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蔦温泉

Aug.22, 2000 静かなところでのんびりしたい、という方にオススメ。

蔦温泉:イメージ1

静かなところでのんびりしたい、と思う方にはお勧めのこの場所。そうかといって秘湯というほど不便なところでもなく、微妙につりあいが取れているあたり、都会人には丁度良い。アクセルルートは二通りあり、JR東北本線青森駅から、もう一方はJR奥羽本線大館駅にてJR花輪線に乗り換え、十和田南駅にて下車。どちらの場合でもJR東北バス青森-十和田線で蔦温泉まで。今回は花輪線ルートで行く。この路線は単線非電化路線であり、旧式のディーゼルカーが走る様は昭和的である十和田南駅で気動車を降り、十和田-八甲田-青森を結ぶJRバスに乗る。このバスは「バス指定券」が必要なので観光シーズンは注意が必要だ(現地購入も可能だが)。十和田方面から向うと奥入瀬渓谷の翠の流れが美しく、渓谷沿いにバスは走っているので途中下車をしては歩いてみるのも良いかもしれない。バス停一つ歩いたとしても1Kmもないから、普段歩き慣れていない方でも臆する程の距離でもない。流れは思いの他激しく、鬱蒼と昼なお暗い渓谷にはカッコウの声、キツツキが幹をつつく音なども聞こえることがあったりもし、ここが深山なのだと思い返すこととなりより旅の実感を感じられるかと思われる。JRバスの場合、この区間はフリー乗降なので特に便利だ。バスの本数は一時間に一本ほどなのでトレッキングには丁度良い。

蔦温泉:イメージ2

渓流を離れ道路は山深く登ってゆく。30分程も走ると幹線を離れ蔦温泉へと道路は分岐する。さらに数分、山間に風格のある木造の建物が見える。そこが蔦温泉だ。最近、鉄筋の新館が併設されたので、山間でも快適なリゾート気分を味わいたいという方はそちらを選ぶもよし、本館は木造建築の古い旅館風なので、大正情緒を味わいたい方はそちらを選ぶもまたよし。二人部屋は概ね個室形式で、襖仕切りなどということは無いので安心である。

ここの温泉は、透明なお湯で純水に近い成分のようで、かなり熱い湯が浴槽の底からじかに沸きだしている。東北地方によくある形式で浴槽の底に間隙がありそこから湯が沸きだしてくるという他の地方ではあまり見られない形式である。旅館玄関脇に旧大浴場があるが、最近、奥手に新しく浴場が新設された。[泉響の湯]と名付けられている浴室に入ってみると、青森ヒバを使用しているかと思われる天井の高い浴室は吹き抜けがあり、深夜などは多少怖くなる程の静寂..時々木々が風に揺れる音なども聞こえ旅情をそそる。広さは、新浴場の方はスカッシュのコートくらい、旧の方は小学校の教室くらい。なお、混浴ではないので女性はご安心を。また、旧浴場の方は日帰り入浴も可能。荷物は帳場で預かってくれるが、ロッカーというか昔の銭湯のような鍵つきの物入れがあるので、特に細心な方でも安心であろう。

蔦温泉:イメージ3

さて。湯上がりに火照りを冷やす..などと興ずるのも良い。旅館周辺は小高い丘になっており、散策路というにはすこし険しいハイキングコースがある。およそ 3km程だが、一周するには一時間くらいは見ておいた方が良い。旅館裏手から出発するとすぐに「ひょうたん沼」に着く。ここは春の時期には水芭蕉の群生が楽しめるそうである。湿原の植生などを楽しみながらしばらく歩くとおよそ20分程で周囲100m程の池に達する。旅館のパンフレット表紙写真にもなっているこの池が「菅沼」で(写真参照)春の時期には多数の稚魚、オタマジャクシなどが群生しており、また野鳥などの声も聞こえたりもする。なぜかアヒルが棲んでいたりもして不思議にも思えるが..そのまま歩くと蔦沼というやや先ほどよりも広めの沼、というよりは池に近い景観の水辺には広葉樹が生い茂り、秋には紅葉が美しいそうだ。いずれの時期も軽いハイキング気分が旅館周辺で味わえるのは、なんとも贅沢なものである。しかし、水場はないので水は用意しておいた方が良いようだ。ちなみに、蔦温泉自体が冬季は閉鎖される(概ね11月~)なのでご注意を。

蔦温泉:イメージ4

館内に目を向けて見ると、本館も改築、増築が行われていることに気づく。本来の建物は帳場と二階部分までのようで、斜面沿いに屋内階段で昇る三階部分は昭和になってから増築されたもののようだ。この旅館は食事も部屋で取ることが出来るが、長い階段を使って給仕するのはかなり苦労が伴うのではないかと少々気の毒な気もする。新館の方は鉄筋作りのホテル形式なので、特に温泉情緒を味わいたいというのでなければそちらをの方が適当だ。階段も長く、エレベータ等も本館には無いので一階の温泉から三階の部屋までは階段を使ってかなりの距離を歩くことになるから、足に自信の無い方、お年寄りなどの方は避けた方が無難である。しかし、この階段を昇りながら、湯上りの素足に木の感触を感じつつ深山の風を味わうというのもまた乙なものではあるが...

蔦温泉:イメージ5

ご馳走という言葉がある。走り回って集める、という意であるようだが、この旅館の料理もその語感に相応しい者である。写真は少々見難いがお許しの程を。ゼンマイ、ワラビ、じゅんさいなどの山菜も地物だそうであるし、山奥であるのに「このわた」、「なまこ」なども食する事ができる。写真の料理は普通のコースで、宿泊代込みのもの。特に追加料理は頼んではいない。

蔦温泉:イメージ6

以上にご紹介したような山間の懐古的な温泉旅館であるので、静かな場所で落ち着きたい、または気軽にトレッキングなどを楽しみたいという方にはお勧めの場所である。八甲田山、十和田湖などの観光の時に立ち寄って数泊、などというのも興であろう。明治の文人、大町桂月が晩年を過ごした、とあるがなるほど文章を書くには適当な場所である。前記したが、冬季は道路が積雪で閉鎖されるのご注意の程。蔦温泉もその時期は閉鎖される。

-DATA-

場所:
青森県上北郡十和田湖町
交通:
JRバス東北 青森十和田線 蔦温泉 下車 徒歩0分
駐車場:
あり。
トイレ:
あり。
泉質:
単純泉。42℃~48℃、石鹸は使えます。
効能:
外傷、擦過傷、各種慢性疾患など。

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