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切明温泉

Nov.26, 2000 手掘りで作る河原の温泉

切明温泉:イメージ1

長野県と新潟県の県境に南北に走る深い谷を秋山郷と呼んでいます。切明温泉は秋山郷の魚野川と雑魚川の合流地点の川床から湧き出る温泉で、豪雪地帯に位置する秋山郷は冬になれば積雪が3m以上あり、交通が発達する以前は交流が途絶えるほど自然環境が厳しい場所でもあります。11月下旬に入ると秋山郷周辺は道路規制が始り、雪が降れば出かけるチャンスがなくなると思い、11月最後の休みに河原を掘って自作の野天風呂に挑戦です。

切明温泉:イメージ2 切明温泉:イメージ3

上信越自動車道を新潟県に向かって進み、豊田飯山ICより国道117号線を経由して秋山郷を目指します。長野県と新潟県の県境にある志久見川を渡ってからすぐに右折をして南に向かい、集落の中を通り抜け鳥甲牧場を目指して進みます。道端には小さい看板ながらも秋山郷の表示もされており迷うことはないです。峠を登り切った場所に鳥甲牧場があり、目の前に広がる谷が秋山郷です。ガードレールがない切り立った崖にそって車を進ませます。対岸に見える国道 405号線がありますが、谷が深い為、対岸に行くことができません。しばらくすると鳥甲山登山口が見えてきました。現在位置を確認してから目的の切明温泉に車を進めます。30分ほど山道を走った頃やっと目的の切明温泉が見えてきました。山の中を20Kmほど車を走らせ途中に出合った車は3台と猿1匹。もしもと思いながらの心細いドライブになりました。

切明温泉:イメージ4 切明温泉:イメージ5

保養センター雄川閣に車を停めさせてもらい片手にスコップを持ちながら河原に足を運びます。先客が結構いたようで河原はそれなりに穴が掘ってあり、源泉らしき場所の水温は約54℃ほどあります。約30mほど上流で穴を掘り水温を計測してみると約10℃。魚野川の水温が10℃だったのでこの近くでは湯が沸いてないようです。誰かが掘った穴に足を入れてみると少し熱いが川の水を入れながら温度調整をすれば野天風呂の完成です。しかしいざ入ってみると川の水の調整が非常に難しい。突然冷たくなったり、熱くなったり四苦八苦しながら体はポカポカしてきます。魚野川のせせらぎと野鳥の声が一体となって心地よい時間が過ぎてゆく。川の水面とほぼ同じ目線で見る光景は今までにない景色だったが、気になるのが次々と訪れる人達。「何処を掘る?」なんて声が聞こえ、スコップ片手に肉体労働をしている姿は何故か変です。

切明温泉:イメージ6

切明温泉を後にして国道405号線を進みます。来た道から見えた国道405号線は行きと違いカーブが多く、すれ違い困難なカーブが続いていきます。切明温泉から約7Kmほど下った場所に集落が見えてきました。お土産屋さんで団子を頂きながら話しを聞いていると、今年はまだ1cmほどの積雪が2回あったそうで、本格的に降り始めれば約3mほど積もるようです。

切明温泉:イメージ7

国道117号線を目指して車を進ませると突然目の前にカモシカが現れた。カモシカも不思議そうな眼でこちらを見ていますが、しばらくすると何もなかったように山の中に消えて行きます。久しぶりに見る野生のカモシカは意外と小さく、冬に向かって越冬する為に里に下りてきたのか?それともこの近くに住んでいて、たまたま出合えたのかは不明です。

切明温泉から約30Kmほど下ってくると秋山郷は終わりです。国道117号線が目の前に現れた時に何故かホッとしながら帰路に着きました。

国道405号線沿いにはガソリンスタンドが2件しか確認できませんでした。国道117号線から2Kmと23Kmの地点にありましたが、奥にあるガソリンスタンドは休みでした。往復で50Km以上あり急勾配の続く山道なので給油は万全にしたほうが良いでしょう。また閉鎖されている道路が多数ありますので充分確認してから出かけることお勧めします。

