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竹瓦温泉

Oct.16, 2001 ちょっと、砂風呂。

竹瓦温泉:イメージ1

別府といえば、古くから温泉保養地として知られている。東日本の熱海と並び、温泉の代名詞としても名高い。"東洋のナポリ"などとも呼ばれており、温泉の湧出量では随一の、ここ大分県別府市は、様々な趣向、多様な形態の温泉利用施設があることでも有名である。例を挙げると観光としての源泉「地獄めぐり」、泉色が変化する源泉、更には定番として温泉の温度を利用した料理など(ここでは地獄蒸しと呼ばれる蒸し料理や蒸しプリンが有名である)。そうした温泉利用施設のひとつに「砂風呂」がある。砂風呂にもいろいろあるが、ここ竹瓦温泉の砂風呂は、温泉の湯を利用して砂を暖める、という種類のものである。また、鉄道の駅から徒歩圏にあるというのも魅力のひとつであろう。今回は鉄道を利用したが、別府といえばカーフェリーのターミナルでもあり、かつ「やまなみハイウェイ」の入り口でもある。阿蘇山系をツーリングやドライブで楽しんだ後、フェリーの乗船待ちの合間に旅の想い出に浸りながらひと風呂。などという趣向もまた、旅の楽しみの一つであろう。砂風呂だけではなく、一般的な温泉浴場も併設されており、そちらは60円とかなりお手軽な値段である。午前6時30分から午後10時までと営業時間も長く、利用者を気遣った姿勢を評価したい。

竹瓦温泉:イメージ2

JR日豊本線別府駅は、高架線、ホームは駅の二階部分にあるという構造のやや都会的な雰囲気だ。駅の一階部分には土産物店と、小さな駅ビルのような構造になっている。鉄道より山側に温泉旅館が多く、昭和の頃の歓楽街のような建物と、温泉から立ちのぼる噴煙が「温泉地」という語感に相応しい情景を構成している。鉄道の線路より南側は地方の港町といった商店街、公衆浴場などが立ち並び雰囲気は線路を挟んでかなり異なる。駅前に降り立つと、駅前のロータリー、タクシー乗り場では観光の案内を行っており、案内氏に呼び止められる。このあたりはいかにも温泉地らしく熱海などと同様の印象。駅前その他至る所に案内看板が立っているので、方角を確認してから歩きだす。

竹瓦温泉:イメージ3

駅前から直ぐ、50m程の通り沿いに駅前高等温泉がある(写真)。メインストリートに温泉があるというのも温泉地ならでは。この駅前高等温泉は宿泊も可能なのだから、浴場という呼び名からは少々雰囲気が異なる。近所に大衆食堂などもあるところから、商人宿と言おうか、旅人宿のような機能も持っているようで、過日にはさぞや繁盛していたのではないだろうかと思われる。この日もかなり賑わっていた。映画「男はつらいよ」で、寅さんの台詞に「温泉にでも行ってこいよ、別府か、それとも雲仙か?」という節があったことをふと思いだす。そんな雰囲気が漂う、この駅前高等温泉である。

竹瓦温泉:イメージ4

10分程歩くと竹瓦温泉に到着する。写真の通りの趣のある木造建築で、聞けば歴史は旧く、創業は明治であるという。そして、ここはまた公営の砂風呂という全国でも珍しい存在だ。長い年月を経て風格を感じる玄関をくぐると、開放型の下駄箱もまた銭湯という語感に相応しく、磨かれた木の床も黒光りしている。入浴料金は大浴場が60円、砂風呂が630円である。砂風呂の料金で大浴場の入浴もできる。早速、ガラスの小窓の向こうにいる係員さんに料金を支払うと、引き替えに小さな紙片を手渡される。広いロビー(という表現は似合わないのだが)を歩き、向かって左の砂風呂へと進む。これもまた懐かしい感じの模様の入ったガラスの引き戸を開けて階段を数段下りると、脱衣場と一体となった砂風呂浴場が現れる。中には鍵付きのロッカーが無いため、荷物はロビーのコインロッカーに入れるか、番台に預かってもらうと良いだろう。

