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February 10, 2005

寒い冬の夜に、静かに焚き火を思う。

[地上気象] (モトゥエカ)
 晴れ。北風。最高気温26度、最低気温16度。

[海洋気象] (エイベル)
 変風10ノット。正午までにセパレーションポイントより北では北西15ノットに、タズマン湾では北東10ノットに変わる。海況はおだやか。

[潮汐表] (ネルソン)
 Low 05:37 AM 0.4 m  High 11:47 AM 4.5 m
 Low 05:51 PM 0.4 m

天気図
© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd

午前中は曇ってたが、午後から晴れた。しかし明日から天候が崩れそうなので、その予兆は見えてきた。久しぶりに暑さを感じない過ごしやすい一日。水温は依然として高く、泳ぐのにもなんの問題もない。午後はかなりシーブリーズが強かった。

 ところで昨年11月17日のエントリーで、「恐怖の超大潮」の話をしたが、脅威の4.6mがいよいよ明日に迫った。やだなぁ。

 そういう今日だって久々の(僕にとっては)4.5mだったので、なかなか強烈だった。
 朝トレントベイでカヤックに道具をパッキングしててもみるみるうちに水位があがり、間もなくビーチが完全に消えた。遅い出発のグループを待って待機してたガイドが二人いたので、僕がパドリングの教習をしている間、彼女らが完全に浮かんでしまった僕とKPのグループのカヤックを押さえててくれたので助かったが、彼女らがいなかったらいささか厄介だったな。

 でもそのおかげでラグーンは素晴らしかった。少々曇り気味だったけど、水はきれい。午後に雲が切れた瞬間にフレンチマンベイのラグーンにも入ったが、見事な色彩の爆発だったなぁ。原材料は「水」と「砂」と「日光」といたってシンプルなので、なんでここまでの見事なフレイヴァが醸し出せるのか??? ナゾだ。

 今日は二名の日本人女性がいらっしゃったが、彼女たちは某J●Bのツアーコンダクターさん。ご存知の通り、僕はお客様の中に同業者がいらっしゃると、ガゼン燃えてしまうのである。先方はシーカヤック・ガイドを同業と思われるかどうか知らんが、僕にとってはツアコンとかバスガイドって、むしろシーカヤック・インストラクターなんかよりもはるかに「こっちに近い職業」だと認識しているので、僕的には「バリバリの同業」である。
 で、気張ってガイディングした結果、今日は相当高得点のツアーになったのである。勝ったな、多分。

 しかし、午後ツアー終了後にトレントベイの超引き潮をカヤック運ぶのは参ったぞ。今日米国人のお客様たちからチップをもらえなかったのは、たぶんあれのおかげでお客様が疲れきってしまったからだとにらんでいる。ガイディングには特にとりたてて失点はなかったはずなので、まったく恨めしいったらありゃしない(笑)

 ちなみに本日もバスに乗り遅れてツアーに参加できなかったお客様がいらっしゃった。彼らはタクシー飛ばしてマラハウに向かっていたので、時間切れで出発するときもいささか後ろ髪を引かれた。戻ってから明日のブッキング表を見ると、ちゃんと明日の同じツアーに名前があったのでちょっとホッとしたが、明日は天候が崩れそうなんだよなぁ。本人たちが悪いとはいえ、なんとも後味が悪い。ま、明日は僕じゃなくて別のガイドが担当するので、ソイツにがんばってもらおう。 b&b 6

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何の因果で、クソ暑い真夏に(今日はましだったが)、こんなタイトルのエントリーを書いているのかとも思うが、読者の99.4%は北半球にいらっしゃるはずなので、あえて「寒い冬」と書いてみた。う~ん、どーも実感がわかんぞ。

 それはともかく、焚き火の本のインプレッションだ。なぜかここのところ本の紹介が続いちゃってるけど、え~いかまうものか、僕は重度活字ジャンキーなのだ。

焚き火大全

『焚き火大全』
 吉長 成恭 (編集)、中川 重年 (編集)、関根 秀樹 (編集)

