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別所の湯

Sep.23, 2002 宮ヶ瀬湖で遊んだ帰りに立ち寄り湯

まずはじめに断っておかねばならないのですが、残念ながらこのお風呂は「温泉」ではありません。周囲一帯には「別所温泉」という温泉が湧き、旅館も数軒ある場所ですが、ここは水道水を湧かしているとのことです。なんともまぎらわしい感じですが、宮が瀬方面からの帰りに立ち寄るには便利なお風呂ですし、広い湯船で森林浴気分も楽しめるので、ご紹介したいと思います。厚木ICから246号線に入り、伊勢原から国道63→64号線を北上、「宮ヶ瀬湖」へと向かうのがわたしのお気に入りドライブ・コース。尾崎で60号線と出会うあたりが「清川村」です。平成12年に完成した多目的ダム「宮ヶ瀬湖」を北にひかえ、自然いっぱいの清流の村。日帰り入浴施設「別所の湯」は、そんな自然の山懐に抱かれた場所にあります。

246方面から64号線を走ってきて尾崎のT字路に出たら、左に曲がって、またすぐ左、セブンイレブンの手前が「別所の湯」への入口です。道幅が狭く見落としがちなので、よーく注意して見てみてください。入って200mほどは「本当にこの道でいいの?」と、思うような細い道が続きますが、じきに「別所の湯」の建物が見えてきます。

清川村ふれあいセンター「別所の湯」は、鉄筋コンクリートの近代的な建物。最近建ったばかりと見え、設備も新しい感じでした。入り口を入って、発券機で入浴券を買い、受付を通ります。入浴料は時間に応じて変わる(下記参照)のですが、3時間までなら大人700 円でした。館内には休憩室や軽食の取れる食堂があり、希望すれば和室の特別室やカラオケ・ルームも利用できますので、家族連れや仲のいいもの同士、「お風呂につかって、一日のんびり・・・」なんて贅沢も可能です。特別室・カラオケルームは別料金ですが、旅館に一泊したと思えば安いかも?

さて、お風呂に入るにはロビーからワンフロア下がります。エレベーターがありますので、足の弱いかたでも大丈夫。のれんをくぐったところでスリッパを脱ぎ、脱衣場へ入ると、中には鍵付きのロッカーが並んでいます。更衣室の真ん中に太い柱が立っているせいか、混んでくるとちょっと狭いかなぁ・・・?という感じはありましたが、さっさと服を脱いで、浴室へ入ります。

中へ入るとまず、たっぷりとした内湯が目に入ります。浴槽の一面は外に向けて広い窓が切られ、向こうは「森」なので、森林浴気分がいっぱいです。打たせ湯、水風呂、サウナに露天風呂と、お風呂も盛りだくさん。カランも多めに作られているので、洗い場が混雑しやすい女湯には嬉しい限りです。露天風呂はちょっと小さくて、4人も入ると一杯になってしまう感じなので、今回は内湯でのんびりすることにしました。今回は四角い石造りの内湯でしたが、もうひとつの岩風呂風内湯とは、1週間交代で男女入れ替えになるそうです。

お湯の吐きだし口の近くは窓が開いていて、浴槽のふちにあごを乗せ、外の風を受けることができます。露天風呂じゃなくても、こんな景色のいい窓があれば極楽気分。ちょっと熱めの湯でほてったら、水風呂で冷やします。露天風呂の横には木のベンチも置いてあって、全身に外の風を受けて休んでいる人もいました。ああ、気持ちよさそー。湯上りには食堂で生ビールをキュッ・・・と、いきたいところですが、今日は車で来たんでしたね。残念!

帰りに「別所の湯」への立ち寄りを楽しみに、宮ヶ瀬湖へ出かけてみてはいかがでしょう。国道64号線沿いにはいろいろ施設が並んでいますが、個人的におすすめなのが「鳥居原ふれあいの館(いえ)」。地域の物産が並ぶゲストハウスが楽しく、併設の公園から眺める宮ヶ瀬湖が絶景・・・なのですが、最近バス路線が廃止になったそうで、バスでのアクセスがいまいち悪いのが残念。バスの終点、宮が瀬で降りたら、遊覧船(1時間に1本)に乗って行くのも楽しいかもしれません。宮ケ瀬のあたりにも、広い公園や施設などありますので、お天気のいい休日にお弁当持を持って出かけてみてはいかがでしょうか。

