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海から戻りたてのキングサーモンを狙い撃ち!

Jun.2, 2009 キーナイ半島西南部・ホーマー・スピット・ラグーンのサーモン釣り

Nick Dudiak Fishing Lagoon

キーナイ半島南西部でのキングサーモン釣りのピークは例年5月下旬から6月中旬までだ。ただ、この期間中は毎日川で釣りができるわけではなく、一週間のうち土曜日の午前0時から月曜日の午後11時59分までの3日間が解禁となる。もちろん年や川によって解禁される曜日は増減する。そのため短い旅程で最大限に実釣時間を伸ばすには、計画の時点から入念な準備とリサーチが必要だ。そんなキーナイ半島西南部の釣り場の中でも禁漁の曜日が通常設定されないのが今回紹介するホーマー・スピット・ラグーン(Homer Spit Lagoon)だ。正式名はニック・デュディアック・フィッシング・ラグーン(Nick Dudiak Fishing Lagoon)と言い、通常は略して「ラグーン」とか「フィッシング・ホール」と呼ばれる。

この入り江は、波と自然の不思議な作用でカチェマック湾に形成されたホーマー・スピット(砂嘴)の一角にあるかつての船着場だ。ここに毎年キングサーモンとシルバーサーモンの稚魚が放流されており、2~3年後に成魚となって帰ってくる。キングサーモンの稚魚は、2009年現在、ニニルチック川の上流の採卵場で捕獲されたキングサーモンを使っている。稚魚は海に出て野生のサーモンと同じように回遊してここに帰ってくる。

サーモン釣り

今回私たちが釣りをしたのは火曜日で、周辺の河川はどこも禁漁だった。ホーマーの町から車で約15分、スーターリング・ハイウェーをそのまま進みホーマー・スピット・ロードに入ると、目の前にカチェマック湾の対岸の氷河や山々が目に飛び込んでくる。そして程なく左手にホーマー・スピット・ラグーンが見えてくる。釣り場の前の広い空き地が無料駐車場として解放されている。トイレも併設されているので安心だ。私たちが到着したのは13時。満潮は11時20分だったので、まだ入り江の水が海に向けて流れ出している時間帯だった。サーモンは、この流れを敏感に感知して外洋から入り江に入ってくる。私たちは迷わず入り江の水の出口付近へと向かった。すでに地元の釣り人が何人かいたが、誰も魚を釣り上げている様子は無かった。日によって、大きな群れが入る日と、そうでない日があるのは、川でのサーモン釣りと同じだ。1時間ほど釣りをすると潮が随分引き、先ほどまで川のように流れ出していた水も、サーモンが上がれないほどの浅い流れとなった。私たちはここで内側へ移動することにした。これは、今回の潮で新たに入り江に入り閉じ込められたサーモンを狙うためだ。中に入って2-3時間の間、これらの魚は活発に餌を追う。

サーモン釣り

入り江の中は流れが無いため、キャストしたらゆっくりとリトリーブする必要がある。サーモンのタナは水面から30-90cmの範囲だ。キングサーモンは群れで泳ぐ習性があるため、偏向グラスがあれば簡単に姿を確認できる。今回の案内役のギャリー・シンヒューバー氏(シルバーフィン・ガイドサービス代表)がすぐに小さな群れを発見し、その動きを読んでちょうど魚が通るところに餌が来るようキャストし、ゆっくりとリトリーブを開始した。するといとも簡単にキングサーモンが彼のハリに食いついた。合わせのタイミングは川とは異なり、筋子玉を使う場合でも遅合わせだ。アタリを感じたら少し糸を送り込んで3秒ほど数えてから思いっきり合わせる。タックルは川で使うものと全く同じでいい。私たちはいつものように#8、9フィートのフライロッドに、モノフィラメント30ポンドのライン、ボールベアリングスイベルを挟んでラインと同じ太さのリーダーを付け、ハリには2/0号のオーナー・ベイトフックを使用した。この道具仕立ては他の地域ではあまり見られないが、地元の釣り人の間では広く使われていてる。少しずつ魚を岸に寄せ、水に一歩立ち込んでからすばやく尾の付け根をつかみ、魚の頭部とエラを水の中につけながら魚体を横にすると、ギャリー氏はすばやくラジオペンチでハリを外して魚をリリースした。このキングサーモンは60cmほどの小型だったが、海から入りたての見事な銀ピカの魚だった。

