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早太郎温泉郷「こまくさの湯」
Oct.14, 2002 中央アルプス・千畳敷カールのふもと、駒ヶ根高原に湧く温泉
中央アルプスと南アルプスのはざまに抱かれた駒ヶ根市。その中央アルプス側の山麓、駒ヶ根高原に「早太郎温泉」があります。今回はそこの日帰り温泉施設「こまくさの湯」をご紹介します。

駒ヶ根へのアクセスはJRのほかに、東京・横浜・名古屋・大阪から毎日高速バスが出ています。高速バスの到着する「駒ヶ根バスターミナル」からJR「駒ヶ根駅」までは歩いて5分の距離。早太郎温泉のある駒ヶ根高原へは、駅前のバス停から、30分に1本の「駒ヶ根高原方面・終点しらび平行き」のバスに乗りこみます。駅を出たバスはほどなく町を抜け、なごやかな田園風景を走って20分ほどで、駒ヶ根高原の拠点「駒が池」に到着します。駒が池の周辺には公園やJA の施設があり、地域の物産も売られているので、散策にはうってつけの場所。めざす「こまくさの湯」はそこから歩いて5分です(温泉の前まで行きたい場合は、もうひとつ先の停留所で降りてください)。時間に余裕があるなら終点の「しらび平」まで行き(30分)、ロープウエイで「千畳敷カール」へ登って雄大なアルプスのパノラマを眺めると最高!・・・ただし、シーズンはロープウエイが混みますので、あらかじめバスの運転手さんにその日の状況を聞いておいてください。

さて、「こまくさの湯」です。緑の木立の中に建つロッジ風の建物に入ると、吹き抜けの明るいロビーが迎えてくれます。広々としたロビーの片隅にはソファーとテレビのコーナーがあり、湯上りの「くつろぎタイム」にはうってつけです。1階の奥には食堂があり、食事のほかにもビールやちょっとしたツマミなどが楽しめるようです。大広間の休憩所もあって、いたれりつくせり。まずは券売機で入浴券を購入し、受付に券を渡して温泉へ向かいます。脱衣場にはロッカーがありませんから、入口にある「貴重品用ロッカー」に貴重品をいれておくのをお忘れなく。
「立ち寄り湯」というと、場所によっては「清潔感がいまいち・・・」といったことがままありますが、ここは脱衣場も洗面所も清潔で、気持ちよく利用できました。浴場に入ってまず気づくのは、「天井が高い」ということ。私が行ったのは午前中だったのですが、前面と側面に大きなガラス窓があって、明るい陽光がさしこんでいました。広い洗い場にはカランの数も揃っていて、多少混んでも余裕がありそうです。内湯には大きな浴槽がひとつと、サウナ、水風呂、ハーブ風呂がありましたが、何といってもオススメは露天風呂。ここの露天はなんと、お湯につかりながら「千畳敷カール」と中央アルプスを眺めることができるのです!囲いの向こうには清流「大田切川」が流れ、木々を渡る清浄な高原の風を受けながら、のんびりと湯につかる・・・ああ、なんという贅沢・・・。これだから温泉はやめられません。泉質はアルカリ性単純泉。サラリとした透明なお湯で、肌触りもよく、ついつい長湯をしてしまいました。