-DATA-

場所:
長野県下水内郡栄村
温泉名:
切明温泉
泉質:
カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉
効能:
外傷、火傷、リュウマチ、婦人病、筋肉痛、胃腸病
交通:
上信越自動車道 豊田・飯山ICより国道117号線、国道405号線を経由して秋山郷
関越自動車道 塩沢・石打ICより国道353号線、国道117号線、国道405号線を経由して秋山郷
駐車場:
保養センター雄川閣(無料)
トイレ:
保養センター雄川閣(無料)
問合せ:
栄村観光協会:0269-87-3333
秋山郷観光協会:0257-67-2202

尻焼温泉

Nov.18, 2000 川全体が野天風呂

川の底から湯が湧き出ている尻焼温泉。ここを流れる長沢川をせき止め川全体が野天風呂になっており、お尻を川砂に埋めて治療したところから尻焼温泉と名がつけられたそうです。各地の山々から雪の便りが聞こえる中、本格的に雪が降る前に川床から湧き上がる尻焼温泉を見に出かけました。

尻焼温泉:イメージ1

上信越自動車道、上田菅平ICより群馬県に通じる国道144号線を長野原の標識を目指して進んでいきます。しばらく道なりに進むとJR吾妻線が見えてくるので、JR長野原草津口の手前にある国道292号線を経由して国道405号線を野反湖方面(六合村)に進みす。国道292号線は草津町方面と野反湖方面(六合村)に分かれているが、必ず野反湖方面(六合村)を通りたい。草津温泉を経由して国道405号線に行くことができますが、長い下りと急なカーブの為あまりお勧めできない。国道405号線をしばらく走ると白砂川が見えてきます。川底にある石は鉄分を多く含んだ水の関係ですべて赤茶けていて川全体が異様な光景です。さらに進み花敷温泉、尻焼温泉の看板を左折して花敷温泉を通り越し10分ほど車を走らせれば尻焼温泉が見えてきます。

尻焼温泉:イメージ2

花敷温泉の駐車場に車を停め300m先にある露天風呂に向かいます。温泉街を通り抜け長笹川沿いに30秒ほど歩けば、川全体に人が入っている光景が見えてきます。川に下りる階段を下ると質素な脱衣所がありますが、その他には何もありません。温泉と言うよりも川なので水着を着用している人と着用してない人がいます。ほとんどの人が水着を着用して川の中に入っているが、女性でも水着を着用せず入っている所を目撃しました。脱衣所を使わずに堂々と服を脱ぐカップルにはビックリ。よほど露天風呂に慣れているのでしょうか?

尻焼温泉:イメージ3

しばらくしてから上流にある根広砂防ダムに足を向けました。長笹川上流(ダム下)は川原の石が赤くなく鉄分が多いようです。しかし山の天候が急に変わり雨まじりの雪が降り始め、志賀高原に通じる横手山は真っ黒です。車のタイヤがノーマルタイヤ為、突然の雪に慌てて帰路に着きました。

尻焼温泉:イメージ4

尻焼温泉は自然の川をそのまま使用してる為、川が増水している場合や雪解け水が増えてる時は入浴が難しそうです。事前に川の様子などを確認してから出かけることをお勧めします。また雪が降りやすい場所なので通行可能か道路チェックをしたほうがよさそうです。

-DATA-

場所:
群馬県吾妻郡六合村
温泉名:
尻焼温泉(河原野天風呂)
泉質:
カルシウム・ナトリウム硫酸塩塩化物温泉
効能:
神経痛、皮膚病、痔疾
料金:
無料
交通:
関越自動車道 渋川伊香保ICより国道353号線、国道145号線、国道292号線、国道405号線を経由して尻焼温泉
上信越自動車道 上田菅平ICより国道144号線、国道292号線、国道405号線を経由して尻焼温泉
問合せ:
六合村役場(くにむらやくば)
0279-95-3111

