米原キャンプ場
Dec.05-13, 2000 螢が舞う南の島のキャンプ場

今回のバイクによる日本一周の旅では、日本の端っこ4カ所(東西南北)を制することがひとつの目標だった。まず始めに日本最北端の「宗谷岬」、その18日後に最東端の「納沙布岬」を制覇。それから旅を続けること4ヶ月、ようやく最南端「波照間島」と最西端「与那国島」の入口となる石垣島が見えてきた。「ついにここまで来たのか…長かったなぁ」感慨に浸る。沖縄本島の那覇を出港してから14時間の船旅、上陸した石垣島は12月とは思えない温かさで僕を迎えてくれた。真夏の北海道では雨に震えていたというのに、冬の沖縄はTシャツで過ごせる…、日本の大きさを肌で感じる瞬間だった。

港に降り立った僕は米原キャンプ場へまっしぐら。このキャンプ場は北の鳥沼(北海道)南の米原と呼ばれるくらい、バイクや自転車で日本一周をしている旅人には有名なキャンプ場で、17年前にその存在を知ってから「いつかは行ってみたい」と思い続けていた場所だった。そんなわけで米原が近づくと、まるでこれから憧れの人に会う少女のように胸がときめいた。米原キャンプ場はフェリーの着いた市街地とは島の反対の北海岸。南国のムード漂う島を一気に縦断してキャンプ場の入口にたどり着いた。

「ここかぁ…」何ともいえない感動が込み上げてくる。簡素なキャンプ場を勝手に想像していたが、実際に来てみるととても広く設備も整っていた。海岸に沿ってテントサイトが細長く延びており、適当なサイトを探しながらゆっくりとタイヤを転がす。するといくつか並んでいるテントから見覚えのある顔がひょっこり飛び出してきた。「どうしてこんなところに!?」驚いたことに北海道の宿で話をしたH君がいるではないか。何という偶然、こんなこともあるんだなぁ…。僕たちは約半年振りの再会を喜んだ。だが驚くのは早かった。何と、東北や信州で会ったライダーまでいるではないか。驚きを通り越して笑いが止まらなかった。みんなの近くにテントを張り、しばらく一緒に過ごすことにする。

テント設営を済ませると早速キャンプ場と周辺の散策へ出かけた。このキャンプ場は緑豊かな樹木に囲まれているため、日陰が多くとても涼しい。テントから僅か 100歩ほど歩くとそこは青い珊瑚礁の海が広がっている。もう最高。これは何にも代えられない魅力だ。このキャンプ場なら沖縄らしい大自然がたっぷり楽しめそうだ。海を見た途端に入りたくてたまらなくなり、ショートパンツに着替え海に飛び込んだ。膝上ほどの浅瀬を気持ちよく歩いていると、僕の足元を青い魚がスルスルと通り抜けていった。「えっ、熱帯魚?」。改めて海中を覗くと青く輝く宝石のような熱帯魚が泳ぎ回っているではないか。「すごい、すごい、すご過ぎる…」言葉が出ないほど感動した。
だが圧巻だったのはその夜。仲間達の輪を離れてテントへ向かっていると周りでザワザワと何かが動いた。暗くてよくわからないが、恐らく風で枯れ葉が動いているのだろう。そう思いながら何気なくライトをつけた瞬間、腰が抜けた。何と無数のヤドカリが辺り一面をガサガサと歩き回っているではないか!! それも直径5cmもある貝を背負った巨大なヤドカリが何十匹も…こんな光景初めてだ…。あ~あビックリした。さらに別の夜には宴たけなわの僕たちの元へ、フワフワと一匹の蛍が舞い込んできた。その光は線香花火のように儚く、瞬きをすると消えてしまいそうな美しさだった。
これほど感動的なキャンプ場に今まで出会ったことがない。17年間憧れの地だったこと、旅人と偶然の再会したこと、そして言葉を失うほどの大自然。これまで100カ所以上のキャンプ場に泊まったが、文句なしに一番のキャンプ場だった。是非みなさんも一度米原キャンプ場を訪れてこの感激を味わって欲しい。一生の思い出になることを保証する。
-DATA-
- 場所:
- 沖縄県石垣市字桴海446-1
- 料金:
- 1名1日250円
- オープン:
- 4月1日~12月28日
- 設備:
- 炊事場、トイレ、水シャワー、コインランドリー、自動販売機
- 問い合わせ:
- 石垣市観光課
電話09808-2-9911(代)
電話09808-2-1535(直)
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