 かなり前に編集長のブログでも紹介されたことがあるが、実はそのころすでに大変に気になっていた本。そしたら昨年のクリスマスに、サンタさんが持ってきてくれたのである。ワハハ、ラッキー。

 けっこうな価格だが、読み応えは満点。いやぁ、焚き火は良いね、焚き火は。

 昨年12月18日のエントリーで、日本のアウトドア・ソフト業界に突っ込みを入れた際に、「焚き火」も一例としてまな板にあげた。論旨を極端に要約すれば「焚き火なんぞを扱ったって、達成感が乏しいからアウトドア業界は発展しない」というようなことを言ったわけだ。誰が考えたって、焚き火産業で大儲けなんて、そりゃやっぱりちょいと無理っぽいと思うことだとろう。
 だから、この本も超ベストセラーになるなんてことは、たぶん起こらない。

 だが、それでも焚き火は素敵だ。僕だって焚き火に恨みがあるわけじゃない。「産業の発展」にはなかなか結びつかないだろうけど、金儲けの話を抜きにすりゃ、焚き火はまぎれもなく「アウトドアのエッセンスの一つ」に間違いないのである。
 んな回りくどい言い方しなくてもいいか。焚き火は誰がなんと言っても良いのである先月31日のエントリーの焚き火も、ほんと楽しかった。焚き火見てると、「アウトドア産業の発展」とか何とかだって、どーでもえーことに思えてきたりするもんな(笑)

 だから、この本も素敵だ。このブログを読んでらっしゃる方なら、皆この本にはやられてしまうはずだ。つべこべ言わずに、黙って読めぇぇぇ~っ!ってなもんで。

ただし。
 重箱の隅つつかせたら天下一品の僕には、アマゾンの書評にあるような「手放しの絶賛」というわけにはいかない。絶賛が多いと、天邪鬼は逆に辛口批評をやりたくなるって寸法で。だから「つべこべ言わずに」といった舌の根が乾かぬうちに、「つべこべ」言うわけだが、まぁ黙って読みなさい(笑)

1月8日のエントリーで触れた問題は、この本にも当てはまる部分がある。多数の執筆者の寄稿によって出来ている本なのだが、各ライターの力量の差があまりにも大きいのだ。
 1月8日のエントリーでとりあげたフィールドガイド本のような各ライターが一定の「書式」に従って書くというシステムには出来ない類の本ではある。だから、まったく同じ論法を当てはめるわけにはいかない。
 が、それにしたって各コラムが一定の「レヴェル」は満たしていて欲しい。いや、満たしているべきだと思う。しかし残念ながら、「レヴェル未満」のコラムがかなりの数散見される。

 例えば僕が敬愛する関根秀樹先生が書かれた部分は、さすがにお見事。彼の担当部分だけを拾い読みしたって、この値段を払うだけの値打ちが十分あるほどだ。
 あるいは「第六章 焚き火の文芸と絵画」などは、僕にとっては非常に新鮮な視点を提供してくれていてハッとさせられるし、まったく知らなかった作品も多数紹介されていて、この章も「大枚はたく価値あり」と思わせられる部分だ。思いっきりメモを取りながら読んでしまった。

 それに対して、「う~ん……」と思う箇所も少なくなかった。各章に「う~ん……」なコラムはいくつか散見されるが、特に不満だったのは「第五章 焚き火と環境教育」。僕的にはこの章は「全滅」という印象。読まずに文句を言うのはアンフェアだと思うので一応全部目を通したが、かなりの努力と我慢を要した。
 何が悪いって、そもそも「教育」というコンセプトそのもののとらえ方が古く、僕の大嫌いな封建的な臭いがプンプンする「押し付け教育」「歯車製造教育」的なコラムが少なくないし、そこまでひどくなくとも目新しい考え方や、新たに教えられるような示唆も特に見当たらなかった。

