
を、僕と同じように「エコツアーって聞くと、なんとなく胡散臭さを感じる……」という方は両方を連打!
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/2139
Excerpt: アクセス・ディンギーの体験会を見てきました。江ノ島のマリーナで。 伺った所では、参加したのは白浜養護学校中学部の生徒さんたち。1名以外は初挑戦でみな乗船したそうで...
From: 航海カヌーを愛でる
Date: 2005.06.03
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ、高曇り。北東風。(高)12度、(低)9度。 [海洋気象] (エイベル) 北東15ノット、セパレーションポイントより北では25ノット。西部海域は...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.06.17
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ。南西風次第に落ち着く。(高)14度、(低)2度。 [海洋気象] (エイベル) 【暴風警報】南西35ノット、昼前に20ノットに落ちる。非常に荒い...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.06.30
Excerpt: ■久しぶりに、トラックバック元にからんでみる。楽しいな。 ◎航海カヌーを愛でる「どんな秘境を見に行くのか」
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2006.01.13
Excerpt: ■久しぶりに、トラックバック元にからんでみる。楽しいな。 ◎航海カヌーを愛でる「どんな秘境を見に行くのか」
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2006.01.13
Excerpt: ■【FORECAST】 [LAND] (Motueka) Fine and cl...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2006.09.14
シーカヤック自体の微妙な「バランス具合」というのもありませんか?上手く言えないのですが実際の客層的にレジャー・レクリエーション寄りなのかもっとスポーツ目的なのか、といったような事です・・・というか、シーカヤックその物がその辺かなり特別なスタンスですよね、多分。
Ryuさんのグラウンドは明光風靡な国立公園ですから、普通のシーカヤック・アウトフィッターよりもインタープレテーションの比率は高くなってしまっているんだろうというのは想像に難くないのですが。
ところでメダリストですが、
>何が入ってるんだ
こんな物が入っているようです。
http://www.tonar-system.co.jp/aristo/inf2/
クエン酸よりも無臭ニンニクとか、ビタミンB群とか・・・どれが一番効いているんでしょうねぇ。まあ、効いている限りは深追いしない方がいいのかも。
姫もRyuさんも、そしてそんな二人の看病にお忙しいであろう奥方もどうぞお大事に。
こちらがどんどん暑くなっている分そちらの冷え込みも増しているでしょうから・・・
>シーカヤック自体の微妙な「バランス具合」というのもありませんか?
シーカヤック自体というよりも、おっしゃる通り、客層との兼ね合い、あるいはフィールドとの兼ね合いで、ガイディングスタイルは千差万別になります。
僕自身もエイベル・タズマン国立公園でのスタイルと、野遊び屋(香川)でのスタイルは、まったく変えてました。
客層もフィールドも気候も違う以上、同じことは出来ない。
>明光風靡な国立公園ですから、普通のシーカヤック・アウトフィッターよりもインタープレテーションの比率は高くなってしまっている
う~ん、どうなんっすかねぇ。
結局のところ、お客様次第なんですけどね。
風光明媚じゃなくたって、お客様が望めばいわゆるインタープリテーション的なトークをしっかりやる必要があるし、いくら風光明媚でもお客様が映画の話ばかりで良いんだったら、それで良いというのが、本来のガイディングの王道かと。
>まあ、効いている限りは深追いしない方がいいのかも。
しません、しません、そんなメンドウなこと(笑)
何事につけても「結果オーライ」というタチですんで。
>姫もRyuさんも、そしてそんな二人の看病にお忙しいであろう奥方もどうぞお大事に。
ありがとございます。
でも、三人とも症状は軽いので、誰も特に看病は必要とされておらず、別に誰にもしわ寄せはいっておりません。
っつぅか、僕のことだから、誰かが重症だときっとここに書きません(笑)
書いているということは、誰もヒドイ人間がいないということです。
ご心配いただき恐縮ですが、ここに書かれている限りはダイジョブです、ハハハ。
またまたタイミングよく見つけました。流行り言葉ですかねぇ。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050531i116.htm
いや、実はこちらの国立公園や州立公園なんかでも、単なるボランティア募集よりもインタープリター要員のボランティア募集なんかやセミナーなんかがやたらと目に付くようにはなってきていたのですが・・・
Posted by: MM : June 2, 2005 2:25 PMほぉ、科学技術インタープリター!
こういう人は大いに要請していただきたいっすね。
数日前に家作りの雑誌のバリアフリーハウスの活動をしているグループの話を読んでたのですが、介護士と工務店がバリアフリーについて話し合いをするときに、お互いに専門用語が通じないので、やっぱり「インタープリター」が必要になるとか。
今までの時代はプロが自分のジャンルの中だけで通じる言葉で仕事できたかもしれませんが、これからは異業種交流の機会がますます増えるでしょうから、そういう意味では業種間インタープリターは大いに必要だと思います、ハイ。
が、「エコツアーのガイディング=インタープリテーション」などと短絡的に理解してもらうと、大間違いっすね、ホント。
Posted by: Ryu : June 2, 2005 2:55 PM僕個人に関しては、一応盛り込んでいます。
とはいえ、『プロガイド・ワークショップ』は三日間のコースなので、細かいことまではとても手が回っていないというのが現状ですが、少なくとも下半身不随者のためのレスキューは必ずやります。
手薄なのが、障害者に対するカスタマーケアですね。
このブログで障害者のお客様のガイディングについて時々書いているのは、正直に申しあげれば手薄になるPGWの講習内容を補足できれば、というような意味合いもあります。
ただ正直に申しあげまして、日本の商業シーカヤック界は、マーケット自体も障害者のお客様が気軽に門をたたけるほど成熟していませんし、ガイドのレヴェル自体も障害者対応以前に、健常者対応でまだまだやるべきことが多く、ニーズとしてどれだけ障害者対応が必要とされているのかは、僕自身にもちょっと分からない部分ですが。
なるほど。まだそこまで考える段階に来ていないのではないかという事ですね。
今日、私のウェブログで少し書いたのですが、フィジカリィ・チャレンジド・ピープルをどう捉えるのかという視点が、マリン・アクティヴィティ業界にこれまでどれくらいあったのか、ちょっと気になったので、質問してみたのですが。
健康優良児ばかりが集まったコミュニティですと、どうしてもそういった点が頭の中から欠落しがちになるのではないでしょうか。ですが、障害者への対応について考えるというプロセスは、単に障害者問題を越えて、ホスピタリティ一般について深く考えることでもあるような気がします。
前にも本文中で触れたような気もするのですが、日本カヌー界の場合は、身体障害者がチャレンジする場合は、僕らのようなプロ・アウトフィッターの門を叩くよりも、むしろ「障害者カヌー」という専門のイヴェントをヴォランティアが開催するという方が定着しているようです。
よって、むしろアマチュア・ヴォランティアに比べるとプロの方が身体障害者の顧客をサポートする経験および機会が少ないようなんです。
NZの場合は逆で、僕はNZで「障害者カヌー」という形のイヴェントが行われているかどうか知らないのですが、僕らは割と日常的に障害者のお客様を健常者と一緒にお連れしています。
貴ブログにあったとおり、シーカヤックっていうのは障害者にとってはかなり敷居の高いスポーツです。
今ざっとこのブログの過去ログを読み直してみたのですが、このブログを始めてからでも、下半身麻痺の女性を一名、腕の形成が不完全な女性を一名お連れしてました。
後者の女性はそれこそ驚異的なパワーを発揮して健常者の半分の長さの腕で猛烈に漕ぎまくっていましたが、前者の下半身不随のお客様は上半身をキチンと支えることが出来ないため、腰回りにギチギチにフォーム類を詰め込んで上半身を固定するのですが、それでも漕いでいる間に身体がずれてきて大変でした。
後ろに傾き始める場合はまだいいのですが、横に傾き始めた場合は艇自体もバランスを崩しますし。
この日は、何度も水上でグループ全体にとまって待っていただきつつ、彼女のフィッティングを直しました。
こういうときに難しいのは、障害者の物理的な肉体ハンデに対する配慮そのものよりも、こうした対応のためにロスする時間に関して、障害者ご本人が他の健常者の方に対して申し訳ない気持ちで小さくなってしまわれることが多いので、その点に対する配慮などの、メンタルな部分になってきます。
あと日本人にありがちなのは、障害者に過度に手を貸しすぎることによって、ご本人の達成感を奪う傾向ですが、これも同様にメンタルな配慮として、健常者側の勝手な思い込みを排するのが大切。
こういう部分に関しては、正直言ってPGWなどでも現段階では触れることは出来ていませんし、時間的余裕があり、なおかつこうした点に対する講習リクエストがあったとしても、机上の座学でキチンと伝えきれるかどうかは、はなはだ心もとないです……。
おっしゃるとおり、障害者問題は、ホスピタリティの根幹を考え直すヒントをたくさんくれますね。
押し付けの親切は、決してホスピタリティとはいえないのですが、そういうことは障害者の方と接することでいろいろ見えてくることが多いようです。
やはり現場で経験を色々お持ちの方の体験談は示唆に富んでいますね。PGWのような場では時間がどうしても足らないという事もあるのでしょうが、Ryuさんの接客経験のうち障害者に関するものだけをまとめて話をするなり書くなりしたら、それだけでも貴重な資料になりそうです。
Posted by: waka moana : June 4, 2005 1:17 AMそうですね、僕がNZのガイド連中を取材して、普段のツアーで健常者、障害者を同時に接客する場合の体験談なりノウハウなりをまとめると、面白い資料が出来るかもしれませんね。
ガイド業引退したら、そういう本を一発書いてみますか!
でも、大変そうだなぁ>ガイド連中を取材
May 27, 2005
PGW 2005、TLS 2005スケジュール。
■【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
雨次第に強くなる。北風。(高)15度、(低)11度。
[海洋気象] (エイベル)
北東20ノット、夕方に北西10ノット(セパレーションポイントより北では20ノット)に変わる。海峡やや荒いが次第に落ち着く。北の波1m。午前中の雨中視界不良。
向こう三日間:土曜北西25~35ノットに上がり、月曜南西15~25ノットに変わる。土日海況荒い。
[潮汐表] (ネルソン)
Low 05:38 AM 0.6 m High 12:07 PM 3.9 m
Low 06:16 PM 0.7 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■起きた時は一瞬晴れてたが、すぐにまた雨。風はまだ嵐というほどではないものの、そこそこ吹いている。一日中降ったり止んだり。夕方になっても風はまだあまり強くない。
寒い時期はやっぱり暑い時期より仕事の疲労度がはるかに高い。連荘でグロッキー気味。
昨夜家人に揉んでもらったので背中腰の凝りは思ったほどではないが、右腕前腕はサポータ代わりに布を巻きつけて寝たら、そこから先がパンパンにむくみ、起きた時は手なんてグローヴ状態になってて握ることも出来ず、あせった(笑)
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■昨日は大家の電話番でネット接続できず。昨日のログ↓
■【昨日の予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
次第に曇る。北風。(高)19度、(低)7度。
[海洋気象] (エイベル)
セパレーションポイントより北では西15ノット。その他のエリアは変風10ノット、夕方北25ノットに。海況は荒くなる。午後の雨中視界良好。
向こう三日間:北東15~25ノット、土曜朝早くに北西25~35ノット、日曜遅くに南西15~25ノットに。土日は海荒れる。
[潮汐表] (ネルソン)
Low 04:50 AM 0.5 m High 11:17 AM 4.0 m
Low 05:25 PM 0.6 m High 11:43 PM 4.3 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■天候変化が遅れ、日中は少しずつ薄い雲が増えてきたもの、結局夕暮れまで晴れたまま。風もまったく吹かず一日中鏡のような油凪。
夜になって雨が降り始め、風も強くなってきた。
本日も、昨日一昨日と同じく、ポリテクのガイディング実習のサポート。本日は、同じポリテクの英語科の学生が実験台もといお役様役。英語科の学生ということでアジア人が多いだろうと思っていたら、全員アジア人だった(笑)
僕がついたのはブルガリア人のガイドの組で、お客様は日本人の男の子、日本人の女の子、ヴェトナム人の女の子に引率してきたキウィの先生(オバチャン)の四名。
本日のガイド役生徒はブルガリア人のおっちゃん(通常二十代の若者が主流のこのコース、今年はなぜか僕より年上の生徒が二人もいるのだ!)。非常にリラックスした雰囲気を持った男で、なおかつお客様をリラックスさせて楽しませることを念頭にガイディングを組み立て、この三日間で一番「金を取れるツアー」をみせてくれた。お客様が英語の通じないアジア人ばかりだったので、彼は内心頭を抱えて途方に暮れていたはずなのだが、それを表情に出さずに巧くさばいてた。あと数回僕のツアーを見せてやれば、もうプロとしてやっていけるんじゃないかな?昨日一昨日の子たちに比べて圧倒的に歳を食ってる(おそらく40歳)ってのが大きいんだろうな。
とはいえ、やっぱり学生なので細かいミスはたくさんやってて、デブリーフィングではしこたまフィードバックしてやった。特に問題なのはトウイング。やっぱり彼らのような学生とか新米ガイドとかは、トウイングが多すぎる。まったく必然性のないタイミングで、まったく意味のないトウイングを不用意にやってしまう。昨日のオランダ人もそうだった。
それに対して一昨日のタイ人の男の子は、端っからプロになる気のないヤツなので、ガイディングぶりも「期末試験に合格できるレヴェル」以上のことを学ぼうとはしないという、大変珍しいタイプ。プロになる気がないのに職業訓練校のこういう学科を専攻するヤツは、正直初めて逢ったのだが、彼はトウイングをやる気など最初から丸っきりなかった模様。つまりそういう「好い加減な態度のガイディング」がトウイングに関してはかえって良い方に作用していたという皮肉。
対するプロになる気満々、学ぶ気ムンムンのオランダ人やブルガリア人は、気合入りすぎてワケの分からんトウイングを連発。ヤレヤレ。
トウイングの危険性を含めて彼らにはたんまりと悪い点を指摘したが、さてあれらの項目を早急におさらいできるか?
しっかし、疲れたぞ。死ぬぞ。おまけに右腕前腕中央部小指側に痛み。打った覚えはないから、おそらくパドリングで傷めた模様。こんなところ痛くするのは初めて。
明日は休みをもらってるんだけど、一日で30mmの雨が降る予報だから一日寝てよ。土日は上記の通り海も荒れそうなので、しばらく休めるか? NMIT 4+1 / marahau - l@apple tree - adele sandy pt - fisherman is - guilbert pt - marahau
■余談だが僕自身は、今シーズン(昨年10月1日~今年9月末日)に関しては、未だにトウイング・ゼロの記録を更新中。けっこうスゴイかもしれない。あと三ヶ月踏ん張れば、通年トウイング・ゼロの大記録が樹立できるんだが、さてさて、どうなることやら。
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■そろそろ五月も終わる。早い。三ヶ月後には日本の土を二年ぶりに踏むことになる。この調子だと次の三ヶ月もあっという間だ。そろそろプロガイド・ワークショップ(PGW)やツアーリーダー・セミナー(TLS)の準備にかからないとマズイ。
■現段階で開催が決まっている会場と日程は、以下の通り。
- TLS 2005 常神会場
9月10日(土)、11日(日) - TLS 2005 三浦半島会場
10月29日(土)、30日(日)
窓口:コア アウトフィッターズ - PGW 2005 香川会場
11月第二週の平日
窓口:ジー・アウトフィッター - PGW 2005 三浦半島会場
10月下旬(TLS 2005 三浦半島会場の直前の平日)
窓口:コア アウトフィッターズ
TLSに関しては両会場とも土日の二日間開催が決定しているが、PGWはプログラムが三日間になるか四日間になるかが未定。したがって詳しい日程もまだ決まっていない。決定し次第、追ってお知らせする。
価格やプログラムは会場ごとに変わる可能性があるので、詳しいお問い合わせは各会場で窓口の労を取ってくださっている方、または僕自身に直接コンタクトしてください。
ただし現段階では、それらも未定。ご迷惑をおかけします。早急にその辺りをつめます。
■なお、TLS常神会場の窓口をしてくださっているTO-BEさんを中心として、TLSの復習自習の会「ツアーリーダー・ワークショップ(TLW)」なるものも発足していて、昨年第一回が開催された。
そして来月末に、第二回が開催される。こちらは参加費無料。
正直言えば僕としては、PGW 2003をもとにプロの間でこういう動きが活性化して欲しいと期待していたのだが、結局実際に活発に動き始めたのはTLS側だったというのが、何とも皮肉な話……。
プロの側にいろんな事情があることは僕も百も承知だが、やっぱりどう贔屓目に見ても、アマチュアの方が動きが活発で活気があるというのは、どうもなぁ……。
がんばろうぜ>プロ
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http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/2126
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ。風おだやか。(高)15度、(低)5度。 [海洋気象] (エイベル) 変風10ノット、夕方セパレーションポイントより北で西20ノットに変わる。北...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.06.05
Excerpt: ■実は、明日、大記録が達成できるかもしれない。 ◎Ryu's Logbook「Weather & Kayaking Log on 14-08-05」 昨年10月から何日働いたのか数えてないんだけど、ノー・トウイングはすごいぞ! ...
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.08.15
私も11月第2週より2週間の予定で帰国します。PGW興味ありますが、日程の都合とアマチュアパドラーなので参加資格は無いかと思いますが、機会があればお目に掛かりたいと思っております。
Posted by: Miya : May 29, 2005 11:12 AMおぉ!
お会いできるんですか、それは嬉しい。
PGWの参加資格は、「日本語を解すること」だけで、アマもプロも問わないんですよ。
過去にもアマの方どころかノンカヤッカーの方にも多数ご参加いただいてます(今回も、他ジャンルのアドヴェンチャー・ツアー・ガイドさんからご参加表明いただいてます)ので、Miyaさんだったらだいじょうぶなのですけど、日程が合わなきゃ仕方ありませんね。
ともかく、お目にかかれれば大変嬉しいです。
僕もなんとか日程調整しますね。
April 6, 2005
ヴォランティア・ガイド、その数なんと27,000人!?
■【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
晴れ。風おだやか。(高)20度、(低)9度。
[海洋気象] (エイベル)
変風10ノット、午後一時北東に変わる。海峡おだやか。
その後12時間:北部では北西15ノットに。
[潮汐表] (ネルソン)
Low 01:28 AM 1.1 m High 07:48 AM 3.8 m
Low 01:52 PM 0.9 m High 08:17 PM 3.7 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■朝は猛烈に寒い。出社してからも準備中は寒くて寒くて。でも日が高くなれば暑くなる。いかにも秋だ。
ベタ凪快晴、カヤッキング日和。 sbh 8 / mara - split apple - mara
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■極々私的なメモ。
昨夜、レンタル・ヴィデオ屋で借りてきた『The Land Befor Time』という恐竜のアニメ(ルーカス&スピルバーグらしい)を観ていた愛娘、主人公の少年恐竜が母親と別れてしまった場面で、ボロボロともらい泣きを始めた。
そっか、二歳児っていうのは、もうそんなに情緒豊かなのか。知らなかった。
と思ったのだが、よく考えると二週間ほど前に、ヤツは町中で家人とはぐれて迷子になったんだった。あの経験がよみがえっただけかもしれない(笑)
ともかく、悲しい場面を見てボロボロと涙を流す幼児って、親が見るとたまらなく可愛らしいのであった。
あ、クライマックスでまた泣きじゃくっている。可愛い。なるほど、結局お母さんとは死に別れてたのね。それで悲しくなったか。
ん? それだけ泣きじゃくっておいて、同じのもう一回観たいの? ありゃま。感動しちゃったのね。へぇぇ。
と、立派な成長ぶりを見せてくれるかと思うと、油断するとバカなことも覚えるからガキは油断がならん。彼女はここ数日、自分の乳首を触って、「きゃぁ、やめてぇ」と身体をくねらせて喜ぶことを覚えた。一人でヒマになったときなどにやっているらしく、遠くの部屋からそういう声が聞こえてくることがしばしば。あ、今もTV見ながらやってる。やっぱりアホだ。
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■大反響をいただいてしまった「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?〈前編〉」、「同〈後編〉」だが、昨日Miyaさんから「〈前編〉」のコメント欄にタイムリーな情報が寄せられた。
すでにお聴きになった方も多いと思うが、残り時間の少ない期間限定ネタなのでここに改めて採録。
大阪毎日放送のABCラジオのサイト。このページの中ほどの「週イチ更新の番組」の最後に「ニュース探偵局」という番組がある。4月1日放送分が「観光ボランティアについて、お話をうかがいました。」という特集。次回更新までに間に合えば、是非ともご一聴いただきたい。あと数日は聴けるはず。
■紹介してくださったMiyaさんは、コメント欄でこうおっしゃった(一部のみ引用)。
聴いた感じでは、ボランティアの動機は・・・・定年後の余暇の使い道、って言うのが一番大きいように感じました。
それに対する僕の返信(同じく一部のみ)。
確かにおっしゃるとおり、「引退後のヒマツブシ」ということが、恥も隠しもせずに語られていました。「応募してきた人、ほとんどを採用」
「平均年齢約63歳」
「知識はテストもしないので、自主的な学習範囲内」
「研修はわずか12回」
「時間厳守」など、やっぱり僕らが聞くと、素人さんの「ガイドごっこ遊び」にしか聞こえないです。
安全性だとか、顧客満足とかに関する話は一切なく、すべて会の内部、ボランティア間の話に終始し、完全に「お客様不在の自己満足」という、上記駄文の中で指摘したことが、いかんなく語られていて、あらためてガッカリいたしました(^^;
■お聴きになった方にはいわずもがなだが、この番組はアナウンサーがゲストの観光ヴォランティア・ガイドさんを相手にインタヴューするという形式で、24分を超える時間をかけて「観光ヴォランティア・ガイドとは?」ということが紹介されていく。
しかし、そんなに長いインタヴューにも関わらず、プロ・ガイドなら避けて通れるはずのない「顧客満足」の話は一切出てこなかった。「自己満足」の話に終始したと感じたのは、僕だけではないと思う。
「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?〈前編〉」で論じた「プロ・ガイド=顧客満足」、「ヴォランティア=自己満足」という対比が非常に良く現れた例だと思う。
ちなみに個人的に一番インパクトがあったのは、特に気をつけている点として、
「お客様を待たせるのはもってのほかなので、集合も終了も時間厳守。これを心がけています。」
が挙げられた点。このときは、危うくPCの前で椅子から転げ落ちそうになった。
これと同じことを僕がラジオで喋ったとしたら、スゴイだろな。
「Ryuさんは、お仕事される上で、どういうことに一番気をつけていらっしゃいますか?」
「はぁ、僕は寝坊なんで、遅刻だけはしないように心がけてます。あとお客様がバスに乗り遅れたら大変なんで、ちゃんと間に合うように帰ってくることも大事ですね」
ワハハ、こりゃかなり悪質なギャグだ(爆)
後から同業者連中から、笑ってもらえるか、それとも「ハズカシイこと抜かすな!」とドツカれるか、ちょっと微妙な線だな、こりゃ(^^;
アマチュアのヴォランティア・ガイドさんには、そういう「常識以前」の話をとりたててラジオで語ることが「恥ずかしい」という意識さえない。つまり、ガイディングなんぞ「時間厳守」してれば、それ以外はは取るに足らぬことだと思ってらっしゃるのか?
ヤレヤレヤレヤレ、僕らが血が出るほど苦しんで取り組んでいる業務、ずいぶんとなめられたことだこと……。
■ともかく、Miyaさんのご指摘通り、僕自身もこの番組のインタビューを聴いて、全体としては「隠居の暇つぶし」という印象を受けた。
暇つぶしとしては、「ガイディング」はそりゃ面白い知的遊戯だろうと思う。適度に身体も使うので、健康維持にもピッタリに違いない。
でもねぇ、そりゃ単に「ガイディングごっこ遊び」であって、「ホントのガイディング」とは別。要するに、奇しくも僕が「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?」で論じた「ヴォランティアにガイドは出来ない」ということを、この番組は見事に裏付けてくれた形になってしまったわけである。
ま、これは別に驚くにはあたらない。僕にとっては、期待以上でも以下でもなかった。
■しかし、一つだけ自分の認識が思いっきり甘かったことを痛感させられたことがある。
件のガイド氏の所属するNPOのサイトはこちら↓
驚いたことに、これと同様の団体が日本になんと約1,000も存在し、所属ガイド数は驚くことなかれ、27,000人に達するというのである。こりゃビックリした。
それだけの数の団体があるということは、つまりヴォランティア・ガイド団体がハッキリとした意思を持って、日々成長しているということを意味する。
これでは、僕の主張の通り、いくら業界側がヴォランティアを使わないようにしたところで、全く追いつかない。ヴォランティア・ガイドがヴォランティア・ガイドを生み、どんどん自己増殖してしまっているのである。
さらにはこうした団体間の全国大会まであるというではないか。そういう意味では、プロ業界よりも完全に先を行っている!
その結果が、27,000人という数だ。これからはますます加速度的に増えるだろう。
それに対するプロの側だが、添乗員、バスガイド、アウトドアガイドなど、それで収入を得ている広い意味での「プロ・ガイド」が、日本にどれくらいいらっしゃるのか、僕は知らない。
ただ、27,000人という数を無視できるほど、圧倒的な数のプロがいるわけではないだろう事は、容易に想像できる。言いかえれば、「全ガイド」のうち「ヴォランティアの占める割合」は、猛烈に高いはずなのだ。
そして「只働きでけっこう」というヴォランティアは、業界の風向きとは無縁に増え続け、無料ゆえに順調に仕事もこなし続けるだろうが、ツーリズム業界不振の昨今、プロはなかなか増えないだろう。つまり、ガイド数の上でも、仕事量の上でも、ヴォランティア率は高まる一方だと思っておいた方が良い。
ツーリズム先進国では、絶対にありえない話だ。正直言って大ショックを受けた。知らなかった僕が悪いのだけど。
■ここまでヴォランティア・ガイドが多いと、さすがに僕も落ち着いてはいられない。
具体的な問題点は、二つ。
その一。
「尊い」と自他共に考えられている「ヴォランティア」を相手にこんなことを言うバカは僕くらいのものなのだろうが、言葉遣いに問題があることを承知の上であえて言えば、これは要するに「営業妨害」に他ならない。
プロの営業を邪魔すれば、彼らが食えなくて苦しむのはもちろんのこと、サーヴィス業全体のレヴェルアップを阻むことにもなるという側面もあることに留意したい。
世界各国で「ツーリズムは宝の山、金の卵」ととらえられ、ツーリズム発展が図られているのだが、無料ツアーばかりを増やして、どんどんレヴェルを落としている日本は、どうなるのだ???
その二。
このまま順調にヴォランティア・ガイドが増え続ければ、そのうち間違いなく僕らのところにも進出してくる。つまり、平均年齢60歳を超え、12日間しか研修を受けていない「ヴォランティア・シーカヤック・ガイド」が続々誕生してくる可能性があるということだ。
そういうシーカヤック・ツアー会社が実際に存在するという話はまだ聞いていない。しかし、トレッキングはすでにあるだろう。湖や川でのカヌーのガイドもおそらくいるのではないか?
これが何を意味するかは、拙ブログの読者諸氏には、わざわざご説明するまでもないだろう。
もちろんこの二点以外に、安全基準の問題や、低レヴェルなサーヴィスによるサーヴィス業全体のレヴェルを沈下させる恐れもあるが、これは以前「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?」で論じたので繰り返さない。
■この辺のこと、当のヴォランティア・ガイドさんたちは、どうお考えなのだろう? 気になる。
よし、一つ公開質問状と行こう。
27,000人のヴォランティア・ガイドさんたちに、若輩者のガイドからいくつかお伺いしたいことがございます。以下の項目についてどう思われるか、お教えいただけませんでしょうか?
- あなた方の活動が、プロ・ガイドの生活を脅かしているかもしれないということを、考えたことはおありですか?
- あなた方の活動が、プロ・ガイドから仕事を奪うことによって彼らの成長を阻み、それがツーリズム全体、ひいてはサーヴィス業全体のレヴェルアップを邪魔していることを、どのようにお考えですか?
- 消費者に「ガイディングは無料」という先入観を植え付けてしまっている弊害は、日本経済全体にも少なからず影響を及ぼす可能性がありますが、この点についてはどのように責任を取るおつもりでしょうか?
- 今回西表で悲惨な事故が起こりました。プロでさえあのような大事故を起こしてしまうという事実を、アマチュア・ヴォランティア・ガイドの皆さんは、ご自分たちの技術と照らし合わせて、どのようにお感じになるでしょうか? あるいは、あの事故をご自身のお仕事の安全対策に活かすにあたって、どのように分析なさったでしょうか?
