御崎海浜温泉「浜の湯」
Jul.26, 2000 海岸にある庶民的な露天風呂

フェリーのデッキに駆け上がると、北海道がもう手が届きそうなところにまで近づいていた。何度体験してもこの瞬間は新鮮な気持ちになる。心のトリップメーターを0にリセットして上陸、走り出すと風がパリッと冷たかった。やっぱり本州とは空気が違うなと感じる。北海道でまず最初に目指した温泉はハンマーのように付きだした渡島半島の東の先にある御崎海浜温泉。道南の温泉としては湯の川温泉が有名だが、大きな温泉街よりも素朴な露天風呂が好きな僕はスタートは御崎海浜温泉の「浜の湯」と決めていた。

意気揚々と温泉へ向かっていると突然雨が降り出した。「これから温泉なのに…ついてないなぁ~」と文句を言いながら近くの道の駅へ飛び込む。軒先でレインウエアを着込んでいるとライダーが1台、2台と雨宿りに集まって来た。どうやら考えることは同じようだ。おしゃべりをしているうちに「一緒に温泉へ行こうか?!」と意気投合。旅は道連れということで連れ風呂(?)することになった。思わぬ仲間とバイクを3台連ね、恵山の懐で湯気を上げる浜の湯へと向かった。予想外の展開が旅らしい。「浜の湯」は海岸の防波堤の下にあるため見逃しやすく、5年前に来たときは見つけるのに苦労した記憶があったので、同じミスは犯さないように今回は慎重にバイクを走らせた。
「ここだーっ」今回はおよその見当がついていたので一発で発見する事ができた。大喜びでバイクを止める。ここなら防波堤があるため浴場から海を眺めることはできないが、屋根があるので雨でも安心して入れる。今日に打ってつけの温泉だった。湯船は6~7人位が入れる大きさ、脱衣所もキチンと整備されている。地元の人が管理しているのだろう、掃除が行き届いていて気持ちがいい。勢い良く脱いだ服を籠に押し込み、黄土色のお湯に身体を沈める。雨で身体が冷え切ったので体中の細胞がジワジワと蘇ってくる。やはり温泉に入るなら少し寒い位の気温が良いようだ。お湯はとろけるような気持ちよさだった。ライダーとおしゃべりをしていると、後から地元の人もやって来て露天風呂はさらに賑やかになった。地元の人はここができる前は山の上に共同露天風呂があったことや、地震の後しばらくの間お湯が濁って入れなかったことなど…温泉にまつわる話を色々聞かせてくれた。こんな話を聞くと浜の湯の愛着も一段と湧いてくる。ほとんどの無料露天風呂は下水道が完備されてないため、石鹸やシャンプーの使用は禁止となっているが、ここはOK。温泉ではお湯に浸かるだけではなく、できれば身体も洗いたい思っている僕とっては願ったり叶ったり。これといった大きな特徴がない露天風呂だが、逆にそんな素朴なところが「浜の湯」のいいところなのかもしれない。波の音が疲れた心を癒してくれる、いい温泉だった。
温泉を出るとそのまま3人で移動、キャンプ場で一緒にテントを張ることにした。夜遅くまでロウソクの明かりでおしゃべり、楽しい夜を過ごした。翌朝はそれぞれがそれぞれの目的地へ向かって出発。ライダー憧れの地は僕たちにどんな思い出をプレゼントしてくれるのだろう。今年の夏も北海道へ向かってたくさんのライダーが旅立って行く。
-DATA-
- 場所:
- 北海道亀田郡恵山町
- 泉質:
- 含土類-食塩泉
- 交通:
- 函館から国道278号で恵山方面へ、恵山町で御崎温泉方面へ右折、道道635号・元村恵山線に入って約10分
- 駐車場:
- あり。5台分位
- トイレ:
- なし
- 入浴料:
- 無料
- 近くの観光スポット:
- 恵山ほか
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