川原湯温泉

Nov.18, 2000 ダムに埋もれる川原湯温泉と吾妻渓谷

川原湯温泉:イメージ1

平成18年に八ツ場ダム完成により水没予定の川原湯温泉。関東首都圏の水害対策の為に消えてしまう温泉街と吾妻渓谷を自分の目に焼付けておきたいと思い、紅葉の終りかけている上州に向かいました。

川原湯温泉:イメージ2

上信越自動車道、上田菅平ICより群馬県に通じる国道144号線を長野原の標識を目指して進んでいきます。しばらく道なりに進むとJR吾妻線が見えてくるので、そのまま進み国道145号線を経由して川原湯温泉駅を目指して進みます。途中、長野原草津口駅と川原湯温泉駅の間にある八ツ場ダム広報センター「やんば館」に寄れば水没する地形の模型や周辺のトレッキングコースを記載したパンフレットを貰うことができます。

川原湯温泉:イメージ3

やんば館で頂いたパンフレットを片手に最初に向かった場所は渓流コース。吾妻渓谷を横目に見ながら歩こうと思ったがコースの入口には立入り禁止の看板が立っております。仕方が無いので国道沿いから鹿飛橋に向かいました。渓谷の幅は約3mで高さが50mほどあり、その昔、鹿が飛んで渡っていたので鹿飛橋と名づけられたそうだが、実際岩の上に立ってみると3m以上あるような気がします。

川原湯温泉:イメージ4

来た道を戻り川原湯温泉を目指します。800年の歴史が作り出した温泉街を歩きながら雰囲気が漂う共同湯「玉湯」が見えてきました。しかし入口には10時からの営業と書いてあったので入ることができません。せめてもと思い隣の湯煙が上がっているところで、硫黄の匂いで温泉気分に浸りながら立っていました。地元の人の話だと、ここ川原湯温泉は完全に水没してしまう為、新しい源泉を掘り少し上流に移動するようです。ダムができるおかげで標高が高い場所に移動するなど想像できず、今いる場所も数年後には水の中になってしまうと考えると非常に残念です。

川原湯温泉:イメージ5

ダムの完成後、吾妻渓谷は残りますが水量が半分以下に減り今と感じが変わると思います。平成18年にダムが完成するみたいですけど、工事が本格的に始めれば道路、水質、水量など変わり今と同じ状況が見れなくなると思います。またJRに乗れば、川原湯温泉駅と岩島駅の間に日本一短いトンネル(7.2m)も体験できますが一瞬すぎて分からないかもしれません。残された時間で吾妻渓谷周辺と川原湯温泉を探索してみてはいかがですか。

-DATA-

場所:
群馬県吾妻郡長野原町
温泉名:
川原湯温泉
泉質:
含食塩石膏硫化水素泉(硫黄泉)
源泉温度:
72℃
効能:
胃腸病、神経痛、婦人病、リウマチ、慢性皮膚病など
共同湯:
玉湯
時間:
10時~17時
料金:
300円
共同湯:
聖天様(露天風呂)
時間:
6時30分~21時(混浴)
料金:
無料
交通:
関越自動車道 渋川伊香保ICより国道353号線、国道145号線を経由して川原湯温泉駅
上信越自動車道 上田菅平ICより国道144号線、国道145号線を経由して川原湯温泉駅
問合せ:
川原湯温泉組合
0279-83-2591
やんば館M
0279-82-0279