■資源が枯渇し始め、汚染が深刻になっている現在、大量生産、大量消費に依存しない「ツーリズム」という産業は、地球全体で考えても非常に大きな意味を持ってきている。それを「隠居の暇つぶし」のために、叩き潰してしまっていいものだろうか?
他にヴォランティアの活躍の場がないというのなら、僕もここまで言わない。しかし以前論じた通り、ヴォランティアが威力を発揮する場面は他にもあるし、ヴォランティアでなければいけないジャンルも少なくない。
聞けば最近の日本では、「引退後はヴォランティア」というのが「社会通念」となりつつあるようで、やらないと肩身が狭かったりもするらしい。
となると「一流校」→「一流会社」→「ヴォランティア」というのが、新たなる「レールに乗った模範的人生」なのかもしれない。
そのこと自体をここで論じるのは不可能なので、これ以上は突っ込まない。
しかし、そういう「引退したらヴォランティアをするに決まってる」という程度の意識で、特に深い考えもなくヴォランティアに手を染める人間が、「これは果たしてヴォランティアに向いている業種なのか? 弊害はないのか?」などのきちんとした考察もないままに、本来ヴォランティアとは相容れない業種に大量流入するとすれば、それは問題だろう。
やはりヴォランティアの方々には、ツーリズムやガイディングからは手を引いていただきたいというのが、プロである僕の本音である。
念のため申しあげるが、僕は「十分に食えているプロ」であり、「すでに峠を越えて下り坂に入った、これ以上レヴェルアップは望めないガイド」でもあり、そもそも「ニュージーランドを職場としている人間」でもある。つまり、日本にヴォランティア・ガイドが多くても少なくても、自分自身には何の影響もない立場だ。
それでもなおこうしてあえて意見を述べているのは、それだけ「放っておけない大きな問題」だと考えているからである。
っつぅか、根本的なところにツッコミを入れるならば、これだけ経済が沈下していて、あらゆる場面で「経済効果」が叫ばれているというのに、こんなに膨大な数の「ヴォランティア・ガイド」の団体、NPOが乱立しているという事実に、そもそも政策的な矛盾を感じる。
しかしここを突っ込み始めると政治問題に言及しなきゃいけなくなるので、今日は止めておく。なんせただでも西表の事故をキッカケに、EPIRBやマリンVHFラジオの件で日本の電波法のことを調べる羽目になってて、最終的にはこれは法改正や法運用の見直しの運動にしなきゃいけなさそうな按配なんだから、さすがにヴォランティア・ガイド団体の政治的側面にまでツッコミを入れる余裕はない。
というわけで、どなたか時間に余裕のある「ヴォランティア」の方いらっしゃいましたら、この件僕の代わりにやっていただけませんか?(笑) これこそヴォランティアの出番だと思うんだけどな。
■これを読んで、
「私は、ガイディングにかけているんだ。私の第二の人生の天職なんだ。これがないとダメなんだ!」
と拳を振り上げていらっしゃる頼もしいヴォランティア・ガイドさんへ。
ならば、この業界に「プロ」として飛び込んできていただきたい。そういう人材ならば、僕だって大歓迎。引退後にヴォランティアでガイディングに目覚めてしまった「遅れてきたプロ」だって、適性をお持ちならば、プロと認めるのに僕はやぶさかではない。ご心配無用、この世界には定年なんぞございません。
ようこそ、こちらの世界へ!
そういう方々が、ボケッとしてるぼんくらガイドや似非プロガイドたちをどんどん駆逐して下さるというのなら、僕はますます大歓迎。プロ同士の競争で、能力のないものが敗れて淘汰されていくのは、まったく健康的なことだと思っているし、業界発展のために不可欠だと思う。言いかえれば、プロの邪魔をするのは他のより優れたプロであるべきだと思っている。僕自身がそういう業界内のまっとうな競争に敗れて駆逐されても、文句は言わない。
ガンバレ、遅れてきた「ヴォランティア出身」のプロガイドたち!
■突然だが、ツーリズムが成功しているこの国の話をする。
ニュージーランドのツーリズムは世界最先端だ。自然や風景の素晴らしさが人気の秘密だが、実はそれだけではない。いや自然や風景だったら、世界にはもっとスゴイところがゴロゴロある。
本当の人気の秘密は、「ホスピタリティ(もてなし)」だ。欧米を始めとする世界中からの旅行者は、もれなくニュージーランド人のホスピタリティ豊かなもてなしに感激し、口をそろえて激賞する。
それは、別にアウトドア・ツーリズムに限らない。宿、バス、インフォメーションセンター、食事処、土産物屋、ありとあらゆる場所で、彼らはキウィ流の温かいもてなしを受けて感動し、そして数年後に再訪する。
これは、そもそもの国民性に由来している。キウィ(ニュージーランド人)という国民は、もともとおそろしいほど人懐っこく、サーヴィス精神旺盛なのだ。
僕も彼らのホスピタリティに感激した人間の一人だ。だから、僕もアウトドア・ガイドを目指した。
ところが今の僕は、勤勉な日本人なら、キウィ流を上回る大和流ホスピタリティを身につけ、世界中の観光客をさらに驚嘆させることが可能だと考えている。いや、キウィを上回る可能性を持っているのは、世界中見回しても日本人以外にない、とさえ信じているのだ。
だからこそ、口を酸っぱくして「プロのガイディング」についてあちこちで語り続けているのである。
しかし、それはプロが日々ホスピタリティとは何ぞやと悩み、研鑽を続ければ、という条件がつく。
ご存知の通り、日本人はシャイで、他人との間に壁を設けがちな民族だ。だから、キウィのように「生まれつきナチュラルにホスピタリティ満点」という人はそう多くない。国土、文化、歴史などの固有の背景によるものだから、そのこと自体がどうこういう問題ではない。単なる事実である。
だがその反面、鍛えればキウィを超えられる人は、たくさんいるのも事実である。実際に、日本のマクドナルドのサーヴィスは、世界でも最高峰だというではないか。他国は知らないが、ニュージーランドと日本のマクドナルドを比べると、確かに日本の方がはるかにサーヴィス・レヴェルが高い。
プロが本気で修練を積めば、ツーリズム業界でもニュージーランドを超える可能性は大いにある。
だが、アマチュア・ヴォランティアが、「ガイドごっこ」をしているだけでは、到底そのレヴェルには追いつけない。
そして、日本の消費者は、そんなアマチュア・ヴォランティア・ガイドの低レヴェルな仕事ぶりを「標準」と考えるようになり、新たにガイドとしてこの業界に飛び込んでくる若きプロたちも、それを「当然のレヴェル」と考えるようになる。
そういう悪循環が定着してしまったら、これは厄介なのだが、実はもうすでに定着してしまっているのかもしれない……。
もったいない話だ。日本人なら、キウィを超えることが出来るはずなのに、これだと差は開く一方だ。
いや、「もったいない」だけではすまない話かもしれない。西表の事故の問題に関しては、軽率な意見を述べることはタブーだと心得ているが、それでもあえてその愚を犯すならば、僕にはあの事故がこの「悪循環」とまったく無縁とは思えないのである。
もちろん本郷氏がヴォランティア・ガイド並みだったなどという暴言を吐いているわけではない。
しかし、27,000人のヴォランティア・ガイドの仕事ぶりが、無意識レヴェルで彼の仕事に何らかの形で悪影響を及ぼしていた可能性は否定できない。個人的には、これは是非とも検証しておく必要があると思っている。
■さて、最後に本論からちょっと外れるが、プロ・ガイドの正直な「つぶやき」を。つまりここから先は、単なる想像である。無責任ではあるが、お許しを。
これまでヴォランティアを排する論を進めてきたが、正直に言えば彼らの「儲け度外視」の仕事は、うらやましいと思うこともあるのだ。
僕らプロ・ガイドも、「ここにもう少しコストをかけられたらなぁ」と考えることは、しょっちゅうあるのである。
極端に言えば、僕らも例えばこんなツアーを夢想することがある。
- お客様4名までの超少人数グループにガイドが2名つく
- さらにグループごとに伴走モーターボートがつき、荷物はすべてモーターボートが運ぶのでカヤックは空荷で軽快。モーターボートは海上では安全確保し、上陸時には先回りしてキャンプ地をセッティングしてお客様の上陸を待つ。もちろん漕ぐのに疲れたお客様はモーターボートに乗り移ることも可能。
- 食事にはテーブルに白いクロス、銀のカトラリーに、地元陶芸家の手によるカラフルな皿を使用。もちろん冷えた地元産のワインがつく。
ところがヴォランティア・ガイドたちは「採算度外視」が基本なので、極端なことを言えばこんなツアーだって彼らにとっては不可能ではないというわけだ。なんとも恐ろしい話だが、儲けや人件費を無視して必要経費(食費や燃料費)だけを請求すればいいのだったら、こういうツアーだって僕らが今やってるワンデイ・ツアーよりもはるかに安く提供できる可能性もあるわけだ(!)
というようなことを考えて、一人腕を組んでうなってしまうのである……。
っつぅか、伝説(笑)の「シーカヤックミーティング in 牛窓」だって、まさにこういう「必要経費だけ請求」かつ「僕らガイド陣は無料奉仕のヴォランティア仕事」だったから、あれだけの反響が得られたのである。
ヴォランティア・ガイドって、オッソロシイねぇ、まったく。「アマチュアにはプロガイドの仕事は出来ない」なんて、安心してると、すぐに足元すくわれる。
■ところで僕は歯に衣着せぬタチだが、「陰口」は嫌いなので、この手の批判文を書く場合には、必ず先方にその旨を連絡することにしている。だから「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?」やこの駄文は、当該ガイドさん所属のNPOさんにもお知らせしようと思ったのだが、サイトを拝見してもメールアドレスの記載がなく、ツアー申し込みもファックスを利用せよとのことだった。僕はファックスを持ってないので、諦めた。
こうした利便性の無視も、いかにもヴォランティアらしいところだと感じた。プロの業者のサイトがこんなに使い勝手が悪ければ、すぐにお飯の食いあげである。
が、「無料」の魅力を選び、痒いところに手の届かぬサーヴィスには目をつぶる消費者も、少なくないのだろう。Miyaさんのおっしゃる通り、「地元のボランティアガイド+NPO法人=安心+タダ」というイメージさえあるのかもしれない。
となると、前項の「恐ろしい想像」がますます現実味を帯びてくるではないか……。ヤだなぁ。
ともあれ、もしお知り合いに、こうした活動をしていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、こういう批判をしている人間もいると言う事を、先方にご紹介頂けると幸いです。そもそも1,000もある団体に、僕一人で告知するのはムリ。
もちろん当方は、ヴォランティア・ガイドやNPOの方々からのお叱りや反論を覚悟の上で執筆しておりますゆえ。
しかし1,000の団体、27,000人の人間に、僕は一人でケンカを売っているのか? まさにドンキホーテの愚行だな。
本音を言えば、アホな業界人、低レヴェルな同業者にケンカを売るのには何のためらいもないが、アマチュアの方、しかも立派な志をお持ちのヴォランティアの方々を相手に苦言を呈するのは、非常に心苦しいのだが……。
■ま、いいや、ドンキホーテはいさぎよく突っ込んで玉砕してこそ華だ。
というわけで、今日の一言。
タダより高いものはない。
ツケは、すでに色んなところに回ってきている、と感じている。
■追記(4月7日)。
コメント欄でHokulea2006さんにご指摘いただいて、自分の舌足らずに気づいた。それに対する僕の返信を、改めてここにも追記の形で転載しておく。コメント欄との重複になるが、ご容赦を。
ご指摘感謝いたします>Hokulea2006さん
Hokulea2006さんのおっしゃる通り、プロのマーケットになりにくい(なりえない)ような、ニッチ・マーケット的な都市観光に関しては、僕もヴォランティア・ガイドの成り立つ余地はあると考えています。
僕自身も、都市部に今回のようなヴォランティア団体があり、ガイドさんたちが活躍していることは存じておりましたし、それに特に問題を感じていませんでした。
それはあくまでも、「商業ツーリズム」がメインにあり、その「ニッチ」をヴォランティアが埋めているという、まさにHokulea2006さんがおっしゃってるような構図だろうと思っていたからです。「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?」で、ヴォランティアを安易に使おうとする業界だけを批判し、ヴォランティア側はむしろ擁護しようという論調で通したのも、こういう現状を考慮していたつもりです。しかし、さすがにこれだけの数が存在し、今後も加速度的に増殖することが容易に予想できることが分かった今、彼らの活動の場がそうした「ニッチ」だけに止まらなくなってくるという恐怖感、危機感が起こり、今回のエントリーを書いた次第です。MMさんのおっしゃる点も、僕の懸念の一つですし、こうした例は今後急激に増える、と考えています。
もちろん、今後も「ニッチ」に関してはヴォランティアさんとの住み分けが可能だと考えています。
ただ、この数を見ると、逆に今はプロ側が、ヴォランティアのニッチ、あるいはオコボレのジャンルでマーケティングをしているような気さえもして来ています。特に都市部ではなく、田舎でのエコツーリズム、グリーンツーリズムでは、ヴォランティアや自治体主導の「無料(に近い)」ツアーも少なくないのが現状です。
奄美などでは、商業カヤックツアーに\1,500なんていう価格がついている場合もあるそうですが、プロのツアーがこんなとんでもないタダのような価格設定をせざるをえない背景に、ヴォランティア・ツアーの影響が存在しているような気がします。Hokulea2006さんのおっしゃるような、理想的、健康的な住み分けに落ち着いてくれることを、切に望みます。
あと、「ガイディングは無料」「サーヴィスは無料」という変な認識が消費者の間に広まらないことも、同時に切に望みます。危機管理面などで、依然としてヴォランティア・ガイディングには色々と問題は残るでしょうが……。都市部の観光ガイディングも、危機管理が難しい商品なんですけどねぇ。
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■ヴォランティア・ガイド反対派は
を、賛成派は
を、「何とかプロとヴォランティアが共存するすべはないのか?」と思った方は両方をクリックしておいて下さい。
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/871
私はボランティア・ガイドを依頼したことはありませんが、彼らが活動しているのはいわゆる都市観光地であり、そういう場所にこれまで地付きのプロフェッショナル・ガイド産業は成立していなかったのではないでしょうか。日本のプロフェッショナル・ガイド産業は基本的にツアー添乗員・バスガイドであり、これらは大規模なグループを集めて周遊型のツアーをやることで、なんとか採算を合わせてきたと思いますが、この種のツアーに参加する客とボランティア・ガイドを利用する客(私の見聞の範囲では数名のグループ)はそもそも旅のスタイルが違いますから市場は重複しませんし、現状では、ボランティア・ガイドを全て無くしてしまったとしても、プロフェッショナル・ガイド産業が成立するとは思えません。生計が立つほどの市場が無いのです。相手は2人や3人のグループで、泊まっている宿もリーズナブルなクラス。そんな客が、いかに高い能力を備えていても、ガイドに1日2万円出すわけがない。
とすれば、ボランティア・ガイド組織を整備することで観光客の吸引を目指し、飲食店や観光施設に金を落として貰うというシステムは頭から否定するほどではないと思います。
むしろ、数名対象のプロフェッショナル・ガイド産業が狙うべきは客単価の高い富裕層のツーリストでしょうし、そういった層を対象にしたツアープランの商品は、これから開発の余地が多分にあると思います。従来の観光タクシーを越えたものですね。
つまり、ボランティア・ガイドは客単価の安いツーリストへの最低限のケアとして用意し、プロフェッショナル・ガイドは高付加価値商品を本気で開発してきちんとした商売をする。日本のツーリストの階層構造を考えた場合、こういった棲み分けは可能だと思いますが。
恐竜物の定番、The Land Before Time、シリーズで何作も出てますよね。
http://www.landbeforetime.com/
宇宙人もいまだに見てたりします。
ストーリーやキャラクター設定に加えて絵が可愛いので子供が感情移入しやすいんですよね。
で、姫。
>「きゃあ、やめてぇ」
とヨロコンデしまう芸は、一体何所/誰からおそわったんですか???
DNA的には・・・(以下自主規制)。
このヴォランティアとツーリズムの関係をこちらの論調的に見てみると、最近の乳頭山(烏帽子岳)の高齢者パーティーの遭難事件が頭をよぎりますね。
自分が拾い読みした関連情報をはしょってまとめて見ますと、
リーダー格がヒマラヤ登山経験があってしかも乳頭山自体にも十何回だか何十回だかとにかく回数多く登っていると。
しかもこれ以外にも地元ということもあってサブリーダー的な人間も数名いたらしい。
にもかかわらず、
天候が下り坂になるのを予想されていて、しかもペースメーカーが入った高齢者の参加者もいて、42人の大所帯で山に入って持っていったコミュニケーション機器が携帯数台(しかも寒くて最後にはバッテリー切れだったとか)。
しかもその携帯のかかってきた先も家族やグループの事務所的連絡先ばかりで救助機関には直接コンタクトを取ろうとしていなかったらしいと。
こういう層がまさしく今回のテーマ的な観光ヴォランティア・ガイドに最も近いグループですよね。
西表の島渡り1万人という数字にも驚愕しましたが、
2万7千ですか。
溜息・・・
Hokulea2006さん、MMさん、さっそくのコメントありがとうございます。
なんか調子悪くて上手くかけないままにアップしちゃってるんで、今読み返すと自分でも頭抱えてしまうエントリーですが……(^^;
Hokulea2006さんのおっしゃる通り、プロのマーケットになりにくい(なりえない)ような、ニッチ・マーケット的な都市観光に関しては、僕もヴォランティア・ガイドの成り立つ余地はあると考えています。
僕自身も、都市部に今回のようなヴォランティア団体があり、ガイドさんたちが活躍していることは存じておりましたし、それに特に問題を感じていませんでした。
それはあくまでも、「商業ツーリズム」がメインにあり、その「ニッチ」をヴォランティアが埋めているという、まさにHokulea2006さんがおっしゃってるような構図だろうと思っていたからです。
「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?」で、ヴォランティアを安易に使おうとする業界だけを批判し、ヴォランティア側はむしろ擁護しようという論調で通したのも、こういう現状を考慮していたつもりです。
しかし、さすがにこれだけの数が存在し、今後も加速度的に増殖することが容易に予想できることが分かった今、彼らの活動の場がそうした「ニッチ」だけに止まらなくなってくるという恐怖感、危機感が起こり、今回のエントリーを書いた次第です。
MMさんのおっしゃる点も、僕の懸念の一つですし、こうした例は今後急激に増える、と考えています。
もちろん、今後も「ニッチ」に関してはヴォランティアさんとの住み分けが可能だと考えています。
ただ、この数を見ると、逆に今はプロ側が、ヴォランティアのニッチ、あるいはオコボレのジャンルでマーケティングをしているような気さえもして来ています。
特に都市部ではなく、田舎でのエコツーリズム、グリーンツーリズムでは、ヴォランティアや自治体主導の「無料(に近い)」ツアーも少なくないのが現状です。
奄美などでは、商業カヤックツアーに\1,500なんていう価格がついている場合もあるそうですが、プロのツアーがこんなとんでもないタダのような価格設定をせざるをえない背景に、ヴォランティア・ツアーの影響が存在しているような気がします。
Hokulea2006さんのおっしゃるような、理想的、健康的な住み分けに落ち着いてくれることを、切に望みます。
あと、「ガイディングは無料」「サーヴィスは無料」という変な認識が消費者の間に広まらないことも、同時に切に望みます。
危機管理面などで、依然としてヴォランティア・ガイディングには色々と問題は残るでしょうが……。
都市部の観光ガイディングも、危機管理が難しい商品なんですけどねぇ。
>MMさん
僕、まだその恐竜アニメ、ちゃんと見てないんですけど、ルーカス&スピルバーグと聞くと、見なきゃと思ってます。
今日当たり見よう、うん、そうしよう。
>一体何所/誰からおそわったんですか???
さぁ?
両親ともそういう連中だから、どっちからかを判定するのは困難かと(笑)
ボランティア・ガイドとプロフェッショナル・ガイドの問題についてはフィールドによってまったく状況が異なっている気がしますから、これ以上はきちんとした社会調査の結果を参照しなければ有効な議論は出来ないのではないでしょうか。
Posted by: Hokulea2006 : April 7, 2005 10:33 AMおっしゃる通り、もっとちゃんと論ずるにはもっとちゃんとしたデータが必要だというのには同感です。
あくまでもこのエントリーは、僕の「懸念」とそれに基づいた「公開質問状」というだけで、議論というレヴェルまで行くシロモノじゃありません。
ただ、アマチュアが山、川、湖、海などの危険なフィールドに進出することに危険性が大きいことは、社会調査の結果を待つまでもありません。
また、「無料ツアー」の存在そのものが、消費者に与えている影響、ひいてはそれがプロのツアー(特に価格設定など)に影響を及ぼしている点も同様かと。
無料ツアーの影響でプロの価格設定が下がるという事は、すなわち危機管理レヴェルが低下することを意味します。
これが「起こっていない」、あるいは「これからも起こる可能性がない」ことが立証されれば僕も安心するのですが、残念ながら立証はできないだろうという予感はあります。
あくまでも「予感」です、「持論」じゃありません(笑)
乳頭山の事故、西表の事故などを見ても思うのですが、ツーリストが観光行為を行う際に生ずるリスクをいかに管理するのかという議論が必要でしょうね、これから本当にツーリズムを国策として振興しようというのであれば。石原慎太郎のクビ大がそれをやれるのかどうかはかなり怪しいでしょうけども。
Posted by: Hokulea2006 : April 7, 2005 2:18 PM今回のエントリー、とても興味深く読ませて頂きました
>ニュージーランド人のホスピタリティ豊かなもてなしに感激
私の場合、まさにそうでした
もう10年以上前ですけどNZを旅した際、どこにいっても
地図を広げれば、
「お前らどこ行くんだ?」
「飯は食ったか?」
「寝る場所あるのか?」
道に迷ったり、困ったりする事はほとんど無かったです。
キャンプ場で食事に誘ってもらったり、坂道をチャリ漕いでたら
馬鹿でかいキャンピングカーに乗せてってもらったり。
和風に言うと「愛すべきお節介主義」っていうのかなぁ~
旅先の心細い時に彼らに救われた事は一度や二度ではありませんでした。
実は旅行の最終日、クライストチャーチの私の安宿に泥棒が入って
パスポートから財布から金品、根こそぎ盗まれたんです。
宿のおばあちゃんとか泣きながら
「この国を嫌いにならないでね」って手を握って謝るんですよね。
悪いのは泥棒なのに・・・
現場に来た警察官は一緒に大使館に行って、
埒のあかない日本人の職員を一喝して、その日のうちに
帰国のための一時渡航書を発行させてくれるし、
航空会社の職員も再発行の効かないはずの航空券を格安で再発行してくれたし。
この国の人達への感謝の気持ちは10年以上経った今も尽きません
>Hokulea 2006さん
>これから本当にツーリズムを国策として振興しようというのであれば
いや、さすが鋭いご指摘。
僕が一番疑問に感じてるのが、ここなんです。
国も各自治体も、こういうことは口にするんですが、実際に本気でツーリズムを振興する気があるように見えないというのが、そもそも根本的な問題に思えてます。
ニュージーランドと比較してみてしまうから、特にそうなんですよね。
もちろん、国民感情のレヴェルでは、ほとんどの人間はツーリズム振興を望んでいないようです。
よそ者が自分たちの土地にやってくるのを、生理的に嫌悪する人が圧倒的に多いようです。
口では「金を落として行って欲しい」と言う人が多いにもかかわらず。
ま、これは裏を返せば、金を落とさないツーリストが今まで多かったがために、よそ者が来るばかりでまったく潤わなかったという事実があるからなんでしょうが。
ま、国民レヴェルの意識はともかく、お上は本当にツーリズム振興する気があるんですかねぇ???
>shuさん
全部盗まれちゃったんですか!?
大変な目にお遭いになりましたねぇ。
当時は、確かにそうやってひどい目にあった外国人に対して「NZを嫌いにならないでくれ」と謝るキウィが多かったようです。
新聞にそうした事件が報道されると、全国からそういう投書が殺到したものだそうです。
盗難事件が、はからずもそういう感謝の気持ちとして残っていらっしゃるというのは、この国の住民としても嬉しいエピソードです。
でも、再訪してくださる場合は、さらに気をつけてくださいね。
治安はますます悪化してます。
10年たった今は、国民の雰囲気も変わってきてまして、もっと殺伐としてます。でも世界的に比較すれば、まだまだキウィのホスピタリティは健在ですが。
でもねぇ、ホントは日本人も、負けず劣らずのホスピタリティ発揮できるはずの民族なんですよね。
一昨年、九州のとある温泉に行ったときも、仲居のオバチャンたちが、キウィなんか足元に及ばないような見事なホスピタリティを発揮してくれて、同じツーリズム業に属する若輩者は、深くうなだれて帰ってきたものです。
世界の殺伐とした空気は、まずアメリカの大統領と取り巻きが変わらない限りは続くでしょう。
あと、小泉政権も対アジア外交の稚拙さは血の気が引くレベルなんですよね。竹島問題にしろ、教科書問題にしろ、一昔前なら自民党で抑え込んでおけたはずなんですが、小泉政権は明らかに対中・対韓・対北朝鮮の外交問題を自らの政治的資源(支持率回復の薬)に使って来たし、それに習って地方の保守政界も安易な排外ナショナリズム刺激を票集めの手っ取り早い手段にしている。特に最悪なのが石原慎太郎ですが、東京を観光都市にすると息巻いて都立大を潰したくせに、一番の上得意になりそうな中韓を挑発しては気勢を上げている。
一言で言えば保守政界が疲労してドーピングに走っているという事なんですが、こういうことをやっていてはツーリズム振興は無理ですね。石原慎太郎の場合は一橋の同窓生のシンクタンクに吹き込まれてツーリズム振興と言っているだけで、あまり真面目にやる気はないようですけど(お客さんを迎える側のゼネラルホストが三国人とかシナ人とかわざわざ相手を怒らせる言い方を好んで使ったり、フランス語は数が数えられないから国際語として失格などと放言しているようではね)。
日本のホスピタリティの潜在能力については、私も同意します。ですが、それも諸外国との友好関係があってこそでしょう。
Posted by: Hokulea2006 : April 8, 2005 12:39 AMおっしゃる通り、結局「国策」としてのツーリズムを論ずると、ここを避けて通れなくなっちゃいますね……。
おっしゃること、いちいちごもっともだと思います。
三国人ウンヌンを平気で口にする国が、一方でホスピタリティ云々を語っても、そんな二枚舌ではホントのホスピタリティは発揮できないと思います。
う~ん、エライところにトピックが向いちゃいました(^^;
とりあえず、下々の者としては、米国大統領を始めとする、「この手の政治戦略」の尻馬に乗らないように気をつける、っていうくらいでしょうか。
NZがこういうバカな政策をとりはじめたら、確かにすぐに国は滅びそうだ……。
奄美の\1.500ツアー、しゃれになりません。
写真なんか撮ってたら
「ぐずぐずしてたら放って行くぞ」
と叱られ、
「3番のカヌー早く漕げ」
と叱られ、
ここのツアーに参加した後に海をご案内させて頂いたお客様はカヌー、カヤックのツアーってみんなあんな感じなんだと思ってたと言われて結構ショックでしたね。
このフィールドでの料金設定は\1.500が基準になってしまってて、何でも良いからとにかく数を回せというやり方が定着してしまってます。
いつか事故が起こるのではないかと心配せずにはおれません。
Posted by: ごう : April 13, 2005 10:24 PMこの話、以前聞いて怒りで目の前が暗くなったけど、今回そんなツアーが\1,500と聞いて、再度目の前が暗くなりました。
ヴォランティア・ツーリズムまがいの低価格設定で、クソ似非ガイドが担当するとなると、もうこりゃ何もいう事がありません。
そんなものがまかり通り、消費者がそれを許している以上、事故もも防げねぇよなぁ。
もうこうなると、誰が悪いのやら、もう僕にはさっぱり分からん。
Posted by: Ryu : April 13, 2005 10:50 PMまさしく、ヴォランティア・ガイドさんたちの方が、ちゃんとしっかりした仕事をされるはずです。
こういうクソ似非ガイド連中に比べれば。
似非ガイドの問題と、ヴォランティア・ガイドの問題は、根本的に別だと思っていますし、残念ながら似非ガイドの中には、ヴォランティア・ガイドの足元に及ばないようなクソも少なくないのが事実です。
しかし、サーヴィス業、しかも命のかかるアドヴェンチャー・ツーリズムにおいて、粗悪品薄利多売合戦が行われるとは……。
もう知らん、そういうアホ連中や、それを許す消費者のことは、もう考えるのやめた。
分析しても論考しても始まらん。
そういうのは、まとめて駆逐することだけ考えよう。
ごうちゃん、ガンバレ。
駆除しろ>粗悪品薄利多売業者
March 20, 2005
ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?〈後編〉
■【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
晴れ、ただし朝のうち曇りまたは薄霧。午後シーブリーズ。(高)24度、(低)13度。
[海洋気象] (エイベル)
変風10ノット、午後シーブリーズ。海況はおだやか。
[潮汐表] (ネルソン)
High 05:30 AM 2.9 m Low 11:55 AM 1.7 m
High 05:39 PM 2.9 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■予報通り朝早くは曇っていたがあとはピカピカの快晴。今日は昨日とうって変わって、またインディアンサマーが戻ってきた。最高気温も最低気温も昨日と同じ? ウソだろ?