竹瓦温泉:イメージ5

砂風呂の周囲は溝になっており、そこに温泉の湯が流れている。係員が鋤のようなもので砂を温泉に浸して暖めており、その暖められた砂を体の上に掛けてもらって横たわったまま温浴する、という方式である。屋内であるのと、男女別であるのとで、指宿などの砂風呂とは異なり裸のままで入浴する。さて、僕も順番を待って入浴。砂の上に横たわり、ゆっくりと砂を掛けてもらう。温度はかなり高く、砂の重みで圧迫されて早くも動脈が波打ち始める。体が砂で汚れはしないか、という心配もあったが、温泉の湯で洗われているせいか、砂というよりは細かい小石といった感じで、泥汚れの心配は無さそうだ。体に付いた砂は払えば落ちるし、この砂風呂の脇に洗い場があるので、気になるようならそこで洗えば良い。砂を掛けてもらって10分程が適当な入浴時間とのことだが、僕は5分程で既に全身が脈打って来た。横になった時に正面に見える大時計で10分をどうにか我慢し、砂から出ると体が軽くなったような気がしたのは、温浴の効果だろうか。「砂湯」と書かれた浴場を出、広い板張りのロビーでしばし休憩した後、海辺でも歩こうか、と外に出た。

竹瓦温泉:イメージ6

木の温もりが鳥にとっても親しみやすいのか、竹瓦温泉の軒には鳩が羽根を休めていた。鳩は、傍らの花を啄んだり、飾り物の紙片をつついたりと、愛らしい動作を繰り返している。東の熱海、湯河原などの温泉地のように、この地もまた山海が迫った地形である。それゆえ、別府周辺では山の幸、海の幸などにも恵まれていると聞く。目前、海峡の魚介類が美味である事などは広く一般に知られているところ…などと思いながら、青空と蒼い海を眺めつつ海岸の散歩を楽しんだ。

竹瓦温泉:イメージ7

裏通りに足を運べば写真のような公衆浴場が何軒もある。通り掛かりに見かけただけでも2軒はあり、どちらも駅からそう遠くない所に位置している。そのうちの 1軒は、駅前通りの公園内にごく当たり前のように建っており、そのあたりは流石に温泉地であると感心させられた。今回は、砂風呂の火照りがいつまでも冷めないので湯に入るのは見合わせたが、近いうちにまた来訪しようと心に決めた。別府というと、どこか港街ブルース的なイメージを思い描いていた筆者であったが、今回の旅行では認識を新たにすることができた。開放的な海沿いの雰囲気に似合う、この竹瓦温泉周辺。次回はオートバイで走り、緑深い山々の香りにも触れてみたい…。そんな気持ちにさせられた、別府の温泉地であった。

-DATA-

場所:
大分県別府市元町
交通:
JR日豊本線別府駅より徒歩10分
駐車場:
周辺あり。
トイレ:
あり。
泉質:
男湯/含食塩土類重曹泉
女湯/含食塩土類炭酸鉄泉
効能:
男湯/ リウマチ、神経痛、皮膚病
女湯/神経痛、婦人病、リューマチ
飲用:
男湯/胃腸病、糖尿病
女湯/貧血
料金:
「砂湯」630円  午前8時から午後8時30分まで
※午後0時及び午後4時45分から30分間の休憩あり
「普通温泉」60円 午前6時30分から午後10時まで
参考:
TEL 0977-23-1585

玄武温泉

Oct.14, 2001 「足湯っこ」でHot足休め。

玄武温泉:イメージ1

食堂で、おばさん達のお喋りを小耳にはさみました。「ねえ、足湯っこって知ってる?最近できたらしいんだけど」「知ってる知ってる、テレビでやってたもん。玄武洞のとこころでしょ」なに、足湯?するともしかして温泉か。しかも玄武洞とな。ならばさほど遠くない。これはぜひとも行ってみねば……。「玄武洞」は、高さ80メートル、幅200メートルにもわたって巨大な岩石群が並ぶ景勝地で、国の特別天然記念物にも指定されていました。ところが、さる平成11年9月、多発する岩手山の火山性地震のため、崩落してしまったのです。さては危機感をつのらせた土地の観光協会が、起死回生を狙って新たな観光スポットを造成したのであろうか?想像力をたくましくしつつ、またもや車を走らせることと相成りました。