-DATA-

場所:
清川村ふれあいセンター「別所の湯」
神奈川県愛甲郡清川村煤ケ谷1619
TEL:046-288-3900
交通:
電車・バス:小田急線本厚木駅から宮ヶ瀬・上煤ヶ谷行きバス40分、別所温泉入口下車
車:厚木ICから246号線に入り、(伊勢原)市役所入口から国道63→64号線を北上、60号線に出たら左折、左手セブンイレブン手前入る
駐車場:
駐車場あり
開館時間:
AM10:00~PM9:00
休館日:
毎週月曜日・年末年始(変則)(月曜が国民の祝日に当たる場合はその翌日)
料金:
3時間以内:大人700円 小人400円
6時間:大人1,000円 小人600円
1日:(AM10:00~PM9:00迄)大人1,300円 小人800円
売店でバスタオル(100円)、浴衣(200円)貸し出しあり
主な施設:
露天風呂 男1女1・内風呂 男1女1・水風呂・サウナ・食堂・休憩所・特別室・カラオケルームなど(お風呂は1週間ごとに男女入れ替え制)
宿泊:
なし

ルネスかなざわ

Sep.22, 2002 癒し空間でリフレッシュ

夏の暑さもひき、過ごしやすくなった9月の3連休に金沢へ。アミューズメントスペースとして知られるルネスかなざわへ日頃の疲れをとりに出かけた。

ルネスかなざわ:イメージ1

金沢駅から無料送迎バスが毎日運行。1日6便のバスが往復している(GWやお盆期間、年末年始は1日11便)。金沢駅からバスに乗ること10分。ルネスかなざわへ到着。ルネスには、屋内外プール、温泉・サウナ、映画館、ボーリング場、ゲームセンター、カラオケなどなど1日では遊びきれないぐらいの楽しいスペースがつまっている。温泉・サウナや屋内外プールなどがあるルネスかなざわ(本館)の料金は3時間コース2,000円、1日コース3,000円となっている。温泉好きだけど、あまり長く入っていられない私は3時間コースに。

ルネスかなざわ:イメージ2

入口でロッカーキーを渡される。料金は後払いだ。屋内プールが見渡せる廊下を通って温泉入り口に。ロッカールームは、プール利用者と温泉利用者、共通のためか非常に広く、1階と地下1階の2フロアである。お風呂の準備をし、いざ温泉へ。裸のまま、地下の広いロッカールームを歩き、さらに階段を登って温泉に行かなくてはいけないのは、ちょっと恥ずかしかった・・・。

ルネスかなざわ:イメージ3

温泉は、地下1300mから噴出したもの。なめてみるとしょっぱく、緑っぽい色をしていた。中央の大きなお風呂は1m以上の深さになっており、まるでプールのようだった。その他、檜風呂やよもぎ風呂、打たせ湯、露天風呂、水風呂などがあり、あっちこっちに移動しながら楽しめる。サウナは、低温(80度)、高温(90度)、よもぎスチームとラベンダーの4種。スチーム以外のサウナでは短パンが入口に置いてあり、「エチケット」のためはいて入るよう、指示があった。短パンをはくと、なんのきがねもなくゴロンと横になれる。全体的に混んではいたが、子どもたちが多かったためか、サウナにはあまり人がいなくて、ゴロゴロしながらくつろぐことができた。ラベンダーサウナは屋外の目立たない場所にあるので要注意!屋外へのドアを開けると、目の前に露天風呂、その右手奥がラベンダーサウナとなっている。出入口ドアからサウナまでがかなり離れていて、「裸で外を出歩いちゃっていいの?」と思ってしまうほどだった。しかし、何度か往復するうちに恥じらいはなくなり、気づけば堂々と歩いていている自分がいておかしかった。ところで、そのラベンダーサウナは、90度近くあったが、ラベンダーの香りのせいか、普通のサウナにあるよう「あつーい!」という感じではなく、いつもより長く入っても、あまり暑さを感じないようなサウナで入りやすかった。その他に、お風呂の隣にアカスリスペースもあり、実際にやってもらっている人もいた。