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■昨夜というか、本日の早朝2時にサマータイムが終了。本日から日本との時差は3時間(ニュージーランドが先行)に戻った。
これでまたしばらく、朝真っ暗な中起きなくてすむ。でもすぐに日が短くなって、また暗いうちから起きなきゃいけなくなるんだろうけど。
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■昨日のエントリーツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?〈前編〉からの続き。
◇”まちづくり”便利帳「ボランタリー・ツーリズムという発想」
を題材に、ツーリズムとヴォランティアについて論じている。
早速コメントをいただいていて、大感謝ですm(..)m
昨日は、「サーヴィス業のプロ」と「ヴォランティア」の違いを検証し、よって「ヴォランティアにツーリズム業はつとまらない」ということを見てきた。
本日はそれを元に、そもそもの「ネタ」である上記エントリーに即して問題点を整理する。
■ただ分析に入る前に、昨日触れなかった点にもう一点だけ言及する必要がある。
昨日の論点は、「ヴォランティアをツーリズム催行側として使うことは不可能」ということだ。これを論じないと先に話が進まないので、あえて長文をつづった。
ところが、昨日のコメント欄でRさんやMiyaさんがご指摘くださった通り、管理人cheolsaito氏の主張は実際には別のところにあるように見える。昨日、ヴォランティアとプロ側をきちんと切り分けずに混同する危険性を指摘したが、当該エントリーの中にも確かにそれは見うけられる。
しかしながら、氏の本当の論点としてはおおむね、「ヴォランティアという形で一人でも多くの一般の人にツーリズムの現場をみてもらう機会を設けたい」、あるいは「ヴォランティアそのものを顧客としてとらえる」というアイディアを念頭においていらっしゃるようだ。
そのアイディア自体には一概には反対しない。少なくとも昨日論じた点と違って一考の余地はあるし、上手い実現の可能性もあるだろう。
特に前者の「ヴォランティアにツーリズムの現場を見せる」という案に関しては、産業としてツーリズムが一応完成しているニュージーランドの場合にも実際に機能している。ツーリズムを学ぶ学生が、会社を訪れて無料奉仕労働をしながら実地で勉強し、同時に就職活動をするというシステムが教育プログラムとしても定着している。なかなか良い仕組みだと思う。
ただし僕らプロは、彼らの無料労働力は裏方単純労働としてしか当てにしていない。例えばウチの会社なんかの場合は、使いっ走り、あるいはカヤック、食器、キャンプ道具などの洗浄、片付けなんかが、学生ヴォランティアの仕事だ。つまり基本的にはベースクルー見習いという感じ。
彼らの研修期間はだいたい二週間というのが相場で、その間に二度、三度はツアーに連れて行って現場の接客を見せたりもするが、基本的に彼らに接客はさせない。彼らはヴォランティアではなく、あくまでも「プロの卵」なのだが、それでも学生にいきなり接客は無理だ。
「ヴォランティアに体験させる」のは大切だが、それには別途「上手い活用方法」を考えなくてはならない。お客様は、ヴォランティアのいい加減な仕事を求めているわけではないのだ。ヴォランティアに「いかにお客様の邪魔をしないようにしながら、現場の仕事を体験させるか?」という点は、熟考の余地がある。
この点のケジメは、昨日のエントリーのコメント欄でMMさんが「日本の弱点」としてご指摘くださったが、僕もまさしく同感。
実際に困ったケースについては、次段で僕の仕事を実例として挙げる。
もちろん、ヴォランティア側から自発的に企画が持ち上がってきた場合は、それを否定すべきではないことは昨日論じた通り。
ただしこのケースでは、現地に商業ツーリズムがすでに存在する、あるいは近い将来立ち上がる可能性があるとき、ヴォランティア運営の類似活動がその邪魔になる可能性が出てくることは、しっかりと念頭に置いておきたい。
せっかく大きなビジネスに育って地域を活性化させるポテンシャルを持っている「商品」があっても、「ヴォランティア」として無料あるいは破格値で運行され、結果としてその大きなポテンシャルが潰されてしまう例は少なくない。
実は商業ツアー業者同士でさえ、先発業者の弱腰の低価格設定に後発業者も右にならい、マーケットが相当大きくなってきた後もきちんとした収益が上げられないという問題も、実際にたくさん起こっている。
ま、これはどちらかというと昨日論じた点に相当する例かもしれないので、これ以上は繰り返さない。
■次に、RさんやMiyaさんがご指摘下さった「ヴォランティアを観光客として扱う」というアイディアについて。
これに関しては、さらに二つに分けて考えた方が理解しやすいだろう。すなわち、「ヴォランティア=純顧客」という発想と、「ヴォランティア=サクラ」という発想だ。順に論ずる。
《「ヴォランティア=純顧客」案》
これはマーケティング対象として、現地に来てくれているヴォランティアを「顧客」として想定するだけの話。マーケットをどこに絞るかというのは、各業者の腕の見せ所。王道を狙う方法以外に「ニッチマーケット」を狙う方法だってもちろんある。
ヴォランティア対象というのは、ニッチ狙い組としてはいたって妥当、かつ当然の目の付け所だろう。
ただし、それが賢明なアイディアかどうかは、まったく別問題。個人的にはあまり得策とは思わない。
理由その一。
ヴォランティアと一般客の「客層の違い」をどのようにしてマーケティングするかという営業上の問題点、あるいは「まったく違うモティヴェーションをもった二つの客層を、いかに同時にさばくか?」という現場のカスタマーケア上の難問があるという点。
普段世界中から「まったく違う価値観と期待を持って集まってくるグループ」を担当している僕としては、この点は甘く見ることができない。一つのグループの中に、まったく違う客層が混ざると、顧客全員が不満のうちにツアーを終えてしまう危険性が飛躍的に高まる。
僕らニュージーランドのガイドがガイディング技術に自信を持っているのには、普段からこういう「混成グループ」ばかりを扱って実際に高い費用対効果を上げているという実績の裏打ちがあるわけだが、裏を返せばそれだけ難しい技術だということにもなる。ガイド同士の毎日の会話のメイントピックも、ほとんどがこれに関することであるという事実もそれを裏付ける。
また「ヴォランティア」でなおかつ「リピーター」となると、業者側(あるいはcheolsaito氏の論旨に即せば現地の人)との馴れ合いが強くなるので、一般客との溝がますます深まる危険性が高い。
実際僕らツーリズム業者、サーヴィス業者が扱いに困るのが、常連客の雰囲気に飲まれて小さくなってしまう新規顧客の扱いなのである(しかも「常連」が割引を受け、「新規顧客」の方が高い金を払っていることが多いので、費用対効果の差はさらに大きくなる)。
日本人の場合は、常連客は平気で「顧客」と「業者側」の線を越えて、「こちら側」に踏み込んでこようとする傾向がある。これも我々にとっては恐ろしいことなのである。素人さんに手を出されることの問題点は、昨日もさんざん論じた通りだが、その実例は次の「ヴォランティア=サクラ」案のところで挙げる。
同じ価値観と期待を持って集まってくるお客様同士でさえ、常連と新規の間にはこうした溝があるというのに、それが「ヴォランティア」と「一般客」という別種の顧客層だった場合は、そこにどれだけの断裂が生まれるか、考えただけでおそろしい。
ここまでが「客層の違い」という問題点。
二つ目の理由。
「ヴォランティア」はあくまでも「ヴォランティア」であって、「観光客」と違って「金を落とす人種ではない」という点は、第一の理由以上に重要だ。彼らがリピーターとなってくれた場合も、経済効果は薄い。
また、ヴォランティアが呼んで来る次なる顧客も、やはりヴォランティア、あるいはそれに類似する「金を落とさない人種」である可能性が非常に高い、という点も無視できない。
つまり、こういう形でマーケティングを始めた場合、事業そのものが収益の期待できない「ヴォランティア事業」と化してしまう危険性が大きいわけで、こうなると結局のところ「ヴォランティアにツーリズムをやらせるな!」という僕の主張と真っ向からぶつかる形になってしまう。
昨日のエントリーの冒頭で、僕は次のように述べた。
にもかかわらずこの種のツーリズムが日本ツーリズム界、あるいは日本産業界の起爆剤となりえていない現状はどう説明できるのだろう? むしろ逆に、ヴォランティアとツーリズムの相性そのものに問題点がある証しではないか?この文は、ヴォランティアをツーリズム業者側として起用するときだけではなく、ヴォランティアを顧客としてマーケティングする際にも当てはまる。
これら二つの理由を見ると、僕には「本当にそれで商売になるのか?」という疑問がわく。
cheolsaito氏のエントリーには、「誘致」「費用負担補助」などの言葉があるが、これをやればますます「金にならない悪循環」を強めるだけではないか? 「費用負担補助」を受けて「誘致」されて来たヴォランティアの人間が、浮いた金をパァ~ッと現地で散在するようなタイプかどうかは、考えるまでもない。またそのような人が呼び込める新たなマーケットも、きっと似たようなタイプだろう。
っつぅか、これがまさに全国の地域ツーリズムの現場で起こっている「ヴォランタリー・ツーリズム」とやらの実際の主要問題点の一つなのではないか???
《「ヴォランティア=サクラ」案》
こちらは純然たる顧客として扱うのではなく「ヴォランティアに体験させる」という準スタッフという位置づけ。
こちらも問題は小さくない。昨日大きなスペースを割いて論じた通り、そもそもヴォランティアはツーリズム業者側として顧客をもてなすことに向いていないのである。
よってこの手法では前段で論じたように、現場のガイド、コンダクターなどのマネージメント側に「お手伝い意識満々のヴォランティアの手綱を締め、現場で顧客の邪魔にならないように上手く使いこなす技術」が要求されるのだが、これが口で言うほど生易しいものではないのだ。
具体例をあげよう。僕がやってるシーカヤック・ツアーの場合も、こういう「ヴォランティア」はときどき現れる。経験者がツアー参加者の中に混じっていた場合、「善意かつ無料奉仕」で他の参加者に盛んに世話を焼き始めることがあるのだ。
例えば僕は漕ぎ方を教習する際、ハーフデイ・ツアーならば休憩を挟んで合計1時間半の、ワンデイ・ツアーならば2回の休憩を挟んで合計3時間半のパドリングを何とかこなせる程度の教習しかしない。だからハーフデイ向けの教習内容と、ワンデイ向けのそれさえ違う。傍目にはわずかな差だろうが、そのわずかな差を意識してコントロールするところにプロの技がある。
詳しいことは省くが、わずか1時間半のパドリングのために、余計な細かいことを教えすぎるのは、混乱を招くばかりで百害あって一利なしなのだ。だから「どこまで削れるか?」「どこが『最低限』のラインなのか?」を見抜き、しかもその日その日のそれぞれの顧客に即してそれを柔軟に運用するのが僕らの仕事だ。
ところが「志願ヴォランティア・インストラクター」には、そんな意識も技術もない。ただあるのは「善意の教えがりムズムズ発作」だけだ。昨日ヴォランティアの「自己満足」や「善意の押し付け」に触れたが、まさしくこれが典型例だ。
彼は陸上教習のときも人によっては僕をさえぎってまで他人にパドリングを教えようとするし、海に浮かんだら最後、何十分でも延々と周りの人間に漕ぎ方を教えて始めてしまう。もちろん教えられる人は手を止めて話を聞くので、かえってますます遅くなるし、往々にして僕ら的には「教えてはならないこと」を教えている。「正しいテクニック」と「ハーフデイに必要なテクニック」は必ずしも一致しないのだ。
こういうヴォランティアが困るのだ。
もちろんこの手の「有害行為」をとめ、他のお客様を「救う」のは、僕らガイドの大切な仕事だ。この「救う」というのは、善意の押し付けから救うというだけの意味ではない。時として彼の「勝手な講習」が危険を招くこともあるので、リスクマネージメント上も止めなくてはならないのである。
しかし、この志願ヴォランティア・インストラクター君も、他ならぬ僕の大切なお客様の一人であるというのが、厄介で難しい点だ。つまり、彼を傷つけず、むしろ彼の自尊心をうまくくすぐりつつ、ひそかに手綱を絞るというのが、カスタマーケア技術、グループマネーマネージメント技術の「肝」なのである。
ただし、僕らの技術も「旦那が奥さんに手取り足取り教え始めた」というシチュエーションの場合は、まったく及ばない。旦那様が奥様に何かを教えているのを止める術はない。奥様が不快に思っているのが傍目にも明らかで、グループ全体がいやぁな雰囲気になっていたとしても……。
特に、プロとヴォランティアの線引きがあいまいなジャパンにおいては、この傾向は顕著で、日本で仕事をしているときの方が「教え魔」に遭遇する頻度ははるかに高かった。リピーターのヴォランティアとなれば、さらに扱いは難しくなるだろう。
というわけで、「ヴォランティアをサクラとして使う」というアイディアにも、僕自身は経験上すごくいやぁ~な予感を覚える。つまり、ヴォランティアをサクラとして使う場合は、事前に相当な「ヴォランティア向けの講習」が必要になってくるというわけだ。これまた一筋縄でいかない厄介な仕事だねぇ……。
■さて、ここからいよいよ当該エントリーに即して話を進める。
まず
観光する人の「後ろめたさ」を取り除くには無理があるということ。仮に非被災地であっても、被災地の隣で回遊するのは、やはり躊躇してしまう。という冒頭の洞察自体には、全面的に賛意を表明しておく。
被災地やその近郊に物見遊山に行くのは、尋常な神経の持ち主には気が引ける。しかし、それが地元経済にさらなる追い討ちをかけてしまう悲劇の上塗りの要因になるというのは、見逃せない大切な論点だと思う。
つまり、議論のスタート地点に関しては、僕も同じ立場、同じ視点に立っていることをまず強調しておく。
ただし細かい点については、この部分にも疑問はある。
例えばこの文のすぐ後に述べられている、神戸が震災後10年を経て未だ以前のレヴェルに戻っていないという点。これは経済や社会の情勢の変化、旅行先としての「ブランド力」の低下を始めとする旅行トレンドの変化などが密接に関わってくるはずで、一概に「後ろめたさ」だけを原因ととらえるのは暴論かと思う。
確かに被災直後は「後ろめたさ」がブランド力低下の最大要因だっただろうことは否めない。しかし10年たってもブランド力が回復しないのには、別の要因が大きいと見るほうが自然だろう。
あるいは、「取り除くには無理がある」と断定してしまっている後ろ向きな姿勢にも、僕は賛成しない。僕ならば、
「観光する人の『後ろめたさ』を取り除くことが、まず第一のポイントとなる」
という書き方をするだろう。マーケティングというは、そういうものである。「無理」と諦めてしまっては、出来ることだって出来なくなる。
■ま、そういう細かい点はさておき、実際の具体案に対する疑問点を整理する。
(1)被災地およびその周辺の観光産業は観光に固執せず、ボランティア意欲の高い人を積極誘致する。ボランティア意欲の高い人は、人の役に立つことに喜びを感じるため、お手伝いをしてくれるだけでなく、現地情報発信メディアとして風評被害を抑制する。ボランティア活動は、現地の人と濃厚な人間関係を構築し、長期的なリピーターを生む。「現地情報発信メディアとして風評被害を抑制する」と「ボランティア活動は、現地の人と濃厚な人間関係を構築」の部分は理解できるし、ある程度の効果も想像がつく。
しかし僕が気になるのは「誘致」で始まったものが、「長期的なリピーターを生む」と、一足飛びに結論に繋がる点。
このアイディアは、Miyaさんの昨日のコメント欄の言葉を借りれば、「ヴォランティアを対象とした、復興活動支援アクティヴィティ」というツアー商品なのだろう。
一見問題ないように見える。しかし、ツーリズムは産業、つまり商売であるという基本的な視野が抜け落ちていないか? 「誘致」という言葉がそれを如実に物語っているが、そういう揚げ足取り的な論法は避けるとしても、「ヴォランティアは金を落とさない存在である」という大切な点が論じられていないのが気になる。
金を落とさない存在は、いくらリピーターとして何度来てくれても経済効果はないという大切な点が論じられていないのは、どうだろう?
つまり一口で言えば、「儲かる仕事ではない」というわけで、ならば必然的に運行側(観光産業側)は、ヴォランティア的な立ち回り方をせざるを得ないという事になる。
となると、これは今まで僕が主張してきた「ヴォランティアにツーリズムは務まらない」という主張に思いっきり抵触する結果を招くことになりそうだ。
(2)復旧が落ち着いたら、関東・東南海地域の住民向けに災害復興研修ツアーを実施する。今後想定される災害に対し、どのような対策が有効か、どのような困難があったのか、現地にて経験者の生の声を聞くのは説得力がある。「災害復興研修ツアー」自体は、面白いアイディアだ。「後ろめたさ」を解消する方便としても、非常に有効だと思う。
上記の(1)と違って、これは基本的に収益を前提にした商業ツアーという発想で組み立てることが出来る点も評価できる。
ただ、このツアーのどこに「ヴォランティア」とか「ヴォランタリー・ツーリズム」とかの入り込む余地があるのか、よく分からない。「現地の経験者」の側に、救援活動に従事したヴォランティアを起用し、彼らの生の声を聞くというのだろうか? その程度なら、取り立てて「ヴォランタリー・ツーリズム」などと大げさに言うほどの話ではないように思える。
また、「生の声」にはなるべく現地の住民を起用し、少しでも彼らに謝礼を渡すという方が、現地経済への貢献度も高い。他所から入ってきたヴォランティアにそのポストを渡してしまうのはいかがなものか?
しかしもっと大きな問題は、実際にはこれが「商品」として成立するかどうか分からないほど非常に難易度の高いということだ。この点は長くなるので次々段で詳述する。
プロにとっても難易度が高い商品となるがゆえに、運営側にヴォランティアを起用するというアイディアは完全に不可能だろう。
(3)経験豊富なボランティアには、国際・国内のボランティア経験回数に応じた優待運賃を設定し、被災地へ向かう費用負担の軽減措置を講ずる。交通費の一部を負担するなどとケチなことを言わず、本当に実力のある人間には、それ相応のギャラを支払うべきである。昨日論じたように、ギャラをもらうことによって生じる責任感は、その人間の能力を遺憾なく引き出し、さらに高めることに繋がるし、それに続くものを鼓舞する効果も高い。経験豊富で能力のある人間を、相手の善意に乗じてあえて無料で使い続け、交通費の足しだけでごまかそうなどというシミッタレたことばかり考えていると、その人の能力を殺し、モティヴェーションを下げるばかりだ。それだから、ツーリズムが発展しないのではないか? 実力を評価するなら、ギャラでその実力をさらにもっと引き出し、さらに実力をアップさせるべきだ。
二十人のヴォランティアに少しずつ補助をするくらいならば、その中で飛びぬけた実力と経験を有する一名だけにその全額を「ギャラ」として渡す方が、はるかに「費用対効果」が高いのではないだろうか。
この点は昨日のコメント欄でMMさんが米国の事情として述べてくださっていることとも符合する。彼女の日本のヴォランティアに対する洞察は、あいかわらずお見事。
あと、この項目に関しては、これが「ツーリズム」の話なのか「災害復興」の話なのかがよく分からなくなっている。両者は似てまったく非なるものゆえ、「ヴォランティア」を介在する場合は、果たしてどちらの話なのかをキチンと切り分けて論じる必要があると思うのだが、その点でもこの項目は非常に弱い。
(4)できるなら、お金と人材を切り離し、義援金をボランティアの渡航費用に回す新たなビジネスモデルを構築し、時間のある人がボランティア活動を起こしやすい環境を整える。これは義援金の使途を可視化することで、さらに義援金を呼び込む効果がある。災害時に影響の大きい日本旅行業協会や金融機関、NPOなどが連携して枠組みを構築することが望ましい。これは上記(3)と同様、「ツーリズム」とはまったく別問題なのではないかという気がする。むしろ復興活動、災害防止活動だろう。というわけで、そもそも論点が完全にずれているように見える。
いや、氏が「復興活動、災害防止活動」そのものを「ツーリズム化、アクティヴィティ化」しようというアイディアをお持ちなのだろうという事は理解しているつもりだ。しかし「ツーリズム=商売」という点を前提に立ったとき、氏のおっしゃる「ビジネスモデル」とやらが、どれだけの利益を生み、どれだけ地域社会に貢献できるのか、僕にはまったくイメージできない。
また別の論点としては「いや、だからそこまでやるんだったら、なぜ彼らを『ヴォランティア』のままタダでこき使おうという浅ましいことを考えるのか、ぜひともお聞きしたい」という、(3)で指摘したのと同じこともいえる。
むしろ僕なら、そのアイディアをさらに発展させ、時間の余っている人たちを「プロのガイド」に仕立て上げてしまう。ビジネスモデルというからには、そっちが正道だ。プロが思い切って仕事をすれば、顧客満足度も費用対効果も桁が違ってくるので、義援金を呼び込む効果がさらに上がるのはもちろん、収益だって上げられるのだ。ならば集める金も「義援金」だけではなく、企業のスポンサーシップも視野に入れられる。
ちなみに呼んでいただければ、彼ら相手にプロガイド・ワークショップ(PGW)を開催して、プロフェッショナリズムを植えつけるお手伝いはする。別にあのプログラムは対象をシーカヤックガイドに限定しているつもりはない(って、大変だからもう止めたいもうこれが最後と言いつつ、ついこういう事を書いてしまうからイカンのだ、僕は……)。
■これら4項目に対する疑問点を総括してみれば、被災地(およびその近郊)から人が去り、経済的に大きな打撃を受けていることを問題とし、それを打開するための「ツーリズム」を主題にすえながらも、なぜか「収益を上げ、それを地域社会に還元するビジネスプラン」を練るのではなく、「無料のヴォランティアの活用」、つまり被災直後の救援活動と同じレヴェルで論旨を展開しているところに、大いなる矛盾を感じる。
昨日のエントリーで「混同」「誤解」「勘違い」について指摘したが、僕はまさにここにその好例(悪例?)を見た気がする。その混同は、
- 「災害復興活動アクティヴィティ」としての商業ツーリズムか、あるいは「災害復興支援活動」としての慈善支援ヴォランティア活動なのか?
- ヴォランティアを「顧客」として捉えるのか、あるいは「業界側の補助」として使うのか?
の2点に及んでいるように感じられる。
あえて線引きをしていないとおっしゃるならば、それは悪手であると申しあげる。僕があえて当該エントリーの内容と即さない「ヴォランティアにはガイドは出来ない」という論点に絞って昨日のエントリーをアップしたのも、線引きを明確にして論点をクリアにするためである。
もう一度言う。ツーリズムは、あくまでもビジネスである。商売である。金儲けである。ビジネスモデルを考えるならば、収益を上げることを第一義に考えるべきであり、ならば「ギャラをとらず」「金も落とさない」存在であるヴォランティアを中心に据える理屈は、最初から矛盾と破綻をはらんでいるのではないか?
その矛盾と破綻が、結局日本のこうした地域ツーリズムの伸び悩みの要因なのではないか?
■さて、ここで上記の具体案(2)の問題点を指摘した際に、後述すると書いた点を話そう。
これから大震災が予想される地域の人々を、すでに震災を経験した地方でシミュレーションさせる「災害復興研修ツアー」のアイディア自体は、なかなか卓抜している思う。
しかしながら、現場の人間から見れば、実現は非常に難しい。なぜなら、このツアーの「成功」とは、参加者に「このツアーに参加したおかげで、自分たちが被災したときに被害を確実に軽減させられるだけの勉強が出来、そのノウハウも身につけた」という達成感を与えることに他ならないからだ。
いや、達成感だけではダメだ。これは生き残るための勉強ツアー、つまり命のかかった商品なのだから、実際に本番に対処できるだけの「技術」を与えなくては、成功とはいえない。
これは非常にハードルが高い。
ところが、被災者の話を聞くだけでは、決してそれだけの技術はおろか、達成感を与えることさえ難しい。
本を例にとる。
被災者の覚え書きやインタビューだけをひたすら集めた本が出版されたとする。それを読んで、「うわぁ、これは役に立った!」と思える人がどれだけいるだろう?
被災者の悲惨な体験に震え上がったり同情することは出来ても、それらの「生の情報」から、「では、自分の番が来たらどうすればいいのか?」「自分の環境に置き換えるとき、この経験をどうアレンジすれば良いのか?」という形でノウハウに消化し、実際に被災したときにキチンと行動に移す技術を身につけられる人は、ほとんどいない。特に日本人はそういう危機管理が極端に弱く、危機管理を研究している学者先生方でさえわけの分からん机上の空論を振り回す国だ。ちなみに過去にシンクタンクのお粗末な危機管理論にツッコミを入れたのはご承知の通り。
つまり、そういう覚え書きを集めただけの資料は、専門家にとっては非常に情報価値が高い反面、素人さんにはほとんど役に立たないということだ。
彼らには、専門家による「ではどうすればいいか?」という解説(調理済みの情報)が添付されていないと、生の情報をポン投げ出されても飲み込むことはおろか、歯を立てることもできないだろう。
これは本に限った話じゃない。ツアーの形でもまったく同じことが言える。
現地で被災者やヴォランティアの方々から生々しい体験談を聞いても、それだけならば「消化できない未調理の生の情報」で消化不良をおこすだけだ。
参加者が次に被災したら、おそらく同じ過ちを犯し、その後で「あぁそういえばあの研修ツアーのときに聞いた話がこれだったんだ!」と思いあたるのが関の山ではないか?
この消化不良を「腹いっぱい食べた」と勘違いして、ツアー終了時には「満足した」と言ってくださるお客様もいらっしゃるかもしれない。というか、そういうケースが多いだろう。
が、それはあくまでも勘違いだ。そういう「お客様の勘違い」に付け込んだ甘い費用対効果を設定するのは、プロの仕事とはいえない。
また私事だが、僕がプロガイド・ワークショップをやった場合も、理解度・消化度が低いと思われる参加者ほど、手放しの高評価を下さる傾向がある。逆に理解度が高い参加者ほど、疑問点や課題点を指摘して辛い評価をして下さるものだ。
つまり、この研修ツアーを成功させるには、体験談に基づいた「では、どうすべきか?」という、ノウハウを提供する必要があるのだ。それでこそ「研修ツアー」である。
よってガイドとしては、「生の声」を聞かせてくださる被災者(やヴォランティア)の方々と事前に綿密に打ち合わせをした上で、話をしていただくエピソードを選び、そこから専門的な危機管理メソッドを引き出した上でノウハウを構築しておくといった下準備が必要になるわけだ。
あるいはガイドの手に負えなければ、別途危機管理の専門家を招聘してツアーの中に講義を組み込む必要もあるだろうが、その場合も「生の声」側と講師側の間の調整は、ガイドの仕事となる。
そんな作業をキチンとこなせる人間、果たしてどれくらいいるのだろう?
サーヴィス産業の中では極めて異例なことに、僕はもろに危機管理を仕事にしているアウトドア・ガイドだ。その僕にとってさえも、この「災害復興研修ツアー」は考えただけで胃が痛くなるような大変なツアーだ。素人ヴォランティアは言うに及ばず、添乗員、ガイド、コンダクターなどと呼ばれる人たちにも、これをこなせる人はそう多くないはずだ。
また、この商品のメインの売り物が「現地の被災者の生の声」であるということは、別の問題点も含んでいる。
つまり、ツアーのハイライトが、雄大な自然だとか、洗練されたショーだとか、美味い食事だとか、良い温泉だとか、そういう分かりやすいものではなく、あくまでも「素人の被災者が語る、悲惨な災害の話」なのである。これはいくら「研修ツアー」とはいえ、旅のハイライトとしては、かなりリスキーなシロモノなのは素人さんにも容易に想像がつくと思う。
となると、上記のシナリオ作り、ノウハウ構築以外にも、ツアーの他の部分でガイドが徹底的にフォローをして商品品質を高める努力が必要になるのである。
この点でも、条件をクリアできるプロがどれだけいるのか疑問だ。
だからこれをやるには最低でもノンフィクションを一本書くくらいの取材力と、世界トップレヴェルのガイディング技術、さらに都市サヴァイヴァルまで含めた危機管理技術の三つが必要になると思うのだが。都市サヴァイヴァル技術には、有毒ガスに対する避難およびファーストエイドなんぞも含まれてくるわけで、こうなるとほとんどの人間にお手上げではないだろうか?