ギャリー氏

すぐに次の群れが確認できたので、私も見よう見まねで筋子玉をハリに付けてキャストした。ゆっくりとリトリーブすると手元にガツンっ!と強烈なアタリがあった。ギャリー氏のアドバイスどおり、糸を送り込んでから思いっきり合わせると、ズシンという確かな手ごたえがあり、ロッドが満月に曲がった。続いて魚が一気に走り出し、リールからラインが出始めた。ドラグを調節しながら5分ほどファイトした後ようやく魚が岸に寄った。あれだけ遅合わせだったが、ハリはしっかりと口元に掛かっていた。決して大きくは無いが、海から入りたての魚ということもあり、私はキープすることに決めた。キープしてすぐ、レギュレーション(遊漁規定)に従い日付と釣り場と魚種をライセンスに記録した。計量すると9ポンド、小型だが見事なファイトを見せてくれた。ここでは一日一人当たり2匹のキングサーモンをキープしてよいことになっている。

サーモン

この後同じように群れが何度か回遊してきて、ギャリー氏がもう一匹小型のキングサーモンを釣り上げた。私は合わせがうまくいかず、2回ほどバラした。そのうち魚の活性が下がり、群れが回ってきてもアタリが無くなったので、この日の釣りを修了することにした。

この釣り場は、川に比べてレギュレーションが緩やかであることに加え、クマやムースなど野生動物に遭遇する危険性が無く、またカチェマック湾の氷河や対岸の山々の風景を楽しみながら釣りをできるのが魅力だ。釣り期は、キングサーモンが5月下旬から6月下旬、シルバーサーモンが7月上旬から9月上旬までとなっている。釣り方は基本的に川でのサーモン釣りと同じと考えていい。チャーター船(釣船)や川でのサーモン釣りの合間に是非訪れてみたい釣り場の一つだ。

-DATA-

えさ:
筋子玉と冷凍ニシンが地元のスーパーや釣具屋で入手可能。
タックル:
道糸、ハリスとも30ポンド。ハリスは20ボンド程度でもかまわない。ハリは餌用の2/0号。他に、ワンタッチウキ、スプリットショット7番から 2番、ボールベアリングスイベルが必要。すべて現地入手が可能。ロッドは、地元の釣り人はフライロッド8番9フィートに、ドラグのしっかりしたフライ用リールを取り付けているが、スピニングやベイトキャスティングでも対応可能だ。サーモンは意外に微妙なアタリを出すので、できれば柔らかめのロッドで釣りたい。
フィッシングライセンスの購入:
アラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)のウェブサイト(http://www.adfg.state.ak.us/)で購入できるほか、アラスカ各地の釣具屋、スーパーなどで購入が可能。私が今回購入したのは、非居住外国人用フィッシングライセンス及びキングサーモンスタンプ。2週間有効のもので、料金は合計130ドル。
レギュレーション(釣りのルール)および解禁日の確認:
アラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)のウェブサイト(http://www.adfg.state.ak.us/)で確認できるほか、アラスカ各地の釣具屋、スーパーなどで冊子を入手できる。また、現地に貼り出されている掲示も同時に確認し、間違いのないようにしたい。
タイドブック(潮の干満表)の入手:
この地域の釣りで欠くことのできない潮の干満表は、釣具屋、スーパーなどで入手できる。潮位にもよるが、満潮から約2時間後に入り江から水が流れ出す。この流れ出しが始まるまでに釣り場に入るのが理想。
フィッシング・ガイド:
シルバーフィン・ガイドサービス(http://www.silverfinguides.com)は、この入り江でも3時間程度のガイドをしてくれる。道具、ゴム長、餌を用意してくれるため、ファミリーフィッシングの際には心強い。
釣れた魚の冷凍保管と日本への持ち帰り:
ホーマー・スピットにコール・ポイント(Coal Point)という鮮魚加工場がある。釣れた魚を捌いて真空パックに入れ、出発の日まで冷凍庫で保管するという有料サービスを釣り客向けに提供している。受け取りの際に厚手の発泡スチロールに詰めてもらい、帰りの飛行機ではチェックイン荷物として持ち帰る。もし飛行機の出発まで時間がある場合は、アンカレッジ国際空港内の荷物預かり所の冷凍庫で有料にて保管してもらえる。2009年6月現在、アラスカからのサーモンの日本持込は制限されていない。チェックイン荷物の重量/サイズ/個数制限はエアライン各社に確認のこと。
場所:
アメリカ合衆国アラスカ州キーナイ半島西南部ホーマー・スピット・ラグーン
地図:

より大きな地図で アラスカ・キーナイ半島南部の釣り旅地図 を表示
交通:
アンカレッジ国際空港よりスワードハイウェー(Sward Highway)とスターリングハイウェー(Sterling Highway)を経由して車で約5時間。日本からアンカレッジへのフライトは、アメリカ本土・カナダ経由のルートが多く利用されている。私は成田~シアトル~アンカレッジのルートを利用した。
駐車場:
釣り場に併設(無料)。
トイレ:
釣り場に併設(無料)。

ついに釣れた!09シーズン最初のキングサーモン

Jun.1, 2009 キーナイ半島西南部・ディープクリーク・ハイウェー橋~2マイル標識

スターリング・ハイウェー橋上流

ディープクリークでキングサーモンを釣ることができるのは、河口からアラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)が設置した標識までの約2マイル(3.2キロ)の区間だ。前号「私にも釣れる!アラスカのキングサーモン」では、その下流側半分であるスーターリング・ハイウェー橋から河口までの間の釣り場を紹介した。今回は、上流側半分のスターリング・ハイウェー橋から標識までのエリアを紹介する。

スターリング・ハイウェー橋の上流側へアクセスするには、Deep Creek North(ディープクリークノース)というレクレーション広場に駐車する。ガイドのギャリー氏(シルバーフィンガイドサービス)の案内で、レクレーション広場の北の端から始まるトレイルを歩き出した。このトレイルの入り口はよく踏まれているので見間違うことはないだろう。最初は川の右岸を行くが、400mほどで一度対岸に渡る。通常の水位なら股下までのウェーダーで十分だ。左岸に移ると広々とした川原を歩く。さらに300mほど歩くと対岸に大きなコットンツリーの大木が見える。ここの瀬尻でもう一度右岸に渡る。トレイルは上流へと続いているが、私たちはこの場所で釣りをスタートすることにした。レクレーション広場からの所要時間はだいたい20分だ。

スターリング・ハイウェー橋上流

ギャリー氏はここを「ログジャムホール」と呼んでいる。ログジャムとは流木のかたまりのことだ。名前の通り、左岸には大小さまざまな流木が覆いかぶさり、複雑な流れと魚の隠れ場を形成している。そのスレスレを狙うが、魚が流木の下に入らないように気をつけなければならない。一投目は筋子玉から。これはどの場所でもかわらない。まずウキ無しで流し、そしてウキを付け、一通り攻める。アタリがなかったので、ギャリー氏のアドバイスによりニシンに切り替えた。

