December 18, 2004
[ リレーエッセイ #20 ] 良い暇つぶしとは。
■ 【予報】
[地上気象] (モトゥエカ)
午後に雷を伴うにわか雨。冷たい南西風。最高気温18度、最低気温7度。
[海洋気象] (エイベル)
セパレーションポイントより北では西25ノット、その他のエリアでは南西10ノット、午前中に南西15ノットになる。北部の荒い海況は次第におさまる。にわか雨の中、視界は悪い。
[潮汐表] (ネルソン)
High 03:14 AM 3.7 m Low 09:14 AM 1.1 m
High 03:32 PM 3.9 m Low 09:49 PM 1.2 m

© Copyright Meteorological Service of NZ Ltd
■ 会社でダウンロードしている有料の詳しい地上予報によると、雹が降る可能性もあるとのこと。
また海洋気象予報の方は、南西が北に変わるとのことだった。
結局ブリーフィングの最中は、気にならないほどの小ぬか雨がときどきぱらついた程度。日帰りを送り出すために一回目に海に出たときは、上空ではまだ南西が微妙に吹いていたのだが一時間後に二泊、三泊のグループを連れて海に出たときには南西が完全に止まり、北が吹き始める直前といった空模様。ただ、そのときは晴れていた。
仕事を終えて車に乗り、峠を越えていると、寒冷前線が到着したらしく、突然雹まじりの強烈なにわか雨と突風が襲ってきた。海上の視界は悪いだろう。しかも気温低下が激しいのなんの。お客様たち、大変だ……。 rent 6
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■ 極々私的なメモ。
一昨日のことらしいのだが、愛娘が昼寝から起きたとたんに
「犬のコーラが○○に行っちゃって、もう会えない」
と泣きじゃくったらしい。なんせ泣きじゃくりながらの話なので、詳しいストーリーは家人も良く分からなかったらしいのだが、犬がどこかに連れて行かれるっていうのは、たぶんディズニーの『百一匹ワンちゃん』のヴィデオの影響なんだろう。
しかし、名前がコーラ? そんなの、『百一匹ワンちゃん』はおろか、持ってる他の絵本にもヴィデオにも出てこないぞ???
っていうか、そもそも、彼女はコカコーラとかペプシコーラとかは、存在すら知らないので、ヴォキャブラリーの中にそもそも「コーラ」という単語がないはず
つまり、夢に出てきた犬に、彼女が「創り出して」与えた名前らしい。ふぅ~ん。
二歳児にはもうお話を作る能力があるとはきいてはいたが、なるほどそういうネーミング能力まで備わってるとなると、確かに立派なもんかもしれない。
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■ [ リレーエッセイ #19] ソフト産業、森作りから考えるから、またまたバトンが直接返ってきた。なんか一日おきにリレーエッセイ書いてるんだけど……。
くそ、こうなったら徹底的にやったろやないけ。
自分がふったネタの延長であまり派生していないので、掛け合いのようになってしまい、もうひとつ好き勝手度が高まらない。
うぅぅ、スマンっす。普段の僕なら、「こんな風にソフト無視してるからダメなんだぁ!」と市場調査をやっつけるところまでが「枕」で、その先に話を脱線させつつ発展させていくとこなんだけど、リレーエッセイって「翌日アップ」という原則があるからそこまで話を膨らませる余裕がなくてね。
まぁ、話題をあまり変えずに掛け合いするっていうのも、また面白いのでは?
あれ? ちょっと待てよ。このままピッチャー返しが続くと、次の月曜日はリレーエッセイと自由テーマが重なるなぁ。
なら、大変化球はそのときに投げるとするか。今日は大人しくストレートに玉返してやろっと、イヒヒ。
■ アウトドア産業の鍵はソフトにあるっていうことは、一昨日のリレーエッセイでも述べたし、編集長も自身の体験でフォローしてくれた通りなんだけど、もう少し同じところを。
市場調査結果が「ハードの売り上げ」だけに着目していたことは前回批判した通りだが、じゃぁソフトを含めると日本のアウトドア産業は成長しているのかと問われれば、NOだろう。
では、アウトドアソフト産業の何が悪いのか?