もう一つの案として、このツアーを「ヴォランティア常連」を顧客として展開するという方法もあるだろう。この案の利点は、一般客よりもカスタマーケアが楽になるということだ。業者側にとっては大助かりである。
しかしその反面、別の問題点も出てくる。
まず「災害復興」ならまだしも、「災害対策」をヴォランティア意識の高い人間だけに対象を絞り、それ以外の人を無視するというのは得策でないという点。
そして難易度が高いゆえに価格も決して安くは設定できない宿命を背負う商品を、果たしてヴォランティア対象に展開できるか?という点。
この二つが、大きな問題として立ちはだかるだろうと思われる。
というわけでこの「災害復興研修ツアー」、依然として面白いアイディアだと思うし、出来ることなら一刻も早く実現すべき妙案だとも思う。
しかし同時に、実現性はかなり低いし、やったとしても魅力的な商品に仕上げるのは至難の技だとも感じる。
僕? 依頼があれば無下に断りはしないものの、相当なギャラと相応の準備期間をいただかないとウンとは言えないなぁ、そんな大変な仕事。というか、結局は労力に見合うだけのギャラはもらえず、それこそポリシーに反した「ヴォランティア仕事」になってしまいそうだし……。
■というわけで、まとめ。
僕は、「業者側」として起用するにしろ、「顧客」としてマーケティング対象と考えるにしろ、ヴォランティアをメインに据えて考えている限りは、日本のツーリズムは発展しない、と結論付ける。
よって最初に申しあげたとおり、「ヴォランタリー・ツーリズム」という発想には、賛成しかねる。それはますます「サーヴィス=無料」と勘違いする人間を増加させ、同時に低レヴェルのサーヴィスを蔓延させて、日本サーヴィス業全体を沈下させることに繋がる、危険なアイディアだとさえ感じてしまう。
もちろん、手をあげてくださる有志の意思を否定してはならない。しかしその際も、使い方を誤れば、危険性の方が大きくなることを意識しておきたい。
だからそういうことは、金払ってプロを雇い、一般の顧客を楽しませる努力を中心に組み立てるべきだ。そういう流れが上手く出来てくれば、必然的にその中でヴォランティアにも任せられる役割が生まれてくるはず。最初から大きな要素として想定すべき存在ではない。
ニュージーランドのツーリズムが大きく発展し、国の根幹を支える基幹産業となりつつあるのは、徹底したカスタマーケアを前面に押し出した「商業ツアー」として展開しているからだ。下手に善意のヴォランティアに期待せず、プロはプロの役割に、顧客は顧客の役割に徹することのできるシステムが、世界中の人間に理解され、彼らを魅了しているのだと思う。
ちなみに昨日のエントリーの冒頭で書いた「結論」は、業者側としてヴォランティアを使うことだけに言及していた。もちろんあれは、昨日のエントリーで「ヴォランティア=顧客」を論じるスペースがなかったためである。
よって、続けて一気に読むと、時間かかるだろうなぁ。
いや違った(笑)
よって、続けて一気に読むと、昨日の冒頭とこことで、若干結論がずれている印象を持たれると思うが、これは「連載」という形で分けたゆえの弊害と思って、大目に見てやってください。分ける前は、冒頭の結論もここと同じような内容にしてたんだけど、分けた後に書きかきかえたんよね。
■さて、批判だけで代替案を出さないで逃げるのは卑怯なので、最後に簡単に一つだけ。
とはいえ、実際には「ヴォランティアを念頭から排せ」という、ここまで主張してきたことだけでも、十分に立派な代替案だと思ってるんだけどね。でも、そうは受け取れない人も多いだろうし、せっかくだから、ついでにもう一つ案を出しておこう。
ニュージーランドのツーリズム業界と今の日本の同業界を比べたとき、日本にもっとも欠けているのは、同じツーリズム業界内に属している者同士の連帯意識だと考えている。
例えば僕はシーカヤック・ガイドだが、ウォータータクシー業者も旅館業者もバス業者も「同業者」として見ているし、実際に彼らと同じ土俵で話をする。同じお客様を実際に我々は順繰りに「リレー」して接客しているのだから、まさしく同業者であり、ただ単に担当している部門や順番が違うというだけの話だと思っている。例えばつい先日のエントリーにも、バスドライヴァを「同業者」と書いている。
また、こちらではこれらの職業間での転職も頻繁だ。実際に僕の周りにも、シーカヤックガイドからウォータータクシー・ドライヴァに転職したヤツもいるし、今期から宿に転職した同僚もいれば、バス・ドライヴァを兼業していた元同僚もいる。だから、当然まったく同じ次元で話が通じるのである。
よって、僕は彼らすべてをライヴァルだとも思っている。バスの運転手に接客の上手いヤツがいれば悔しい思いとともにその技術を盗もうとするし、いい加減な対応をする宿には、同業者として腹を立て、羞じ、そして蔑む。
では、日本はどうか? 例えば、とある観光地で働くタクシー運転手と自然観察指導員とホテルマンが、同業者として同じテーブルにつき、このエリアの観光業振興のためにはどうすればいいだろうか、なんて話し合っていたりするだろうか?
地方公共団体の主催する村おこしの会合などで、実際に彼らが同じテーブルにつくこともあるかもしれないが、じゃぁその場で彼らが話し合ったとして、同じレヴェルで話がちゃんと通じ、理解しあえるのだろうか?
仮に、それぞれの会社の社長レヴェル同士で話が通じたとして、それではそれらの組織の末端職員同士は話が通じるのだろうか?
つまり観光地のバスの運ちゃんに、「あなたと、あそこのお土産物屋のオバチャンは同業者ですよ」と言って、理解してもらえるだろうか?
あるいは、バスドライヴァを「同業者」と言い切るシーカヤックガイドがいるだろうか?
あるいはNPO系で環境ツーリズムを考えている人は、商業エコツーリズム業者と同じ視点を共有しているだろうか?
考えれば考えるほど、その辺は悲観的にならざるをえない。
ツーリズム先進国ニュージーランドと、後進国ジャパンの大きな違いは、ここにもあるような気がする。
ヴォランティアを使ってツーリズムを何とかしようなどとイジマシイことを考える前に、こうした「サーヴィス業のプロ」たちに、大きな視点で「同業者意識」を与えることが先決ではないか?
このブログの読者の中には、プロのシーカヤックガイドなんて数人しかいない。それを承知の上で僕がプロガイド・ワークショップ(PGW)の話やガイディング技術のことをときどきポロリポロリと語り続けているのは、こういう「大きな意味での同業者」は読者の中にもたくさんたくさんいらっしゃるだろうと思っているからに他ならない。そういう方たちが、「あ、これは自分にも当てはまる!」と気づいてくださると良いな、という願いを込めて書いている。
日本中のあちらこちらで、タクシー運転手とバス・ドライヴァーとホテルマンと自然観察指導員とシーカヤックガイドと土産物屋のオバチャンが、「同じエリア内のツーリズム業者同士」という連帯感を共有し、ともに将来のプランを語り始めれば、互いのプロ意識も格段に向上し、マーケティング能力も拡大し、面白いアイディアもどんどん出るだろう。
被災地のブランド力回復策だって、そうしたアイディアの中から生まれるべきなのだ。ヴォランティア云々の話をする以前に、こういう風に業界側の結束を高め、ヴォランティアなんぞに頼らなくても産業としてしっかり回るだけの商品力をつけることだ。
そうすれば、日本のツーリズム界は必ず変わる。すぐに変わる。劇的に変わる。みるみる変わる。変わるに決まっている。
ま、代替案は他にも色々あるだろうが、今日のところはこれくらいで。
どうせこの「地域ツーリズム振興」っていうのは、どうやら僕にとってもこれから長い付き合いのテーマになっていくのだろうから。面倒なテーマだから、うっとうしいと思うこともあるんだけどね、でもこういう職業に就いたからには、祖国の地域ツーリズムも無視するわけにもいかなくなってきている。
■あぁ、しんどかった。こんなに長くなるとは思わなかった。こりゃ斜めにしか読んでもらえないよなぁ。
しかも10日もすれば、過去ログに埋もれて忘れられる運命。ブログって何だかなぁ(^^;
ま、自分では勉強になったから良いけど。たまにはこういうモードで書いておかないと、筆も鈍るしねぇ。
しかし、月曜日(21日)に出社して、土日のエントリーをまとめて読もうと思った方は、さぞかし肝をつぶされただろうな。
って、実はそれが狙いであえて土日にブチ込んだという話もあったりして(笑)
■ほい、というわけで、この続きは編集長に回そう、かと思ったが、フェイントでごうちゃんよろしく。
って、リレーエッセイじゃないってば(笑)
■追記(同日)
これをアップするのと入れ違いに、昨日のエントリーにHokulea2006さんがコメントを下さった。
元エントリーの提唱するコンセプトそのものは、ある種の可能性を秘めていると思いますよ。つまりRyuさんも指摘しているように「ボランティアをツーリストとする」という発想です。要するに「ボランティアで来る以上、転んでも泣かない。自分の始末は自分でつける。」というハードボイルドな構造を作るわけですね。「ボランティアなんだから・・・」という甘えを一切許さない、言ってみればただのツーリストよりもハードルの高いツーリストになれる人だけ来て下さいよという事です。このアイディア、Hokulea2006さんもその次におっしゃってるように、なかなかの「暴挙」ではあり、サーヴィス業のプロである僕の口からはなかなか言いづらいアイディアではあるのだが、しかしあえてこういう形の「ニッチマーケット」を狙うという手法は、僕自身も大いにあると思う。
今回のエントリーの冒頭部で「上手い実現の可能性」と書いたが、これもその一つかもしれない。
しかし、贈与経済の考え方をツーリズムに導入するというのは、まったく盲点でした。目から鱗が落ちました。これからのテーマとして、ちょっと研究してみますm(..)m>Hokulea2006さん
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■「長ぇよ!」とお怒りの方は
を、「あぁ長かった!」とお喜びの方は
をクリックしておいて下さい。
僕? 僕は前者かなぁ(笑)
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/1752
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ。風おだやか。(高)20度、(低)9度。 [海洋気象] (エイベル) 変風10ノット、午後一時北東に変わる。海峡おだやか。 その後12時間:北部...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.04.06
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ。風おだやか。(高)20度、(低)9度。 [海洋気象] (エイベル) 変風10ノット、午後一時北東に変わる。海峡おだやか。 その後12時間:北部...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.04.06
まあ、ビジネスとしては異常にニッチだと思いますが。もう最初から「金を払って損をしに行くツアーです。参加しても払ったお金ぶんのサービスは出ません。というかあなた達はわざわざ金を払ってサービスしに行く、サービスする側の人になるので、客として扱いません。」と宣言してしまう(笑)。
新潟なら新潟で、わざわざ身銭切って温泉旅館に泊まって、昼間は泥にまみれて復興支援(爆笑)。のろまな参加者は容赦なくガイドから怒鳴りつけられる。「走れ、グズどもが!」
でもこれって例えば永平寺でお金払って修行したり、吉野で大峯奥駆け修行をわざわざ金払ってするのと同じだと思うんです。もうあらかじめ、来たら損するよってアナウンスした上で、「でもあなたたちが損したぶんのお金は被災地にきちんと落ちて、被災地のリカバリーに確実に役に立つ。あなたたちが流した汗も同様。そうやって自分の一部をコミュニティに差し出すのは気持ちいいですよ。」とやる。
損をしに行くツアー。結構面白いと思うんですが。
Posted by: Hokulea2006 : March 20, 2005 3:17 PM大いにありでしょうね(笑)
ニッチではあるでしょうが、でもそれに反応す潜在層は、確実にありそうな気がします。
下手に「楽しいよ、美味しいよ、キレイだよ」と、ありきたりなコピーを並べるよりも、
「金払って、シンドイ思いしにいきませんか?」
って行っちゃう方が、確実に人目を引くっていうのもありますしね。
っていうか、これからのツーリズムって、コンヴィニエンス感覚をいかに払拭するかが売りになるという面もあると思うんです。
おっしゃるような宗教修行系もそうですし、ヒマラヤは遠くにあって苦労しなきゃたどり着けないから値打ちがあるわけですし。
それと同じような価値観を、こういう「損しに行くツアー」に付随させる上手いマーケティングが出来れば、ニッチとはいえかなり面白いことになるかも……。
う~ん、良いなぁ、「走れ、グズどもが!」って(笑)
ガイドとして、一度は行ってみたいと夢に見てしまうセリフかもしれない(爆)
昨日は先走った質問して失礼しました。
前後編を通して読むとRyuさんの主張が理解できました。
せっかくの3連休、花粉症にやられて身動きできない私としては、明日も長文を期待してしまうところです。
楽しみにしてます。
>Rさん
こんにちは。
花粉症ですか、お大事になさってください。
今年はなんか花粉量が多くて大変のようですね。
前編でのコメント、ホント感謝しています。
後編も骨子はこの通りだったんですけど、コメントいただいたことによって大幅に見直しできました。
あれをいただかなかったら、もっと乱暴な論になっていたと思います。
また今後もバシバシ突っ込んでいただければと存じます。
でも、今日は長文勘弁してください。
休日出勤なんですよ(^^;
くれぐれもお大事になさってください。
Posted by: Ryu : March 21, 2005 6:42 AMアッサムをIllyのエスプレッソに急遽変更して眠い目をこすりながら読破しました~(笑)。
子供を寝かしつけた後だったので睡魔と闘いつつ。
で、前後半ともに読み終えて「ヴォランティア」と「ツーリズム」はやはり相容れないものという前提に、では逆に「何故『ボランタリー・ツーリズム』という発想自体が生まれたのか」という事が頭をちらつき始めました。
日本のヴォランティア活動の「特性」(という言い方を敢えてしておきます)として、始めにヴォランティアをする人間側に「自分はこういうことがしたい」という意思が明確になっている場合が多いというのがあると思います。この「したい事」があるが故にそれをツアーのコンセプトにすり替えるという小細工が出来てしまうのが問題の一部なのではないかと。
良い具体例が急に思いつかないので、説明の為に比較例を挙げるとまたまた米国との比較になってしまって申し訳ないのですが、こちらのヴォランティアというのは自分のスキルや余っている時間を丸投げで奉仕する(例:選挙事務所をいきなり訪問して電話番をするなり逆に勧誘電話のロータリー作戦の人海術に参加したり)わけですが、日本の場合はどうも言い方は悪くなりますがヴォランティア側の方にやりたい事の選り好みが見られるような気がして仕方がないのです。
新潟の地震の際も実はコンピューター入力系の人手が一番足りなかったのに人道支援系のヴォランティアばかりが集まったというような事を耳に挟みました。
ということで、ヴォランティア活動自体が現地のニーズに合わない=ヴォランティア自身に活動のアジェンダがあると、いうことは、それを逆手に取れば目的がはっきりしたツアーであれば、しかもそれにヴォランティアをしましたというオイシイ「手土産」も付くとなれば、参加者の自己満足度は確かに高い「商品」になるかも、という事なのでしょうか・・・
あいにく昨日九州北部で大きな地震がありましたが、あの離島の状況を見てヴォランティアをする個人は少なからず居ても(人道的に被災者を助けたという充足感は一番受けやすいでしょうから)、天神の交差点のビルの窓ガラスがあれだけ割れているのを見て「わが社のガラス窓用製品の方が耐震性に優れています」といって商品や技術者を送り込めるようなヴォランティア意識というのはないんだろうなぁ、と思いっきり斜めスタンスでニュースを見ていました。
それこそ、そんな企業があればそれこそ間接的に贈与経済と市場経済が企業PRで繋がったトライアングル形ビジネスモデルでも出来るかもしれないのに。
眠い目をこすりこすりで、書いている事が支離滅裂なので(ハイ、自覚しております)適当に流してくださいマシ~>皆さん。
う~ん、鋭い洞察。
僕が前編で「ヴォランティアに頼らざるを得ないツーリズムの現状に対する議論は棚上げ」と言いましたが、この考察ですべてが語られているかもしれません。
僕もちょいと酔っ払ってるんで、熟考したわけじゃないんですが(笑)
しかしこの「ヴォランティア」と「ツーリズム」の関係を扱ったこのトピック、こう考えるといろいろ広がりがありますねぇ。
「ヴォランティア」っていう概念そのものが、いろんな問題を含んでいて、海外との比較まで持ち出すと本当に面白い。
市場経済と贈与経済の融合はフェアトレード運動などで試みは始まっていますね。ボランティアやドネートに積極的に取り組んでいる企業の製品を優先的に購入するというような動きもあります。直接この問題を扱っているわけではないですが、松井彰彦さんの取り組んでいる「文化の経済学」なども、全てをアメリカ式のwinner takes all型市場に任せるのではなく、市場の振る舞いの地域差を積極的に認めて、より多くの人が人間の尊厳を確保出来るような市場経済を目指していると言えるでしょう。
Posted by: Hokulea2006 : March 22, 2005 12:19 AMフェアトレードは、まさしく両経済の融合実験ですね。
個人的には10年以上前から気にしてみているのですが、ココに来て少しずつ認知度が高まっているようで、嬉しいです。
「人間の尊厳を確保出来るような市場経済」、ホント実現して欲しいです。
金が人間の尊厳を踏みにじり、金のために人が命を落とすような社会は、どう考えたっておかしいです。
March 19, 2005
ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?〈前編〉
■【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
朝のうち曇りときどきにわか雨、後晴れ。風おだやか。(高)24度、(低)13度。
[海洋気象] (エイベル)
変風10ノット、午後シーブリーズ。海況はおだやか。
[潮汐表] (ネルソン)
High 04:42 AM 3.0 m Low 11:33 AM 1.8 m
High 05:14 PM 3.0 m Low 11:25 PM 1.8 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■朝起きると庭がかすかに濡れてた。夜半に降った模様。
マラハウはもっと濡れてて、ついさっきまで降ってたらしい。カヤックを引っ張り出して準備をし始めた頃から再度小ぬか雨が降り始め、お客様が到着したころはけっこうな小雨。ただ出発時にはほぼあがってたし、その後はだんだんに雲も薄くなる一方。海況は予報通り超ベタ凪。
午後は晴れ時々曇りといった感じ。昨日までの暑さはどこかに行ってしまった。 sbh 8
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■本日いっぱいでサマータイムは終わり。あぁ、ついに……。
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■ときどきお邪魔してる大変興味深いブログを久しぶりに覗いたら、モロに僕の守備範囲の話題があった。しかも僕の主張と真っ向からぶつかる論旨。さっそくとりあげる。
◇”まちづくり”便利帳「ボランタリー・ツーリズムという発想」
管理人cheolsaito氏は素人さんじゃないので、久々に遠慮会釈なく書かせていただく。
もちろん久方ぶりの超長文。お茶でも淹れて長期戦の構えでどうぞ(と書いたんだけど、あんまり長いから前・後編に分けることにした。それでもやっぱり超長文だから、やっぱりお茶淹れてきた方がよろしいかも)。
■まず結論から書く。
ニュージーランドのツーリズム業界の末席に列するようになってから、痛感していることがある。ツーリズム・ガイドは、アマチュアのヴォランティアにはとうてい勤まらない、極めてプロフェッショナルな業務だということ。
日本でグリーンツーリズムやエコツーリズムを始めとする地域ツーリズムが今ひとつ定着しなかったり、おかしな具合に曲解された殿様商売になっていたりする現状には色んな要因があると思うが、中でも「善意だが、まともなガイディング技術を持たないアマチュア・ヴォランティアに頼っている」というのは大きな問題点の一つだと思う(そうせざるをえない現状に対する議論をするスペースはないので、今回はあえて棚上げする)。
上記のエントリーで、
ボランタリーなツーリズムは、決して真新しいものではない。これまでも農山漁村の体験と交流を通じたグリーンツーリズム、植林やゴミ拾い等を含むエコツーリズムは、ボランタリーな精神を含んでおり広く認知されるようになった。と述べられている。
「真新しくなく」、しかも「広く認知されている」というのが事実であると仮定しよう(疑問はあるが、とりあえずそれは脇に置く)。では、にもかかわらずこの種のツーリズムが日本ツーリズム界、あるいは日本産業界の起爆剤となりえていない現状はどう説明できるのだろう? むしろ逆に、ヴォランティアとツーリズムの相性そのものに問題点がある証しではないか?
そもそも根本にある「グリーンツーリズムやエコツーリズムは、ヴォランタリーな精神を含んでいる」という定義そのものは、果たして正しいのだろうか? 適切な考察なのだろうか?
上記ブログのエントリー、お気持ちはよぉく分かるし、問題提起としては非常に大切なテーマだと思うものの、それが業界側からの提案という点を鑑みると、その定義や方法論には、僕はあくまでも反意を表明する。
つまり、本日(と明日)のメインタイトルは「ツーリズムは、ヴォランティアを必要としているか?」だが、僕の答えは「No!」であり、サブタイトルはズバリ「ツーリズムは、ヴォランティアを当てにするな!」である。
■さて、古くからの読者諸氏にはもう言うまでもないことだが、僕は以前から「プロガイド論」というコンテンツでこの業界の似非プロ、似非ガイドを批判し続けてきたし、このブログでもプロガイドのつぶやきシリーズを始めとして「プロフェッショナル・ガイド」という立場にこだわったエントリーも多くアップしてきた。
なぜなら「ツーリズム」という産業は、まぎれもなく「サーヴィス業」の一つであり、冒頭で書いたとおり「サーヴィス業」はアマチュアや似非プロの手には余ると考えているからだ。
これらの駄文は、いちおう商業シーカヤック界に絞った書き方をしてきているが、他のすべてのツーリズムへの読み替えを想定して書いていることも付記しておくし、それ以外のサーヴィス業への読み替えが可能なことを指摘してくださる方も多いこともあわせて書いておく。
■ここでいきなり脱線大魔王の得意技。いや、ホントは脱線ではなく定義なんだけど。
日本では「サーヴィス」という言葉が「無料」という風に曲解されている。「代金割引」や「無料」のことを「サーヴィスする」と表現するが、むしろ本来の意味よりもこちらのニュアンスの方が多用されているくらいだろう。通販サイトを見ても「\5,000以上お買い上げで送料サービス!!」などの記述が多い。
しかし本来「service」という英単語には、「無料」という含みはない。
ちょうど昨日までやってたスリーデイ・ツアーでもジャパングリッシュ(和製英語。Engrishともいうらしい)の話題が出たので、「stearing wheel → ハンドル」などと一緒にこの例も挙げたが、欧米人にかなり不思議な用法だったらしく、ひとしきりその話題で盛り上がった。
ここで「正しい英語の用法は」などと講釈をたれるつもりも、「誤用だ!」と目くじら立てるつもりも毛頭ない。言葉は生きている。時や場所や応じて柔軟に意味合いが変わるのは当然だし、だからこそ面白い。
ただし日本においても、「サーヴィス業」という言葉の場合は、「無料奉仕産業」とか「ヴォランティア産業」という意味ではない。「接客業」だ。
(厳密に言えば「サーヴィス業」の中には直接接客しないものも多く含まれてくるので、本来ならもう少し広義に訳すべきだろうが、今日のところは「接客業」ということにしておく。)
ここのところ、本題に関わるので、キチンとおさえておきたい。
そもそも、ツーリズムにヴォランティアという概念を持ち込む発想も、結局根っこのところにこういう混同があるのかもしれない、というのは邪推すぎるだろうか?
■さて、話を戻す。
「サーヴィス業」の目指すところは、もちろん「顧客満足」。ま、どんな産業だって顧客満足は無視できないのだが、「サーヴィス」そのものを売る産業においては、特にそれが顕著。なんせそれ以外には売るものがないのだから。
よって接客には、相当な自己犠牲を強いられる運命にある。その代償としてギャラを受け取るのだ。ホテルマンしかり、床屋しかり、アウトドアガイドしかり。
ところがややこしいのが、ヴォランティアもまた自己犠牲を捧げる存在であるという点。ここにも誤解、勘違い、混同の入り込む余地があるようだ。
ただ両者の違いはギャラを受け取るか否かだけではないことに注目したい。そもそも双方の「自己犠牲」は、目的や方向性がまったく異なることに注意が必要だ。
サーヴィス業のプロの「自己犠牲」は、「顧客満足」のために捧げられたものだ。
それに対して、ヴォランティアの「自己犠牲」は、あくまでも「自己満足」のための方便なのである。
■ここで改めてお断りしておくが、僕はヴォランティアを悪く言うつもりはさらさらない。「自己満足」という言葉を持ち出すと、「けなされた!」とお怒りの方もいらっしゃるかと思うが、そのつもりは微塵もないどころか、彼らの善意や志、行動力には、心から敬意をはらう。
ただし、やはり両者の間には、越えがたい深い深い溝があるのは事実。
それは結局「生活をかけてギャラを受け取っている」か、「本業の余暇を利用した、別段やらなくても生活に困らない活動」かに起因するのだが、これが「責任」とか「背水の陣」とか「プライド」とか「プロの技」とかの差として現れてくる。これらが欠けるとサーヴィス業はつとまらないことをキチンと理解していただかないと、本稿の話は進まない。
この違いを一言でまとめる際に、「顧客満足」と「自己満足」という言葉で言い表してみただけのこと。別な表現法もあるだろうが、こういう言葉しか思いつかなかった。特に他意はない。気に触った方には、お詫び申しあげる。
つまりヴォランティアとプロとは、同じ「自己犠牲」を捧げる存在ながら、目的が対極であり、ゆえにその立ち位置が同じでも、目線は別の方を向いている、ということが言いたいのである。
■これを言うとまた叱られるかもしれないが、どうか怒らずに聞いていただきたい。
どうも日本人には、ヴォランティアを美化しすぎる傾向があり、逆に金を取るのを「汚い」とさげすむ傾向があるようだ。
世界的に見れば拝金的傾向が相当に強い民族なのに、同時にこういうメンタリティを持ち合わせているというのは非常に面白い矛盾であり、これはこれでまた別のテーマとして大変に興味深いのだが、それはまたの機会に譲る。ともかく、そういう傾向があることは事実。
確かに「ヴォランティア精神」は尊いし、「動機が金」というのは分かりやすい反面、俗な印象を受ける。僕自身だってそういうイメージを持っている人間の一人だ。
しかし、金を受け取るからこそ生まれる「責任感」があり、またその逆の「無責任さ、気楽さ」もある、という点を無視してはならない。
これについて、敬愛する魚柄仁之助師が面白いことを語っている。
どんなに環境保護を叫んでも、自然の大切さを叫んでも、体制はそう変わりません。師は環境問題、資源問題に関しても、ヴォランティアの力は当てにならないと看破し、ご自身は徹底的に営利を主眼にやってきたがゆえに生き残ってきたし、それゆえにこれからもモチヴェーションを維持でき、大きな効果も生み出せる、という。また江戸時代が徹底したゴミレスリサイクル社会を実現していた理由にも、「商売」としてそれが確立していた点を指摘している。
じゃぁ、環境や資源の問題にどう取り組んでゆくのか?
リサイクル運動に代わるものは?
あたしはそれがリサイクル産業だと思います。善意や正義感で動く運動より、利益を求めて動く商売の方がより人間をかきたてると思うんです。江戸時代のクズ屋と同じです。
あたしの子供の頃だって、磁石で鉄クズを拾い集めりゃ5円になりました。善意や正義感で空き缶を集める方が変なんじゃないかと思いますが、そうでもしなきゃ成り立たんほど、今日の消費状況はおかしくなってるとしか思えません。
(『古道具屋さんの経済原論』魚柄 仁之助 飛鳥新社 P.242より)
慧眼だと思う。ヴォランティアが流行れば、その機動力もバカにならないが、流行は去るかもしれない。しかし、この資本主義社会が続く限り、金のもつ威力はそうそう変わるものではない。
これは、ツーリズム産業にもそのまま読み替えがきく。
僕自身は、金、金、金っていうのは大嫌いで、消費社会にもどうもうまく馴染めない性質。それゆえに自給自足的手作り生活を求めてニュージーランドに移民までしちまった。
しかし、師の人間観察には全面的に賛成するし、僕自身だって例外じゃない。
実を言えば、今の「環境保全」だの「エコロジー」だの「エコツーリズム」だの「グリーンツーリズム」だのは、僕は一過性のブームだと見ている。ブームで終わらせてはならない大切なテーマを多く含んでいるが、しかしながら多くの人は時代や社会が変われば、舌の根が乾かぬうちに別のことを唱え始めるだろうと思っている。10年前のアウトドアブームと同じように。例えば、今の中国の世論が、果たしてエコを唱えるだろうか?