ニシン

このニシンは、釣具屋やスーパーで売られている釣り餌用のものだ。水中で回転するように頭部を斜めに切り落とし、縫い刺しにする。針先が必ず出ているようにし、またニシンの鱗などが針先についていないようチェックすることが大切だ。ニシンをタナに沈めるためにスプリットショットの2番を二つ付けた。これも地域の釣具屋で売られている。ニシンはにおいのもとである脂分を多く含み、また回転してスピナーのように光る。この組み合わせがキングサーモンの食いを誘うのだという。また水中で激しく回転するため、ボールベアリングスイベルは必須だ。

スターリング・ハイウェー橋上流

川の中ほどまで立ち込み、斜め下流、倒木のギリギリに仕掛けを投入する。少し沈ませてから少しずつラインを手繰り寄せる。ニシンが水流を受けて回転しているのが手元に伝わってくる。初めてこの釣り方を試すと、この回転の振動がアタリかと思ってしまうほどだ。開始して数キャスト目で手元に「ガツンっ!」と大きなアタリがあった。ここで魚に違和感を感じさせないために糸を送り込まなければならない。テンションを緩めすぎず、穂先を魚のほうに送り、続いて手元からラインを60cmほど、少しずつ送り込んだ。アタリがあってからだいたい5秒くらい経ち、思いっきりロッドを煽って合わせた。ラインは30ポンドなので、思いっきり合わせても切れることはない。口の硬いサーモンに大きな針を掛けるには、強く合わせることが大切とのこと。すぐに#8ロッドは大きく曲がり、続いてキングサーモンがアタマを左右に振る振動が伝わってきた。魚が流心へ走り出したので、私も岸に上がった。

最初のひと暴れが終わると魚は流心に入り、流れの力で抵抗しようとする。ここからはドラグとロッドの曲がりの両方を使って魚が弱るのをじっと待つ。もしロッドを寝かせてしまえば30ポンドのラインも簡単に切られてしまう。ファイティング・バットをおなかにあて、テコの原理でロッドを立てる。どんなに腕力に自信があっても、決して腕だけで魚とファイトしてはならない。またテンションをかけすぎると魚は流れに乗り一気に下流に走り出す。もし十分なテンションをかけなければ、疲れ知らずのキングサーモンはいつまでたっても岸に近づかない。その中間の力で保持することが大切だ。使用したリールはアメリカンクラシックの#5/6。アンチリバースで高機能なディスクドラグを搭載している。ガイドのギャリー氏はドラグのコルクとスプールの間にリチウムグリスを少量添付している。これによりドラグの動きはラインの量にかかわらずスムースになるという。魚を掛けてから約20分、ようやく魚が岸に近づいた。タイミングを見計らってギャリー氏が水に入り、針が口に掛かっているのをチェックして、「どうする?」と聞いてきた。キープしてよいのは口に掛かった魚のみ。水から魚を引き上げる前にそのことをチェックしなければならない。魚の大きさは決して大きくはないが、強烈なファイトで満足していた私はこの魚をキープすることに決めた。ランディング直後、レギュレーションにしたがい、ライセンスに釣り場と日にちと魚種を記録した。計量すると15ポンドあった。

キングサーモン

30ポンド級のキングサーモンが釣れる川なので、中型の部類に入るだろう。シーズン最初のキングサーモンとしては大満足の一匹だった。

釣果

ディープクリークでは、キングサーモンを1匹キープしたらその日の釣りを終わらなければならない。ギャリー氏と私はロッドを納め駐車場に向かった。

この地域のキングサーモン釣りは5月下旬のメモリアル・ウィークエンドから6月上旬まで。釣り場は北から、ニニルチックリバー、ディープクリーク、アンカーリバー、そしてホーマースピットだ。この日私がキングサーモンを釣ったのは、そのほんの僅かなエリアだ。ハイウェーから20分程度の場所にもかかわらず、他の釣り人はほとんど見かけなかった。この地域では、水上飛行機やガイド付きの高級ロッジを手配しなくてもサーモンフィッシングを楽しむことができる。アラスカに行く際はキーナイ半島西南部を一度訪れてみてはいかがだろうか。