湯上りのお楽しみは、なんといっても冷たいビールですね。当地の自慢は、「長野県第一号地ビール」の誉れも高き「南信州ビール」です。「こまくさの湯」の食堂でも地ビールは飲めますが、駒が池近くのJA施設「駒ヶ根ファームス」まで行くと生・地ビールがいろいろ揃っている、という情報を聞きつけ、ビール好きの私もさっそく行ってみました。「駒ヶ根ファームス」の2階には、南信州ビール直営のレストラン「味わい工房」がありますが、わたしのような「とりあえずビール!」派には、レストラン入口のバー・スペースがうってつけ。生・地ビールの「立ち飲み」ができるのです。定番ビールは3種類。加えて、低アルコールの「よわないビール」というのもあり、運転する人でも楽しめます。また別に、2ヶ月ごとに入れ替わる「季節のビール」もあるので、興味のあるかたはカウンターで聞いてみてください(お願いすると、レストランにあるサーバーから特別に注いできてくれます)。味の楽しみは、旅の楽しみ。お腹がすいたら、駒ヶ根名物「ソースカツ丼」もぜひ、お試しを。
-DATA-
- 場所:
- 〒399-4117 長野県駒ヶ根市赤穂759番地4
- 交通:
- 鉄道・バス:JR飯田線駒ヶ根駅下車しらび平行きバス15分
車:中央道駒ヶ根ICをおり右折、県道75号線を駒ヶ根高原へ - 駐車場:
- 「こまくさの湯」駐車場ほか、駒の池付近に多数
- 泉質:
- アルカリ性単純温泉
- 効能:
- 神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、皮膚炎、冷え性、打ち身・くじき、関節のこわばり、疲労回復、病後回復、痔疾、慢性消化器病
- 料金:
- 大人500円 小人300円
- 営業時間:
- 10:00~21:00 第2・第4水曜定休(祝日の場合営業、翌日休 / 11、12月に変則休あり)
- 主な施設:
- 大浴場2・露天風呂2・薬湯2・サウナ2・ジェットバス2・食堂・売店・大広間(男湯・女湯は1ヶ月ごとに入れ替え)
- 電話:
- 早太郎温泉「こまくさの湯」
0266-28-0823 - 宿泊:
- なし。ただし、近辺には宿多数。詳しくは、駒ヶ根市HPもしくは、駒ヶ根市観光案内所(TEL:0265-82-4263 0265-81-7700 9:00~6:00土・日も営業)へ
由布院~下ん湯ほか
Oct.12-13, 2002 由布岳を歩いて里の外湯に・・・

九州では有名な温泉保養地である。由布院という地名で察しの良い方はおわかりだと思えるがこの由来はやはりかつての武家によるものであると聞く。九州には「~院」という地名または姓名が多いが、そのような旧来よりの歴史の重みを感じさせる風景、また雄大な自然とでこの由布院は例えば東の軽井沢のような存在であるそうだ。湯布院町は周囲を山の囲まれた高原の温泉地で、牧歌的でどことなくスイス、ヨーロッパの農村地を連想させるような地形、なだらかな斜面と山という地形で単線非電化の鉄道が緩やかにカーヴして町を縦貫走り抜くというそれだけでもとても絵になる土地である。以前は由布院町だったが、お隣の湯平町との合併で正式名称は湯布院とされた。現在ではのどかなリゾート地として各地から多くの観光客が訪れるようにもなりその点でも軽井沢のような存在であるとも言える。湯布院の温泉は単純泉の所が多く、その地形もあってか平地に多数の源泉が沸いており、外湯とよばれる共同浴場や、観光客向けの温泉宿、日帰り入浴施設なども多数あり、またそれらの施設が十分徒歩圏にあることも魅力の一つとして挙げられる。お散歩気分で温泉につかり、湯あがりに河原を歩けば辻馬車がぽこぽこと歩むところが見られ、遠く由布岳にはのんびりと放牧の牛がごろりとお昼寝・・・というような風景にふれ、のんびりとした旅の情緒に浸ることができるのがここ、由布院である。