ただ、それが産業として確立すれば話が少々変わってくる。サステイナビリティ(永続性)ということは、この手の環境問題、エコロジー問題に必ず出てくる言葉で、最近は日本でも市民権を得はじめた用語だが、産業として確立して「商売」として市民生活に溶け込むことは、すなわち強力なサステイナビリティを手に入れることに他ならない。ヴォランティア精神だけでは、サステイナビリティはなかなか確立が難しいのではないか? 飛ぶ鳥勢いの中国でも「エコツアーが儲かる!」となれば、世界最先端レヴェルの上質なエコツアーが定着する可能性はあるのだ。
商売が流行に左右されるのは言うまでもないが、ヴォランティアも別の意味でやはり流行に思いっきり左右される。いや、ある意味商売以上に影響を受けやすい側面も強い。
ゆえに僕は、ある特定分野においては、ヴォランティアよりもプロを信頼する。サーヴィス業も、その中の一つである。
■さて、ヴォランティアの方に偏りがちになってきた話を、再びサーヴィス業の方に戻す。
サーヴィス業とは、文字通り「対価を受け取って、サーヴィスを提供する」という産業である。つまり、提供すべきは「顧客満足」であり、この満足度と支払った対価の関係が「費用対効果」としてあらわされることになる。そして「プロのプライド」は、「自分の技術が顧客満足に直結する」という自信に由来する。
ところが、ヴォランティアは「自己満足」を目的とした存在であり、「無給」で動いている存在ゆえに、「費用対効果」を意識することが難しいし、「責任感」もプロには遠く及ばない。「ヴォランティアのプライド」は、「自分は無給で善行を行っている」という利他的、自己犠牲的な自分の行為自体に由来する。
どれも見ても、サーヴィス業に不可欠な「顧客満足」を保証するには、はなはだ危なっかしい。
実際にヴォランティアの現場では「善意の押し付け」によって迷惑をこうむり、しかも相手が善意であるがゆえに文句も言えないという話がよく出てくる。
プロならば顧客のニーズに敏感にならざるをえないし、顧客側も金を払っている気安さからクレームもつけやすいので、ヴォランティア相手の場合ほど問題はこじれにくい。
これが、「サーヴィス業というのは、極めて専門的な技術を要するプロフェッショナルな職業であり、素人のヴォランティアに勤まる仕事ではない」というのが僕の基本的なスタンスの理由である。
もちろん、サーヴィス業の最たるものであるツーリズム業についても、まったく同じことが言える。
(ここで念のため申しあげておきますが、ダメプロとか、例外的にプロを超える能力をもつヴォランティアとかの「例外」は、脇に置いといてください。あくまでも一般論ね。)
■もう一つ別の側面から「サーヴィス業のプロ」という存在について見ておく。
世の「プロ」の中には、「金なんぞもらわなくたって、これだけやってりゃ幸せ」という人もたくさんいらっしゃる。例えばコンピュータのプロは金が入らなくたってキーボードを叩いてプログラムを組むだろうし、ミュージシャンは楽器をいじって曲を書き、画家は絵筆を握って絵を描くだろう。実際、仕事を終えて家に戻ってからも、プライヴェートな時間にそれらをする人は多いだろうし、それがプロのプロたるゆえん(あるいは「業」)でもあると思う。
が、同じプロといってもサーヴィス業の場合はお客様がいらっしゃらないと実践できないという点で、上記のような「技術系プロフェッショナル」とは完全に一線を画すことに注目したい。家に帰ってから趣味で「接客」をしてしまうサーヴィス業のプロがいるだろうか? まずいないだろう。というより、「顧客不在」で「接客」をするのは、基本的にはムリだ。
言い換えれば、ツーリズムなどの「純然たるサーヴィス業」は、「お客様あってのサーヴィス業」なのである。画家やミュージシャンとは根本的に違う。
もちろん画家やミュージシャンだって、広義では「サーヴィス業」に含まれるのは間違いない。ただし、顧客不在で実践が可能か不可能かという点では、「純然たるサーヴィス業」とは大きな差がある。つまりここで「サーヴィス業」と呼んでいるのは、「狭義の純然たるサーヴィス業」の方である。
ちなみにシーカヤック・ガイドも、プライヴェートでパドルを握って遊ぶことはあるだろうが、これは接客ではなく、仕事とはまったく別の行為である。
つまりサーヴィス業にとっては、画家やミュージシャンとは比較にならないレヴェルで「お客様が大切」なのである。存在価値そのものなのである。
よって最初の方で書いたとおり、「顧客満足」や「費用対効果」を無視したサーヴィス業というのは、ありえないということになる。
別の言葉で言えば、「オレの芸術が分からないなら、帰ってくれ」というのは、画家やミュージシャンには許されるかもしれないが、サーヴィス業には基本的には許されないという事である。
その点でも、サーヴィス業とヴォランティア=「自主的・自発的に何かをする人」とは、言葉の定義上もまったく馴染まない。
■つまりそういうわけで「ヴォランティア・ガイド」という言葉は、僕の辞書の中には存在しない。「プロの学生」とか「アマチュアの官僚」と同じくらい矛盾した「ありえない言葉」だと思っている(ただし、「プロのガイドが、ヴォランティアをする」ということは、当然ありうる)。
よって同様に「ヴォランタリー・ツーリズム」も、僕的にはありえない言葉だ。
最初に結論を書いたが、これでようやく論拠が出揃った。
ヴォランティアなんぞに任せるから、いつまでたってもツーリズム業界に目立った成果があがらないのではないか? 日本のグリーンツーリズムやエコツーリズムを見るが良い。どれだけ「顧客満足」や「費用対効果」を無視した、「自己満足」のクソツアーが満ち溢れているかを。痒いところに手が届くどころか、「痒い? 勝手にかけ。いちいちそんなことでこっちの手を煩わせるな!」といわんばかりの殿様商売が山ほどあるじゃないか。
これは、僕が常々批判している似非プロの問題なのだが、実は彼らの大半はヴォランティアか、それに近い存在だったりするという事実は無視できない(ちなみに、ちょうど昨夜ニュージーランドで規定以上の人数を連れてツアーをやっていた日本人トレッキングガイドのことが報道され、この業界ではホットな話題になっているが、あの会社はヴォランティアに毛が生えたようなワーホリのアルバイト・ガイドばかりを使っていたので、どうせそのうちこういう問題が出るだろうと思っていた。なんで日本人はこうなっちまうんだろう? 恥ずかしいったらありゃしない……)。
本当に顧客が満足しているならば、年々すごい勢いで業界が拡大していなきゃおかしい。
これって、「金を取る代わりに責任を持つプロ」が少ないからに他ならないんじゃないのか?
余談だが、つい先日まで僕は「エコツーリズム」とか「グリーンツーリズム」という言葉が大嫌いで、僕自身を「エコツアーガイド」と呼ぶ人には「違います!」とむきになって否定してたりしたものだが、これって上記のようなクソツアー、クソガイドの仕事ぶりのイメージが強く、本来のエコツアーとかグリーンツアーを勉強しないままに食わず嫌いをしていたためだ。あんな連中と一緒にしてくれるな、こっちはプロだ、という意識が強かったのだ。だから、僕は自分のことを「観光ガイド」と称していた。
もちろんこれは僕自身の勉強不足が悪いのだが、でもプロの僕にしてそうなんだから、冒頭に書いたように、きっとクソツアーのせいで悪印象を持つ人は少なくないはずだ。そもそもすべての人が勉強して理念を知っているわけではないので、それは無理からぬことだと思う。
ちなみに今の僕はエコツーリズムやグリーンツーリズムの基本理念は理解しているつもりだが、それらが根本的に抱える大きな矛盾に関しては今もなお思いっきり疑問視しているので、これらのツーリズムを全面的に肯定したり推奨しているわけではないことを付記しておく。
ただ、以前とは違って「一緒にしてくれるな」などと突き放して考えることはやめた。今は自分自身も取り組むべき問題ととらえ始めている(でなきゃ、こんなエントリー書かないわな)。
■閑話休題。
ここまでヴォランティアを排するような話ばかりしてきたが、かといって僕はすべてのヴォランティアを否定しているわけではない。ヴォランティアでも構わないものもあれば、ヴォランティアであることが望ましいものもあるし、ヴォランティアでなくては勤まらないものもあることは認めている。
例えば救援活動はヴォランティアの力が不可欠だ。プロである警察、消防、自衛隊、医療関係者だけにレスキューを任せておけ、なんて暴論を吐くつもりはない。
あるいはPTAや町内会の活動なんかは、ヴォランティアで運営されるべきだ。
これらに共通しているのは、「顧客を相手にするサーヴィス業」ではないということである。
つまり被災地に関していえば、「救援活動」と「経済復興のために観光客を呼び戻す活動」は、まるっきり分けて考えなくてはいけないわけだ。前者にはヴォランティアの力が必要だが、後者のためには不要なのである。
■ただし、サーヴィス業の現場に「お手伝いします!」と名乗りを上げてくださったヴォランティアの方々に向かって「君らは不要だ。引っ込んでろ」っていうのは、ちょっとお門違い。ここのところを誤解されると困る。
ヴォランティア志願があれば、ツーリズムの現場といえども、それを退ける必要はないと思う。
実際問題、日本の地域ツーリズムやグリーンツーリズムは、ヴォランティアの手で運営されている例も多い。お忙しい本業の傍ら、僕らプロから見ても頭が下がるほどの努力をなさっているヴォランティアの方々の存在も、僕自身よく存じあげている。
例えば「障害者カヌー」の活動をしている友人もいる。あるいはネット上で知り合った人には、離島で光るキノコを案内するユニークなエコツアーを運営してる方もいらっしゃる。もちろん両者ともヴォランティアである。
そういう方たちに「ヴォランティアは引っ込んでろ!」などという資格は、僕にはない。それどころか、彼らの努力を自分自身への戒めとしているし、協力することが務めだろうとも思う(だからこうして長文を書いてる)。
つまり、僕が「ツーリズムはヴォランティアじゃダメだ」ということを言いたい相手は、ヴォランティアの方々ではない。
今の僕は、あくまでもプロの側、業界の側に話しかけているのである。つまりプロの側、業界の側が、ヴォランティアを当てにするという姿勢がダメだと戒めているのだ。
現状の「ヴォランティアに頼らざるを得ない」というツーリズムの現状を恥じ、ヴォティアを一人でも減らして、逆に一人でもプロを増やすことを心がけるのが、業界側の務めだろう。
逆にヴォランティアの力を当てにしてツーリズムを盛り上げようなどというのは、ツーリズムやサーヴィス業と、ヴォランティアのことを理解していないたわごとではないか? そういう発想が、アマチュア側、ヴォランティア側から出てくるのは、むしろ健全なことだと思う。しかし、プロの側からそういう発想が出てくるのは論外だ。たとえば「障害者向けのカヌーイヴェント」といえば、すぐにアマチュアのヴォランティアをかき集めようとする業界側の姿勢を批判したいのである。
つまり、冒頭に挙げたブログエントリーが、仮に地域ツーリズムを憂うアマチュア・ヴォランティアの有志の手によるものだったならば、僕はこんなエントリーを書いたりしない。逆に応援エントリーを書き、その存在を広く知らしめるお手伝いをしたことだろう。
逆に今回こうして辛らつなエントリーを書いているのは、管理人氏が「業界側」に属する方だからである。
■余談だが、このように素人さんに向かうときと、同業者に向かうときで、あたかも「ダブルスタンダード」とも思われるほどまったく違う反応を見せるのも、まさしくサーヴィス業のプロの特徴の一つである。ま、当たり前のことだぁね。
でも、この「当たり前」がなかなか厄介。
というのも今の日本の「地域ツーリズム」を語る場では、往々にしてプロとヴォランティアが入り混じるからだ。つまりまったく同内容の発言に対しても、僕としては相手がプロがアマかによってまったく反対の態度をとらざるを得ないことがあるのだ。ほとんどの人には、それがダブルスタンダード、二枚舌に映ることだろう。残念ながら、今の日本には「あぁ、プロ相手と、ヴォランティア相手で、ちゃんと言い方を変えてるな。さすがプロ」と理解してくれる人は、ほとんどいない。
だから、協力はしたいのはヤマヤマだが、下手に発言すると大いに誤解を招くだろうなと腰が引け、発言を控えてしまうこともないではない。
まぁ基本的には無責任な外国人ガイドの立場を利用して、けっこう奔放に発言してしまうが。
これが僕にとって日本の同業界の厄介な点の一つとなっているのも事実だ。
■さて、本日分が終わりに近づいたところで、僭越ながら私事を書く。
僕は、シーカヤックガイド以外にも物書きの看板も上げているが、両方に共通して心がけているには、只働きをしないということだ。言い換えればヴォランティアをやらないように気をつけている、ということ。
これは、自分自身への戒めだ。
僕は元来、金を取るのが苦手で、ともすると「あぁ、お金なんか要らないから」と言ってしまう性質。
しかし、一度業務でやり始めたことを、その後に無料奉仕でやると、どうしても「これは金もらってないんだから、やっつけ仕事で良いや」となる。当たり前の態度だ。
ところがこの当たり前が、プロにとっては大きな罠。一度「手抜き」という「厄介な技術」を身に着けてしまうと、その後も仕事が荒れてしまうからだ。
僕はこれがイヤなのだ。
ライターとしては駆け出しで、仕事のえり好みを出来る立場ではない。しかし上記の理由で、無料で書けという執筆依頼はすべて断る(驚くなかれ、出版界もまたイビツな世界で、無名ライターにはかくも非常識な依頼がけっこう来るのだ)。いや、駆け出しだからこそ断っている。今は手抜きを覚えたくない。
駆け出しは無料の仕事もどんどんこなして将来へのステップにするべきだという考え方もあるだろう。もちろんそういうやり方も、否定はしない。でも僕はそういうスタンスじゃない。
逆に「零細ゆえに些少で失礼は承知ですが、原稿料○○円でお願いできますか?」という形の依頼ならば、たとえそれが目まいがするような少額でも、基本的には二つ返事で請けるようにしている。値上げ交渉はその後関係作りが出来てからでも遅くない。
つまり金額の多寡にかかわらず、ギャラをもらってそこに責任を発生させることが大切なのだ。
シーカヤックだって同じ。パドルを握って接客する以上、安全とサーヴィスには全責任を持つ。そのためにギャラは取る。それが僕のプロフェッショナリズムだ。
別に「オレは遊びでやってんじゃねぇんだ、仕事だ。遊び半分でやってるヤツと一緒にするな」などと、よく聞くようなセリフを口にするつもりはない。僕はあのセリフは大嫌いだ。「仕事」が「遊び」よりエライなどとは、まったく思わない。むしろ、「仕事」でやってるよりも、自発的に「遊び」でやってる人の方がエライと思うこともあるほどだ。
しかし、「ギャラに付随する責任」というものの存在があるのは事実であり、その点を言ってるだけに過ぎない。
ただしそんな僕も、上で書いたように、目の前で緊急事態が起これば、「救援活動」としてロハでパドルを握ったりキーボードを叩くこともやぶさかではない。
僕が大声で、「接客業」における只働き(=ヴォランティア)の存在価値も認めないと主張できるのも、こうしたポリシーあってのことである。
■さて、ここからいよいよ冒頭挙げたエントリーに言及するところだが、すでにやたらに長くなってしまったので、ここから先は明日また改めて。
■関連過去ログ【英語】
◎アルミコーティングのチタン!? (2004年4月14日)
◎キウィ英語と米語 (2004年4月15日)
◎続・キウィ英語と米語。 (2004年10月6日)
◎クッカー? スキレット?? (2004年10月21日)
◎[ 自由テーマ ] 規格、そろそろ統一しない? (2004年12月13日)
◎「セミ」と掛けて、「食べる」と解く。 (2005年1月7日)
■関連過去ログ【ガイドのつぶやき】
◎その1「怖さについて。」 (2004年10月7日)
◎その2「過保護について。」 (2004年10月8日)
◎その3「プロの基準について。」 (2004年10月9日)
◎その4「互助について。」 (2004年10月12日)
◎その5「トウイングについて(前編)。」 (2004年10月13日)
◎最終回「トウイングについて(後編)。」 (2004年10月14日)
◎番外編「老兵は語るべきか、去るべきか?」 (2004年11月13日)
◎番外編「自己責任と、クラス区分。」 (2004年12月25日)
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を、「うぅぅ、まだ続くのか……」と思った方は
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Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ、ただし朝のうち曇りまたは薄霧。午後シーブリーズ。(高)24度、(低)13度。 [海洋気象] (エイベル) 変風10ノット、午後シーブリーズ。海...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.03.22
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ。風おだやか。(高)20度、(低)9度。 [海洋気象] (エイベル) 変風10ノット、午後一時北東に変わる。海峡おだやか。 その後12時間:北部...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.04.06
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ。南西風。(高)20度、(低)6度。 [海洋気象] (エイベル) 夕方、南15ノットに上がる。海峡おだやか。北部の海況はやや荒い。 その後12時...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.04.12
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 晴れ、高曇り。北東風。(高)12度、(低)9度。 [海洋気象] (エイベル) 北東15ノット、セパレーションポイントより北では25ノット。西部海域は...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.06.17
Excerpt: ■そうなんだよなぁ。 ◎nikkeibp.jp「団塊世代とスポーツ(2)」 これは、僕らのようなアドヴェンチャー・ツーリズム業者も気づいてて、たとえば先月8日に京都で会合があったの...
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.10.06
Rと申します。いつも楽しくブログを読ませて頂いてます。
さてRyuさんの今日のエントリーと「”まちづくり”便利帳…」とを読み比べて少々疑問に思ったことがあるので、コメントさせていただきます。
先ず、「”まちづくり”便利帳…」で提言されている『ボランタリー・ツーリズム』というのは、「後ろめたさ(被災者の皆さんが苦労されている地域へ観光(遊び)に行くのは、気が引ける)」のために、復興後も被災地の観光業界が冷え込む現象への解決策として、
ステップ1.費用負担を補助し救援活動に来る人(ヴォランティア)を、積極的に呼びこむ。
ステップ2.人の往来があれば、観光目的のツーリストも復旧後の被災地を気兼ねがなく訪れ易い。
という論旨だと理解しています。乱暴ににまとめると、
・「ヴォランティアをツーリストとして扱おう」
という考えではないでしょうか。
一方、Ryuさんが従来から仰っているのは、「ツーリズムという産業では、サービス提供者はプロフェッショナルが従事すべき」という主張だと理解しております。少々Ryuさんの考えとズレがあると思いますがが、先ほどのまとめに表現を合わせると
・「ヴォランティアをガイドとして扱うな」
となるでしょうか。
そこで(ここまでの双方に対する私の理解が正しいなら)、Ryuさんの主張と『ボランタリー・ツーリズム』は「真っ向からぶつかる論旨」というより、異なる事象に向けられた提言ではないのか、と言う違和感を覚えました。
件の『ボランタリー・ツーリズム』の考えも、「ヴォランティアの力を当てにしてツーリズムを盛り上げようという考え」だといえば、たしかにそうですが、Ryuさんの「業界の側が、ヴォランティアを当てにするという姿勢がダメだと戒めているのだ」と言う記述に、客としてのヴォランティアを当てにするという行為も含めて仰ってるようには思えません。
とすると、今日のエントリーは、Ryuさんも引用されておられる「”まちづくり”便利帳…」の一段落目の定義だけに対する議論だったのでしょうか?
それとも、「”まちづくり”便利帳…」に対する私の理解とRyuさんの理解がことなるのでしょうか?
後編を読む前にコメントをするのは失礼かとも思いましたが、今後のエントリーの趣旨を理解するためにも質問させて頂きました。
それでは、後編も楽しみにしています。
Posted by: R : March 20, 2005 2:38 AM日本語って難しいですね。
僕が読んだところでは、
「ボランティアの人」≒「観光客」
「復興活動支援」≒「アクティビティ」
のようにしていこうという提言と解釈しました。
「サーヴィス業」のみならず「ヴォランティア」という言葉や概念自体も既に一人歩きをしてEngrish化してしまっていると自分は感じています>ジャパン。
問題のややこしさはそのあたりにもあるのではないでしょうか。
普段ヴォランティアに明け暮れている身としては、日本の概念には(1)セミプロ意識や(2)イイ意味での自己満足と自己犠牲精神に対する美徳との微妙な兼ね合い、などという物が絡んできてしまっていてプロとの線引きがどんどん難しくなっているのでは、というのが自分の感想です。
こちらのヴォランティアもあくまでも「隙間」業、処理能力がいくら高くてもプロの様には意思決定が絡まないと言う感じですね。
逆にそういった能力の高いヴォランティアの場合は、あらかじめその方面・業界にキャリアを求めている人間だったりする場合が多いですし、又逆に周囲から「脱」ヴォランティア(=すずめの涙であろうとお給料をもらってプロの仲間入りをする)を勧められたりしますしね。
>またその逆の「無責任さ、気楽さ」
も、プロの方々の
>金を受け取るからこそ生まれる「責任感」
というブランケットに守られている、と言う事を自覚してこそ、の事ですし、又ヴォランティアに関わるプロの方には必ず自分の「下の」ヴォランティアも含めた責任問題というのがありますし。
そういう縦の関係と言うか縦割りと言うか、はあってしかるべきなのではないかと思いますが。
本日のエントリーでRyuさんが描いているガイド像として、ヒマラヤのシェルパなんがが浮かんできましたけれど・・・
トレッキングにワーホリ程度のガイドツアーが成り立つ段階で、その業者も、ガイドも、お客さんも、三者皆まとめて生ぬるいですね。
基本的に「生」や「自然」の厳しさがわかっていないんでしょう。
まあ、そういった方々はその厳しさあっての美や充実感なんていう物とも一生ご縁がなくって可哀想なんですけれど、きっと。
後半も期待に胸躍らせながら極上アッサムを控えさせてありますので安心して長ーーーーーいエントリーを(笑)。
Posted by: MM : March 20, 2005 8:32 AM>Rさん、Miyaさん
コメントありがとうございます。
ご指摘の点に関しては、続編で多少論じておりますので、少々お待ちを。
氏のエントリーに「ヴォランティアをツーリストとして扱おう」という含みが大いにあるだろうという事は、僕も感じていますが、とりあえずこの前編は、氏のエントリーの細かいところには一切言及していません。
とりあえず、僕のスタンスを書いてみただけっていうのが、この前編です。
>MMさん
ヴォランティア自体の、国ごとの微妙な違いっていうのは僕も大いに感じてるんですけど、それに話を膨らませるととんでもないので、今回は割愛しました。
でも、基本的にはおっしゃるとおりだと思います、ハイ。
>
ボランティア問題は、障害者関係では多いですね。お金が回らないからボランティア頼みになる→ボランティア依存症になってお金を回さなくてもなんとかなると勘違いしてしまう→ボランティア故にサービスの品質保証が出来ず、サービスを受ける側にもデメリットになる
例えば手話通訳者はアメリカでは職業として確立しているから、資格を取ればかなり良い年収が期待できるし、それ故技術レベルも高い。日本だと主婦や学生ボランティアに依存してしまっているので必要な時に確実に調達できず、また技術レベルもバラつきが非常に大きい。もちろんアメリカでは手話通訳者は絶対にタダ働きはしないし、させないです。
ボランティアとはみんながちょっとずつ出し合って一つの大きなものを作っていくという時に最大の力を発揮するものです。コミュニティ形成ですね。これを贈与の経済と言います。しかし現代ではコミュニティ・ベースではなく、個人対個人での取り引きもまた存在していますし、これは通常は貨幣を媒介として行われます。このサービスにはこれだけの貨幣という約束を決めてきちんと支払う。貨幣経済ですね。
贈与経済と貨幣経済はそれぞれ得意とする分野が違うのですが、これをきちんと理解して、使い分けていかないと、結果として非効率的なシステムになり、誰もが損をする事にもなりますね。しかし、日本社会では特にそうなのですが、誰もが大事だと考えているものほどゼニカネの問題ではないと言い出す。例えば教育。教師は聖職者なんだからゼニカネの話をすべきではないし、24時間365日教師であれと要求する(しかも自分を棚に上げて)。それだったらむしろ教師は出来る人が一切ゼニカネを受け取らずにボランティアで賄うべきでしょうが、それは結局手話通訳者の問題と同じで、品質保証が出来ない(ボランティアにそれは要求出来ない)から、結局は社会全体が損をする。だから教師はプロとしてお金を払って雇われているのですが、そこを理解出来ていない。
贈与経済システムは「それに関わる全員は自ら何かを差し出す」局面で使うべきであって、「何かと何かを交換する」局面では使うべきではないというのが私の結論です。だから観光ガイドにはボランティアは馴染まないでしょう。
Posted by: Hokulea2006 : March 20, 2005 12:42 PM付け加えておきますが、元エントリーの提唱するコンセプトそのものは、ある種の可能性を秘めていると思いますよ。つまりRyuさんも指摘しているように「ボランティアをツーリストとする」という発想です。要するに「ボランティアで来る以上、転んでも泣かない。自分の始末は自分でつける。」というハードボイルドな構造を作るわけですね。「ボランティアなんだから・・・」という甘えを一切許さない、言ってみればただのツーリストよりもハードルの高いツーリストになれる人だけ来て下さいよという事です。
おわかりのように、これはツーリストを等価交換の世界から叩き出してしまう暴挙なのですが、だからこそツーリストもまたボランタリーなコミュニティのメンバーとなれるわけです。贈与の世界はコミュニティ形成が基本であり、その為には全員が損をしなければいけません。
ボランタリーなツーリズムの世界にお客さんは存在出来ない。お客さんがいるのであればボランティアは不可能。そう思います。
Posted by: Hokulea2006 : March 20, 2005 1:01 PM貨幣経済に対する贈与経済の視点、目から鱗でした。
そういえば先日Hokulea2006さんのサイトでも読んだばかりだったのに、今回この件を論じる際に頭から抜け落ちていました。
ありがとうございます。
しかし、大切なことになるほど「ゼニカネじゃない」となる風潮、僕も常々問題だと思っています。
大切なことには、しっかりギャラを払ってプロの技術を担保すべきなのに。
政治家の給料も安すぎるという問題もありますね。
給料を10倍に上げる代わりに、汚職は死罪にするとか。
って、これは脱線しすぎだな(^^;
>ボランタリーなツーリズムの世界にお客さんは存在出来ない。お客さんがいるのであればボランティアは不可能。そう思います。
ハードルの高いツーリストのお話は、本日分の後編に引用させていただきましたm(..)m
しかし、贈与経済は、今後もうちょっと勉強します。
今後大きなキーになりそうですね。
cheolsaitoこと"まちづくり便利帳"の斉藤哲也です。
Ryuさん、トラックバックありがとうございました。大変熱い議論になっているので、全部拝見できていないのですが、素直な感想として、賛成・反対ともども熱い議論をして下さったこと、拙稿を真剣にお読みいただけたことを大変嬉しく思います。
というのも、私が提案した4つの事柄はいずれも未熟なことを自覚しており、むしろそれを題材に他の皆さんがどのように考えるのか、そもそも観光地の風評被害にどの程度関心があるのかなどを知る為に、あえて書いた事柄です。単に”ここが問題です”というだけでは、只の評論家で、事の進展が期待できませんから(微力ながら、課題解決に向けて動く予定です)。
斜め読みした時点での印象では、Rさんの意見に同感です。私は既に旅行業界を後にし、地域をいかに良くしていくかに関心があるので、立場が全く異なります。ただ、その立場の違いからくる様々な意見が、新しい気づきや刺激となって、新たな価値を生むと私は思います。そういう意味でも今回取り上げて下さったことは、私にとって大いに勉強になり、感謝しております。
厳しい意見を含め、今後とも宜しくお願い致します。
ちなみに、私はここ数年Social VentureやSocial Enterprise、CSR、SRIなどの世界の目覚ましい動きに注目しています。P.F.ドラッカー氏や様々な識者が指摘するように、世界はネクスト・ソサエティに向けてパラダイムシフトを起こしており、ボランティアの形も随分と変貌を遂げつつある、これだけは言えるでしょう。
Posted by: cheolsaito : April 4, 2005 5:32 AM>cheolsaitoこと斉藤哲也様
初めまして。
コメントありがとうございます。
パラダイムシフトがおきつつあるというご指摘は、確かに僕も肌で感じております。
>私は既に旅行業界を後にし、地域をいかに良くしていくかに関心があるので、立場が全く異なります。
僕自身も今の仕事には体力的な限界を感じており、斉藤さんと同じような形でシフトしつつある過渡期です。
よって、まったく立場が異なるとは思っておりませんで、むしろ僕は今の仕事で見につけたものを、いかに別の立場に応用していくかを課題としています。
日本の地域振興がうまくいっていない現状を外から眺めたとき、ニュージーランドのツーリズム業界で学んだことを応用すれば、解決できるアイディアがいろいろあるなというのが、僕の基本的スタンスです。
が、日本の地域振興は「応用」ではなく、「直訳」が多いのが問題ではないか、と。
つまり常々感じているのは、「世界」と言葉で語られる西洋文化圏の常識は、日本人にとっては本当に「違う世界のこと」で、例えば一口に「ツーリズム」とか「ヴォランティア」と言っても、日本人がイメージするそれは西洋人の言うそれとはまったくかけはなれているという事。
その決定的な違いをきちんと認識しないままに、日本では言葉だけが輸入され、西洋の文法で話が進んでいる印象を受けます。
エコツーリズムの世界では「インタープリテーション」が重視されていますが、そういう意味でこういう大きな視点で地域振興を考える場合も、西洋のコンセプトと日本の認識のずれをキチンと「インタープリテーション」することが重要かと。
どちらにしましても、僕自身もこれから斉藤さんの後を追う形で勉強をさせていただく見ですので、今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by: Ryu : April 4, 2005 9:21 AM大阪のABCラジオのインターネット版で「ニュース探偵局…観光ボランティアについて、お話をうかがいました。」
http://www.asahi.co.jp/webio/frame.html
という番組が聴けます。
奈良の観光ボランティアのNPOの代表の方のお話です。
聴いた感じでは、ボランティアの動機は・・・・定年後の余暇の使い道、って言うのが一番大きいように感じました。
週一更新なので、もしご興味ありましたらお早めに。
Miyaさん、すごくタイムリーな情報、ありがとうございました。
どうやら、この団体ですね。
http://www.e-suzaku.net/
確かにおっしゃるとおり、「引退後のヒマツブシ」ということが、恥も隠しもせずに語られていました。
「応募してきた人、ほとんどを採用」
「平均年齢約63歳」
「知識はテストもしないので、自主的な学習範囲内」
「研修はわずか12回」
「時間厳守」
など、やっぱり僕らが聞くと、素人さんの「ガイドごっこ遊び」にしか聞こえないです。
安全性だとか、顧客満足とかに関する話は一切なく、すべて会の内部、ボランティア間の話に終始し、完全に「お客様不在の自己満足」という、上記駄文の中で指摘したことが、いかんなく語られていて、あらためてガッカリいたしました(^^;
しかし全国合わせると組織数1,000、ボランティアガイド数27,000人というのはショッキングでしたね。
要するに、これだけの「無料奉仕ガイド」が、ツーリズム産業を「善意」で圧迫し、ツーリズム産業全体のレヴェルアップを阻んでいる、というわけで。
イヤハヤ……。
ご指摘の通りに感じました。
しかしながら、もしも自分がRyuさんのサイトに来たことが無く、
ガイド=サービス業=プロ
の考えに馴染んでいなかったなら、
地元のボランティアガイド+NPO法人=安心+タダ
ってな結論に達してしまったかもしれません。
一般的な概念として、
ガイド=プロの仕事=満足=費用対効果
というのを持ってもらうのは難しく感じます。
特にプロよりボランティアのほうが幅を利かせている現状では・・・。
>一般的な概念として、
>ガイド=プロの仕事=満足=費用対効果
>というのを持ってもらうのは難しく感じます。
おっしゃる通りだと思います。
本文内でも書きましたが、特に日本ではヴォランティア精神を無批判に賛美する風潮が強いため、ヴォランティアを批判すること自体にタブー意識も働くという難しい点があります。
さらに「サーヴィス業」自体に対する考え方も、まだ古く、「上質なサーヴィスに金を払う」という余裕のある消費者よりも、「サーヴィス=割引、無料」と考える人の方が多い。
この辺も欧米とはかなり開きを感じます。
こんな訪問者数の少ないブログで僕一人が論じてみても、なかなか変わっていかないでしょけど、でも誰かやらないと絶対に変わらないのも事実なんで、気長にボチボチやりますよ。
ま、あんまり根気のない人間なんで、どこかで放り出すかもしれませんが(笑)
November 27, 2004
単なるボヤキです、お許しを。
■ 【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
晴れ。早朝は霜がおりる。風おだやか。最高気温18度、最低気温3度。
[海洋気象] (エイベル)
セパレーションポイントより北では南西20ノット、その他のエリアは10ノット。
[潮汐表] (ネルソン)
Low 04:36 AM 0.9 m High 11:00 AM 4.1 m
Low 04:51 PM 0.8 m High 10:58 PM 3.9 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■ 昨日より最高気温、最低気温ともに低いことになっているが、快晴だったので格段に暖かい。僕の漕いだ海域はシーブリーズが吹いているだけで南西も吹かず、海況もおだやか。楽な一日だったが、ウォータータクシーでマラハウ・サンディベイまで戻ってきたら、10kn超の南西が吹き出していた。
しかし、あと数日で「夏」だっつぅのに、霜とは何事だ、霜とは! 天気悪くてひたすら鬱陶しいクライストチャーチとかだったら分かるぜよ。でも、サニーネルソンだぜ。まったく変な天気だ。
昨日は寝不足とブランクのせいで疲労が激しく、ガイディングも痒いところに手が届かなかったが、今日はゆっくり寝たおかげもあって復調。膝も、ほとんど気にしなくて良いところまで回復。もうだいじょうぶだろうな。明日から薬飲むのやめてみよう。
本日も食事のトラブル。ブラウンブレッド(雑穀の入った茶色い食パン)とナッツ類を食べられないというお客様用の袋の中に、普通のブラウンブレッドのサンドイッチが入っていた!