-DATA-

えさ:
筋子玉と冷凍ニシンが地元のスーパーや釣具屋で入手可能。
タックル:
道糸、ハリスとも30ポンド。ハリスは20ボンド程度でもかまわない。ハリは餌用の2/0号。他に、ワンタッチウキ、スプリットショット7番から2番、ボールベアリングスイベルが必要。すべて現地入手が可能。ロッドは、地元の釣り人はフライロッド8番9フィートに、ドラグのしっかりしたフライ用リールを取り付けているが、スピニングやベイトキャスティングでも対応可能だ。サーモンは意外に微妙なアタリを出すので、できれば柔らかめのロッドで釣りたい。
フィッシングライセンスの購入:
アラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)のウェブサイト(http://www.adfg.state.ak.us/)で購入できるほか、アラスカ各地の釣具屋、スーパーなどで購入が可能。私が今回購入したのは、非居住外国人用フィッシングライセンス及びキングサーモンスタンプ。2週間有効のもので、料金は合計130ドル。
レギュレーション(釣りのルール)および解禁日の確認:
アラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)のウェブサイト(http://www.adfg.state.ak.us/)で確認できるほか、アラスカ各地の釣具屋、スーパーなどで冊子を入手できる。また、現地に貼り出されている掲示も同時に確認し、間違いのないようにしたい。
タイドブック(潮の干満表)の入手:
この地域の釣りで欠くことのできない潮の干満表は、釣具屋、スーパーなどで入手できる。
フィッシング・ガイド:
シルバーフィン・ガイドサービス(http://www.silverfinguides.com)は日本語対応あり。
釣れた魚の冷凍保管と日本への持ち帰り:
ディープクリーク、ニニルチック、ホーマーに、釣り客の魚を冷凍し預かってくれる業者がいくつか営業している。ピックアップする日に厚手の発泡スチロールに詰めてもらい、帰りの飛行機ではチェックイン荷物として持ち帰る。もし飛行機の出発まで時間がある場合は、アンカレッジ国際空港内の荷物預かり所の冷凍庫で有料にて保管してもらえる。2009年6月現在、アラスカからのサーモンの日本持込は制限されていない。チェックイン荷物の重量/サイズ/個数制限はエアライン各社に確認のこと。
場所:
アメリカ合衆国アラスカ州キーナイ半島西南部ディープクリーク(Deep Creek)、スターリングハイウェー橋(Sterling Highway Bridge)付近。
地図:

より大きな地図で アラスカ・キーナイ半島南部の釣り旅地図 を表示
交通:
アンカレッジ国際空港よりスワードハイウェー(Sward Highway)とスターリングハイウェー(Sterling Highway)を経由して車で約5時間。日本からアンカレッジへは、アメリカ本土・カナダ経由のルートが多く利用されている。私は成田~シアトル~アンカレッジのルートを利用した。
駐車場:
レクレーション広場「Deep Creek North」1日5ドル。
トイレ:
上記駐車場に併設

私にも釣れる!アラスカのキングサーモン

Jun.1, 2009 キーナイ半島西南部・ディープクリーク最下流部

Deep Creek

世界の釣り人が憧れるアラスカには無数のサーモン・リバーがある。しかし限られた日程で効率よく釣りを楽しむには選択肢を絞らなければならない。そんな中で特におすすめしたいのがキーナイ半島西南部だ。アラスカ旅行の基点であるアンカレッジ国際空港から車で約5時間、決して遠すぎず、また世界的に有名なラシアン・リバーのように混雑することも少ない。この地域の河川の川幅は5~15mほどなので、股下までのウェーダーで充分釣り上がることができ、ボートを手配する必要もない。今回はその1つであるディープクリーク(Deep Creek)の最下流部を紹介する。

