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July 05, 2004

ログハウスとアースシップ。

■ 予報
地上気象 - 午後に雨。強い北風。最高気温13度、最低気温-1度。
海洋気象 - 北15ノット、午後に25ノットにあがり、夜にかけて西15ノットに変わる。海況は次第にあらくなる。北からの波1m、次第にあらくなる。午後の雨中視界は悪い。

■ うん、ほぼ予報どおりの天候。ちょうど大工仕事始めた頃から降ってきて、参った。

■ 今朝の会話。

野人「よし、今日は棚をバッと作っちゃおう」
家人「え?七夕を作るの?」
野人「いや、棚をバッと。ん? 七夕?? げげぇ、もうすぐ七夕じゃん、ジャパンはぁ!!!」

  いやはや、驚いちゃった。寒いんですっかり失念してたばかりか、もうすぐクリスマスかと勘違いしてた。そっかぁ、七夕かぁ。
  でも浴衣なんか着たらきっと死ぬな。あと、たぶん今この季節じゃ織姫も彦星もこっちからは見えないよな。
  七夕とか蛍狩りとか花火とか縁日とか、そういう「浴衣」の似合う行事を愛娘に見せてあげられないのは、なんともさびしいものがあるなぁ。

■ 【『龍の巣』情報】
  サーメット、メーカーに発注いたしました。若干多めに注文していますので、数日中に当店にも若干の在庫ができます。お早めにお申し込みいただければ、すぐに発送可能です。
  また、カモフラージュのモデルはメーカーにも在庫が一個しかなく、今後の製造は未定との事ですので、今回当店に入荷するのが、世界で最後のモデルになるかもしれません。お早めにどうぞ。

■ ゴミで作ったエコロジー住宅『アースシップ』が人気(上)
  ゴミで作ったエコロジー住宅『アースシップ』が人気(下)

  アースシップをご存知だろうか? 上記サイトをご覧になると早いのだが、要は廃物を利用したサステイナブルなエコハウスのことである。
 日本では「地球に優しい」というイメージの流行から、木の家が人気のようで、特にログハウスはナチュラリストの羨望を集めているらしい。僕たち夫婦も、メールや掲示板の書き込みなどで
「家を手作りするそうですが、やっぱりログハウスですか?」
と、何度かたずねられた。

  ログハウスって、そんなにエコだろうか? サステイナブルだろうか?
  僕も高校生の頃には、確かにログハウスに憧れ、創刊間もなかった『ウッディライフ』を読んだりもしていた。ところが、大学生になって各地をバイクで旅して本物のログハウスに触れるようになってみると、この中に住んでみたいとは決して思っていない自分を発見した。
  余談だが、香川の野遊び屋のベースはとてつもなく立派なログハウスで、初年度などは全員ベースで寝泊りしていたので僕も2ヶ月ほどそこで生活したのだが、やっぱり「あぁ、ログハウスはいいなぁ」とは思わなかった。

  まぁこれはあくまでも好みの問題だから良いのだけど、「ログハウス=地球に優しいエコハウス」というようなイメージには、ちょっと問題があるような気がする。

■ 昨年日本に滞在しているときに、某大手林業会社のTVCMを目にして驚き、怒りを感じたことがある。細かい内容は覚えていないが、美しい緑の森をバックに
「私たちはニュージーランドに木を植え、森を再生しています」
というようなナレーションが流れる、いかにもエコなイメージだったはずだ。
  ところがだ、彼らが植えているのは外来種の建材用樹木であり、これがニュージーランドの自然保護運動にとってはむしろ邪魔になるということは、そのCMでは一切触れられていなかった。たとえば手前味噌だが、拙サイトのコンテンツにニュージーランド自然保護省のヴォランティア作業の様子をご紹介したものがある。その中で触れたように、保護地区で「ペスト」として目の敵のようにして駆除している木は、まさしく某林業がせっせと植えているものと同じものである。
  かくも大企業のイメージ戦略とは欺瞞に満ちたものなのである。

■ 話をもどす。現在の日本のログハウスは、その大多数が輸入材を使っているが、大径のログは育つのに数十年を要する。しかし、日本の湿潤な風土では、育つのに要した年数と同じだけ建物がもつのかどうかも怪しい。しかも、海外からの移送に莫大な化石燃料を使っている。さらに、ログ自体にも危険な化学薬品で防腐処理を施してあったりする場合もあるようだ。
  これって、本当にエコか?