■ おそらく「達成感」である。特にジャパンというマーケットを考えるとき、達成感というのは大きなキーポイントになるはずだ。
つまり、「楽しいか、楽しくないか」以外に、「達成感が得られるか否か」というパラメータが、日本人にとっては特に不可欠だと思うのだ。
例えば編集長が挙げてくれた森作りが人気を博している理由を考えればよく分かる。森に手を入れて、自然にダイレクトに働きかけるというのは、誰にとってもたやすく「達成感」が得られるアクティヴィティである。
楽しさだけで言えば、ひょっとするとシーカヤック体験ツアーの方が上かもしれない。ただ、シーカヤック体験ツアーばかり毎週10回続けてやったらどうだろう? 必ず飽きるはずだ。
ところが、森作りなら毎週10回同じ里山に通える。いや、通えば通うほどに達成感が高まっていくはずである。一年、二年と時間がたてば、もっと達成感が大きくなっていくだろう。自分自身の成長だけではなく、森の成長が目に見えてくるからである。
これが、これからのアウトドアソフト産業を考える上で、大きなポイントになってくると思う。
■ この15年で、大きなアウトドアブームが来て、去った。この嵐のような流れの中で、もっとも増減が激しかったのは、もちろん間違いなく「RVキャンプ派」「ファミリーキャンプ派」といった層である。
つまり、車に立派な道具を詰め込んで名のあるオートキャンプ場に出かけてテントとタープを張り、テーブルや椅子をセットして、雑誌に載ってるような豪勢なアウトドア料理をして帰ってくる、というパターン。
一回、二回は楽しいと思う、確かに。でも、10回続けて飽きない人は珍しいんじゃないの? だって、ここには「達成感」を感じる余地がないんだもん。
欧州人の場合は、ビーチに椅子と本を持ち出して、一日何時間でも、あるいは何日でもボォ~ッとしていられる、いやむしろ、それこそが至福の時の過ごし方であるという人は少なくないので、ちょっと事情が違ってくるのだが、日本人でこれが出来る人はそう多くない。これが出来る人ならば、上記のようなキャンプ場に行って料理して帰ってくるだけのキャンプでも楽しいのかもしれないが、そうでない人には向かないスタイルではないか?
そもそも初心者があれだけ大掛かりな道具を積み下ろし&セッティング&撤収するのって、大変よ。僕らプロでも大変で、その反動でプライヴェートの時にはなるべくモノを持たない貧しいアウトドアをやる傾向があるというのに、不慣れな方があんな大道具と格闘するのがどれだけ大変やら。
しかも、前にも書いたと思うけど、アウトドアクッキングってのは手間ばっかりかかって大変なんよね。理論的には高カロリーのツーバーナーやオーヴンを持ち込めば、出来ない料理はないはずなんだけど、他所のキッチンでさえ慣れないと料理の手際が悪くなるというのに、いきなり野外でトントントンと調子よく料理が出来るはずもなく、片付けもパッパッと手早く出来るはずもない。
つまり、「キャンプ場につく → 大荷物と格闘してキャンプサイト設置 → すぐさま料理の支度 → 普段の倍時間がかかったので遅い食事 → 後片付けにも時間がかかった → 終わったらすぐ次の食事の支度の時刻、あるいは寝る時刻、あるいは撤収の時刻」っていうことになるわな。
達成感からは、程遠い結果になるだろうね。
ブームといわれるときに、それに乗っかった初心者がやっていたのは、こういうことだったんである。そりゃ、一瞬でブーム終わるってば。
つまり、そういうエントリー層に、すぐさま「達成感」を得られる次のソフトを提供できなかったのが、今のアウトドア業界の低迷の原因なんじゃないの?
