April 08, 2004
ツアーキャンセルの模様を実況
■ 予報
地上気象 - 雨足強まる。北東の風。
海洋気象 - 北東15ノットが午前中に南東に変わり、セパレーション・ポイントより北では25ノットに強まる。夜には南15ノットに変わる。北部海域は一時的に荒れる。北からの波は1mにあがる。午後遅くからは強い雨で視界不良。
■ あのね、こういう日は暴風警報出しなさいってば>予報官
あとね、こういう日は最初っから全ツアー悪天候中止にしておきなさいって>うちの会社の新米オペレーションマネージャ
未明から強い雨が降り始める。キャンプツアーは準備に時間がかかるので7時すぎに出社。その段階ではすでにドシャ降り。僕がマネージャなら、すでに全ツアー中止を決定しているところ。でも、新米マネージャは涼しい顔。
ならとりあえず準備はするか。ただ、日中はおろか明日の朝まで降りつづけるのは明白なので、この氷雨の中でのキャンプは正気の沙汰ではないと彼を説得し、ハット(山小屋)またはハウスボート(船上宿)をおさえるように指示して、ハウスボートを押さえさせる。もちろん、料金は会社の負担でお客様からは一文も追加料金はもらわないで。
それにしても、天候が怪しい。とてもハウスボートのあるアンカレッジまで漕いでいけるようなコンディションではなさそうだ。だから、ふだんならばこういうときも念のためにテントは持つのだが、今日はあえて持たずに出た。つまり、アンカレッジまでたどり着くのが難しいような荒れ方をしたら、ねばったりがんばったりしないで即刻ツアーを中止し、漕いで帰るなりウォータータクシーを使うなりして、ベースに戻ってくる腹だった。
10時半の出艇時には、予報のような北東からではなく、このエリアでは最悪のコンディションを生む真東からのうねりがすでに入り始めていた。この時点で「あぁ、こりゃダメだ。もうすぐ風が吹き始めるから、その時点でツアー中止にしてやろう」と決心。もちろん、ここで出艇しないでさっさと引き返すという手もあったのだが(新米のころには安全を最優先してそうしていた)、新米マネージャとお客様、双方を納得させるには一度漕ぎ出し、荒れ始めてから戻ってくるほうがいいと判断し、すでに荒れる気配を濃厚にただよわせているドシャ降りの海に漕ぎ出す。
案の定、30分後には向かいの微風(東風)が吹き始めたので、すぐさまベースにVHFマリンラジオで中止して引き返すむねを伝え、ビーチに取って返す。行きは30分、帰りは追い風で15分。ただ、そのたったの15分の間に50cm弱だった波は1m弱までにあがっており、風力も15ノットになっていた。しかも大潮の満潮でビーチがほとんどなかったので、最終的にランディングするときにはかなりの大騒ぎとなった。サーフランディング一歩手前。もちろん、沈なんて出さないけど。でも、あと10分遅れていたら、もっと面倒な本格的なサーフランディングになったのは間違いない。
いつものことながら、ランディング時に満水になったタンデム艇(おそらく300kg近くある)を引きずりあげるのはしんどい。特に今のように腰、肩、手首に爆弾を抱えているときは、拷問に近い。
ベース帰着後、マネージャはウォータータクシーでアンカレッジに移動して予定どおりハウスボートに全員泊まることを提案。ただ、アンカレッジ手前のマッドマイルという岬は、案の定ウォータータクシーが難儀するほどの荒れようだという。僕は、すでにシャワーを浴びて乾いた服に着替え終わったお客様を、またわざわざ荒れた海域に連れ出してビショビッショにするのが忍びなく、マネージャーのいないところでお客様にツアー完全キャンセルを提案。けっきょくすべてのお客様がキャンセルに同意。その間、僕は一切何も口にせず、ヌレネズミのまま着替えもせずに3時間走り回って、ツアーキャンセルの後処理やお客様の接待をしていた。イヤハヤ、くたびれ果てたわい。
というわけで、僕は3時前に我が家に帰着して、ほんらいお休みのはずのブログをこうして書いている。帰り道は、突風(瞬間的に40ノット)で車が振られるほどの暴風雨になっていた。台風直撃なみ。いやぁ、こういう日はソフトハウスはダメだ。シーカヤッキングなんて問題外。暖房のついた家の中で妻子とのんびりするのが吉なり。
新米マネージャはガイドとしては僕よりも後輩に当たるのだが、ガイドとしては非常に有能で、この冬も僕と一緒にメインガイドを担当することになっているヤツ。だけど、やはりこれだけ巨大な組織の全ツアーの責任を背負うマネージメントとなると、ふだんとはまるで勝手が違ってきて、判断が鈍るのだろう。自分で判断して、いざとなったら今日のようにマネージャの意向を無視してでもツアーをアレンジしたりキャンセルしたりする僕なんかはそれでもかまわないのだが、まだマネージャの判断を頼りにせざるをえないヒヨッコガイド達にとっては危ない話。今日もほとんどがヒヨッコガイドだったので、事故がおこらなくて本当によかった。後々のために、ミーティングにかけてしっかり指導しておかねばなるまい・・・。
しかし、ワンデイツアーがすべて12時ごろにウォータータクシーで引き上げてくる光景なんて、6年で初めてお目にかかったぞ。まったく恥ずかしい話だ。
アハハ、今回は本当に本格的な「ログブック=航海日誌」になったな。
■ さて、明日の担当ツアーの連絡も来なかったぞ。僕は何を担当するんだ?まったく困ったマネージャだ・・・。
■ 悪魔のことわざ
いいなぁ、こういうの。笑った後、ふと心配になって我が身をふりかえってしまう。
[数字はウソをつかない。しかし、ウソつきは数字をつかう]なんかは、僕自身の口癖だったりするのだが、こういうジョークがあるとは知らなかった。
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