ルネスかなざわへ入館する時は、3時間という時間が長く感じられ、2時間の料金設定がほしいなぁと思っていたが、意外なことにゆっくりお風呂やサウナに入っていたら、2時間はあっという間に過ぎてしまった。今回私は利用しなかったが、お風呂の上の階には、ソファが置かれ、ゆっくりと休憩できるスペースもあった。温泉だけでなく、プールも利用できるので、プールも楽しみたい人は水着を持っていこう。ちなみに、シャンプー・リンス、ボディーソープ、体を洗うタオルやタオル、歯ブラシは無料(バスタオルは有料)なので、お風呂だけ、という人は手ぶらでもOKだ。館内に飲料水がなく(お風呂にはあり)、自動販売機もなく、喫茶店で飲むしか方法がないので、長く滞在する人は飲み物代がかかるのが難点。

-DATA-

場所:
石川県金沢市高柳町1-70-1
交通:
JR金沢駅(西口)北鉄バス3番乗場より無料送迎バスが毎日運行
駐車場:
無料駐車場2000台
トイレ:
あり

白浜温泉「長生の湯」

Sep.21, 2002 共同浴場「長生の湯」がオープン

白浜温泉「長生の湯」:イメージ1

白浜温泉の中で入ってみたい共同浴場があった。それは2002年8月2日に完成したばかりの「長生の湯」。その名がいかにも素晴らしい効用を想起させて魅力的に感じていたからだ。また、「長生の湯」はまだオープンしたばかりとあって、観光協会のホームページに時間や料金を掲載されていることを除いては、何の情報を得られなかった。白浜温泉は紀伊半島の南西部に突き出た小半島にあり、3方を紺碧の太平洋に面している。その歴史たるや1300年を誇り、有馬、道後と並んで日本三大古泉にも数えられている。天智天皇や持統天皇など奈良時代の宮人にも親しまれていたともいうのだからその長き伝統と由緒をうかがい知れる。現在は、町の中央にはJR紀勢本線や国道42号線が走り、白浜スカイラインや白浜道路などの観光道路のほか、1996年にジェット化された南紀白浜空港が遠方からの観光客の来泉を可能にしている。白浜温泉の特徴の一つは共同浴場が多いことだ、「崎の湯」や「牟婁の湯」などは古くから親しまれているので、その名前を聞いたことがある方も多いかもしれないが、その他に何と8ヵ所も点在している。目指す「長生の湯」はそのうちの一つだ。

白浜温泉「長生の湯」:イメージ2 白浜温泉「長生の湯」:イメージ3

須筆者は当日、名古屋から紀伊半島をぐるりと時計回りで白浜に向かった。車窓には、刈り入れられた田園風景、山間の茶畑、玉葱を干す農家、苔むした杉木立など、長閑な田舎の風景が広がった。JR新宮駅でキハ11系ディーゼル車からモハ103系電車に乗り換えると、列車は海岸に沿って走りはじめた。曇天の隙間から時折差し込む陽光が岩礁に打ち寄せる波を輝かせて綺麗だった。

白浜温泉「長生の湯」:イメージ4

数時間が経過し、JR白浜駅に到着したのは17時42分だった。もう日が暮れかかる時刻だ。でも、ここまで来たら「長生の湯」の恩恵を授かるまであと少しだと思うと、足取り軽やかにテクテク歩き出した。そう意気込んだものの、10分近く歩いても、民家が立ち並ぶだけだった。まさか方向を間違えたのかな?とさすがに不安に思って、「温泉街はどちらでしょうか?」と通行人に聞いてみたところ、逆に、「今から歩いて行くのか?」と目を丸くして聞き返す顔を見て思い出した。白浜温泉街はJR白浜駅から離れているのだ。交通の便が発達して、秘境と呼ばれる温泉さえも駅から徒歩数分だったりする昨今だが、白浜温泉の場合、そうはいかなかった。頭上を見上げると、海岸のある白良浜まで4kmとの標識が出ていた。温泉街はその近辺なので、温泉に行くなら駅からバスかタクシーを利用するのが無難だったわけだ。とはいえ、今更、駅まで戻るのも憚られたので、そのまま歩き続けることにした。海岸の夕景も早く見たいと初めは足早に歩いていたが、バスやマイカーにどんどん追い越され、夕陽もみるみるうちにアスファルトの坂の端に沈んでしまった。