これは昨日と違って、完全にこちら側のミス。昔のATKやATAじゃ、こういうミスは到底考えられなかったのに、何でウィルソンズが介入してきて仕切り始めたとたんにこうなんだ!! 腹の虫が収まらない。本気で移籍を考え始めた今日この頃。 seal 5
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■ 昨日のログ↓
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■ 【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
朝のうちにわか雨、のち晴れ。冷たい南西風。最高気温19度、最低気温6度。
[海洋気象] (エイベル)
セパレーションポイントより西では南西30ノットが午後遅くに20ノットに落ちる。その他のエリアは20ノットが、午後遅くに10ノットに落ちる。海況は荒いが、次第に落ち着く。
[潮汐表] (ネルソン)
Low 03:58 AM 0.9 m High 10:24 AM 4.0 m
Low 04:15 PM 0.8 m High 10:21 PM 3.9 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■ かなり強烈な冷たい南西風。朝のうち曇っていたが、日中はほぼ晴れ、透明度も高く、気持ちの良い一日。でもメチャクチャ寒い。あと数日で「夏」だというのに。
南西ゆえに、今日は通常南下するメニューは、すべて北上に切り替え。僕の担当するトンガ・アイランド・シール・ツアーも北上に切り替えた。
ただし、朝ウォータリング・コーヴからアンカレッジまで歩き、しかもオネタフティからのピックアップが15:15なので、おそろしく時間が短い。昨年度のもっとも過酷なメニュー、マリン・リザーヴ・ツアーよりももっと忙しい。次回これをやるときは、朝のウォーキングはスキップすることにしよう(スキップ=省く。決して山道をみんなでスキップするわけではない!)
まるまる二週間ぶりのワンデイ・ツアーだったわけだが、悪いことに昨夜突然不眠症に見舞われ、二時間ほどしか眠っていなかったので、相当辛かった。しかも風が強いと来てるから、何かの罰か?ってな感じ。
疲れたぁ。ただの休暇ならまだしも、「病欠」だったもんで身体も鈍りまくってて、肩の筋肉も落ちまくり。家に戻ってからは、左腕が上がらないほど。
膝はかなりよくなってたが、やっぱり仕事を終えて家に戻ってみると、朝よりちょっと悪くなってた。ま、大騒ぎするほどのことじゃないけど。
ところで朝マネージャから、グループのうち二人がマジックバス経由のブッキングなので食事持込と聞いていたのだが、チェックインを終えた本人たちに確認すると「エッ!?」という顔。ただ、彼女たちは食べるものを持ってきていたので、それを持ってツアーに出発。
さて、問題は昼食時に発覚。英語が得意じゃない彼女たちは、朝の段階では何が起こったのかよく分かっていなかったらしく、昼食時に僕のところに来て「何で我々は食事がないのか説明してくれ」という。
マジックバス経由のブッキングは割引料金の変わりに食事なしなんだと説明すると、「自分たちはマジックバスに乗ってない、ブッキングはインフォメーションセンターでやった、食事つきの正規料金を払っている」という。
ゲゲゲゲ! それって、とんでもないミスじゃん!!! 平謝りに謝って、僕の食事を分けたりしてなんとか機嫌を直してもらい、明日のツアー終了後(彼女たちは二日のツアーに参加)、ベースに戻ったら払い戻しをする約束をしてなんとかクレーム処理。大汗かいた。
ベースに戻ってマネージャに報告してオフィスに確認取らせると、実はこれがマジックバス経由のブッキングになっていたというから話はややこしい。
つまり、彼女たちが「インフォメーションセンター」だと思って飛び込んだところが、マジックバスの事務所で、マジックバス経由のブッキングになっていたのだな、これが。料金も、割引。
ところが、そのマジックの事務所がそのことを伝えていなかったために、彼女たちは一般の食事つきのツアーに正規料金で申し込んだと思い込んでいたというわけ。
というわけで当社のミスではなく、ブッキングを担当したマジックバスの事務所のミスなのだが、とりあえず明日お帰りになったらTシャツでもプレゼントしておこうということになった。
ヤレヤレ。 seal(rev.) 8
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■ ちなみに2週間ぶりにワンデイ・ツアーをしてみると、このわずかな間に食事の内容がさらに悪化していた。どこまで顧客や現場の人間を馬鹿にすれば気が済むんだ?>ウィルソンズ
僕が引退すると言ってるのを聞いて、何人かの方がニュージーランド旅行を計画してくださっているようだ。大変光栄でうれしいことなのだが、この糞会社をお見せするのは大変に恥ずかしい。
何より困ったことは、こちらが提案しても、ウィルソンズは一切聞く耳を持たず、こちらに相談もせずに勝手に政策(しかもカスタマーケアも現場の都合もすべて無視したアホなやりかた)を押し付けてくるという点。とてもニュージーランドの会社とは思えないような封建的な手法を取る連中なので、今までと違って建設的な改善案を出すのもバカらしい。つまり、僕を始めとする現場のガイド連中はおろか、オペレーション・マネージャにとっても、現状を改善する方法が一切ないということだ。
まったく……。
■ くそ、こうなったら、今日はもう徹底的にぼやくぞ。
腹が立つといえば、木曜日の夜に受講したカスタマーケア訓練もヤレヤレだった。
昔ATKがお願いしていた講師は、フライト・アテンダントにカスタマーケアを教えていた人で、彼女のやり方はクレーム処理とかアイスブレイクとかを始めとしたシチュエーション毎のシナリオ訓練が中心。我々がよく遭遇する場面を設定し、そのときそのときをどのようにさばくか、どのように改善するかというここの細かい技術をビッシリとちりばめてあった。駆け出しの頃に彼女の講義を何年か続けて受けられたのは、大変有意義だった。
つまり、僕はスチュワーデスと同じ訓練を受けてるのですぞ(笑)
で、今回はウィルソンズが呼んできた、まったく別の組織の別の講師の授業を受けたわけだが、これが完全に「概論」。「プロガイド・ワークショップ(PGW)」を主催して、自分自身もカスタマーケアを講義している僕自身にとっては、個人的には非常に有益だった。こういう「カスタマーケア概論」を受講したのは初めてだったのだが、僕自身が自分でアレンジして作ったプログラムが非常に的を射ていたことが分かって、ひそかに「オレってやるじゃん、やっぱり天才かも」とほくそえんだりした。
しかぁ~し、現場のガイドやらオフィスクルーやらに、そういう「概論」を教えてどうするつもりよ??? 僕らはアドヴェンチャー・ツーリズムを専攻してる学生じゃないんだぞ。訳分からん。
また、ウィルソンズの連中も腹が立つ。カスタマーケアのカの字も考えず、ジュースを出すのをやめるだの、マフィンを出すのをやめるだの、どんどんどんどん毎日毎日サーヴィスレヴェルを落とし続けているくせに、こういう授業になったとたんに、さもカスタマーケアの達人のような顔をして喋ること喋ること。どのツラさげてお前らカスタマーケアのこと語ってるんだ、ドアホ! ネルソン・カヌー・クラブでもこれくらいのツアーはやるぞってなC級のプロダクト提供させられてる僕の目から見ると、この訓練そのものがパロディかブラックジョークに見えてしまった。
■ そうやって腹を立てつつ夜遅く帰宅したら、日本から似非ショップに関するこれまた腹立たしい所業のレポートが入っていて、ダブルパンチ。
あぁぁぁぁ、まったくぅぅぅぅ!!!
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■ 今日のはひたすらぼやいただけだから、人気投票をお願い出来るような内容じゃないっすね。クリックのお願いは、自粛します。
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/1092
Excerpt: お客様がつけたシミであったのは、間違いないようです。 しかし、それをわかっていてクリーニングに出したのか、 それともシミがあることを気がつかないでクリーニングにだし...
From: クリーニングでござい!思い出のトラブル集
Date: 2005.02.15
November 13, 2004
老兵は語るべきか、去るべきか?
■ 【予報】
[地上気象](モトゥエカ)
曇り、一時雨。北東風次第に強くなる。最高気温19度、最低気温14度。
[海洋気象](エイベル)
変風10ノット、午前中に北東15ノットに変わる。海況はおだやか。北の波1m、次第に大きくなる。雨中の視界は良好。
[潮汐表](ネルソン)
Low 04:33am 0.4m High 10:59am 4.4m
Low 04:49pm 0.4m High 11:10pm 4.3m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■ 昨日は結局雨降らず、今朝になってから一瞬だけ小雨がパラパラと。
しかし、天気図の変化の早さが劇的。先週、春とは思えないほど天候が安定していて、「今年の春はどうなってるんだ?」と思ったが、結局やっぱりこうやって春らしい不安定な気候に逆戻り。
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■ 極々私的なメモ。
昨日、薬を飲んだ直後にブログをアップし、その後昼寝をしたのだが、起きてみてビックリ。腫れはひいていないものの、痛みはウソのように治まり、その上ここのところひどかった肩と首の痛みまでスッキリ!
なんちゅう薬じゃいと驚き、早速検索。Diclofenacというのだが、このページ見ると、ありゃまぁ、けっこうキツイでないの! 酒呑みは胃から出血するだの、飲んでから15分から30分は横になるなだの、医者で聞かなかった注意書きがゾロゾロ(^^;
先生とは昨日の夜にも会ったので、その点文句言ってやろうかと思ったけど、でもものすごくよく効く薬処方してもらって文句言ったんじゃバチがあたるからやめておいた(笑)
こうやって自分で調べりゃ良いんだからね。
というわけで、今日も腫れは治まっていなくてパンパンなんだけど、痛み自体は尋常な打ち身程度で、歩くのも走るのも支障なし。めでたしめでたし。
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■ 『ガイドのつぶやき』番外編
「『兵を語る』のは過去の人?」 (『週刊!木村剛』経由)
2003年3月だからもうかれこれ約1年半前、先々シーズンの終わりごろに『プロガイド・ワークショップ 2003』をアップしたが、その中で
私のプロガイド・ワークショップは、私自身が現役ガイドとして現場に出ている間しかやりません。
野球などのように、現役を退いた人間が指導者を担当する(すべき)場合があることは認めますが、シーカヤック・ガイドの場合はそれとは事情が少々違うと思っています。ガイドの場合は、現役を退いてしまった人間はすでにプロではなく、したがって現場のプロのやることにはもう口をはさむべきではない類の職種だと信じています。
と述べた。
ところが実際にプロガイド・ワークショップ 2003(以下PGW)をやってみると、プログラム終了後にかなりの方から、この一文に対して、「まだまだ日本には伝えてもらわなくてはならないことがあるので、固いこと言わずに引退後もPGW続けてくれ」という励ましのお言葉をいただいた。
冒頭で引用した『ヤースのへんしん』さんの話を拝見してこの話を思い出すとともに、改めて、確かに一線を引いた人間にしか語れないこともあるのかもしれないなぁ、と感じた次第。
PGWをやってみて感じたのだが、なるほど参加者の言葉通り、ある分野に関しては僕のレヴェルと今の日本の業界のレヴェルに大きな隔たりがあるのは間違いないようで、そういう点については、引退後の老兵と言えども、伝えられることはあるのだろうと思う。
う~ん、「引退したら看板を下ろす」と大見得切ったのがわずか一年半前なのに、こうなると決心がゆらぐよなぁ……。
いつもそうだ。ニュージーランドで大見得を切り、その後日本に出かけて行ってみると事情が変わってしまう。そろそろ学習しろよ!>ヒゲロン毛の野人
■ 『ヤースのへんしん』さんや『週刊!木村剛』さんが挙げてらっしゃる「兵を語る」というのはビジネス界の成功譚だから、僕のやってるPGWなんぞと同列で語ってしまうのは、あまりにもムリがありすぎと言うご意見もあるかと思うが、僕自身はPGWの中でアドヴェンチャー・ツーリズムを他業種(特に他のサーヴィス業)と同列に捉えることを強調し続けているので、あえて今回も強引に同列に語ってしまう(笑)
さて、「兵を語るのは過去の人」というご意見、なるほどと思った反面、『ヤースのへんしん』さんがおっしゃる、
本当に今を戦っている将が「兵を語る」でしょうか?・・・否、まだまだ先があるのに、そんなことできるはずがありません、そんなことをしたら競争相手に足をすくわれます。
というのは、必ずしもすべてに当てはまるわけではないとも思う。
特にマーケットがまだ小さい発展途上(あるいはその前段階)の業界の場合、あえて最先端のノウハウを公開してライヴァルを作り出すことが、マーケットを拡大することに繋がることもあると思うし、今の日本のシーカヤック・ツーリズム業界はそういう時期にあるとも信じている。
(ただ、『ヤースのへんしん』さんが言及されたような、「ビジネス界の勝ち組」の発言者は確かに過去の人がほとんどだろう。)
というわけで、僕自身は今のところ「一線で戦いながら兵を語る」つもりでいるのだけど、さて、退役してからも「語り続ける」べきか、それとも初志貫徹して引退後は「老兵は去る」べきかは、もう少し保留しておく。
とはいっても、あと半年ほどで結論を出さなきゃいけないんだろうけど……。
■ ところで、10月14日のエントリーで、PGW 2005の開催受付を宣言したが、一つだけ付け加えておかねばなるまい。
実をいえば、PGWを開催すると確実にガイド寿命が縮むのである。正直に言えば、PGW2002、2003を開催していなければ、あと3年は楽にガイドが続けられたと思う。
もちろん、PGW開催によって僕自身も得るところが大きく、大変いい勉強をさせていただいたのだし、そもそも自分が蒔いた種なのだから、別に文句を言う筋合いはないし、文句を言うつもりもない。
じゃぁ何でわざわざ「寿命が縮む」などと言っているかというと、過去のPGW参加者の中に
「Ryuさん引退するとか言ってるけど、そんなことはさせやしねぇよ!」
などと嘯いている人がいるそうだから。
そう言って下さるのは光栄な話で嬉しいのだけれども、PGWを一発開催するだけでとてつもなく消耗するのは事実だということは分かっておいていただきたいのだ。
つまり、引退後に「兵を語る」という選択をしたとしても、果たして引退後のボロボロの身体でPGWを開催できるかどうかは、非常に怪しいのである。
9月5日、9月9日、9月26日で語った「ガイディング&インストラクション研究所構想」が実現してくれれば、引退後の僕にでも担当できる部分はあるとは思うのだけど。
そういう意味でも、この「カヤック版サンタフェ研究所構想」っていうのは、僕にとってはけっこう切実な大きな夢だったりするんだけどな。
■ というわけで、僕が現役フルタイムガイドとして仕事が出来るのは、どうも今シーズンが最後となりそうな気がしている。もし僕の現役時代の仕事ぶりをご覧になりたいという奇特な方がいらっしゃいましたら、がんばってこの冬の休暇中にニュージーランドにいらしてくださいな。来年のゴールデンウィークは、もうすでに休みを取ってる可能性が大きいですよ。
■ 関連過去ログ【ガイドのつぶやき】
◎その1「怖さについて。」 (10月7日)
◎その2「過保護について。」 (10月8日)
◎その3「プロの基準について。」 (10月9日)
◎その4「互助について。」 (10月12日)
◎その5「トウイングについて(前編)。」 (10月13日)
◎最終回「トウイングについて(後編)。」 (10月14日)
■ 関連過去ログ【ガイディング&インストラクション研究所】
◎サンタフェと、シーカヤック。 (9月5日)
◎ひょっとすると、実現可能? (9月9日)
◎夢の続きと、悪夢のような製品。 (9月26日)
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■ 「そりゃマズイ、さっそく年末のニュージーランド旅行を計画しなくては」と思った方、旅行代理店のサイトに飛ぶ前に、
と
をポチっとするのをお忘れなく!
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/81
Ryuさん こんばんは!
体調大丈夫ですか?
Diclofenac=Voltarenといえば、ぼくは、非常時用にどこに行くにも必ず持っていますが、これを使うときには胃を保護する薬と一緒に飲むようにと、胃薬も渡されています。
効目が劇的な分、しくじると副作用も激烈だそうですから、十分お気をつけあれ。連続服用は、とても危険だそうです。
それはそうと、GWまでに、NZでRyuさんにガイドしてもらわなければね(^_-)
Posted by: uchida : November 13, 2004 8:23 PMあ、uchidaさんも常備してらっしゃるんですか。
よく効きますけど、情報を読むと怖いですねぇ。
膝、どうやら膿がひき始めたようで、痛みがかゆみに変わってきたので、明日の朝から服用をやめてみようかと思ってます。
どうもご心配をおかけしました。
こんなにひどくなるの分かってたら書かなかったのになぁ(^^;
それはともあれ、いよいよNZいらっしゃいますか!?
楽しみですねぇ。
2月末とか3月頭くらいが空いてきて気持ち良いですよ。
お待ちしてます(^^)
はじめまして、TBありがとうございました。
「老兵は語らず」というのは、若い人たちが新しいことに挑戦しようとしてる時に、下手な横槍を入れないことだと、私は勝手に思っています。
でも、ベーシックなことや、行ったら危険なことは、どしどし伝えるのも老兵の仕事だと思っています。
・・・って若造が勝手に思ってる次第です。。。
はじめまして、TBありがとうございました。
「老兵は語らず」というのは、若い人たちが新しいことに挑戦しようとしてる時に、下手な横槍を入れないことだと、私は勝手に思っています。
でも、ベーシックなことや、行ったら危険なことは、どしどし伝えるのも老兵の仕事だと思っています。
・・・って若造が勝手に思ってる次第です。。。
ヤースのへんしんさん、初めまして、コメントありがとうございます。
> 下手な横槍を入れないことだと、私は勝手に思っています。
僕もそれは大切なことだと思ってるんです。
特に僕のような仕事の場合は、引退した老兵は、基本的には現場の若い連中には口を出さない方が良いんじゃないか、というスタンスです。
が……。
> ベーシックなことや、行ったら危険なことは、どしどし伝えるのも老兵の仕事
おっしゃるとおり、この辺は大事ですよね。
僕に果たして、このあたりのさじ加減がうまく出来るのかどうか、心もとないです。
「先達のアドヴァイス」と「老害」って、紙一重ですもんねぇ。
October 20, 2004
PGW補習コース、最終日。
■ 予報
[地上気象]
晴れ。南西風。最高気温18度、最低気温9度。
[海洋気象]
南西、午前中に20ノットに上がり、昼頃10ノットに落ち、夕方セパレーションポイントより北では夕方西20ノットに変わる。海況は一時やや荒くなる。早朝のにわか雨の中、視界良好。
[潮汐表]
02:29am 3.6m
08:37am 1m
14:51pm 3.7m
21:03pm 1.2m
■ 夜中ににわか雨、早朝にはすでに快晴。こりゃ南西じゃなくて強烈なシーブリーズの日だろうなと思ったら、案の定。
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■ 『プロガイド・ワークショップ(PGW)』の三日間補習コース最終日。
上記の通り、シーブリーズが見え見えだったので、海でのサーフィンはあきらめ、11日のエントリーに書いたブルーガムにシーカヤックを持ち込んだ。
もちろん、仕事である。遊んだりしていない。

いや、遊んでないってば。これは、僕じゃないの(笑)
で、Aくんは恐怖に引きつりながらフェリーグライドやホールプレイに挑戦。流れの中でのロールは失敗、沈脱。ワハハ、3年前のカミゾノと同じじゃ。
しかしながら、瀬に突っ込む勢いのよさといい、流れの中の姿勢、パドリングの安定感と良い、キャリアからは想像できないレヴェル。
上の写真の彼もガイド、もう一人別のガイドも見に来たんだけど、連中も「とても初心者とは思えない」と感動。
■ 午後はまたカイテリテリに行って、ロールを徹底ブラッシュアップ。オンサイドはほぼ完璧になったものの、オフサイドはけっきょく時間切れ。
でも、根性あるし、覚えも早いし、大したもんだ。
正直、ここまでとは思ってなかった。
ガイドの卵って、カヤックの技術以外に覚えなきゃいけないことが山ほどあるわけで、海上での練習時間を短く出来るならそれに越したことはない。
だから、彼のカヤック技術の飲み込みの速さは、大きな武器、ギフトだよな。
■ 夜は、ワーホリ中のシーカヤッカーも交えて宴会。って、実はもう飲み始めてる彼らを横目に、僕はお預けでこれを書いてるんだけど(^^;
このワーホリ・カヤッカーくんってのが偶然にも、実はカミゾノと一緒に三年前に漕いでたヤツで、なんともAくんとカミゾノの共通点には空恐ろしいものを感じる。
彼は、ネルソンでカヤックを買い、海路でNZを旅しているのだ!
って、ちくしょ、初対面の二人、なんだかカヤック話で盛り上がってるじゃん。もう書くのやめた。飲むぞ!
Aくんが、カミゾノにあやかって三年後には立派なプロガイドになっていることを、心から祈るとしよう。
若き前途有望なガイドの卵に、乾杯!
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■ [North Carolina Waterfalls]
ノースキャロライナの、清涼感ただよう滝の写真集。
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http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/898
October 19, 2004
PGW補習コース、二日目。
■ 予報
[地上気象]
晴れのち夜に雨。北風。最高気温16度、最低気温5度。
[海洋気象]
北西10ノット、セパレーションポイントより北では午後25ノットに上がる。北部の海況は次第に荒くなる。夜の雨中視界は悪い。
[潮汐表]
01:39am 3.9m
07:43am 0.7m
14:01pm 4.0m
19:59pm 0.9m
■ 昨日とうって変わって上天気。予報とは裏腹に上空でも北西の気配はなく、午前中はベタ凪、午後はシーブリーズ。
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■ 昨日の朝の段階の予報では、今日は南西の風のはずだったのだが、昨日夕方に再チェックすると、風向きが変わっていて、北または北西20ノットの予報。こりゃサーフィンができそうだ! ラビットアイランドか、ネルソンのタフナビーチだ!
と張り切っていたのだが、上記の通り朝とりあえず昨日と同じカイテリテリビーチに行ってみても、北風の気配は微塵もない……。
仕方ないので、昨日の予定通り、午前中はありとあらゆるパドリングストロークを一つずつチェックして直してやった。
おそろしく勘のいいヤツで、教えたことがすぐに出来てしまうのには舌を巻いた。こりゃ、すぐに上級者になっちまうよ。
昼飯にしようとビーチに上がったが、彼は「午後は曇って寒くなるかも」と、一人で海に引き返してロールの練習を始めた。ビーチから眺めていると、昨日のスランプから立ち直っていなくて苦戦。
一回、二回、三回、まだ上がらない、そろそろ沈脱してくるか?
四回、五回、おぉ、がんばるじゃん!
六回、七回、え? 大丈夫なのか?
八回、九回、ゲゲゲ、アイツってえら呼吸出来たのか! 知らなかった。こりゃ起きるまで永久にやるつもりだぞ。
十回、あ、やっと沈脱した。やっぱり肺呼吸か(笑)
正直申しまして、沈脱するまでに十回トライする人間、初めてお目にかかりました、ワタクシ……。どんな肺してるんだよ?