本日の案内役は、アラスカ州登録フィッシング・ガイド「シルバーフィン・ガイドサービス」のギャリー・シンヒューバー氏と日本人アシスタントの開福太郎氏にお願いした。ギャリー氏はガイド歴10年のエキスパートだ。

ギャリー・シンヒューバー氏

釣りをしてよい範囲は、河口から2マイル(3.2キロ)地点にあるアラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)の標識まで。今回は手始めに、潮の干満の影響を受ける最下流部を狙ってみた。

駐車場は、Deep Creek South(ディープクリークサウス)というトイレつきのレクレーション広場を使用した。この駐車場からハイウェーを隔てて反対側に、河口へと続く小道の入り口がある。標識もあるのでわかりやすい。歩き始めから約5分は森の中だが、すぐに風景が開け、クック湾対岸のイリアムナ山やリダウト山が見渡せる広大な川原に出る。ここからは川沿いに歩く。程なくギャリー氏たちが「コディアック・ホール」と呼ぶポイントにたどり着いた。コディアック島の風景に似ていることから名付けたそうだ。ホール(Hole)とはポイントのこと。このポイント全長は200m程。最上流部は深瀬、続いてトロ場、最後にガンガンの瀬となっている。どの場所にも魚が付くが、流れのスピードにより攻略方法が異なるとのこと。

ここでギャリー氏から釣りのルールであるレギュレーション(Regulation)の説明を受けた。「①この地域で年間一人当たりキープしてよい20インチ以上のキングサーモンの総数は5匹、この川でキープしてよいのはそのうち2匹のみ。②この川で20インチ以上のキングサーモンを1匹キープした場合、その日の釣りをストップしなければならない。キープしたらすぐライセンスに記録しなければならない。」。さて、いよいよ釣りのスタートだ。私とギャリー氏はまずトロ場から釣り始めた。この地域で定番の餌となっている筋子玉をオーナーフックの餌針2/0号に付け、ヨリモドシを挟んで80cmほど上にウキを付けた。道糸、ハリスとも30ポンド。スプリットショットは7番をハリスの中ほどに付けた。棚は中層から下層だ。釣り始めてすぐにウキが消し込んだ。すばやく、そして思いっきり強くあわせたがなにも手ごたえが無かった。筋子玉を使う場合、通常早あわせを行う。またサーモンは口が硬いので思いっきり強くあわせることがコツだ。何度かあたりがあったが全てあわせ損ねた。

fish

そうこうしているうちに下の荒瀬でニシンの切り身を流れに乗せて釣りをしていた福太郎氏がキングサーモンを掛けた。ラインは筋子玉と同じだが、ウキを使わず、またニシンの切り身を流れに乗せるためにスプリットショットの2番を2つ使用していた。餌のニシンはこの地域の釣具屋で売られている冷凍のものだ。これを、スピナーのように回転させて食いを誘う。瀬の対岸に投げて、沈ませてから荒瀬を横切らせる。このとき、瀬の中に定位しているキングサーモンが猛烈にアタックしてくるのだ。ニシンを使う場合は遅あわせが基本。手元に強烈なあたりがあったら竿とラインを送り込み、ゆっくり3秒数えてから思いっきりあわせる。荒瀬だったこともあり、魚は一気に下へ走り出した。プレッシャーをかけ過ぎず、また糸を緩めず、ゆっくりと下流の瀬尻に寄せながら魚との距離を縮めていった。ハリに掛けてから約20分、ようやく魚が岸に近づいた。ギャリー氏が水に入り、ラインとテールを掴んで、頭部とエラを水の中に保持したまま魚体を横にした。こうすると魚は暴れず呼吸もできる。ハリが口の中に掛かっていることを確認し、キープすることを決めた。これは口の外にハリが掛かっている場合その魚はキープしてはならない、リリースする場合は魚体を水の中から出してはならない、というルールがあるためだ。魚を岸に上げてすぐナイフをエラ蓋の内側に入れ、血抜きを開始。脳部にも十字にナイフを刺して魚を絞めた。そしてライセンスに今日の日付、川の名前、魚種を記録し、福太郎氏はこの日の釣りを終了した。重さは24ポンド。海から遡上したばかりの見事なオスだ。私とギャリー氏も同じポイントをニシンで狙ったが、アタリはあるものの掛けることができず、このポイントでの釣りを終了した。

