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道後温泉

Jul.05, 2002 3000年の歴史、小説「坊っちゃん」ゆかりの名湯

道後温泉は3000年の歴史を誇る日本最古の温泉。本館を中心に、100件以上の宿が立ち並ぶその界隈には、城下町の名残と湯治場の素朴さが通い合う。

「天下の名湯」として名高い道後温泉の街には幾つかの見所があるが、その中でも最大の目玉とされるのは、やはり道後温泉本館(通称坊ちゃんの湯)である。それは夏目漱石著「坊ちゃん」の作品中でも紹介されている温泉街のシンボル的存在。「おれはここに来てから毎日住田の温泉に行くことに決めている。ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉だけはりっぱなものだ。」と下町風に述べられているのは、松山の中学に赴任したばかりの主人公(坊っちゃん)の台詞。

道後温泉:イメージ1

伊予鉄道道後温泉駅より商店街のアーケードを200mほど進んでから十字路に突き当たったところで右折して30mほど。柳が植わる路地に沿って、3 階建て木造の建物が高々とそびえているのが見える。それが道後温泉本館。本館上の振鷺閣には伝説の白鷺があしらわれ、重層な上に豪華な気品さえ漂う。屋根瓦下ののれんの内側からこぼれる明かりに、浴衣姿の人々が賑やかに談笑しながら消えていく。

3階建ての本館の内部は「神の湯」、「霊(たま)の湯」、皇族専用の「又新殿(ゆうしんでん)」、漱石ゆかりの「坊ちゃんの間」など幾つかのスペースに分かれている。受付で切符を購入し、のれんをくぐって館内へ。下駄箱に靴を入れて鍵を掛けてから入り口の係員に切符を切ってもらう。「神の湯」に入るならそこで石鹸付きタオル(50円)を買う(タオルや石鹸は宿泊するホテルから持参すると良いだろう)。

銭湯感覚で地元の方々も多い神の湯は、1階と2階に入り口がある。そのうち、300円のコースなら、そのまま廊下を直進して左折。そこが神の湯の脱衣所にあたる。620円のコースなら、一度階段を上がって2階の控えの間へ。そこで荷物や上着などを置いて1階の脱衣場へ続く階段を下りる。

脱衣所すぐ正面に風呂はあるのだが、東、西と2ヶ所に分かれているので、どちらに入ろうかと迷うかもしれないが、構造や広さなどほとんど同じなのでお好み次第。脱衣してロッカーに鍵を掛け(無料のものと100円入れるものがある)、風呂の内部に入ると、湯煙の先に花崗岩を畳みあげた円形の湯壷が目に飛び込んでくる。常に新しい湯が湧出しては溢れ出ていくので、そこにはいつも湯がなみなみと満ちている。湯に浸かってみると、意外と深いことに気づくのだが、半身浴するための段があるのでゆっくり座ってくつろぐことができる。道後の湯はアルカリ単純泉。さらりとした肌感でリウマチ、神経痛、疲労回復などに効用がある。また、成分が体の芯まで染み込みやすいので、湯冷めしにくいそうだ。檜の湯桶も香りが良く心地良い。ふと石壁を見上げると、「坊っちゃん泳ぐべからず」という大きな黒札が掛けられていた。そう言えば小説「坊っちゃん」では主人公が風呂を泳ぐ描写があった。それを受けてのことだろうか、何ともユーモラスで嬉しくなる。

風呂から上がって体をよく拭いて着衣。620円のコースならその後、再び階段を上がって控えの間へ。すると、風呂上がりに気づいた係の方が輪島塗の天目にお茶碗を載せ、お菓子(せんべい)とお茶を運んできてくれる。45畳の広さを誇るこの広間は通称「坊っちゃんの間」と呼ばれ、畳の香りと木造の格子窓から漏れ入る温泉街の明かりが何とも言えない雅な雰囲気を作り出す。

霊の湯は2階と3階にある。2階は980円、3階は1,240円(個室)と神の湯と比べると少々割高感があるが、そのぶん、込み合う観光の繁期にも比較的ゆったりできる。それだけでなく、風呂に入ると大島石を使った浴槽は随分広く、素朴さに優雅さを加えている。風呂上がりにはお茶とお菓子のサービス付。その他、同じ階にある皇族専用の又新殿は入浴することはできないが、係の方の案内で観覧することができる(210円)。

道後温泉:イメージ2

湯上がり後、時間を見計らって「からくり時計」の見物に行ってみると良いだろう。それは伊予鉄道道後温泉駅の隣、観光会館前にある道後名物の観光時計。8時から21時までの毎時00分、その煌煌とライトアップされた時計は時を知らせる音楽とともに下方より持ち上がり、堅く閉ざされた扉がゆっくり開く。そして内部から登場するのはマドンナや赤シャツなど夏目漱石著「坊っちゃん」の登場人物の人形。そしてくるくると回りながら踊る可愛らしいパフォーマンスを披露してくれる。当日は雨模様ながら多くの傘がからくり時計前に集まり、その旅情溢れる光景にあちこちから歓声が上がっていた。

翌朝6時、道後温泉本館に向かった。早朝だというのに多くの人々が入り口の前に集まっていた。本館の一日は「刻太鼓」と呼ばれる太鼓の音で始まる(刻太鼓は環境庁(当時)の「日本の残したい音100選」に選出)。その情緒ある音の響きともに東の空が漆黒の闇より藍、青とゆっくり変化していき、町も次第に活気を帯びてくる。

-DATA-

場所:
愛媛県松山市
交通:
JR松山駅から伊予鉄道で道後温泉駅。または市バスで道後温泉行
泉質:
単純アルカリ泉
料金:
神の湯:
300円コース(6~23時 ※22時30分札止め)
620円コース(6~22時 ※21時札止め)
霊の湯:
980円コース(6~22時 ※21時札止め)
1,240円コース(6~22時 ※20時40分札止め)
駐車場:
道後公園北口付近に複数あり

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