 おまけに文章自体のレヴェルも、この章は比較的低い。いや、この言い方はあまりフェアじゃないな。文章力そのものを比べれば、他の章とドッコイドッコイなのかもしれない。しかし柔らかい話題の場合は、トピックとの兼ね合いで少々荒っぽい文章でもサラリと読めてしまったりするものだ。
 それに対してこの章のような硬い内容の場合は、少し文章にアラが目立つと、それだけで読む気が一気にそがれてしまう。硬い内容に読者をキチンとひきつけ続けるには、やはりそれなりの技術が必要だと思う(と、自分のことは思いっきり棚に上げている)。

 というわけで、やはりこの分野は日本は思いっきり立ち遅れているらしいことを再確認させられただけの話。
 んなもん、確認したくねぇよ。この章はいらない。価格はそのままでいいから、この章を削ってくれた方がうれしい。

上記のように、第五章以外にも「これは要らんな」と思える荒っぽいコラムがところどころに散見され、そのたびにテンションが落ちてしまうきらいはあるものの、総じて言えば星四つ半をあげたい力作だと思う。いや、この時代にこの企画を押し通しただけでも、星五つに値するのかもしれない。

 特に素晴らしいと思ったのは、「第十八章 家の燃やし方」。この章は素敵だ。読み応えバッチリ。あなたも隣の家に火をつけたくなること間違いなし。
 ……。ウソ。そんな章があるわけない。肩に力が入り気味の文章を書いてると、ついムズムズと要らんことを書いて自分で茶化したくなる病が出てしまう。
 許してもらえないとは思うが、一応謝っておく。ゴメンな、ゴメンな、ほんまゴメンな。 あ、それからも一つ言い忘れてた。ゴメンな。

 閑話休題、それはともかく、やっぱりやっぱり本書は素敵な大力作なのである。
 だから願わくば、コリン・フレッチャーの『遊歩大全』のように、十年おきでいいから改訂を続けてどんどん進化させて欲しい一冊である。そうすれば、『遊歩大全』と並んで、アウトドアズマンのバイブルの中に加わることが出来るのではないかと思う。
 特に思いっきりこき下ろした教育の章は、テーマとしては非常に大切であり、しかも今後の日本で一番劇的に進化する分野だとも思われるので、定期的な改訂を切に望みたい。進化&改訂を視野に入れた上での第一ステップととらえるならば、先ほど酷評した第五章も、温かい目で見守りたいところだ。

ところでこの本の関根先生の担当コラムを読んでいて、図解が欲しいなと思うようなところが何箇所かあった。

 そういうときは、この本。

縄文人になる!―縄文式生活技術教本

『縄文人になる!―縄文式生活技術教本』
 関根 秀樹 (著)

 これ、上記の『焚き火大全』と一緒にサンタさんがくれたもの。なんと手回しの良いサンタクロースだろう!
 この本は関根先生一人の執筆なので、全編まったく文句なし。しかも最初から最後までハウトゥを意識して書かれているので、楽しいことこの上なし。『焚き火大全』と比べると、対象年齢も若干さげてあるのかな? 中学生くらいでも読めると思うし、高校生なら十分。『焚き火大全』で分かりにくい部分は、こっちの本でバッチリ分かるような仕組みになっていて、なんかだまされたような気にならないわけではないが、でも関根先生の本だったら、たとえだまされて買ったとしても、読めば十分に元は取れてしまうので大丈夫。
 っつぅか、この値段は安いよ、ホント。星六つ。

 二冊あわせて\4,200。ちょっと思い切った出費になるが、なぁに、一回キャンプに行ったと思えば安いものだ。なんせ一回読むだけでも、一回のキャンプの数倍の時間たっぷり楽しめるし、後から何度でも読み直せる。本ってえらい。
 寒い時期にアームチェア・アウトドアズマンを決め込みたいなら、この二冊のセットは大いにお薦めできる。両方を読めば、春からのあなたのアウトドアスタイルが大きく変わる、かもしれない。ファッショナブルなアウトドアズマンからは、ちょいと外れていってしまうかもしれないが、それは僕のせいにしないように。

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『焚き火大全』が欲しい方は人気ランキングを、『縄文人になる!』が好みの方はranking.gifを、両方欲しい欲張りさんは、両方を三度クリックしてワンと言ってみて下さい。


投稿者 Ryu : February 10, 2005 08:40 PM
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