三朝温泉「河原露天風呂」

Nov.07, 2000 24時間入浴可能な青空露天風呂

三朝温泉「河原露天風呂」:イメージ1

中国地方にトライアングル状に点在する無料露天風呂をめぐるバイクの旅もいよいよ佳境となった。ダイナミックな露天風呂が自慢の湯原温泉、「洗たく場」の風習が残る庶民派の奥津温泉をめぐり、最後に残られた三朝温泉へ向かった。三朝温泉はラジウム含有量世界一と言われる療養温泉で「山陰の名湯」と謳われている。奥津から国道179号を北上、中央分水嶺となる人形トンネルを抜けて鳥取県へ入る。さすがに一日三湯を制覇するのは無謀か!?と途中で一度は諦めかけたが、温泉でふやけた身体にむちを打ち、どうにかこうにか夕が暮れる前に三朝温泉へたどり着くことができた。

三朝温泉街の真ん中を悠々と流れる三徳川、その河原につくられた露天風呂は三朝のシンボル的存在となっている。露天風呂の上に架かる橋にさしかかったところで、路肩でバイクの荷物を解いている人の姿が目に留まった。声をかけると山口県をツーリングしてきた帰り道で、丁度今から露天風呂に入るところだという。それなら一緒に入ろうと意気投合「お湯は道連れ」と相成った。この露天風呂、人通りの多い橋や周りのホテルから丸見えだというのにキチンと囲われた脱衣所もない、簡素なよしずがポツンと立っているだけというシンプルさ。でも、中途半端に隠れているよりはこの方が開放的で露天風呂らしいし、健康的でいいと思う。水着の着用が禁止されているので女の人が入るには勇気がいるが、どうしても入りたいという女性やシャイで裸を見られたくないという男性は日が暮れてからの入浴をおすすめする。露天風呂は岩を重ねて造られた湯船がふたつ連なっており、橋側から見て奥の方が熱くなっている。一度に入れるのは10人くらいだろうか、湯船はあまり大きくない。

僕たちは恥じらいのない野郎2人組だが、周りに迷惑をかけてはならないので一応タオルを一枚腰に巻き付けてから湯船へ向かった。時間が早いのかそれとも日中は入る人は少ないのか、僕たち以外に入浴客はなく、嬉しいことに貸し切り状態だった。足をゆったりと伸ばし、大空を眺めながら浸かる露天風呂は格別だ。気分の良さに調子に乗って大阪の大学生T君と海外旅行の話を長々としていたら、「ゴホゴホ…」と T君が咳を始めた。どうやら長湯で咽せてしまったらしい。時間が経つのも忘れてしまうほど、気持ちのいい露天風呂だということだ。30分ほど温泉を楽しむと、ふたりは大満足でそれぞれの目的地へと向かっていった。

これで一日三湯無料温泉のはしごを達成。が、さすがに一日で回るのはきつかった…。三回も服を脱いだり着たりしてるんだからな、勿論バイクで移動もしているし…。疲れを癒すための温泉で逆に疲れていたのでは本末転倒だが、たまにはこんな日があってもいいだろう(笑)。何事も度が過ぎては行けない、ということを身を持って知ることとなった。北海道以外で無料の温泉が集中しているのはこの近辺ぐらい。とても貴重な存在なのでみんなが気持ち良く、そして末長く温泉を楽しむためにマナーを守って入浴しよう。また、これをきっかけに個性派の3湯、湯原、奥津、三朝にも是非訪ねて欲しい。この3つの温泉に浸かればきっと「中国地方に名湯なし」という誤った固定観念は吹っ飛ぶはずだ。

-DATA-

場所:
鳥取県東伯郡三朝町
交通:
中国自動車道路の院庄インターから国道179号に入り倉吉に向かって北上、インターチェンジから約60km。若宮の信号を右折して県道21号・鳥取鹿野倉吉線に入り三朝温泉方面へ向かって約4km。
駐車場:
なし
<トイレ:/dt>
なし
入浴料:
無料
近くの観光スポット:
倉吉、東郷湖、鳥取砂丘

