芳ヶ平キャンプ場
Aug.25, 2001 リンドウの花に囲まれて

今年の夏は全くおかしな天気だ。7月は猛暑、40℃などと沖縄の人からさえ同情される始末。それが8月に入った途端に曇りがちの日が続き、せっかくの週末は雨ばかり。さぁ、どこへ行こうかという気になる時がなかった。満を持した最終週、予報では土曜日だけは晴れるとのこと。以前から気になっていたが機会のなかった芳ヶ平のキャンプ場へ出かけた。

アプローチは草津町志賀草津道路の白根火山センター。他にも芳ヶ平へは同町天狗山スキー場下からや六合村鋼管休暇村があるが、ここからが一番近い。駐車場は火山センターにある。有料410円。少し遠くなるが白根火山ロープウェイ山頂駅に置けば無料、弓池や蓬ノ峰経由で行ってもそれほど時間はかからない。プラス30分というところだろう。

午後3時過ぎ、白根火山センターは白根山湯釜へ行く人たちで賑わっていた。しかし芳ヶ平へ向かう人はもういない。駐車場から緩い登山道を下り出す。しばらく行くと道は広いダートと合流する。芳ヶ平ヒュッテに荷揚(下って行くから荷下げだろうか?)や地震観測の車両が通行する。ここを左に曲がりさらに下って行く。文章で書くとなにやら注意が必要のようだが、まず間違えることはないと思う。小さな沢を渡るといよいよ道は荒涼の世界といったふうである。道は白根山から落ちる木々のひとつも生えぬ斜面を横切ってガスの中に延びていた。ルートをはずさないように柵やポールが設えてあり、何故かそれがいっそう荒涼感を高める。ところどころには「亜硫酸ガス、危険!」の看板も立ち、すぐそこで蒸気が上がり硫黄臭もする。およそ1.5kmほどで急下降となりそこで初めて芳ヶ平が見えてくる。今までとうって変わって深い緑の中にある。池塘も点在し、穏やかで豊かな風景である。所要時間およそ1時間、2.8km。

早速芳ヶ平ヒュッテでキャンプの受付を済ます。ノートを見ると一週間前に1グループあっただけで今日のキャンプは私一人だけのこと。日本全国アウトドアーブーム、キャンプブームで場所によっては半年前から予約が必要とか聞く。それに比べるとここは天国のようだ。高台の端の草地のキャンプ場、遠く南に視界が開け振り返るとガスを上げた荒々しい白根山。去年上田正樹さんのコンサートでステージになった辺りにテントを張った。緑の中に紫色のオヤマリンドウがもうすっかり秋の気配を感じさせてくれた。

池塘を巡る遊歩道がある。ヒュッテの新藤さんから教えていただいたが、でもあれだけ来ているのに何故それも知らないのかと不思議がられた。そう、私は冬は頻繁に他の季節も沢登りやマウンテンバイクで何度か訪れているが、これだけのんびりできるのは初めてなのだ。ヒュッテから渋峠へ向かう登山道をほんの少し行くと湿原遊歩道がある。暮れかけたそこは誰もいない世界だった。小さな池塘にカルガモの親子が泳いでいた。正面の池ノ塔からの尾根は冬期のゲレンデになるが今は深い樹林に覆われていた。ヤブをかき分けるような木道は周回コースになっていて、早朝や夕方の散歩コースとしてはお勧めである。所要時間およそ20 分。

翌日、早朝は晴れていたが次第に雲が集まってきた。特別急ぐわけでもないのでビールを飲みのんびりと楽器を弾いて過ごした。登山者はそれなりにやって来ているが、それはテレビなどで紹介され芳ヶ平も有名になったせいだろう。言葉も全国各地のものが聞こえてくる。
テントを撤収する頃とうとう雨が降り出してきた。霧雨のように細かい雨粒がすべてを濡らした。とても止みそうもない。しかし車まで小一時間、久々にすばらしい景色に出会えたのだから文句など言えようはずがない。ヒュッテでお茶を出され長々と引き留められ、出発したのは午後4時になっていた。車に着く頃は観光客の姿はほとんど無かった。
-DATA-
- 場所:
- 群馬県吾妻郡六合村芳ヶ平
- 交通:
- JR長野原草津温泉口駅よりバスで草津温泉へ、さらに乗り換えて白根火山センター下車
- 駐車場:
- 白根火山センター 有料410円
- トイレ:
- 白根火山センター、芳ヶ平にあり 芳ヶ平は募金制
- 芳ヶ平ヒュッテ:
- 通年営業 一泊7500円(牛乳1L持参で500円割引)
- キャンプ場:
- 一人400円(届け出・芳ヶ平ヒュッテ)
- バリエーション:
- 1.白根火山センター~芳ヶ平~(徒歩1時間半)~渋峠~(バス利用)~白根火山センターの周回コース
2.白根火山センター~芳ヶ平~(徒歩2時間半)~天狗山ゲレンデ~(リフト、ロープウェイorバス)~白根火山センターの周回コース - 温泉:
- 草津町に多数あり
- 参考:
- 昭文社 エアリアルマップ 山と高原地図13「志賀高原・草津」
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