白浜温泉「長生の湯」:イメージ5

辺りが闇に包まれ、漁村に町明かりが灯ったころ、バス停の古賀浦というところに辿り着いた。夏休みの時期はサーファーや海水浴客で賑わっていたのだろうが、秋口になるとさすがに静けさを取り戻していた。白浜温泉街まではまだ2キロ以上あるだろう。さすがに歩き疲れたのでバスに乗ろうと思ったが、丁度さっきバスに追い越されたところなので歩くしかない。でも、帰る時間を計算してみると、温泉街まで歩いて湯に入るのは、絶望的だと分かった。ここまで来たのに何ということだ・・そう悲嘆に暮れながら、ふっと顔を上げると。ライトアップされた木造の看板に、「長生の湯」と書かれていた。そうか、「長生の湯」は白良浜とJR白浜駅の半ばにあったのだ!看板前の駐車場に乗用車が止まっては他の車が出て行く。家族連れがのれんから漏れた光の中で行き来しているのが見えた。これこそ目指した共同浴場「長生の湯」だった。嬉しくなって、筆者もそれに続くように館内に入った。正面にフロントがあり、受付の方が「遠方からお疲れ様です。」とねぎらいの言葉を掛けてくれたので、一層心が和んだ。入浴料金の500円を支払って風呂場へ向かう。「男湯」ののれんをくぐると、すぐに脱衣場になっていた。オープンしたばかりということもあって、竹籠が光を放っていた。

白浜温泉「長生の湯」:イメージ6

風呂場に入ると、まず檜造りの内湯があって数人が気持ちよさそうに湯に浸かっていた。洗い場も多く、シャンプー、リンス、石鹸なども完備されていて嬉しい。左手に張られたガラス越しに露天風呂が続いていた。こちらは岩風呂だ。カエデやブナの林が湯船の周囲に迫り、まるで森の中に湧いているようだ。そして、湯煙の先に備長炭風呂が佇んでいた。  そのくすんだ灰色の湯にソロリソロリと身を浸してみると、露天なのに少々熱いくらいだった。檜に混じってほんのりと、ウバメガシの木の香りもする。檜で組まれた浴槽は少しかがむと肩くらいまで浸かる深さでほどよかった。湯煙がモクモクと立ち込めて視界を覆い隠す。泉質は、含食塩重曹泉で、ほろ苦い味がした。名古屋から半日以上の長旅だったが、体の芯まで温まり、疲れも一気に何処かに消えてしまった。ここまで来た甲斐があったと思う瞬間だった。

ところで、感覚的に効き目を実感した備長炭の湯。科学的には一体どんな効果がもたらされたのだろうか?燃料として考えると備長炭が持つ作用は数限りないが、浴槽で使用したときの効果に絞ると、主に、1.赤外線効果、2.イオン効果、3.ミネラル効果、4.浄化効果 の4点に分類できる。それぞれについて見てみよう。まず、1.遠赤外線効果。これは、備長炭の粒子が熱を保存して、人体が熱を吸収しやすくなる効果だ。温泉には一般的にその性質があるが、備長炭を入れると更にその相乗効果が期待できるというわけだ。全身が最適に温まり血行が促進されるので、湯冷めもしにくく、肩こり、神経痛、不眠症、腰痛などを改善できる。2.イオン効果について。備長炭は電磁波などプラスイオンを吸収して、マイナスイオンを放出する性質を持つ。マイナスイオンは、森林の中や清澄な空気に多い負の粒子で、人体の細胞を活性化して癒しの効果を与える。つまり、備長炭の湯に浸かることは、自然の中にいる状態に限りなく近づくわけで、自律神経の副交感神経が刺激されて、精神の安定につながる。3.ミネラル効果について。備長炭の原木であるウバメガシが、樹木のときに土中より吸上げたミネラルは、木材を炭化することで水に溶け出しやすくなる。そこに含まれるミネラルは、カルシウム、カリウム、マンガン、鉄など人体に不可欠な要素であり、それらを湯に浸かることで吸収できる。4.浄化効果について。備長炭には無数の孔が開いていており、空気や水を浄化する作用がある。水中では水の粒子を細かくして塩素やトリハロメタンなどの有害物質や湯垢を吸着する。備長炭の湯に入るとさっぱりする感じがするのはそのためだ。売店では備長炭の石鹸や木酢液、風鈴、天然梅などが販売されていた。両親に土産を買って帰ることにした。ロビー横は休憩室になっており、ドアを開けるとテラスがあって、涼むことができた。月夜だった。森の中から秋の到来を知らせる虫たちの奏が美しく聞こえてきた。