この地域のサーモンフィッシングは、高級ロッジやボートを手配しなくても手軽に楽しむことができるのが特徴だ。国際空港のあるアンカレッジからレンタカーで無理なくたどり着くことができる。またキャンプ場やモーテル、コインランドリー、スーパーマーケットもあり、日本人旅行者にとって旅がしやすい地域である。混雑も少なく、ゆったりとした釣りを楽しむことができる。アラスカ遠征を計画する際は、是非選択肢に加えたい地域だ。

-DATA-

えさ:
筋子玉と冷凍ニシンが地元のスーパーや釣具屋で入手可能。
タックル:
道糸、ハリスとも30ポンド。ハリスは20ボンド程度でもかまわない。ハリは餌用の2/0号。他に、ワンタッチウキ、スプリットショット7番から2番、ボールベアリングスイベルが必要。すべて現地入手が可能。ロッドは、地元の釣り人はフライロッド8番9フィートに、ドラグのしっかりしたフライ用リールを取り付けているが、スピニングやベイトキャスティングでも対応可能だ。サーモンは意外に微妙なアタリを出すので、できれば柔らかめのロッドで釣りたい。
フィッシングライセンスの購入:
アラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)のウェブサイト(http://www.adfg.state.ak.us/)で購入できるほか、アラスカ各地の釣具屋、スーパーなどで購入が可能。私が今回購入したのは、非居住外国人用フィッシングライセンス及びキングサーモンスタンプ。2週間有効のもので、料金は合計130ドル。
レギュレーション(釣りのルール)および解禁日の確認:
アラスカ州漁業狩猟局(Alaska Department of Fish and Game)のウェブサイト(http://www.adfg.state.ak.us/)で確認できるほか、アラスカ各地の釣具屋、スーパーなどで冊子を入手できる。また、現地に貼り出されている掲示も同時に確認し、間違いのないようにしたい。
タイドブック(潮の干満表)の入手:
この地域の釣りで欠くことのできない潮の干満表は、釣具屋、スーパーなどで入手できる。
フィッシング・ガイド:
シルバーフィン・ガイドサービス(http://www.silverfinguides.com)は日本語対応あり。
帰り:
冷凍し、帰国まで預かってくれる鮮魚加工場がいくつか営業している。ピックアップする日に厚手の発泡スチロールに詰めてもらい、帰りの飛行機ではチェックイン荷物として持ち帰る。もし飛行機の出発まで時間がある場合は、アンカレッジ国際空港内の荷物預かり所の冷凍庫で有料にて保管してもらえる。2009年6月現在、アラスカからのサーモンの日本持込は制限されていない。チェックイン荷物の重量/サイズ/個数制限はエアライン各社に確認のこと。
場所:
アメリカ合衆国アラスカ州キーナイ半島西南部ディープクリーク(Deep Creek)、スターリングハイウェー橋(Sterling Highway Bridge)付近。
地図:

より大きな地図で アラスカ・キーナイ半島南部の釣り旅地図 を表示
交通:
アンカレッジ国際空港よりスワードハイウェー(Sward Highway)とスターリングハイウェー(Sterling Highway)を経由して車で約5時間。日本からアンカレッジへは、アメリカ本土・カナダ経由のルートが多く利用されている。私は成田~シアトル~アンカレッジのルートを利用した。
駐車場:
レクレーション広場「Deep Creek South」1日5ドル。
トイレ:
上記駐車場に併設

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