東北の小京都と言えば、秋田県角館町。風情有る家並みが今でも残っている。その角館町を縦断しているのが桧木内川である。春には、数キロにも及ぶ土手沿いの桜並木はこれまた有名。その素晴らしいフィールドで山女魚が釣れるのだ。それも、街中の本流で大きな山女魚がヒットするなんて驚きである。今回は、もう少し上流の美形山女魚をフライで狙うことにする。
東北自動車道北上JCから、秋田道に進路を変えて大曲ICまでナイトドライブ。R105を経由して、ロマン溢れる角館町を目指した。ICから、約1時間30分程で角館を通過(午前2:00)して西木村に向う。この街道沿いには、桧木内川を縫うように秋田内陸縦貫鉄道が走っている。入渓ポイント近くの松葉地区で、3時間ほど仮眠を取る事にした(車中泊)。午前7:15分に起床。ちょっと寝過ごしてしまったが、慌てる事はない。渓流のフライフィッシングは、早朝よりも日が昇ってからの方がいいのだ。寝ぼけ眼の言い訳はこの位にして、釣り支度を整えて早速入渓した。この周辺は、水量があり流れもキツイので落ち込みだけのポイントを狙い撃ち。昨年も此処で尺山女魚をゲットしたのだ。通い慣れた渓流だったので、自身満々でファーストキャストをシュートした。
私のFFタックルは、7F#3番セブンスリーロッドに9F5Xリーダーをセット。今回は、ウルフパターンフライとエルクカディスタイプをメインにして持参していた。この渓流は、道路沿いを流れているので陸生昆虫が多いからだ。中里地区の国道橋から入渓して、1時間程で鉄橋下のポイントに到着。ここまでに5匹の山女魚をヒットさせていたが、20cmクラスばかり、まだまだ満足はしていない。ここに来る目的のひとつが目の前にある。橋桁の周辺には大岩の深みがあり、そこから数ヶ所の落ち込みが連続しているからだ。少し遠目から慎重にフライをキャスト。ラインドラグが掛からないように、小刻みにラインメンディングする。オープンフィールド(周りが開けている所)の場合、できるだけポイントには近づかない方がいい。ポイントが連結していると、場荒れが直ぐに広がってしまうからだ。一つ目のポイントは、無反応。そして次のポイントでは、ファーストキャスト一発でストライクした。その感触から、良型の山女魚と感じた。ハンドツイストしていたラインを、一旦リールに巻き直してからランディングネットを取り出した。キャッチしたのは、28cmの幅広山女魚だった。
渓流魚のポイントは、慣れてくると渓相を見ただけで何処に着いているのかがよく分かる。天候はもちろん、水量や時間帯によっても変わる。これらを早く見つける方法は、自分が渓魚となったつもりで考えればいいのだ。楽してエサが転がり込んでくる場所こそが、ベストポイントである。山女魚はイワナに比べて太陽が大好きだ。もっとも、危険を感じたらすかさず逃げ込める場所も必要である。桧木内川の上流部には、水深50cm以上の葦際の平瀬がたくさん存在する。上桧木内地区からは、流れは狭くなるが魚影はかなり濃い。CDCソフトハックルフライに、次々とアタックしてきた。午後に入ると、羽化したばかりのカゲロウが流れに逆らいながらハッチしていた。ティペットは、相変わらず5Xを使用していたが全く問題が無い。しかし、未だ尺上の山女魚はヒットしていなかった。午後5時30分頃、ヤツは意外な場所で待っていた。それは、村人が洗い物をする小さな貯まり。私はボサを避けながら歩きざまにフライをキャストした。着水した一瞬、大きなライズが発生。しかし時既に遅く、空しくもフライだけが戻ってきた。長時間渓流釣りをしていると、こんな時が有るのだ。不用意にキャストしたフライに、トンでもないビッグサイズがお出ましになるのだから。
山女魚に思いを残しながら桧木内川を後にして、角館に一泊。早朝、迷路のような小路地を一人歩いて歴史ロマンを満喫した。7月になれば本流筋ではアユ釣りのシーズンとなる。ここのアユは天然遡上が売り物。型は小さいが、味は抜群だ。是非、「みちのく小京都」角館町に足を運んでほしい。
-DATA-
| 場 所: | 秋田県仙北郡西木村 |
| 交 通: | 東北自動車道北上JCから秋田自動車道に入り、大曲IC〜R105を経由して角館まで約1時間半 |
| 駐車場: | 河川空き地 |
| トイレ: | 無し |
備 考: | 北仙川漁協(0187-55-4877) |
参考HP: | ヨシ爺とアンディー日記。 |