-DATA-

住所:
和歌山県西牟婁郡白浜町古賀浦2763
交通:
電車:紀勢本線JR白浜駅より市バスで10分
車:
大阪方面から:阪和道、海南御坊自動車道、御坊ICからR42で白浜へ
名古屋方面から:東名阪、名阪、伊勢道、勢和多気ICからR42で白浜へ
料金:
大人:500円、子供(小学生以下):300円
営業時間:
10時から2時(水曜は休)
電話:
0739-42-3010

天ヶ瀬温泉

Sep.14, 2002 山に隠れた秘湯と霊験あらたかなお地蔵様

天ヶ瀬温泉:イメージ1

山と山に挟まれた場所に清流が流れ、わずかな平地に建物が立ち並ぶがそれは眩いばかりの緑色を遮ることしかできない。天ヶ瀬温泉に着いた第一の印象はそれだった。JR天ヶ瀬駅を降りる。ローカル路線にふさわしく黄色のディーゼル車一両しかホームに止まっていないが、それがまたこの駅には相応しい。九州の大河、筑後川の上流に位置するこの玖珠川は、水量衰える事無く清らかな水を流している。

天ヶ瀬温泉:イメージ2

天ヶ瀬温泉は開湯は1300年前と言われ、信仰厚い高塚地蔵の湯治客を取り込んで栄えてきた。玖珠川の谷あいに宿が連なるように並び、橋を渡って浴衣姿の湯治客が、川辺の露天風呂に向けて楽しそうに歩いている。河原を歩く。日差しが強い。夏は過ぎたとはいえ、まだまだ暑い。河のせせらぎが心地よく聞こえる。川では太公望達が鮎をねらって釣りをしている。温泉街には四つの橋があり、それぞれ通行と同時に観光の邪魔にならないように設計させている。この天ヶ瀬温泉はお湯が玖珠川に流れ込んでいるため河原に露天風呂がある。見ると、河の中で鮎を釣っていた人が湯につかっている。料金は100円で備え付けの箱に入れるだけ。良心に期待するこの風情がまた私の心を洗ってくれる。泉質は単純硫黄泉で神経痛や筋肉痛、消化器系や皮膚病など効能は広い。

「露天風呂は夕方から繁盛するんだよ」とは湯につかっていた太公望の言葉。私も湯船につかり体の疲れを癒す。湯は少し熱め。「最近は女性も開放的でタオル一枚でお湯に使っている姿もよく見られるよ。最近の娘っ子は発育がいいねぇ…」ただただ頷くばかりの私。時間は昼。露天風呂には私たちの他は誰も入っていない。この天ヶ瀬温泉は地図から見ると東に全国的に有名になった湯布院温泉をかかえ、西に水郷日田、南には九重の山々、北は古くから高塚地蔵を抱え湯布院と日田の知名度の高さゆえに秘湯のイメージが漂う。なお、最近は豊富な湯量を使っての花の温室栽培を始めているらしい。

湯につかったあと、少し足を伸ばして高塚地蔵を見物に行く。1300年前に行基という僧が聖武天皇の命を受けて、諸国行脚の途中に開いたのが由来らしく、その信仰心の厚さは地元の人いわく「なんでも願いが叶う」と参拝客の多さゆえ高速のインターチェンジの名前にまでなったという霊験あらたかな場所である。

バスに揺られて約30分で到着。本堂前の石段から漂うほのかな線香の香りはふと忘れていた何かを思い出させてくれた。何も願わずにただ手を合わせる。下りの石段を降りる足はかろやかだった。

秘湯漂う温泉と霊験あらかたなお地蔵様。これから紅葉も見ごろとなるこの九州の山奥が好きになってこの地をあとにした。帰りも一両しかない黄色のディーゼル車には私しか乗っていなかった。

-DATA-

天ヶ瀬温泉

場所:
大分県日田郡天瀬町
交通:
JR久大本線天ヶ瀬駅より徒歩5分
駐車場:
周辺あり
トイレ:
あり
泉質:
単純硫黄泉
効能:
神経痛や筋肉痛、消化器系や皮膚病など
営業時間:
露天風呂 年中無休 24時間
料金:
100円
連絡先:
天瀬町をすバラしい花と温泉と祈りのまちにしません課(略称=すバラし課)
TEL:0973-57-8202
E-mail:amagase@fat.coara.or.jp

高塚愛宕地蔵尊

場所:
大分県日田郡天瀬町高塚
交通:
大分自動車道天瀬高塚I.Cすぐ
駐車場:
あり
トイレ:
あり
電話:
0973-57-9200

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