これだけ根性見せられたら、自分だけビーチでコーヒー飲んでるわけにも行かず、僕も海に逆戻り。悪い箇所が三つあったので、それを順番に直してやる。
一つ直すと前のところを忘れるのはお約束だが、それでもその三箇所を順繰りに指摘して指摘が二巡したころに、三つすべてに神経が繋がったようで、またちゃんと起きられるようになった。
器用なヤツだ。
■ で、ようやく安心して飯。
午後は、カイテリテリから南下してスティーヴンズ・ベイの方面に。
実は僕はカイテリテリから南に行ったことがなかったのだが、昨日のトレーニング中に、僕を鍛えてくれた大先輩ガイドのジョン・マクヴェイがふらりと現れ、
「今の潮加減だったら、あそこの洞窟通り抜けられるな」
と教えてくれたのだ。
ジョンは、すでに何年か前に我が社からは離脱して、もうニュージーランドでは働いていないのだが、現在の勤務先のスイスでの仕事がオフシーズンになると、我々がハイシーズンでヒーヒー言ってる頃にヴァカンスをとりに現れる。相変わらず良い性格をしている。
(ちなみに『プロガイド・ワークショップ』や『ツアーリーダー・セミナー』の皆さんにお馴染みの「JMリエントリー」は、彼の名を冠したもの)
で、ジョンに教わったとおり南下してみたのだが、これがビックリ! き、キレイだ!! 国立公園の中に負けないじゃないの! (カイテリテリは国立公園南端部よりもさらに数km南にある)

こういう通り抜けられる洞窟や、

こんな見事なアーチなんて、公園内でも珍しい!! 驚いた。
いくら国立公園外とはいえ、こんな近くにこんなものがあったのを知らなかったのは、なんとも恥ずかしいのだが、カイテリテリより南は特に見るものがないと思ってなめていて、全然漕いだことがなかった。いやぁ、やられた。
こりゃ、うまくやればスティーヴンズ・ベイとカイテリテリの間だけでも、十分半日ツアーが成立しちゃうよ。
なんかこんな写真出しちゃうと、練習しないで遊んでばっかりに見えちゃうな(^^; ちゃんと練習してるんだよ。ロールの様子をおさめた動画はあるんだけど、さすがに動画はアップできないな(^^;
ともかく午後は、上の二枚の写真の洞窟とアーチの間にある小さな小さな奥まった入り江でトレーニング再開。
Aくんがスカリングブレイスを覚えたいというので、彼はひたすら海面をなでなで&沈&ロールの繰り返し。天才的な覚えのよさを見せる彼も、スカリングブレイスだけはどうも苦手らしい。うん、一つくらい苦手があった方が良いのだ。
僕は彼にコツを教えるために、スカリングブレイスに留まらず、ハイブレイスをやって見せたり、完全に沈した状態からスカリングブレイスだけで浮かび上がってきて起きる「ロールもどき」をやって見せたり、バックプッシュロールを見せたり。けっこう疲れた。
僕自身は、最後に久しぶりにハンドロールの練習をしたが、後ろからかいても前からかいても、あと一息のところで力尽きて落ちてしまう。ダメだ、疲れてないときに練習しなおそう。
Aくんもだんだん疲れてきて、起きるようになってたロールが崩れ始めたので、そろそろ練習はおしまい。
朝はロールが起きなくて憂鬱な顔、昼飯のときは起きるようになってホッとした顔、そして一日の終わりにはまた出来なくなって再度憂鬱な顔。ワハハ、フォームが完全に固まるまでは、そういうものなのだ。
午後三時にカイテリテリに戻ったときは、二人ともカヤックから降りたとたんにふらつくほど疲れてた。内容的には昨日の方がはるかにハードだったはずなのに、やっぱり昨日の疲れがたまっているのだろうか?
う~ん、年だ、衰えを感じる……。明日が思いやられるぞ。
-------------------------------
■ ところで昨日書き忘れたのだが、以前から言っていたようにマックラックをレスキュー訓練に使ってみた。
冬季は薄いポリプロアンダーのタイツの上に履いて仕事していたので、内部の遊びが非常に大きく、すごい量の水が入り、とんでもない重量になっていた。
ところが、昨日はウェットスーツを着た上に履いたので、内部の遊びが小さくなり、仕事で使っていたときほどは水が入らなかった。
で、実際にカヤックによじ登るときにどうだったかと言えば、僕らのように慣れていれば、パドルフロートなし、アシストなしのジョン・ウェイン・リエントリー(和名:馬乗り再乗艇)もなんとかこなせる。ただし、やっぱり足がかなり重く、バタ足が疲れるし、カヤックによじ登った後にバランスをとるのも普段よりは少々厄介。
今日はウェットを着ないで、ポリプロアンダーのタイツの上にマックラックを履いていた。要するに泳いだら強烈に水が入る格好である。
最初はこの格好で沈脱&再乗艇に挑戦してみようと思っていたのだけど、疲れてくると昨日よりも重いブーツでバタ足するのがなんとも鬱陶しくなり、結局実験はやらずにすませてしまった。
僕なりの結論。
カヤックによじ登り慣れているヴェテランが、ウェットスーツ(ロングジョンなどの長ズボン型)を着た上から履いている場合は、なんとかなる。
それ以外の場合、それ以外の方が沈脱した場合は、なかなか厄介なことになりそう。ふくらはぎが細い初心者がウェットなしで履いていて沈脱した場合などは、アブミがないと再乗艇出来なくても不思議ではない。
というわけで、「危険だから使うな」とまでは言わないものの、お持ちの方は、一度必ず沈脱&再乗艇を試してみておくことを強くお薦めする。特に、あれを履くような季節だと水温も低く、急速に体温を失って筋肉も力を出せなくなってしまうのだから。
■ 関連過去ログ【マックラック使用レポート】
◎7月21日
◎7月30日
◎8月14日
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■ 今日のエントリーを読んで、明日は仕事放り出してカイテリテリに漕ぎに行こうと思った方、人生を棒に振る前に、まず
をクリックしておきましょう。Bon voyage!のおまじないです。
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/897
October 18, 2004
PGW補習コース、初日。
■ 予報
[地上気象]
雨のち晴れ。南西の突風。最高気温18度、最低気温5度。
[海洋気象]
南東20ノット、(セパレーションポイントより北では30ノット)、午後に南西20ノットに変わる。海況は荒くなる。午前中の雨中、視界良好。
[潮汐表]
00:54am 4.1m
06:57am 0.5m
13:17pm 4.2m
19:09pm 0.6m
■ 予報通り朝のうち雨が降っていたが、午後には晴れ間ものぞき始めた。
風も夕方くらいから少し出てきたかな? 海況はさほど悪くなかった。
-------------------------------
■ 今月15日のエントリーで書いた有望な若者Aくんを相手に、今日から三日間個人教授。
彼は今年四月の『プロガイド・ワークショップ(PGW) 2004』の受講生なのだが、カヤック自体はまだ初心者に毛が生えた程度で、PGWの時もロールは何とか起きるものの、外傾のターンをやらせるところりとひっくり返るようなレヴェルだった。
9月29日に書いたように、彼はエコツーリズムの勉強をしにNZにやってきたのに、むしろエコツーリズムに失望して、僕のやってることを自分もやりたいと思い始めてしまったので、今はカヤックの修行に燃えている。
で、先日はマーチソンにある世界的に有名なリヴァーカヤック・スクールでしごかれてきて、今度は僕の個人教授を受けたいという。
PGWは総合的なガイディングを勉強する場なので、細かいカヤックの技術(ハードスキル)にはほとんど時間を割くことが出来ない。今回は、ガイディング技術ではなく、ハードスキルに的を絞って習いたいというのだ。
というわけで、今日が初日。この話を聞きつけた会社の後輩もやってきて、僕を入れて三人で一日中ロールとレスキュー。
Aくんは、マーチソンでロールをブラッシュアップしてきて自信満々だったのだが、今日いきなりスランプになってしまった。最終的にはまた起きるようになったんだけど、本人的にはいい感じで起きてるわけじゃないようで、終わったあとも落ち込みまくり。
ワハハ、ロールは何度もスランプやってくるのだ。
後輩が来てくれたおかげで、タンデム艇のレスキューをやれたのはめっけもの。マンツーマンでは、タンデム艇レスキューは出来ないからねぇ。
明日はたぶん後輩は来ないので、Aくんを個人教授することになるな。ロールをもうちょっとブラッシュアップすることになるか。
■ しかし彼を見てると、やっぱり野遊び屋のフォトジェニック、カミゾノを思い出す。ロールが出来て自信満々になったり、その後ですぐにスランプになって落ち込んだりの様子が、なんかそっくり(笑)
-------------------------------
■ 『エコツアー総覧』
NPO法人日本エコツーリズム協会運営のサイト。ポータルサイトとしてはなかなかの充実ぶり。
ただし、どうなんだろう? ここに載っている業者やサーヴィスの、どれが上質でどれが「似非」なのか、まったく判別がつかないところがどうも不安。
奇しくもAくんが看破してしまったとおり、エコツーリズムというジャンルはそもそも似非がはびこりやすい要因を最初からはらんでしまっているのだが……。
今後日本にエコツーリズムがきちんと根付くには、その辺りをどうクリアしていくかが課題になってくるはず。
少なくともその一ジャンルであるシーカヤック・ツーリズム界は、エコツーリズム界全体でトップレヴェルの品質を備えられるようにしたいものだが……。
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■ 今日のエントリーを読んで「Aくん頑張れ!」と思った方、
を押して応援してあげてください。
スコアが伸びなかったら、ますますアイツ落ち込むだろうな、ワハハ。
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/889
October 17, 2004
雑誌、いろいろ。
■ 予報
[地上気象]
晴れ。風おだやか。最高気温18度、最低気温5度。
[海洋気象]
変風10ノット、夕方早くに南東10ノットになり、明日の午前中に南西15ノット(セパレーションポイントより北では25ノット)に変わる。北部の海況は荒くなる。明朝の雨中、視界は良好。
[潮汐表]
00:12am 4.2m
06:14am 0.3m
12:37pm 4.3m
18:26pm 0.4m
■ 予報通り朝から晴れ渡った気持ちの良い春の日。午後からは冷たいシーブリーズ。
■ 昨日の午後から泊りがけで外出していたので、昨日はアップできなかったので、例によって昨日のログも↓
ちなみに、↑今日の海洋気象予報に「明朝」などと入っているのは、夕方遅くにチェックした予報だから。
-------------------------------
■ 昨日の予報
[地上気象]
にわか雨のち晴れ。風おだやか。最高気温17度、最低気温7度。
[海洋気象]
セパレーションポイントより北:北西20ノット
その他:変風10ノット。
北部の海況はやや荒い。
[潮汐表]
11:59am 4.4m
17:48pm 0.3m
■ 朝からすでに雨はあがっていて、にわか雨も降らなかった。気持ちの良い一日。
-------------------------------
■ 数日前、日本から郵便がいっぺんに三つ届いたのだが、偶然も中身はすべて書籍。
本好きの僕は、これだけでも機嫌が良くなる(^^) どーもありがとー!
うち一つは、野遊び屋が送ってくれた『フィールドライフ』(枻出版社)の秋号(出版社名が機種依存文字なので文字化けしてるかもしれないが、「出版社」の前についている文字は、「木へん」に「世」で「えい」、「えいしゅっぱんしゃ」)。
ごうのブログにあった通り、今回は野遊び屋がホスト役で登場している。
いやぁ、懐かしい景色だ! ここエイベルタズマン国立公園とよく似てるんだけど、ジャポネスクな農家と畑が風景に紛れ込むのが、野遊び屋の展望台からの眺めの美味しさだよなぁ。
で、なになに?
お、なるほどなるほど、確かにカミゾノの絶品スマイルが炸裂してるね。良いじゃん。
アマチュア時代からのチャームポイントであるノーテンキな破顔に加えて、全体的に「プロの余裕と貫禄」らしきものが漂い始めてて、彼女が「ガイドの卵」だった時代を見てきた僕としては、この顔を見られるだけでも嬉しい。
このスマイルにゃ、ごうちゃんもショージも勝てないなぁ(笑) あきらめなさい。
■ とはいえこうして良い顔になったカミゾノを見ると、野遊び屋を売り出すマーケティングの一案として、カミゾノの駆け出し時代から一人前になるまでの2年くらいをTVに追っかけさせるというアイディアを出していた僕としては、「あぁ、やっぱりあの企画をTV局に持っていって、ホントにカミゾノの成長の様子を記録させておけばよかった」と、ちょっぴり残念に思ったり(笑)
しかし、隅から隅までみたけど、ホントにショージは全然写ってないね。今までは確かショージが一番登場回数が多かったのに、ついにフォトジェニックの座は交代する時期か?(笑)
だけど写真よく眺めてると、ビーチに転がるトロ箱はしっかり写ってたぞ。
っつぅことは、ショージはトロ箱以下なのか。かわいそうに。
ちなみにP.73の最後の一文が
「また、リードをフネに結び」
でちょん切れてしまってるけど、カミゾノの報告によると、あれは
「また、リードをフネに結びつけるのは絶対にNG!」
のつもりだったそうだ。
必要な危機管理情報が途中で切れちゃったんだねぇ。「結び」でおわっちゃったら、結んでおかなきゃいけないっていう風に反対の意味で読めてしまうのが恐ろしい。
編集側には何の悪気のないケアレスミスなんだろうけど、「よりによって」っていうようなところでチョン切れてしまってるのがとても痛い。8月16日のエントリーに「事故っていうのは意地悪」って書いたけど、まさにそれの好例、もとい、悪例のような意地悪なインシデントだ……。
■ 別の封筒は、冒険家&ライターの坪井伸吾さんから。やっぱり雑誌が数冊。
さては6月24日のエントリーのバイク雑誌みたいな感じで、彼の記事にまた僕が登場したのかな?
正解。
兵庫県垂水・須磨・西区・明石エリアのタウン情報誌『ぷらっと』の9月号に、デカデカと4月の『プロガイド・ワークショップ』の様子が! うぅぅ、なんか恥ずかしいぞ。
9月号だけじゃなく、そのときのNZ道中記が連載された6~10月号全部入れてくださったので、もう僕はこのエリアの通になってしまったぞ(笑)
あぁ、明石名物たまご焼き(いわゆる「明石焼き」を、現地ではなぜかこう呼ぶ)食べたい……。
でも面白いことに、この情報誌には名物たまご焼きのことは載ってない。ジモティにとっては全然情報価値がないんだろうね。
■ もう一つ、『つり人』(つり人社)の9月号。
坪井さんとガイド馬部氏の凸凹釣行強行軍の様子が面白おかしく紹介されているが(坪井さんの文章、いつ読んでも面白いねぇ)、前回の『月刊ガルル』(実業之日本社)と同様に、チラリと写真だけ僕も登場(笑) でも今回はカラーだ。
『つり人』といえば、ものすごく伝統のある釣り雑誌。釣りといえば、シーカヤックから何年かに一度ハンドラインを垂らすくらいしかやらない僕が、まさか顔だけでも登場するなんて、世の中何が起こるかわからんもんだなぁ、まったく。
って、同じようなこと、『ガルル』のときも書いたっけ。
坪井さん、いつもどうもありがとうございますm(..)m
しかし、これだけ丁寧に紹介記事を送ってくださると、本当に感動。僕自身が取材を受けたときや、記事を執筆したとき、どの出版社さんや編集プロダクションさんも「ゲラできたら、最終入稿の前にお見せします」とか「発行されたらお送りします」とおっしゃるのだけど、残念なことに必ずしも約束を守ってくださる会社ばかりじゃなく、ゲラも見せてもらえないし、肝心の媒体も送ってもらえないなんてこともしょっちゅう。
その点坪井さんは、ちょっと写真を載せてくださっただけでこうしてキチンと送り届けてくださるんだから、頭が下がる。大いに見習わなくては。
■ 6月28日のエントリーで、坪井氏の著作『アマゾン漂流日記』を紹介した。
本文中にきちんと書かなかったので、読者の方にコメント欄でフォローしていただいてしまうという失態をやってしまったので、改めて。
同書は現在版元にも在庫がないようで、リアル書店でもネット書店でも入手が難しいのだが、坪井さんのサイト内から直接ご本人に申し込めるので、ご利用ください。トップページの「坪井伸吾の本」の同書タイトルをクリックすると同書の紹介ページへ。そこからさらに注文ページへのリンクあり(直リンク貼るより、辿って頂いた方が面白いと思うので)。
あ、そうそう、ビッグコミックスピリッツ増刊に載ったこの本のコミック版、みごと読者投票第一位を勝ち取り、今度はアフリカツーリングがマンガ化されるとか。
おめでとうございます!
■ ところで9月20日のエントリーで書いた通り、僕はかなり重度の活字中毒者で、極端な話、活字に飢えてしまうと広告チラシでも取扱説明書でも何でもいいから読みたいという感じ。
だから、自分にとって縁の薄い世界の本や雑誌を読むのって、けっこう好きだったりするのだ。実は『つり人』をじっくり読むのは初めてなのだけど、広告の一つ一つ、記事の一ページ一ページが物珍しく、「へぇぇぇ」と口を開けっぱなしで読んでしまう(笑)
当分はこの『つり人』一冊で暇が潰せそうだ。良いものをいただいてしまった。
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■ 今日のエントリーに感動した方、
をクリックするのをお忘れなく!
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/884
Excerpt: どういう訳が、今日は6時に目が覚めた。やっぱり雨・・・。...
From: G's コラム アウトドアなブログ
Date: 2004.10.19
Excerpt: ■冒険家坪井伸吾氏が、今度は米国を横断ランニングに挑戦! ◎『旅する冒険ランナーのブログ』
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.08.12
Excerpt: ■冒険家坪井伸吾氏が、今度は米国を横断ランニングに挑戦! ◎『旅する冒険ランナーのブログ』
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.08.12
Ryuさん、ご無沙汰してます。
最近めっきり、有名にならないショージです(泣)
それにしても、カミゾノは良くなりました。ツアーに参加していただいたお客様からのフィードバックも僕より多いですよ。(泣)
それでも、この間、岡山放送のテレビ取材に相当緊張しながら出ました。昨日、ビデオで見たのですが、相当妙な言葉を連発してました。(恥)
レポーターにPFDの中を通してマイクを付けられた瞬間、勢いだけでしゃべってました。(今も昔もノミ心は変わらないのでしょうか・・・。)
精進いたします。
>イヤ、ショージはそれでいいのだ。
>そのまま頑張るのだ(笑)
そうですよね、今更治るわけがないっすよね。
こっちはもう寒くなってきましたが、気を引き締めて頑張りやす。
笑い顔が意外と好評、カミゾノです。(うふふ。)
余裕と貫禄・・・。うーん、きっと出版社にはノーテンキ&アホ面のボツ写真が山積みだったと思うんですが。でも素直に嬉しいっす!精進せねば。
最後のチョン切れてるところ、やはりアクシデントだったようなので、編集者の方も相当悔しそうでした。
Posted by: カミゾノ : October 19, 2004 1:20 AM笑い顔が意外と好評、カミゾノです。(うふふ。)
余裕と貫禄・・・。うーん、きっと出版社にはノーテンキ&アホ面のボツ写真が山積みだったと思うんですが。でも素直に嬉しいっす!
最後のチョン切れてるところ、やはりアクシデントだったようなので、編集者の方も相当悔しそうでした。
Posted by: カミゾノ : October 19, 2004 1:25 AMよほどうれしいらしい。
二重投稿してやがる(笑)
普段は二重投稿はすぐに片方を削除して差し上げるのですが、この喜びに満ち満ちた二重投稿を消すのは忍びないので、残しておきましょう(笑)
あららららら。
二重投稿、失礼しました!どうもツメが甘い・・・。滋賀の実家からの投稿だったんですが、今どきダイヤルアップ(!)なので、ちゃんと反映できてるか確認できずじまいに切れてしまったのです。
しかし、相変わらずお優しいイヂワル・・・師匠!
Posted by: カミゾノ : October 19, 2004 9:13 PMOctober 14, 2004
トウイングについて(後編)。
■ 予報
[地上気象]
一時曇り。シーブリーズ。最高気温21度、最低気温11度。
[海洋気象]
セパレーションポイントより北では西30ノットが、午前中に北西20ノットに落ちる。南部では北20ノット、夕方までに北西10ノットに変わる。北部の海況は荒いが、次第におさまる。
[潮汐表]
10:43am 4.1m
16:37pm 0.4m
22:56pm 4.3m
■ 夜中に家が揺れるほどの風が吹き荒れ、朝になっても5分おきにものすごい突風が吹いていて、胃の痛い思いをしつつ出勤。中六日の登板とはいえ、いきなりこれじゃぁなぁ……。
ゲゲゲ、峠の途中、何本も木が倒れてきて道をふさいでるし、落石も一つや二つじゃないよ!
長雨でこれだけ崩れることはあるけど、風だけでこんなに崩れるのは初めてだ!(後で聞いたところによると、送電線切断で停電したところもあるとか)
で、お客様が集まり始めてからも、パドルが吹き飛ぶような突風が時々吹き、明らかに「これで大丈夫なのか?」という空気が広がる。
アンカレッジの状況を船上宿に電話して確認したマネージャは、ガイド陣を召集してミニミーティング。とりあえず全ツアー、ウォータータクシーに乗って出発地点のビーチまで行くが、各ガイドの判断で出発地点を変える、ツアー行程を変える、あるいは完全にキャンセルしてそのままタクシーで帰ってくる(この場合はツアー代金返金)、どういうオプションをとっても構わないことを再確認し、お客様にもその点を説明した上で出発。
その間、僕のグループは3名がキャンセルして全部で2名になっていて、ミーティング後あわててパッキングを変えたり、調理道具を積めなくなったのでアンカレッジのハウスボートに昼食を作らせるように連絡したりと、バタバタは出発直前まで続いた。
(本当は2名は最低催行人数未満なんだけど、ドタキャンでこうなってしまったのでさすがに催行せざるを得ない)
僕のツアーは元々はブラストだったのだが、マッドマイルの状況があまり芳しくなかったので、アンカレッジに着くと同時にHOPに変更してベースに連絡を入れた。
トレントベイ・ラグーンは最高の美しさだった。
モーニングティーの後は海況も落ち着いていたので、安心してピナクルで愛嬌たっぷりのオットセイを堪能し、そもままピットヘッドまで横断してテ・プカテアへ。
午後はちょっと曇りがちになったものの、テ・プカテアの展望台の眺めも相変わらず絶景で、2名のお客様はご機嫌。
余裕があったので再度トレントベイに上陸し、潮が引いたときの景観の違いに仰天していただいた。大潮のエイベルタズマン国立公園をなめちゃいかんよ。
朝はずいぶんと天候が気になったけど、結果的には大変良いツアーだったな。めでたしめでたし。 blast→hop 2
■ しかし、相変わらずウィルソンズのウォータータクシーは最悪。二艇に増えたので先週ほどひどくはなかったが、アンカレッジに急遽送られたはずの僕のシングルがなく、他のグループのシングルをブン取って使わざるを得なかったり、他のガイドはガスボンベがウォータータクシー上で消失し、昼ごはんまでに別送してもらう手はずにせざるを得なかったり、帰りは帰りで午後6時を回るまでカヤックが帰ってこず、全ガイドぼけぇ~っと手持ち無沙汰で待たされたりと、相変わらず先の思いやられるお粗末ぶり。
ガスボンベは結局夕方6時にカヤックと一緒に戻ってきたが、僕のために送られたはずのカヤックはいったいどこに行ったのやら??? ベースにはなかったし、国立公園内でも誰も見かけていない。あぁぁぁぁ、僕のルクシャちゃぁ~~ん!!!(涙)
ウォータータクシー二台こっきりで世界最大のシーカヤック・オペレータに対応しようっていうのがどうかしてるってこと、そろそろ気づけよ>ウィルソンズ
今の状態なんて序の口で、これからますます忙しくなるっつうのに、どうする気よ???