湯原温泉「砂湯」

Nov.07, 2000 巨大なダムが背後に聳える露天風呂西の横綱

中国地方、岡山県北部と鳥取県の県境周辺には温泉マニアとってはたまらない「無料温泉トライアングル地帯」が存在している。知る人ぞ知るで、何と直線距離にして半径30km以内に無料で入れる温泉が、湯原、奥津、三朝と三カ所も存在しているのである。そんな噂を小耳に挟んでからというもの、温泉好きの僕はウロウロソワソワ…いても立ってもいられなくなってしまった。「あれ!?」と気が付いたときにはハンドルを握り、「おおおっ」と叫んだときにはトライアングルの入口となる湯原温泉に向かってバイクを走らせていた。「ホントに温泉が好きなんだなぁ~」ヘルメットの中で笑った。

倉敷から北上、国道313号線で湯原温泉入口に到着。夜遅くなってしまったのでキャンプで一夜を過ごし、翌日の朝一番で温泉に入ることにした。僕は利用した国道313号は蛇行する川と平行して走るルートで、ゆっくりとライディングを楽しみたいライダーにおすすめのルートだった。お金のない僕は下道をひたすら走り続けたが、とにかく一秒でも早く温泉に浸かりたいという人は広島市内や関西方面なら中国自動車道路と米子自動車道路を乗り継いで、岡山市内なら岡山自動車道路と米子自動車道を使用すれば短時間でアクセスすることができる。この場合最寄りのインターチェンジは「湯原」となる。国道から湯原温泉方面へ左折。温泉旅館が建ち並ぶ川沿いの道をダム方向へ向かって数分走ると、車輌は侵入禁止の標識が現れる。そこからさらに川沿いの道を3~5分歩いた先、河原へ降りたところに湯原温泉「砂湯」があるのだが、あわててその場にバイクや車を乗り捨ててないように。100m位手前に河原につくられた大きな駐車場があるので、少しだけ引き返そう。

湯原温泉「砂湯」:イメージ1

屋根付きの掃除の行き届いた脱衣所で重ね着で膨れ上がった服を脱ぎ去ると、まずは一番手前にある湯船へゆっくりと歩を進める。2、3杯かけ湯をしてお湯を身体に馴染ませてから湯に身体を沈めと「ふ~っ」と思わずため息が出る。今朝は冷え込みが厳しかっただけに五臓六腑に染み渡るように気持ちいい。この露天風呂のお湯は地面のジャリや砂の間から湧き出して来たもので、源泉の湯という贅沢さである。自然岩で造られた湯船が3つ、それぞれ湯温が異なっている。ぬるい方から順番に入る方がツウで健康にもいいらしいが、僕はそんなことはお構いなしに気分で移動する。ちょうど紅葉の時期で周りの山々は鮮やかに紅葉、山は毛糸のセーターを着込んだような美しさだった。視線を川の上流へ移すと巨大なダムが聳えている、紅葉とダムに囲まれながら浸かれる温泉もそう多くはないだろう。自然に囲まれた野趣味溢れる魅力な露天風呂だった。

湯原温泉「砂湯」:イメージ2

上機嫌で服を着込み脱衣所を出ると、入口の横に誰が決めたのかは知らないが「露天風呂番付」なる表が立てられていた。これは面白いと興味津々でのぞき込むと、西の横綱には堂々「湯原温泉の砂湯」が名を光らせていた。個人の好みもあると思うが、「ううん、なるほどねぇ」と僕的には納得できるものだった。豊かな自然に囲まれた雰囲気といい、行き届いた管理といい、そして何よりこれほどの露天風呂が無料で開放しているというのが素晴らしいではないか。さてさて、中国地方トライアングル温泉めぐり、次はどんな温泉だろう…

-DATA-

場所:
岡山県真庭郡湯原町
泉質:
単純温泉
交通:
米子自動車道路の湯原インターから国道313号に入り北上、インターチェンジから10分位
駐車場:
あり
トイレ:
あり
入浴料:
無料
近くの観光スポット:
蒜山高原、津黒高原