玄武温泉:イメージ2

東北自動車道を盛岡I.Cで下り、秋田方向に向かいます。途中、つなぎ十文字の交差点を過ぎ、JR秋田新幹線(田沢湖線)の線路をまたいでしばらく行くと、雫石町郊外の谷地交差点に出ますので、右折してください。とは言ってみたものの、この交差点の入口が小さくて、ちょっと見えにくいのですね。地図や道路標識でよく確認して、間違わないように侵入してください。県道212号線の標識が見えたら大正解。そのまま直進してください。目の前にそびえる岩手山に突撃するようなつもりで車を走らせます。右折してから十数分といったところでしょうか、やがて左手に葛根田川の流れが見えてきたら、もう、ほんの少しで到着。橋のたもとに有る、歓迎の看板が、出迎えてくれるでしょう。

玄武温泉:イメージ3

さて、右手をごらんください。足湯っこと書かれたのぼりが、何本もパタパタと風にたなびいています。その中に車を割りいれてみると、ありました。広場のただなかに真新しい、木製の東屋のようなものがしつらえてあります。人が二・三人、腰掛けて談笑しています。皆、中央の茶色い液体の中に足を突っ込んでいる。なるほど、これが噂の足湯っこか。車をおりて近付いて行きました。建物の脇に看板が有り、玄武温泉新湯の源泉をそのまま流していること。維持管理費として、中学生以上1回100円の寄付を入れてほしいことなどが書かれてあります。看板下の募金箱にお金をいれて、さっそくためしてみることにしました。靴下を脱いでズボンをたくし上げ、縁台に腰掛けて足を湯の中に突っ込みます。

玄武温泉:イメージ4

あたたか~い温泉の刺激がじんわりと広がってきて、とてもいい感じ。前方は勇壮な断崖絶壁となっており、目を楽しませてくれます。紅葉しはじめた木々の中ほどから岩場がのぞいており、滝が流れ落ちています。そこからできた小さな虹が、秋色にそよぐ風にゆれて、とてもきれい。そんな景色を眺めながら、しばらくの間、のほ~んとしておりますと、後ろから何やら人の気配がします。いつの間にか、ぞくぞくと車がやって来て、それとなく順番待ちをしていたのですね。いやあ、さすがテレビの影響は大きい。早々に退散して、席を譲ることにしました。

玄武温泉:イメージ5

もちろん玄武温泉は、足湯っこばかりではありません。周囲にはちゃんとした温泉宿が何軒もあり、普通のお風呂や露天風呂も楽しめます。スキーやドライブ、釣り、紅葉狩りなどの拠点として人気が高いとのこと。周囲の景色もとても素晴らしいので、じっくりと温泉を味わいたい向きは、ぜひそちらを利用してみては。なお「足湯っこ」という言葉についてですが、岩手の方では古くから、何でも名詞のお尻に「……っこ」とくっつけて呼ぶ習わしがあります。馬=うまっこ、牛=べご(牛のことです)っこ、猫=ねごっこ、といった感じですね。ほのぼのとした方言ではありますが、やはり若い人はあまり使わないようですね。

-DATA-

場所:
岩手県雫石町
交通:
北自動車道を盛岡I.Cで下り、秋田方向へ。
国道46号線から県道212号線に入り、10キロほど直進。
駐車場:
有り
トイレ:
「足湯っこ」の建物自体には無し。
付近に温泉宿がいくつもあるので、借りることは可能でしょう。
料金:
中学生以上100円(ただし維持管理費として)
利用時間:
9:00~17:00
泉質:
ナトリウム炭酸水素塩含食塩化物温泉
効能:
慢性関節炎・リウマチ・神経痛

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