July 14, 2004
僕には研げないナイフの話。
■ 予報
地上気象 - 曇りのち雨。北風次第に強くなる。最高気温11度、最低気温6度。
海洋気象 - 【暴風警報】北10ノット、昼までに20ノット、夕方に35ノットに。海況は非常にあらくなる。北からの波1m、次第に大きくなる。夕方からの雨中、視界は悪い。
■ 連日のバカ陽気もついに終わり、天候が崩れ始めた。
今日は久しぶりに出動命令がかかっていたので、小鳥がさえずり始める前に起きだしたのだが、予報をチェックしてびっくりした。雨は昨日の段階でもわかっていたけど、こんなに風が吹くの?
普通なら家を出る前に中止の連絡が来てもおかしくない天候なんだけど、マネージャーもここまでの天候は予測していなかったとみえ連絡がない。
仕方ないので、どうせすぐに帰ってくることになるよなぁと思いつつ、霜で真っ白に凍りついた峠道をおっかなビックリ走りぬけて出社。マネージャーと三分間の相談の後、最終判断を任されたので、「中止する。事後処理は任せる」と厳かに告げ(笑)、社を後にした。
凍りついた峠をツルツルフラフラしながら再び走りぬけ、帰着。
案の定朝のうちからにわか雨がパラパラ。陸上では20ノットの北風は確認できなかったものの、これだけ降るんだったら中止して正解だ。真冬の雨は冷たい。
■ こうやって人が氷雨に降り込められてるのに、編集長は米国で遊びほうけてるのかよ。まったくなぁ。
しかし、このゴーフィールド・ブログのメンツは、よく遁走するな(^^; アウトドアズマンの風来坊ばっかりだから、仕方ないのか?
■ 長編大河連載『続・ナイフの話』いよいよ感動の完結編
■ 短期連載『続・ナイフの話』後編
昨日は歴史ある肥後の守(もどき)やオピネルの話題だったが、今日のはもっともっと歴史のある「キワモノ」をお届けする。
『G'sコラム』 4月13日のコメント欄で話題にしたニュージーランド先住民マオリ族の石器、アージライトのナイフの破片だ。

写真が小さいのでハッキリ見えないかもしれないけど、大きなものにはまだ刃が残っている。逆に右上二つの色の濃いものは、どうやら製作途中だったようだ。
比較対象がないので大きさも分かりにくいが、一番大きなものが切手二枚分、最小のが切手半分くらい。
これらはすべて仕事中にエイベル・タズマン国立公園内のビーチで発見したもの。
つまり、今日のは、『ビーチコーミングの話』でもあったりする。
■ マオリは19世紀まで石器生活をしていたため、実は石器といえどもそんなに珍しいものではなく、公園内ではビーチに転がっているのをよく目にする。まぁ、ニュージーランド中どこでも普通に転がっているわけじゃなく、むしろ「珍しくない」というここが例外的なんだろうけど。
ともかく、どちらにしてもこの程度の小さなものなら博物的価値も学術的価値もないので、たまにこうして持ち帰ってくるというわけ。ビーチコーミング的には、けっこう美味しい収穫物だ。でも、過去の獲物よりも小さなものは、持ち帰らないことにしていて、そういうのはお客様にお見せして説明したあとは、そのままビーチに残してきている(あるいは、可愛らしい女の子に「ホントはダメなんだけどね」とかほざきつつ、こっそりあげたりする、なぁ~んてことも、あるとはいわないが、ないともいわない)。
■ そういえば仕事仲間のウォータータクシー・ドライヴァーの中に、長さ30cmもあるズシッと重い三角柱のアージライトを持っているやつもいる。いつも船の中に転がしてあるので、彼の船に乗るたびに触っているのだけど、これも加工途中でいったい何を作ろうとしていたのかよく分からない。きっと斧とか槍とか、そういう大物だったはずだけど。
さすがにこの大きさだと歴史的価値がありそうな気もして、「こんなの持ってていいのか?」と思ったり、「そのうちかっぱらって家宝にしてやろう」と隙をうかがったり。皆さんも、シーカヤックガイドには、あまり貴重なものは見せない方がいいですよ(笑)
■ 珍しくないとはいえ、エイベル・タズマン国立公園内ではアージライトは産出しない。だからここで見られる石器は、すべてネルソン付近のマイタイ谷かマルボロサウンドのダーヴィル島から運んできた原石を加工したもの。
この写真に写っているものでは、左下3つの緑がかったのがネルソン・マイタイ産、右上の黒っぽいのがマルボロ・ダーヴィル産のものだろうと思う。実際に試したことはないけど、見た感じはダーヴィルのアージライトの方が硬そうに見える。
■ 『G'sコラム』で紹介されていた黒曜石ナイフメーカー西村巌氏のナイフを見ていると、僕もアージライトを加工してみたくなってきた。いつか西村氏が遊びに来てくれたら、そのときは一緒にダーヴィル島にカヤックで原石を探しにいって、加工のイロハを伝授していただくとするか。
ストーンハンティング・シーカヤッキングなんて、なかなかロマンティックでいいじゃない。ついでに記事にしてどっかの雑誌に売り込むか。
なぁ~んて夢想しつつ、こいつらをなでまわしていると、なんだか楽しい。
ちなみにこいつらの陳列場所は、トイレの洗面台の中(便器の中じゃないよ)。アワビの殻の中にキレイな貝殻と一緒に入れて、蛇口の真下においているので、用を足した後、手を洗いながら水に濡れて光る石器を眺めている。
トイレでは気圧もチェックしなくちゃならないし、なかなかに忙しいのであった。
(この連載おしまい)
■ 関連過去ログ(う~ん、ホントにこれだけだったかなぁ?)