気動車で大分方面から由布院駅に向かうと、線路は大きくカーブして坂を登ってくる、と、目前にそびえるのが由布岳だ。ふたこぶらくだの背のようにふたつの頂きが連なっているのを眺めていると単線の線路走る列車は由布院駅に到着する。駅は木造の駅舎で照明なども淡い色彩。どこか温もりを感じるがこの駅は著名な建築家磯崎新の設計によるものであると聞く。ホームなどは国鉄当時とさほど変わらず、長い年月を経た駅名表示や木の電柱などが趣深く、古さと新しさがマッチして瀟洒な印象。線路より由布岳よりが改札口、といってもこの駅は改札口がオープンタイプというヨーロッパ風の作りで、駅員さんが列車が近づくと改札に立ち検札するという古式ゆかしいスタイルである。自動改札が日常的な都会の駅を見慣れた目には、なんとものんびりとした情景であり、旅なのだと実感することになり、よい演出だ、といえる。なお、片面駅舎で反対側に出口は無いが駅の向こう側、阿蘇の方向は町民の住居区域であるようで観光施設は無いから旅の者には無関係であるし、町民が安らぐためにもこのような都市計画はよい方策であるとも思われる。駅前は観光地らしいレイアウトで、これも旧軽井沢のような雰囲気でこじんまりとしている。駅前広場にはハイヤー、小型のバスは観光用にボンネットバス風、それと辻馬車は本物の馬..と、愛らしい演出に微笑ましい思いで駅前通りを歩く。駅前の五さ路がこの町の中心点で、まっすぐ進めば川辺の方へ、右へゆけば別府に通じる山辺の方、左に行けば金鱗湖、阿蘇、くじゅうへのやまなみハイウェイ、となるが道はループしているのでどの道に行ってもここに戻ってこられるので、迷う心配はない。

この交差点の手前、コンビニエンスストアのとなりの通りが由布院花の木通りで食料品であるとか日曜雑貨などの実際的な観光地ふうでない商店街である。水のおいしい由布院らしく手作り豆腐のお店などもあり、食してみれば甘い大豆の香り漂う素朴な一品である。温泉、この周囲にはいくつも立ち寄り湯が存在し、観光客向きの瀟洒な雰囲気の施設、住人向きの普段着の温泉と、もうひとつは天然の温泉であるが、その天然温泉はおおむね金鱗湖周辺に位置していて、今回訪ねたのはそのひとつ下ん湯、である。以前はこの下ん湯、無料であったが最近は綺麗に整備されて、募金箱のような箱が設置された。無人であるので強制ではないが一応200円程度を納める方が多いようではある。よく観光地の登山道などにあるトイレなどと似たようなシステムだ、と言える。とはいえこの下ん湯、露天風呂と言うか、とりあえず屋根があるが湯舟は開放されており外からまる見えなので昼間入るのはかなり勇気が必要だ。湯布院も最近は観光客の来訪が増えたので少々気がひける・・・という訳で夜になるのを待つことにし、それまでは近隣の里山歩きを楽しむ事とする。

湯布院町の目前にそびえるなだらかな斜面の山は「豊後富士」と呼ばれる由布岳である。駅前から別府ゆきのバスに乗車し登山口で下車すると、ちょっとしたハイキング、といった感じの斜面が穏やかに広がり、秋口などは放牧の牛なども寝ころぶ牧歌的な、どこか欧風ムードの丘を歩く事が出来る。

頂上を目指さずとものんびりと風に吹かれて眼下の盆地の風景、遠い阿蘇山や久住連山の山並みなどを眺めてくつろぐのもまた乙なものだ。さて、夜になり目的の露天風呂へ行くが、日が落ちると寂しい場所でやや度胸が居る。それでも入浴してみると透明なさら湯という感触で、およそ温泉というイメージではない。単純泉というのだそうだが、季節のためかややぬるいように感じられた。無人であるのでサービス等は全くないが、清掃は行き届いており清潔感はある。温泉の水がそのまま目前の池にも流れているので、池の水温が高く、鯉などの魚類や藻類がよく育っており、また湖水の温度が高い事から朝靄がここの名物となっていたりもする。

明け方の露天風呂、靄を眺めながらというのも楽しいかとも思うが、明るい時はちょっと恥ずかしいかもしれない。混浴温泉であり、脱衣場も外から見えるという大らかな造りであり、昼の金鱗湖、あひるやかるかも、鯉などが愛らしく行き交うのどかな池を眺めながらのお風呂というのも風流なものかな..。
-DATA-
- 場所:
- 大分県大分郡湯布院町字川上岳本
- 交通:
- JR久大本線由布院駅より徒歩20分
- 駐車場:
- あり
- トイレ:
- あり
- 泉質:
- 単純泉
- 温度:
- 源泉69.4度
- 効能:
- 神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩など
- 料金:
- 下ん湯 入浴料200円
- 電話:
- 0977-84-3111(湯布院町商工観光課)