■ もちろん、一概にログハウスを悪く言うわけじゃない。ただ、企業のCMで「エコ」というイメージを鵜呑みにして踊らされる風潮には感心しない。

■ 逆に、地元の木、特に小径の間伐材などを上手に使って木の家を建てようという試みも、日本中に広がっている。これなんかは拍手を送りたいと思う。

■ 再度脱線するが、昨年の滞日中に、いくつかモデルハウスを見学に行ったのだが、これだけシックハウス症候群とエネルギー問題がとりざたされているというのに、相も変わらず高気密を売りにした家が多いのには、いささかあきれはてた。
  これだって、おそらくメーカー側は高気密で冷暖房使いっぱなしの家が、健康にも環境にも決して良いわけがないことくらいは、百も承知のはずだ。その上であれだけ高気密のエネルギー高消費型の家が「最新型」として売られているのは、あながちメーカーの責任ばかりともいえないだろう。資本主義社会では、売れるものがマーケットに並ぶに決まっているのだから。

■ 話を再度もどして、最後に僕たちのハウスプランについて話そう。
  ご存知の方も多いと思うが、最近ここにいらっしゃった方も少なくないはずなので、念のため簡単に経緯を記すが、僕たち夫婦は「自給的手作り生活」を夢見てニュージーランドに移民した。そして、この「手作り」の中には、家をセルフビルドするということも含まれていた。
  昨年ようやく自分の土地を手にした僕たちは、ハウスプランを立てている最中なのである。

  僕たちは最初、ジオデシックドームハウスを考えていた。ところが調べるにつれ、70年代以降大量に建てられた米国のドームハウスは、そのほとんどが放棄されてしまっているという情報を得て、「これは、根本的に何か欠陥があるに違いない」と感じ、他の建築方法を模索し始めた。
  そんな中で見つけたのが、ストローベイルハウス。例えば、最初にあげたサイトにも、暖房効率のよい「わらの家」プロジェクト、中国で実施中という記事が紹介されている。また、日本にも日本ストローベイルハウス協会なるものがある。
  ところが、地元で開催された「アースビルディング・ワークショップ」(アースビルディング=土の家)を受講してみると、このエリアの気候はストローベイルハウスにはウェットすぎると聞いてあきらめた。つまり上記の記事ではまったく補足されていないが、日本はもっとウェットなので、腐らないようにストローベイルハウスを作るのは非常に難しいということだ。

  そんなわけで、僕たちは今アドビ(日干し煉瓦)で家を建てようと思っている。これもウェットすぎる日本ではおそらくムリな工法だが、ここの雨量ならばぎりぎりOK。もちろん土は地元のものを使う。これならば数十年たって家が寿命を終えるときも、完全に土に返ってくれるし、保温性の良い素材なので、上手くパッシヴソーラー設計をしてやれば、冷暖房などのエネルギーも相当に抑えられるはず。

■ で、アドビの家を作るぞって話をしてたら、実は友人の大工(オランダからの移民)が米国でアースシップ工法で家を建てていたことがあるのが分かって、ものすごく刺激を受けたりしたのだった。そして彼は、今ちょうどうちの会社の近所に新たにアースシップ工法で家を建てている最中。
  Earthship Biotectureというサイトのトップページをごらんあれ。古タイヤ、空き缶などで壁を作っているのがお分かりだろうか? もちろん、高断熱の良い家が出来ること請け合い。
  「家とはかくあるべし」という固定観念を捨ててしまえば、こんなに面白い工法もないかもしれない。しかも、もちろん省エネルギー。必ずしも土に返る素材ばかりではないが、ゴミを再利用して何十年か寿命を延ばしてやるというのは、この使い捨ての世の中でどれほどの意味を持つかは、わざわざ言うまでもない。
  そういう意味で、これはログハウスとは対極に位置するものだと言っていいかもしれない。もちろん、今の僕は断然アースシップの方に肩入れする。