【短期連載『続・ナイフの話』】
◎前編 (7月13日)
【短期連載『ナイフの話』】
◎その1 (4月18日)
◎その2 (4月19日)
◎その3 (4月20日)
◎最終回 (4月21日)
【ビーチコーミング】
◎今日の収穫。 (5月8日)
◎ビーチコーミングといえば (5月15日)
◎指が痛い。 (7月3日)
◎原始的な計測器。 (7月7日)
http://www.gofield.com/openair/mt/mt-tb.cgi/459
いいないいな、アージライト。
これってさりげなく凄いことなんじゃないかと思うんだけど、でも、良く考えたら母の疎開していた東北で土器片が結構一杯出ていて、集落の皆さん結構皆持っていた(爆)。
ということで、今度からご近所写真館ならぬご近所お宝探しコーナーも出来たりして。
ナイフ完成(別の加工品でも可)の暁には是非どこかのサイトで発表してくださいましね。
それから西村様の黒曜石ナイフ、言葉を失ってしまうほど引き込まれますね。凄い。しかもエゾシカの角・・・ペンダントも本当に素敵です。
いくらデザインが素敵な高級宝石でも、素材の「息吹」の凄さにはかなわないなあ、と改めて実感。
そしてそのかすかながらも力強い息吹を感じ取って昇華させている西村様にも脱帽です。
さてさて、
Ryuさん宅のおトイレ、戦利品陳列コーナーなのですね。
でも、趣味がおよろしくて、これは究極の贅沢!
きっと手を洗った時の水の当たる音も素敵でしょう。
我が家ではそうやってシンクにはモノ置けないです。
工作用にちゃっかり拝借してゆくのが確実な男子1名と、おい自走だと水洗いして口に入れてしまう幼児1名なので(笑)。
うちも、戦利品を奪おうと虎視眈々と狙っている不敵なのが一名。
実は、トイレにはまだご紹介していない超ど級の戦利品がまだあるんですよ。
この戦利品が、これまたやっぱり西村氏のコレクションとかぶる代物なのですけど(笑)
ネタが本格的に枯渇したら、また改めてご紹介します。
Posted by: Ryu : July 15, 2004 12:24 PM石器の加工は、
1.石と石をぶつけて割ることで、平らな面を作る
2.平らな面を叩いて薄い剥片を得る
3.剥片の形を整える
という手順で行います。
2の段階で得た剥片をそのままナイフにしも、機能的には十分です。また、2の段階で数枚の剥片を採った後の『核』は角柱の形状になります。船の中に転がしてある角柱は、大きな剥片を採ったあとの石核かもしれません。ただ、三角柱というところが気になります。石核ならもっと多角柱の形状になりそう。Ryuさんのおっしゃるとおり、作りかけの斧や槍かもしれません。その場合どこかにもっと大きな石核が眠っているかも・・ということです。
いずれにせよ、船が転覆して石が海底に沈むようなことがあってはイケマセン!速やかに撤去・保護しましょう!→Ryuさん
> この戦利品が、これまたやっぱり西村氏のコレクションとかぶる代物なのですけど(笑)
ふふふ、アレですね。去年デカイやつを拾いましたよ。ちょっと欠けてましたけど、ウチの横綱です。18.5cmでした。
MM様、わたしには過大とも思える評価のお言葉・・。恐縮です。わたしは黒曜石の輝く黒に魅せられました。完全に黒の石は珍しく、赤や茶やグレーが混じったり、稀に銀や青が混じるものがあります。だから、ひとつのひとつの石との出会いが楽しくて仕方がありまん。・・う~ん、30代のセリフとしては問題でしょうか。石器加工は50歳以降のために取っておいた方が良いのかな、という気もしております。
あ、巌さん、どもども、ありがとございます。
例のもの、18.5cmですか。
やりますな。
あれもいいですよね。
眺めているとうっとりします。

