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名栗川釣行記

Mar.03, 2001 春の里川、ヤマメ釣行

名栗川釣行記:イメージ1

5カ月ぶりの再訪に、奥武蔵の渓谷に潜むサケの末裔たちは応えてくれるだろうか。弥生3月。眠りから覚めた谷川が再び釣り人を受け入れはじめた。「釣れなくてもいいのだ。春の流れの辺に立ちさえすれば、釣り人はそれで至福なのだ」と春の里川、名栗川釣行を解禁直後の3月3日決行した。首都圏60キロメートルに位置する埼玉県名栗村は木材の村。古くは江戸時代、大火で焼失した江戸のまち再興のため、切り出した木材を筏に組んで下流、江戸まで搬送した。木々を押し流した「名栗川(入間川)」は、江戸のまちの西の方角からやってくる川ということで「西川」とも形容される。その西川を下ってくる材なので村のスギやヒノキの総称が「西川材」というわけだ。村域の約94%がそうした森林で占められている村だけあって、冷水を好むヤマメやイワナが生息する渓流は村内に幾筋も走る 。

名栗川釣行記:イメージ2

自宅がある飯能市から名栗村までは、車で約30分。東京から駆けつけた同行のTさんの到着を待って、入間川沿いを屈曲しながら伸びる県道飯能名栗線を西進する。車窓から見えるスギの植林山は今にも花粉が大量飛散しそうなほど全体が茶に変色し始めている。この時期、瀬にヤマメが遊びに姿を見せるくらいの気温上昇は大歓迎だが、スギ花粉の飛散はいささか閉口だ。

解禁当初の渓流釣りは低水温で魚の活性も低いため、温泉が流入している河川などを除いてエサ釣りに圧倒的に分があると分かっていても、心情としてここはやはり毛針で攻めたい。それゆえ、3.5メートルのテンカラ竿に全長6メートルのフロロカーボンライン(4.5号)をセットし、クリームボディの毛針を結んだ。Tさんは、フライアングラー。「虫が飛んでいないね」といいながら、フックサイズ20番という極小フライを選択。名栗川は川に沿うわずかな平地に民家が点在する典型的な里の川。本流にはこれといった悪場もないので、ウェーダーは股下までのヒップブーツで十分だ。身支度も終わり、水辺に降りる。

名栗川釣行記:イメージ3

この日の入渓ポイントは、民家風の味わいを醸し出している木造建物の名栗消防分署や歌人・若山牧水も逗留したラジウム鉱泉宿「大松閣」(下名栗917-1)への進入路などがある名栗川右岸道路の「島和田橋」袂。ここから、名栗川本流と支流有間川の合流点(川又地区)までの間約2キロメートルを探るのが、今日のプランだ。流れがコンクリートの橋脚にぶつかる手前、ちょっとした渕が広がり、膝下程度の瀬が上流に続く。日当たりの良い瀬の石周り、水面に張り出したアシの根元、土手のえぐれとポイントと思われる場所に毛針を流す。

名栗川釣行記:イメージ4

しばらく遡行すると、ラジウム鉱泉の軒下を流れる「湯基入」が右岸から注ぎ込み、頭上に埼玉県から有形文化財指定された大正13年建造の石積みのアーチ橋「名栗川橋」が現れる。「毛針釣りは時期尚早なのかも知れない」。一向に水面を乱さない毛針に私たちは見切りをつけ、一旦、車に戻ってルアーロッドに持ち替えことにした。私はシルバーカラーの3グラム、Tさんも細身のスプーンを選んだ。

名栗川釣行記:イメージ5

右に大きくカーブした後、再び直線となって名栗川は水源に突き進む。屈折点に形成された渕の底にウグイの群が影を写しているが、お目当ての魚信はない。左岸に名栗村郵便局を見る付近の流れは夏季、アユ釣り師が大勢立ち込むところだが同時にヤマメのポイントでもあるので、ひたすらルアーをキャストし続ける。郵便局から、今日の遡行の最終地点と設定した名栗川と有間川の出合いまでは好ポイントが連続する。県道側はコンクリート護岸で固められているが、川床の基部は長い間の水勢で浸食してえぐれ、格好の隠れ家を提供しているし、二分した流れの右岸側の両岸にはアシが繁茂し、おそらくその根本にはヤマメが潜んでいるに違いなかった。確信が現実のものになるのに、そう時間はかからなかった。Tさんが対岸にキャストしたルアーが下流に流され、扇状にトレースを開始しようとした途端、「おっ」と声をあげ、リールを巻き取ると、幼い顔つきのヤマメが水面から顔を出した。記念すべき初物は水面から上げぬよう注意してカメラに納め、再放流。その後、私たちは快調に釣り上がり、正午までの間に幾匹かをリリースした。魚体はどれもパーマークの乱れがなく、ヒレが張って美しかった。流域にサクラが開花する4月になれば魚体は銀白色に磨かれ、毛針釣りも盛期に入るだろう。

名栗川釣行記:イメージ6

名栗川は埼玉県立奥武蔵自然公園内を流下する県を代表する清流の一つだが、渓流釣りの有名河川が数多く存在する秩父の前衛に位置すること、さらにこれに魚影の薄さが手伝って、ほとんどの釣り人は例外なく秩父をめざす。が、首都60キロ圏の河川には希有なイワナも、この小渓の源流には今もなお潜んでいる。釣り人たちの記憶の中から名栗川が消え去って久しいが、大ヤマメが釣れる関東でも屈指の銘渓と、もてはやされたかつての名栗川とその支流の有間川の復活を、私は心から願っている。

-DATA-

名前:
埼玉県 入間郡 名栗村 名栗川
交通:
関越自動車道「鶴ヶ島JCT」~圏央道「日高狭山IC」から飯能方面へ向かい、県道70号線(飯能名栗線)。飯能から約30分。
駐車場:
村道や林道沿いのスペースに停めることができるが、待避場を兼ねていることもあるので注意しよう。
トイレ:
名栗湖畔、入間川と有間川合流点付近、村役場付近にあり。
放流:
入間漁協は今年5月にヤマメの稚魚約15000尾を放流予定
入漁料:
店売1260円、現場1890円。下名栗の岡田屋か名栗湖畔の村営直売所で購入できる。
温泉:
名栗湖下に村営温泉「さわらびの湯」。入館料は大人800円。水曜定休。

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