■ 別の視点から見てみると、昔から根強い人気を持つアウトドアは、必ず達成感とセットになっているのが分かる。
ピークハントという達成感を得る行為である登山は、もっとも分かりやすい例。あるいは、獲物という達成感をしとめるアクティヴィティである釣りやハンティングもしかり(まぁ、芸能人の真似してバスフィッシングに走った若造は、すぐに淘汰されたようだけどね)。
カヌー、スキー・スノーボード、サーフィン、ダイヴィングetc, etcのアウトドアスポーツも、まさしく「技術習得=行けるフィールドが広がる」という点で、達成感とアウトドアはまり度が見事に連携している。
つまり往々にしてスポーツライクなものは、達成感がもれなくついてくるのである。
じゃぁ、スポーツじゃないアウトドアはダメかというと、そうでもない。
例えば山菜摘み、キノコ狩り、バードウォッチング、あるいは高山植物写真撮影だって同じように達成感を得られる。これらは、表面的にはバラバラの行為だが、本質的には釣りやハンティングと同じような達成感を得られるものだ。
日本ではアウトドアには分類されないが、ガーデニングだってまさしく「ノンスポーツ系」ながら達成感の高いアウトドアアクティヴィティである。
■ 逆に「達成感」ではなく、「リラックス感」を得られるアウトドアを挙げてみると、焚き火の前でくつろぐ、ってのが筆頭だろうか。
その他だと、登山に分類できないのんびりハイキングもこれに入るだろうか。
ハンモックをつって昼寝、なんていう欧州人のような過ごし方もこれだろう。
こういうのは、好きな人はとことん好きなのだが、達成感が乏しいために、誰もがとことんはまってしまうという要素を持っているわけではない。特に、日本人はこういう「のんびり系」が苦手な人が多い。
もちろん、焚き火がキライって言う人は少ない。ただ、焚き火がないと死んでしまうって言う人は、やっぱり少数派だし、むしろ「何もせずにボォ~ッとすると、死んでしまう」という人の方が多い国民性なのである。
■ そうやって考えてみると、百名山ブームっていうのは、達成感の乏しい「ハイキング」に、うまく達成感を持ち込んだ非常に優秀な「ソフト」だったと思う。
だからといって、別に僕が焚き火派やお散歩派だダメって言ってるんじゃないけどね。そもそも、僕がそういうタイプなんだから、否定するはずがない。
ただ、そういう人達はたいてい自分で存分に楽しむ術を知っているので、「ソフトを買う」必要性が少ないし、そもそもこうした類のソフトで「売れる」ものを開発するのはなかなか難しいという側面があるのだ。
ところが、雑誌などをご覧あれ。この手のものを扱う傾向が高いから。こういうのを扱ってもねぇ、なかなか産業としては発展していかないよ。それを覚悟の上で「こだわり」として扱っているのならば、僕自身も「そっち方面に属する人間」として拍手を送るが、そうではなく、何の考えもなく焚き火のことばっかり書くメディアが「売れない……」って悩んでるとすれば、それは阿呆というしかないな。
■ ちなみに、sportの語源をご存知だろうか?
以前、日本シーカヤック界の大御所が、ガイドトークとして「sportには元々『冒険』という意味があるんだ」というようなことを言っていたという記事をウェブ上で発見して頭を抱えてしまったことがあるのだが、大嘘である。
手元の英和辞典をご覧になれば分かると思うが、「暇つぶし、気晴らし、慰み」などという意味が見つかるかと思う。これがそもそもの語源らしい。
そう、sportっていうのは、もともと「運動」ではく「暇つぶし」という意味だったのである。つまり、元の意味ならトランプだってスポーツなのだ。
その数々の「スポーツ」の中で、「スポーツの中のスポーツ」の地位を見事勝ち取ったのが、「運動」だったというわけ。
運動好きの英国らしい意味の変遷なのだが、今回のエッセイの内容と考え合わせると、いかにも示唆に富んでいると思うのは僕だけだろうか?
つまり、「運動」には達成感がついてくる。だから、「暇つぶし」としては非常に上質なものになる。
僕が上記で主張した「アウトドアソフト産業」がこれからとるべき道を、このsportという単語の歴史が何やら教えてくれているような気がするのは、僕だけだろうか?
■ と、せっかく英語ネタに脱線したのだが、イジワルな僕はまた編集長のところに話を戻すのであった。
こうやって考えてみると、「森作り」という遊び方の優秀さが改めてよく分かる。
まず、スポーツ性が低いので、運動嫌いで有名なジャパニーズにも敷居が低い。
そして、ショートスパンでもロングスパンでも、確実に達成感を感じられる。
さらにヴァリエーションも無限で他のジャンルのアウトドアアクティヴティとどんどん組み合わせられる。
いろんな意味で、大変に優秀なソフトである。
思えば、僕の大好きな『まつを's WEB SITE』だって、まさに森作り、里山遊びを中心にすえたサイト。まつを氏のただならぬセンスの良さと鋭い舌鋒もあのサイトの面白さの秘訣だが、あれだけ繰り返し読んでも飽きない秘密は、やはり「達成感」にあるのではないだろうか?
■ しかし、個人的には「達成感」とは無縁の「ひたすらダラダラ」のアウトドアを心行くまでやりたいよなぁ、久しぶりに。
■ ハイ、今日の話はこれでおしまい。
これがリレーエッセイでなければ、あと何日か熟成させた上で、ここから話を「やっと本題」に発展させるとこだけど、このまま投げ返した方が編集長が悩みそうで面白いので、もう一回意地悪してやろ(笑)
月曜日は「自由テーマ」と絡めてアウトドアネタからも逸脱するような変化球にするから、もう一日がんばってねぇ>編集長
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From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.04.05

