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猿払原野のイトウ

Nov.08, 2002 最北の地に王者を求めて

山々の木々も葉を落とし、天気予報も各地で雪マークの日が多くなってきた。寒さに体がなじんでいないこの季節、釣りに出かけるには非常に辛いもの。しかし、そんな時がイトウの季節なのだ。上空に寒気が押し寄せ一晩で景色が一変するこの時期、人間も車も冬支度を万全にしての釣行となった。

深夜、札幌を出発。一路イトウの原野を目指し北上する。雪が降り始めるこの時期、突然アイスバーンが現れる。旭川を過ぎると交通量は疎らとなるが決して油断はできない。路面状況を確認しながら緊張したドライブが続く。走行距離も300kmを越え、ようやくオホーツク海に出た頃、水平線辺りがぼんやりと明るくなってきた。遠くに小高いなだらかな丘が連なり、あたり一面に平らな原野が広がる。この風景を見ると日本最北の町が近い事を実感する。目指すイトウの原野は間もなくだ。

猿払原野のイトウ:イメージ1

イトウは魚偏に鬼と書き、国産のトラウト類の中では最大の魚だ。古いアイヌの伝説によれば水を飲みに来た野うさぎを丸呑みにした…とのこと。その全長は最大 2mを越すとも言われ圧しも圧されぬ『王者』と言えるだろう。今回訪れたのはこの王者イトウを育む、猿払川だ。宗谷丘陵に源を発し、幾度も蛇行を繰り返しながら原野をゆったりと流れ、独特の風景を作り出している。

猿払原野のイトウ:イメージ2

到着してみると幸い冬型は一時緩んだようだが、先程から降り出した雨が強さを増してきた。明るくなるにつれて風も強くなっている。出掛けからどうも調子が悪かったのだが、道中の車内で乾燥しすぎてしまったのだろう。風邪がますますひどくなってしまった。はるばるここまでやってきたのに車外に出るのを体が拒んでいる。ここはひとまず様子を見よう…などと考えたのが失敗だった。すっかり寝入ってしまい、気が付けば11時。何しに来たのかわからない。大慌てで飛び起きて支度を始めた。雨は上がったものの、風も風邪も相変わらずだ。ダブルハンドロッドをセットし、川岸に立ってみたもののとてもフライが振れる状況ではなかった。ほとんど無理矢理飛ばしたフライに30cmほどのかわいいイトウが。さらにカワガレイも釣れてきた。この時点でダウンしてしまった。車に戻り、栄養ドリンクと解熱剤を補給。どうにも諦めの悪い私はルアーに切り替え再度川に向かった。さすがにキャストは楽だった。しかし狙ったところとはまったく違う所に飛んでいく。おまけにルアーが軽すぎて風に負け、浮いてきてしまう。今度はディープダイバーのミノーを使った。飛距離は遥かに落ちるが思った泳層だけはルアーを引けているようだ。一投ごとにステップダウンを繰り返し釣り下る。大きく蛇行した川が直線になるところに差し掛かったときだ。決して大きくは無いアタリがあった。その直後にズシッと重くなる。イトウだ!ゴクン、ゴクンと首を振ったかと思うと何事も無かったかのように平然と泳いで上流へ上っていく。キューンを糸鳴りをしたラインの先に一瞬大きな尾びれが見えた。これを見たとたんに余裕が無くなった。「頼むからガッチリ掛かっていてくれ!」足元から深い流れにはウェーディングができない。遥か遠くで釣っている数名は誰も私に気づく様子が無く、『誰かすくってくれないかなぁ…』などという甘えは無情にも崩れ去った。意を決して寄せてきた魚体に『動くなよ…』と祈りながらネットを出した。背中にぶら下げておくのが恥ずかしいほどの大げさなネットのお陰でスッポリと収まった魚体は82cm。とても満足な結果となった。

猿払原野のイトウ:イメージ3

イトウはタイメンと呼ばれるアジア大陸に広く分布するものと、北海道をはじめ、シベリア沿海州のごく狭いエリアのみに生息するものの大きく2種類に分けられる。ご承知の通りレッドデータブックにも記載されており、絶滅が心配される貴重な魚だ。比較的自然が残されている北海道と言えども残念ながらイトウが産卵できる河川はほとんど残されていない。古くから『害魚』の汚名を着せられてきたイトウはやはり絶滅してしまうのだろうか?釣り人としてロマンを求めこの地に通うことができるのもイトウがいてこそである。いつまでも原野に生きる王者であって欲しい。

-DATA-

場所:
北海道宗谷郡猿払村猿払 猿払川
交通:
本州からのアクセスは旭川空港か紋別空港を利用。旭川から国道40号で名寄方面へ。音威子府から国道275号で浜頓別へ。浜頓別から国道238号で宗谷方面へ。所要時間は約4時間。紋別からは、国道238号をオホーツク海沿いを北上。約2.5時間。
駐車場:
河川両岸に駐車場あり
トイレ:
猿払川河口から国道238号線を宗谷岬方面に2kmほど走るとトイレがある。さらに先に道の駅さるふつ公園がある。ここにはレストランや温泉、ホテルもある。(付近にはコンビニエンスストア等はないので、ここを利用すると良いだろう。)

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