アクアタクシーと仕事しているときは、スムーズで良かったよなぁ、まったく。
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■ 昨日、ブルーバードのリアタイヤを交換し($138.00)、車検もすませた($35.00)。後は郵便局で次年度の登録をすれば完了($200.10)。車検は年二回なので、一年間の自動車の維持費は、消耗部品や燃料費をのぞけば、
35.00 * 2 + 220.10 = 290.10
今は円安ドル高でNZ$1 = \75くらいだけど、それで計算しても\22,000足らず。二倍しても、日本の二年に一度の車検費用とは比較にならないほど安い。助かる。
車検の時間も、たかだか15分くらいなので、アポも何もなしでテスティング・ステーションに持ち込んで見てもらうだけ。気軽なものだ。
さて、今度はセドリックの方だな。安いとはいえ、まったく同じ時期に車検と登録がやってくるのは、ちとツライ。
三歳違いの子供を持って、三年おきに一度に受験戦争騒ぎが来るっていうのは、これの激しいヴァージョンなんだろうな(笑)
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■ 短期連載『ガイドのつぶやき』最終回
昨日に引き続き、トウイングの問題点をあぶり出す。
前編、後編とはいっても、実は今日の後編、昨日の前編の約二倍の量なんだわさ。いや、文脈的に分けられるところがそこだけだったもんで(^^;
ってなわけで今日のは記録的な長文なので、コーヒーでも淹れてゆっくり腰を落ち着けてから読んでくださいな。
■ もうお忘れかもしれないので、そもそもの発端となった投稿を再度引用。
> 某アウトフィッターは「お客さんが海に出たいとお
> 望みならば、どんなコンディションでもとにかく出
> します。数名をトウイングして、荒れ海から必ず戻っ
> てこられるだけの技術は積んでいます。」と言った
> そうです。
これをエイベルタズマン国立公園でかつて「トウイング・キング」と揶揄された僕が、読み解いてお見せしようという企画だ。
昨日のエントリーでは、
「ここエイベルタズマンのガイドたちは、トウイングを可能な限り避けるべき事態ととらえ、トウイングの多い奴は未熟者ということをキチンと了解している。」
と述べ、前半の「なぜトウイングを避けるべきか?」の部分について、カスタマーケア面と危機管理面の両面から問題点を指摘した。
これだけでも「揶揄」の意味が少しお分かりいただけたかと思う。
■ ところがこれ以外にも、僕のニックネームに「揶揄」の意味を与える、もう一つ別の理由がある。
上で引用した昨日の文で言えば、後半の「トウイングの多い奴は未熟者」という部分がそれにあたる。
今日はこの点を中心に見ていこう。
今日のエントリーを読み終わったとき、トウイングに対するイメージが少しでも変わり、恐怖感や警戒感を持っていただければ幸いだ。
■ さて、昨日書いたようにトウイングはカスタマーケア上も危機管理上も、問題ありまくりの危険行為なのだが、実はそれ以前にも問題点があるのだ。
すなわちエイベルタズマンのガイドたちは、、「トウイングをせざるを得ない状況を招いた=ツアーの組み立てや天候判断などにミスがあった(可能性が大きい)」ということをよく承知し、その点も重視しているのである。
風が強かった、お客様が非力だった、お客様がラダー操作下手糞で蛇行しまくっていたなどの理由で、「トウイングが不可避だった」と言い訳するのは簡単なこと。
だから経験の浅い新米は、しょっちゅうトウイングをする。
ところが同じ強風の日、もっと非力なお客様を連れたヴェテランガイドは、それらのマイナス要因を最初からキチンと計算に入れ、天候変化も的確に予測しながらコースやペースを組み立てるので、トウイングなしでニコニコのグループを連れ帰って来てしまったりする。
もちろん、「必ず」とは言わない。ヴェテランだってトウイングしなくてはならないときは、そりゃあることはある。しかし、頻度が新米とは桁違いなのだ。
かくして、トウイングしてヘトヘトになってようやく帰ってきた新米は、余裕シャクシャクで一足先に戻っていた先輩から、
「お前、今日もトウイングしたの? さすがトウイング・キング! 参ったね、こりゃ敵わねぇな! 明日もトウイングか? オレにゃ真似出来ねぇなぁ。 がんばれよ、チャンピオン! ついでにオレッチのことも引っ張ってくれねぇか?」
とからかわれてしまうことになるのである。
トウイング回数が桁違いだっために、「揶揄」が完全に定着してしまったのが、他ならぬかつての僕なのだ。
いやはや、お恥ずかしい……。
■ 正直に言えば、僕が毎日のようにトウイングしまくってた駆け出しのころ、
「もっと勉強して上手くなれば、トウイングしなくてすむようになるよ」
と忠告してくれた人がいたのだが、
「そんなことはないだろう、あんたが初心を忘れて怠け者になってるだけだよ」
と反発を感じて憤っていたのだ。
そして、翌日から「もっと張り切って仕事熱心にトウイングに励んだ」のである。怠け者の先輩に、僕がどれだけ力を振り絞って仕事に打ち込んでいるかを見せつけてやろうという意気込みで……。
いやぁ、まったくお恥ずかしい。大きな間違いだった。
トウイングそのものの危険度の認識も甘かったし、ツアーの組み立ても下手クソ、しかも顧客の屈辱感にもきちんと思いがいたっていなかったくせに、トウイングを一所懸命やるのが良いガイドだと勘違いしていた節がある。
イヤハヤイヤハヤ、穴があったらのぞきたいほど恥ずかしい。
だから「トウイング・キング」と呼ばれても、そりゃ仕方なかったんだよね。
その頃への償いと自戒の意味で、今もその「汚名」をあえて捨てたり隠したりしないようにしている。
ただね、そういう恥ずかしい時代でさえ、昨日のエントリーで挙げたような不必要なときに予めトウイングの準備をするようなアホな真似は、誓って言うけど一度たりともやったことはないし、トウイングを前提にムリな距離を漕がせようとしたこともない。
僕は僕なりに「不可抗力、不可避なトウイング」をやっていたつもりだったのだ。
■ だから、僕が実際に「キング」だったのは最初の2シーズンだけ。その後は認識を改めてトウイング回数を減らすべくガイディング技術必死に磨き、最近は3月6日のエントリーで書いた通り、一年を通してトウイング・ゼロの記録に挑戦してやろうかなどと、大それたことを考えるまでになってきている。
イチローじゃあるまいし、僕ごとき凡人にそんな大記録が出せるはずもないんだけど、それでも年間で平均すれば、ツアー30本に1回くらいのペースに抑えているんじゃないかと思う。
天候やお客様の体力といった、自分の技術だけでは制御できない「運」による部分も大きいから、当然シーズンによっても数の増減はあるけど。
■ 確かに、ガイディングがうまくなればなるほど、トウイング頻度はどんどん減る。今では自信を持って断言できる。
僕にとって6シーズン目にあたる昨夏は、かつてないほど天候が不安定で、特に二月は来る日も来る日も暴風警報が出て海も荒れまくった。
にもかかわらず、11月頭から3月頭までの繁忙期の四ヶ月間に、僕はトウイング・ゼロの記録を作った。
これって当分誰にも破れない大記録に違いないと、密かに自負していたりして。
逆にいえば、トウイングの頻度は、ガイディング技術の巧拙をかなり正確にあらわす指標になるのである。
もちろんただただ怠けて必要なトウイングさえしないようなガイディングをする横綱級の似非ガイドは除いての話だけど。
■ だから、トウイングは極めて危険であり、顧客にとっては屈辱的であるのだが、それと同時にガイドにとっては恥ずべき行為でもあるのだ。
■ つまり、何年たってもトウイングの頻度が落ちないガイドは、そもそも修行の方向性を完全に見誤っているのである。
トウイングの危険性にも気づかず、よって恥ずかしいとも思わず、回数を減らす努力もしないような輩は、何年、いや何十年プロのふりして漕いだところで、ガイディング技術は一向にアップせず、万年アマチュア・ツアーリーダーの域から脱することは出来ない。
僕が口をすっぱくして言う「カヤックが上手いヤツが、必ずしも優れたガイドとは限らない」というのは、こういうところにも端的に現れる。
なんせ、いくらカヤックの訓練を積んで上手に漕げるようになったって、あるいは何千本ツアーを催行してみたところで、トウイングのメソッドはそれに従って自動的に身につくような類の技術ではないのだ。
トウイングにはトウイング専用の訓練が必要だし、トウイングの頻度を減らすには、やはりそれに特化した努力を要するのだ。
だから少々カヤックの技術が劣っても、トウイングのマイナス面を熟知した上できちんと対策訓練を積み、しかもツアーのときは極力実際にトウイングする場面を避けるような仕事をする方が、よほど名ガイドである。
■ ちなみに毎度おなじみの脱線だが、ガイディングがうまくなれば、お客様の船酔いの頻度もどんどん減る。
ツアー3回に1回は船酔いを出すガイドと、ツアー30回に1回しか船酔いを出さないガイドがいるのは確かだ。5年前の僕は前者だったが、今の僕は後者だ。
経験をつむうちに「なんとなく減った」わけではない。ちゃんと船酔いを防止する技術はあるし、酔った人をいち早く回復させる技術もちゃんとあるのだ。
5年仕事をしても、お客様が船酔いする頻度が変わらないとすれば、やっぱりガイディングの修行の方向性が間違っているんじゃないか?と疑った方がいいかもね。
■ さて、話をトウイングに戻す。
かつてはそうやって先輩からからかわれ、同輩から憐れまれた僕だが、そのおかげでエイベルタズマンでも桁違いのトウイング経験を積んでるのは事実だし、今やトップクラスのトウイング・メソッドを身につけているのも、また事実。
エイベルタズマンでトップということは、世界でもトップクラスといってもバチはあたらんだろうから、「キング」には「畏敬の念」も同時に含まれていることも一応再述し、しっかり自慢しておくことにする。
なんせお調子者の「ガイドの鏡」だから(笑)
だから僕がかつて「キング」と呼ばれたことを知らないような駆け出し連中も、たいてい僕のところにトウイングのノウハウや、トウライン・システムの相談にやってくる。
それらの経験は、すべて『プロガイド・ワークショップ(PGW)』や『ツアーリーダー・セミナー(TLS)』にフィードバックして、日本にも伝えるべく努力してきた。
■ ところで、トウイングはロープで別の艇を引っ張るだけだから、要するに力技、単なるスタミナ勝負だと勘違いしている短絡バカがいる。
貴様、それでも武士プロか! 恥を知れ! そこに直れ、拙者が成敗してくれるわ!
単なる力技だったら、エイベルタズマンで最もチビで非力なガイドの前頭筆頭の僕に、誰が頭下げてトウイング習いに来るかっつぅの!
■ 実際には、トウイングには特殊なメソッド(ノウハウ)がたくさんある。
トウラインシステム自体もいくつかの最低安全条件をクリアしておく必要があるし、ガイドの側もいくつかの技術の習得が必須。
乗る艇によっても違うメソッドがあるので、艇を色々乗り換える僕のようなガイドの場合は、全部出来なきゃダメ。
また艇の儀装や装備に工夫をこらすことも必要。
要は昨日いくつか挙げたような危機管理上の問題点を、一つ一つ少しでも軽減するような形で訓練を積んでおく必要があるのだ。
なんせ、「トウイング=危険なロープワーク」なのだから。
■ 過去何度か『プロガイド・ワークショップ(PGW)』をやってみて、予想通り日本にはこうしたメソッドは伝わってないことが確認できた。
また同時に、市販されているトウラインの中にも、シーカヤック用として適切な条件を備えたものは皆無だということも分かった。
そんなわけで、PGWやTLSでは「トウイング」のセッションは座学と実技の二部に分け、全科目の中でももっとも力を入れている。
座学ではまず適切なシステムの作り方から始めるし(マイスターJSBのセリフじゃないが、無いなら作るしかないもんね)、実技ではトウイング中インシデントに対するアクティヴ・セイフティとパッシヴ・セイフティ、さらにレスキュー中にトウイングを絡めるヴァリエーションもやる。
この講習内容は僕があちこちで学んだメソッドを体系的にまとめなおしたもので、ここまで丁寧で体系的なトウイング講習は、さすがのニュージーランドといえども、絶対に他にはない。他の科目はともかく、PGWとTLSのトウイング・セッションは、たぶん世界最高峰だと思うよ、今のところは。
■ ただし誤解のないように申しあげておくが、こうしたメソッドをきちんと身につけたもの同士を比べるならば、そりゃデカくてパワーやスタミナに勝る奴が強い。最後の最後は、やっぱり力技勝負になってしまうのは、まぎれもない事実。
そういう意味でチビの僕は「真のトウイング・キング」にはなれない宿命を背負ってしまっている。つまり僕に冠せられた「キング」は、どこまでいっても所詮は揶揄なのである。
だからこそ、トウイングを避けるスマートなガイディング技術を磨くことに熱心になるんだけどね。他人に劣る部分は、別の技術で補うしかないから。
■ ちなみに、プロ向けのPGWとアマ向けのTLSで、まったく同じ内容を講義するのは、この「トウイング」のセッションだけ。
アマチュアのツアーリーダーの方々にとっては、プロと同内容のトウイング・セッションは、あまりにも高いハードルなのは承知の上。ただ、安易かつ稚拙なトウイングは大事故に繋がる可能性が非常に大きいのに、その認識がまったく広まっていない現状を鑑みて、技術をマスターできないまでも、トウイングの危険性と難しさを理解していただくだけでも大きな成果だと考え、あえてプロとまったく同じ内容を採用した。
実際、TLS参加者の相当数の方が
「僕にはトウイングは無理だと知りましたから、絶対にトウラインは持ちませんし、なるべくトウイングされずに済むような安全なカヤッキングを心がけます」
とおっしゃっていた。そういう意味で、TLSでも一応の成果は収めていると思う。
こういう方たちは、下手なプロよりもトウイングのことをはるかによく理解していらっしゃるわけだが、TLS参加者や、彼らがその後自主的に行っている勉強会(ツアーリーダー・ワークショップ)の参加者、合わせれば相当な数になる。
うかうかしてられませんぞ!>プロフェッショナル諸氏
■ だからこそPGWやTLSでは、「トウイングとは、プレ・インシデント(事故一歩手前)状態を自ら作り出す行為」と説明し、出来る限り回避することをまず強調する。
「トウイングは極めて危険なので、やっちゃダメです! トウラインは護身用ナイフみたいなもので、少々のことでは決して抜いちゃダメなんです。
でも長く仕事してれば、そのうちどうしてもトウイングせざる得ない状況に出食わすこともあります。そのときに、危険度を最小限に抑え、大きなインシデントの種にしないために、訓練だけは普段からしっかりやっておいてください。システムや儀装、装備の工夫も怠らないでください。
なおかつその上で、トウイングを回避する技術を真剣に磨いてください。それが貴方のガイディング技術を劇的に洗練します」
っていう風に。
ま、要するに、昨日と今日こうやって書いているようなことを序論としてしゃべるわけだ。そしてセッションの終わりのまとめで、この点は再度強調する。
正直に言えば、僕にとってさえ、一度トウイングを始めたが最後、安全を100%保証することは出来ないんだわ、これが。
だから、今後僕にトウイングされる羽目になったら、そのときは身の危険を覚悟してくださいね(笑)
まぁそれでも、「トウイング・キング」の名にかけて、他のどんなガイドよりも安全性の高いトウイングをするつもりではあるんだけどね。
でも段々老いてきてることだし、先のことはよぉ分かりませんなぁ(ヨボヨボ)。
■ さて、これで「エイベルタズマンのガイドたちは、トウイングを可能な限り避けるべき事態ととらえ、トウイングの多い奴は未熟者ということをキチンと了解している」という言葉の意味、もうお分かりかと思う。
そこで、あらためて話を最初の最初に戻す。
投稿にあった「数名をトウイングして必ず荒れた海から戻る」と公言しているアウトフィッターは、安全なトウイング・メソッドは持っていないはずだ。
なぜなら、キチンとしたノウハウを持っているならば、「数名をトウイングして必ず荒れた海から戻る」などとは口が裂けても言えないからだ。
二艇以上をトウイングすること自体は、もちろん不可能ではない。
二艇どころか、僕はその十倍以上を引っ張ったことがある。
今や伝説となった感のある「シーカヤックミーティング in 牛窓」の様子をごらんあれ。このページの最後の画像は、ごらんのように大ラフトアップ集合写真だ。
えっと、やっぱりここにも画像を貼ってしまおうか。その方が話が早いな。『パドルの向くまま、気の向くまま』用画像なので、ちょっとサイズが小さいんだけど、その点はご勘弁を。

このときは、初体験者が多かったので思いのほかラフトアップに手間取り、キチンとラフトを組み終わる前にビーチに接近しすぎて座礁しそうになった。
そこで、僕がラフトアップしたままの全艇を、まとめてエイヤッと引っ張ってビーチからひっぺがしたのだ。
オリジナル画像であらためて数えてみると、優に三十艇近いし、そのうち十艇近くがタンデムなので、40人近くを一気に引きずった計算になるか。
距離にすればたかだか10m弱のことだと思うが、それにしても我ながらよぉやるわ。アホじゃ。
ご参加くださった方は、僕が若手駆け出しガイドたちにトウイングを指示したにも関わらず、彼らのトウライン・システムが不適切で急なトウイングに対応できず、仕方なく僕自身がトウイングしたのを覚えていらっしゃるかもしれない。
僕自身は、腰が砕けそうになったのを今でも覚えてる。よくパドルが折れなかったもんだ。
彼らはその後「お前ら、トウライン見せてみろ」と、怖い野人にこっぴどく叱られた、なんてことは、もう改めて書くまでもないか(笑)
■ というように、ベタ凪ならキャンプ道具を満載した三十艇、四十名を一瞬引っ張ることも不可能ではない。
しかぁ~し!!!
荒れた海から二艇以上の艇をトウイングして、100%無事に連れ帰れるメソッドは、残念ながら存在しない(そもそも前述のように、相手が一艇でも100%の安全は保証できないのだ)。
つまりこれはすでに「トウイング技術」云々の問題ではなく、あくまでも「運」に頼るしかないイチかバチかの賭けの世界の話なのである。
この賭けの「バチ」とは、もちろん死亡事故(下手すると全滅)を意味することは言うまでもないだろう。
■ こういうセリフが出てくるという事は、おそらくそのアウトフィッターは、過去は賭けに連勝し続けてきたのだろう。
しかし、ギャンブルってのは、いつかは敗れると相場が決まっている。
そういうレヴェルの「賭け」を、「必ず」と言い切ってしまうところに、「危険性を認識できていない=ノウハウを持っていない」ということが、ハッキリと読み取れてしまうのである。
■ いやぁ、おっそろしい話だねぇ。なんか、原子力政策を連想しちゃうなぁ。
だから、あのアウトフィッターにインフォームド・コンセントを求めるのは、そもそも無理な話なのだ。トウラインやトウイングの危険性の説明なんて、そもそも自分たちが最初から分かってないんだろうから、出来るわけない。
そもそもちゃんとトウイングのことを分かっている人だったら、あんなにトウイングのことを自信満々に語れるはずがないのだ。
分かれば分かるほど、黙して語らなくなるというのが、トウイングという技術の特徴なのだ。
■ つまり、一見するとプロの自信に満ちあふれているこの、
「お客さんが海に出たいとお望みならば、どんなコンディションでもとにかく出します。数名をトウイングして、荒れ海から必ず戻ってこられるだけの技術は積んでいます。」
という一言が、僕には、
- トウイングを単なる力技だと勘違いしており、正しいメソッドを習得していないと思われる
- 『トウイングはできるだけ避けるべき危険な技術であり、トウイングを前提にしたツアーの組み立てを公言するなどプロにとって恥の中の恥である』という基本的な認識さえ欠如していると推測できる
という風に読めてしまうのである。
よって、インフォームド・コンセントが徹底できるほど危険性を認識しているとも思えないという推論が成り立つ余地もあるわけである。
■ そもそもトウイングして帰ってくるのを前提にツアーを組んでて、もしガイドが怪我してトウイング不可能になったら、どうするつもりなのよ???
トウイング自体のせいで怪我をすることもあるのだ。僕も超強烈な向かい風の中、一分間で数mずつしか進まないようなトウイングを半時間にわたってやった結果膝裏の腱を傷めてしまい、ビーチについてもカヤックから降りられなかったことがある。
トウイング中に肩の関節に一万ボルトの電流が走ったことも、二度や三度ではないし、関節の中で鈍い音が響くのを耳にしたのだって、何度経験したことやら。
あ、そういえば股関節をやりそうになったこともあるし、腰や背中をひどくやられるのなんて、四六時中だったっけ。
(もう年だ、もう限界だ、もう引退だって言ってるのは、別に冗談でも何でもないのですぞ)
あるいは、トウラインってのは荒れた海では相当な頻度で切れるものなのだ。僕自身は、トウイング中にトウラインが断裂するという事態を過去に三回経験している。いずれもサーフに巻かれたときに起こった。
つまり、荒れた海をトウイングするときは、断裂も想定しておかないとお話にならないということである。
彼らの場合、これらの事態を想定できているのだろうか?
■ 長々と書いてきたが、昨日最初に書いたとおり、このアウトフィッターの発言を一言でまとめれば、「トンデモ発言」ということになるのである。
「とんでも発言」でも「TONDEMO発言」でもでも良いが、僕は個人的な好みで「トンデモ発言」表記を採用している(笑)
なぁ~んや、一言ですむんかいな。長々と書いて損してもぉたやないの! ブログとは思えん異例の長文やぞ! 一言ですむんやったら、それですませんかぃ!>僕
え? こっちこそ長々と読んで損したって? ごもっとも。スンマッセンです。
でもねぇ、トウイングの話は、どうやったって手短には済まんのですわ、これが。ややこしい話だから、前編と後編に分けると余計分からんよーになったりするから、「前回の要約」なんぞも入れなあかんかったりするし、難儀なんだ、これが。
でも、知らんこともチョビッとは書いてあったでしょ? 勉強になったと思って、勘弁してくださいな(^^;
なんせ、これPGWで受講したらあんた何万円も取られるんでっせ!
え? ならカンベンしたるって? 現金やなぁ(笑)
■ ともかく、この手のトウイングをやりたがるガイドに不幸にも当たってしまったら、すぐに眉にしっかり唾を塗り、全身にありがたい「牽引安全経」を写経することを強くお薦めする(耳をお忘れなく)。
その上で、当該ガイドの額やアウトフィッターの看板の上に「似非退散」と書いた封印の御札を貼り付けておくとベストなのだが、素人さんがやると噛まれるかもしれないので、無理はしないこと。
あるいは、不必要なときに自分の艇にトウラインを結び付けられてしまう危険に備え、鎖鎌を用意しておくのも良いかも知れない。
なんせ、普通のハサミやナイフじゃ、自分の艇のバウ(先端)に手が届かないからね、鎖鎌がベスト。
さすがのトウイング大好きガイドも、鎖鎌を持った人間に噛みつくような真似はしないだろうから、これは一石二鳥。
うん、我ながら名案だ。
あ、ただしタンデム艇の場合は、相棒の首を飛ばさないようにご注意を(念のため書いとかんと、万が一責任とらされたらかなわん(^^; )。
え? 鎖鎌、どこで売ってるか?
さぁて、『野外道具屋.com』とか『Outdoor-Market.com』とかできいてみくださいな。ひょっとしたら扱ってるかも。
ただし、きっと合言葉言わないと売ってもらえないと思うけど。
『龍の巣』? そんな危険なものございませんので、あしからず。んなもん航空便で送ったら、国外退去になるわぃ(笑)
■ で、ここで終わってしまったらジャパンの面目丸つぶれなので、「そうは言っても、まんざら捨てたもんじゃないぞ、やっぱりすごいぞジャパン!」というエピソードを一つ。
上で、日本には正しいトウイング・メソッドは伝わっていなかったことを書いた。
ところが、独自にトウイングの危険性を認識し、メソッド開発に取り組んでいた人もいらっしゃるのである。
「トウイングは極めて危険である」
という同じ認識からスタートし、我々が、
「だから、安全性の高いトウライン・システムとトウイング技術の開発と訓練が必要」
という方向で対処してきたのとまったく対照的に、彼は、
「だから、トウラインを使わないでトウイングする技術の開発と訓練が必要」
という方向でメソッドを研究してきた。
まったく逆だが、だからといって間違ってるわけじゃない。
むしろ「危険だから使わない」というのは、危機管理上非常に正しい選択であり、英断でもある。
拍手である。
そして彼は、「トウラインを使わないトウイング」のメソッドを研究し、実際にツアー中に肩を脱臼したお客様を「トウラインを使わないトウイング」で無事に連れ帰ることにも成功していらっしゃるのである。
お見事である。
さらに彼がスゴイのは、それでもなお、僕のごとき若輩者が開催するPGWに参加してくださったことだ。その勇気と研究熱心さには、本当に頭が下がる。
天晴れである。
彼がその後トウラインを持つようになったのか、それとも以前の通りトウラインを持たずに仕事に臨んでいるのかは聞いていない。
ただどちらにしても、彼なりにメソッドをさらに進化させ、より効果的で安全な技術を研究していらっしゃるだろうことは、想像に難くない。
彼との出会いは、僕にとっても大きな刺激になったし、トウラインなしのトウイングのメソッドを訓練の必然性を知るキッカケにもなった。
トウイング・メソッドの世界は、まだまだ底知れない奥深さを持っていることを、彼が教えてくれたともいえる。
もちろんジャパンには、彼以外にもスゴイ人はいらっしゃるのだが、ことトウイングに関しては、彼の独自の研究とその真摯な姿勢に、ただただシャッポを脱いだ。
その人物とは、ご存知『パドル・コースト』代表の吉角立自氏である。
今後こっちの若手にトウイングを指導するときは、「ジャパン発ヨシカド・メソッド」も伝えていかなくてはと思っている。
■ さて、最後に。
上で「分かれば分かるほど、黙して語らなくなるというのが、トウイングという技術の特徴」と書いた。
だから実をいえば、これだけ遠慮なくモノをいう僕でさえ、トウイングに関して過去に発言したことは、ホンの数えるほどしかない。
しかも、過去の数度の発言(主にYahoo掲示板上だったと思うが)は、ちょうど「キング」と呼ばれていた頃のことで、日本のシーカヤック界のトウイングのレヴェルを知らなかった「日本上陸以前」の話だ。
「日本上陸以降」は、ネット上のオープンな場でトウイング・メソッドのことを語るのは、一切やめてしまった。
生半可な理解でトウイングの真似事をされると、それこそ僕自身が「ゆるやかな殺人幇助」をしたことになることが分かってしまったからだ。
よってトウイングについて語るのは、きちんとメソッドを共有している人間同士でのメールか、PGWのメーリング・リストだけに限定していた。『パドルの向くまま、気の向くまま』の『プロガイド論』でさえ、トウイングのノウハウには一切触れていない。
昨日と今日でこうして長い長い沈黙を破ってオープンな場でトウイングのことを書いたわけだが、これは僕にとってはかなりの決断を要したのである。
理由は、「これ以上沈黙していたら、『やってはいけない危険なトウイング』がますますはびこり、トウイングによる重大事故が頻発する」という危機感が高まってきたからだ。昨日のエントリーに書いたように、自分の友人がそういう危険なトウイングの餌食になるオソレになりそうな目にあったと聞くと、さすがにこちらもおだやかではいられない。
その危機感がこれを書かせた。
以前は、PGWやTLSでトウイングの正しいメソッドを伝えることによって、これが防止できると考えていた。
しかし、僕が思ったほどそのメソッドが広がっていっていないのだ。
昨日と今日の二回に分けて、これだけ長々と書きながらも、具体的なメソッドは一切記さず、逆に危険性などのマイナス面の話に終始したのも、僕自身が「ゆるやかな殺人幇助」を断固として避けるためである。
正しいメソッドは、文章では書ききれない。中途半端に誤解されてメソッドが伝われば、またそれが新たな危険を生む。
だから、今回もメソッドは一切記さなかった。
目的はあくまでも「どういうトウイングが危険か、どういうガイディングが非難されるべきか」を伝えることである。
よって、ご興味をお持ちの方は、直接PGWやTLSを受講していただくか、過去の受講者から伝授してもらって下さい。
■ と、ここまでは、昨日からひっくるめて全部独り言のつぶやきだったけど(笑)、ここからは顔を上げて大きな声で。
これだけ偉そうなことを言うからには、来年2005年にはご依頼があれば日本に行って「PGW 2005」を開催するという形で責任をとりたいと思います。
ご希望のアウトフィッターさん、ご遠慮なくご相談ください。
もう引退がホントに刻一刻と近づいてきているからね、来年やらないと再来年は出来るかどうか分からんし。
いやだねぇ、年はとりたくないねぇ。もう5年早くこの仕事始めれば、もう少し出来ることもあったんだけどねぇ……(またブツブツと独り言)。
■ ついでにちょいと脱線。
えっと、二年半ほど前だったか、ジョン・ダウドが日本で変わったアブミのシステムを披露し、それが「画期的だ!」とかなりの評判になったことがある。
PGWやTLSでは「ありゃヤバイから絶対にマネするなよぉ」とお話しているのだが、未だにあのシステムがスゴイと思って使ってる方がいらっしゃったら、今すぐ止めましょう。
ありゃね、最低限の安全性が確保できていないので、下手するとエライことになる。
アブミにはアブミで、やっぱり必要とされる安全基準があるのだ。アブミだって、「ロープ」に他ならないのだから。
そもそも、自分のスプレースカートを外さないと使えないメソッドなんて、まずその段階ですでに論外。
さらにあのイヴェントを主宰したショップのオンラインマガジンで、やはり最低限の安全性を保証できていないトウラインを推奨するような記事が、あのイヴェントの直後に流れたことがある。
僕はすぐにその危険性を指摘し、事故が起こる前に訂正文を流すことを提案したが、残念なことに無視されてしまった。
あれを真似している人がいなければ良いのだけどなぁと、未だに気になっている出来事の一つである。
くれぐれもお気をつけあそばせ。
■ というわけで、長い長いトウイングの話は、とりあえずおしまい。
明日から『続・ガイドのつぶやき』が新たに始まり、第一話は、『新・トウイングについて』の予……、ウワワ、痛いって! モノを投げないで下さい、ジョーダンだから、ジョーダン(^^;
■ 関連過去ログ【ガイドのつぶやき】
◎その1「怖さについて。」(10月7日)
◎その2「過保護について。」(10月8日)
◎その3「プロの基準について。」(10月9日)
◎その4「互助について。」(10月12日)
◎その5「トウイングについて(前編)。」(10月13日)
■ 関連過去ログ【読者投稿】
◎ファーストエイド雑感。 (6月30日)
◎またもや、サングラス四方山話。 (7月6日)
◎東京の星空、ニュージーランドの星空。 (7月10日)
◎ガソリンより高い水が、蔓延? (7月15日)
◎捕鯨と差別。 (7月20日)
◎ぬるい危機管理論 (8月27日)
◎ひょっとすると、実現可能? (9月9日)
◎夢の続きと、悪夢のような製品。 (9月26日)
◎互助について。 (10月12日)
◎トウイングについて(前編)。 (10月13日)
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■ 今日のエントリーを読んで、「ばっかやろー、長ぇよ! 仕事中に読んでたら、上司に叱られたじゃねぇか!!」と逆切れしてらっしゃる方、怒りを込めて
をド突いておいて下さいな。
スコアが飛躍的に伸びたら、大反省します(^^; って、こんな長いの、これからは忙しくなるからそうそうめったに書けやしないだろうけど。たぶん、四ヶ月ゼロ・トウイングとどっこいどっこいの最長不倒記録になると思う。
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/870
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) Morning shower, then fine. Southwesterlies. 13°C 4°C [海洋気象] (エイベル) Variable 10 knots but westerly 20 knots north of Separation Point.Sea moderate in the north. Fair visib...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.08.15
Excerpt: 大記録達成前夜 ■実は、明日、大記録が達成できるかもしれない。 ◎Ryu's Logbook「Weather & Kayaking Log on 14-08-05 」 昨年10月から何日働いたのか数えてないんだけど、ノー・トウ...
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.08.15
Excerpt: 大記録達成前夜 ■実は、明日、大記録が達成できるかもしれない。 ◎Ryu's Logbook「Weather & Kayaking Log on 14-08-05 」 昨年10月から何日働いたのか数えてないんだけど、ノー・トウ...
From: Ryu's Logbook 別冊
Date: 2005.08.15
濃い~っ、本当に濃厚>Ryuスペシャルの「命の出汁」。
これが当初はもっと濃かったと言うのですから、全くどうやって出汁をとっているのやら。
しかし、削除、いや「お取り置き」の部分も、寝かせる事でまろやかになってこれも又美味だと思いますので、何時の日かきちんと御相伴に与らせて下さいまし。
出汁のお味以外に気になったのはやはりウォータータクシーの話ですね。
そこまで使えないと今シーズンは現行のツアーメニュー自体が実は機能しないケースも出てきてしまうのではないですか?
(現場のガイドの裁量でお客様には殆どそうは見えない様になるのでしょうが)
そうなると、ピークシーズンはいつもよりも余計に後輩ガイドの面倒を見る、なんてケースも続出して心身とも余計に大変な事に・・・と言う事にならない様にお祈りだけし