■ と、口だけは達者なのだが、果たしていつになったらハウスプランが出来上がり、果たしていつになったら実際に着工できるのだろう? 

投稿者 Ryu : July 5, 2004 03:45 PM
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Title: 富士山頂にドーム無く
Excerpt: Ryuさんのブログ7月5日エントリーログハウスとアースシップのコメント欄を読んでいて知ったのだが、富士山のレーダードームがきれいさっぱり無くなっているらしい。迂闊にもまった...
From: にしび〜のニッキ
Date: 2004.07.16
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Date: 2004.07.24
Title: アドビって?
Excerpt: ■【予報】 [地上気象] (モトゥエカ) 雨、夕方上がる。北東風。(高)12度、(低)4度。 [海洋気象] (エイベル)  北東15ノット、セパレーションポイントより西では25ノット。午後全域...
From: Ryu's Logbook ニュージーランド在住シーカヤックガイドのlogbook(=航海日誌)
Date: 2005.06.18
コメント

建築系はまったく無学の自分は、ジオデシックというのはあくまでも建築のフレームのことのみを指すと思っておりました。
ジオデシックと聞いて真っ先に頭に浮かぶのもフロリダにあるディズニーワールドのあのドーム位で。
・・・とよく考えたら数年前にアリゾナであったバイオスフェアってジオデシックでしたね。
ちょこっと調べてみると今は
http://www.bio2.com/index.html
となってオリジナルから更に手を加えられている様ですが。

Posted by: MM : July 5, 2004 06:53 PM

地元の木といえば、日本で増えすぎて困っているという噂の竹、ここ1-2年でこちらでフローリング材として使われ始めております。
日本でも上手く使えないですかね。

Posted by: MM : July 5, 2004 06:56 PM

日本人にジオデシックドームを説明するのに一番わかりやすい例は、なんといっても富士山測候所ですね。

アウトドアズマンにはTNFのジオデシックドームテントってのもあるけど、あれは実はホントのジオデシックドームじゃない。
微妙にソフトハウス用にアレンジしてあります。

ジオデシックドーム関連のサイトは、昔たくさん「お気に入り」に登録したのですけど、なぜかどんどんつながらなくなっていってるんです。
だから、今回も本文中ではリンクはらなかったんですけどね。
やっぱ、なんか問題あるんでしょうね、ドームハウス。

竹は、本文中でとりあげる余裕なかったのですけど、ホントにいい素材ですよ。
日本では問題になるほど繁殖力が強いのでサステイナブル性には何の問題もないし(というより、おそらくその面では最強の素材)、強度的にも中国が高層建築の足場として利用していることからも実証済み。
紙をすいても良い感じになるというし、ホント床とか天井とかくらいには、もっともっと活用した方がいいとおもいますけどね。

ここでも、多少は手に入るんで、僕らはなんとかしっかり竹を活用したいと思ってますが、さて十分入手できるかどうか?
敷地内に竹林を作る方が先か?

Posted by: Ryu : July 6, 2004 11:10 AM

実は、富士山測候所は今なんと無人化してしまい、富士山レーダーもドームごとなくなってしまったのですよ!

証拠はこちら。
http://www.taisei.co.jp/special/000/

最初に知ったときはもう愕然としました。
だってもう「富士山の初雪」情報もなくなるんですよ。
気象庁も予算他に切り詰めるべきところはあるだろうに・・・

山登りをされる方でこの情報についての詳細をご存知の方いらっしゃいませんか?