奥津温泉「共同浴場」

Nov.07, 2000 足踏みせんたくの風習が残る温泉

奥津温泉「共同浴場」:イメージ1

日本全国、無料温泉を求めて東へ西へ北へ南へバイクを走らせる。「○○○に無料で入れる温泉があるらしい…」という怪しげな噂を聞きつければどこへでも駆けつけるのが、スパマンかんいち。ということで今回は中国地方、兵庫県北部と鳥取県の県境付近に「無料温泉がトライアングルで存在している」という極上情報を入手、早速訪ねてみることにした。

まずは午前中にトライアングル温泉の第一湯となる湯原温泉を堪能、ほてった身体を風でさましながら、いそいそと奥津温泉へ向かった。県道56号・湯原奥津線で峠を2つ越え、吉井川と平行して走る国道179号に合流。中国地方を南北に走る道はどこも交通量が少ない、国道179号も類に漏れず走りやすい道だった。到着した奥津温泉は湯原温泉に比べるとこぢんまりとしていて庶民的な雰囲気。「さて、共同浴場はどこか?」と右へ左へキョロキョロと視線を泳がせながらバイクを走らせるが、それらしき建物がどこにも見当たらない。「あれ?おかしいなぁ~」と首を傾げている間に温泉街を抜けてしまった。これはまずいとあわててUターン、案内板を見つけようやく橋の下にあることが分かった。共同浴場の近くに駐車場はないようなので、200m位離れた共同駐車場にバイクを止める。バックから出したタオルを首に引っかけ、急ぎ足で温泉へ向かった。

奥津温泉「共同浴場」:イメージ2

国道から河原へ降りるとドアの上に「洗たく場」と書かれた建物が目に飛び込んでくる。どうやらここが共同浴場らしい。壁の塗装がボロボロと剥がれ落ち、かなり年代物のようだ。お世辞にも立派な浴場とは言い難いが、近くの人達が気軽に使っている、気取りのない庶民温泉であることは脱衣所の清掃具や注意書きを見れば一目瞭然だった。ドアを開いた途端、「おおっ、熊が入って来たのかと思ってビックリしたよ、ガハハハ…」と先客のオジさんから先制攻撃を受けた。まさか自分よりも熊のような風貌の人に言われると思わなかったので、おかしくてつられて僕も笑った。何だかすごくいい雰囲気。一緒に入っている楽しい人だと入浴も2倍楽しくなる。それが温泉のいいところ。この浴場は湯船が3つ縦に並んでいて、一番奥が最も熱く入口に近くなるほどぬるくなる。「洗たく場」の名前の通り、一番手前の湯船は洗たく用のお湯として使われていると壁に書かれていた。浴場と洗たく場がひとつ屋根の下にあるというのは初めて。何とも不思議な感じがする。残念ながら入浴中に洗濯をする人は現れなかったが、もしいたらそれはそれで風情があって良かったと思う。

ドアを出てすぐのところに小さな湯船がふたつ並ぶ露天風呂があるが、こちらはぬる過ぎてとてもじゃないが入れなかった。また、露天風呂の横に「『奇習』足踏みせんたくの由来」なるものがあり。それは奥津温泉には古くから伝わる風習「足踏みせんたく」のことが書かれていた。それはその昔、川のほとりから湧出している温泉でせんたくする婦女子に危害を加える熊や狼が多かったため、立ったまま見張りをしながら、また世間話をしながら踏み洗いをするようになり、それが奥津温泉独特の風習となったという内容だった。なるほど昔は洗濯をするのも命がけだったんだな。奥津温泉に浸かっていると、こんな風に「無料温泉トライアングルだ」と無邪気に喜んだり、ボーッと何も考えず温泉に浸かっていられることが、とんでもなく幸せなことに思えるのであった。

-DATA-

場所:
岡山県苫田郡奥津町
交通:
中国自動車道路の院庄インターから国道179号に入り北上、インターチェンジから30分位
駐車場:
あり
トイレ:
あり
入浴料:
無料
近くの観光スポット:
津山、蒜山高原

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