Posted by: MM : July 6, 2004 05:41 PM

ありゃま、そのうち富士山測候所っていうたとえも通じなくなってしまうの?
困ったな。

しかし、シンボルだったのにねぇ。
なんかさびしいねぇ。

富士山の初雪情報は、どんなんすか?
僕も興味あります。
ご存知の方、教えてください。

Posted by: Ryu : July 6, 2004 10:35 PM

来年そうそうに引っ越すんですが、今よりさらに田舎です。
竹といえば持ち山に勝手に生えてくるから間引くのに一苦労。
となりの山からサルの集団が畑を荒らしに竹を伝ってくるので厄介なイメージしか無い竹。
んー、そんな竹にも役に立つトコロがあるんですねぇ。
ところで日本建築の土壁にもたしかワラが土に混ぜてあるような気がしましたが、通気性とかの理由からなんですかね。
湿潤な気候とも関係ないんでしょうか。

Posted by: にっしー : July 7, 2004 10:43 PM

あ、引っ越すの!
って、今の家にもお邪魔したことないから知らないんだけど。

竹は、本当にスゴイポテンシャルを持ってますよ。
燃やしたってやったら火力強いし、クラフトの材料にもなるし、なんたって美しいし。
日本人は、竹の魅力を忘れちゃってるなって気がします。
もったいない。

ワラはね、実は日本の土壁だけじゃなく、アドビ(日干し煉瓦)にも混ぜるんです。
たぶんワトル&ドーブとかラムドアースとかの他のアースビルディングの場合も、混ぜるんだったかな?よく覚えてないけど。

理由は通気性じゃなくて(そういう副次的な効果もないわけじゃないでしょうが)、単にドロだけだと崩れやすいから、ドロ同士を繋ぎ止める接着剤の役目です。
だから、気候が乾燥してても湿潤でも、日本の土壁も含めてアースビルディングの場合は、ワラを使うことは多いようですよ。

ま、最近のアースビルディングは、ワラの代わりにセメントを配合しちゃうケースもあるようですが。


Posted by: Ryu : July 7, 2004 11:42 PM

ログハウスはエコか?
使用するログの樹種によると思います。
例えば欧州の殆どの国では、伐採量以上の生育が義務付けられた森林経営により、木材の生育が消費を上回り、約9000平方キロ分の森林が毎年拡大しているそうです。
こういった森林で伐採された木材を使うことは、すなわち森林を増やすことになり、他の動物、水や、土にとっても良いことでしょう。
また鉄やアルミニウムに代わって木材を建物の材料に使うことは、二酸化炭素発散の抑制に大変効果があるはずです。しかも、木材は伐採された後も、二酸化炭素を固定しますし、建物を解体した後、焼却すれば二酸化炭素を発散しますが、他の化石燃料の代替エネルギーとして使用すれば、やはりエコであると言えるのではないですか?木材は再生可能な資源ですから。これには、↑で書かれている
Sustainable な森林経営がぜんていですが。

Posted by: yk : February 26, 2005 02:55 AM

ykさん、コメントありがとうございます。

林業そのものに関してミクロな視点で話をすれば、おっしゃることごもっともだと思いますし、異論も特にないのですが、僕がここで話をしていることとは論点がずれるかと存じます。

このエントリーから半年以上たってから
http://www.gofield.com/openair/ryu/archives/001492.html
で書きましたが、エコだのサステイナブルだの環境だのを論じる際に、もっとも基本になるべきスタンスは、僕自身は「地産地消」だと思っています。

おっしゃるような形で伐採された「エコな材木」も、強烈な防腐処理を施された上で大量の石油を使って地球の裏側のジャパンまで運ばれ、産地とはまったく高温湿潤気候の中で、産地ならば100年もつはずなのに20年で腐り落ちてしまうということまで考えてみようというのが、このエントリーの第一の主旨です。


Posted by: Ryu : February 28, 2005 08:21 AM
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